War Commander’s 異世界傭兵戦記 作:ウルヴァリン
フレイアからの話を聞いてから2日後、俺とルシャナは雪が降り注ぐ中を馬で移動していた。あれから俺とルシャナはフレイアの依頼を引き受けることにし、急ぎの依頼ということもあったので移動に必要な道具は組合から貸し与えられ、食料も干し肉や野菜なども4日分を支給された。
すぐに俺達も冬装備を整える。
俺も装備をアメリカ軍の冬季装備品であるECWCS Lv7を選んでニット帽にESSジャンプマスターゴーグル、ECWCEのマルチカラーと同じマルチカラーのフェイスマスク。
装具もメイフラワーのチェストリグを選択してホルスターも定番だがブラックホークCQCホルスター。バックパックもAMP24を選んで中に着替えや医薬品、ピッケル、ロープなどの登山装備を追加。
メインアームはHK416A5のハンドガードをM-LOKガイズリーハンドガードに変更してハンドガード下部にMAGPUL アンクルドフォアグリップ、銃口にはAAC M4-2000タイプサプレッサー。照準器にはEO TECH EXPS3+G45 MAGNIFIERを装着。近距離と中距離の両方に対応できるようにカスタマイズしている。
サイドアームは45口径のM45A1 CQBPにして腰にはグルカナイフを追加し、通過することになる廃坑という閉鎖空間での戦闘に対応できるようにした。
少し無理をして向かったので少し早く第1目的地である廃坑がある集落に到着。集落の衛兵に身分証を提示して村で1つだけの宿屋前に辿り着いた。
「うううう・・・やっぱり寒いな」
「ご主人様、中にお入りください」
「そうするよ・・・・・・」
馬を馬小屋で預けてもらい、宿屋に入った。石畳の床に中央で暖かく燃える暖炉。その周囲には先に到着していたであろう宿泊者が食事をしていて、奥には受付があった。
「いらっしゃい、さぁ入って」
「一晩宿泊をお願いしたいんですが・・・」
「うちは一泊銅貨7枚だよ」
「2人分お願いします」
そういわれて銅貨14枚を取り出し、店の女性に手渡した。
「じゃあ部屋は右の2人部屋を使ってね。夕食とかはどうする?」
「何がありますか?」
「アール・ズッペで銅貨6枚、ヴルストの盛り合わせで銅貨10枚、ブラッドカルトフェルンで11枚、シュニッツェルで20枚だよ。どれもアイントプフと黒パンが付くよ」
「ルシャナ、何が食べたい?」
「ご主人様から先にお決めください。私はなんでも結構です」
「そうだな・・・・・・女将さん。料金はそのままでアイントプフと黒パンでも2人前でいいから主食を1つずつもらってもいいですか?」
「そりゃ豪快だね。だったらワインもつけてあげるよ。ちょっと時間がかかるから出来上がったら部屋にもっていってあげるよ」
「すみません、お願いします」
夕食を頼むと借りれた部屋に入る。そこにはベッドが2つに少し大きめの修理の痕跡がある机と椅子、小さな暖炉だけというシンプルな内装だ。宿泊するだけの部屋だからそれだけで十分だ。荷物を置いてゴアテックスジャケットを脱いでベッドに置くと椅子に座る。
「やっぱり部屋の中だと暖かいな」
「はい。暖炉で部屋の中が暖められて過ごしやすいです」
「じゃあ夕食がくるまで廃坑に入る計画を練るか」
「そうですね」
そういいながら机にフレイアから預かった廃坑の地図を広げる。廃坑そのものは通常街道の山2つを橋を挟んで彫られており、かなりの長さがあるようだ。
「地図によると廃坑は2つの掘削場でできてるね。その中央を橋が掛けられてて、順調に進めれば1日で突破できるだろうな」
「はい。フレイアさんからの話によれば魔物は主に2つ目の掘削場に現れるようです」
「通路そのものは線路に沿って進めば迷うことはないようだけど、それも崩落がなかったらの話だね。そういえばここの廃坑って何が採掘されたの?」
「私も触り程度しか学んでいませんが、なんでも昔は高純度の魔結晶が採掘されたようです。ですが今の王都が完成したとほぼ同時期に枯渇して閉鎖されたと聞かされています」
「魔結晶?」
「魔結晶は長い年月で魔力が結晶化した鉱物です。かつては生活の必需品として重宝されていましたが、今は魔石が安定していますから廃れたとされてます」
魔石は何度か見たことがある。この世界では生活するには欠かせない必需品の一つで、特に人間は他種族と比較しても魔力の数値が低い。だから魔石でそれを補っているという側面がある。
「廃坑の魔物は・・・・・・夜行性や暗闇での活動に特化した種類が大半だろうな」
「ですがフレイアさんが言ってた吸血鬼が気になりますね」
「吸血鬼も魔物?」
「いえ、吸血鬼には純血種と亜種がいますが、純血種は希少種で閉鎖的な民族性ですけど基本的には襲ってこない大人しい種族なんです」
「もう一つの亜種というのは?」
「亜種はドラクラベラ病という病に罹って吸血鬼に変異した個体で、特定の種族を指さないんです。ですが共通点として非常に攻撃的で狡猾、他の種族を襲ってドラクラベラ病を蔓延させて仲間を増やしていくんです」
「なるほど・・・そういう奴なら廃坑や洞窟を根城にしてもおかしくはないな」
かなり危険な種族のようだ。だがそれはやはり性格が関係しているようで、社交性がある個体ならばコミュニケーションが可能のようだ。
そういった話をしていると扉が開けられ、先ほどの女将が料理を持って入ってきた。
「お待ちどう様、夕飯を持ってきたよ」
「ありがとうございます。ルシャナ、続きは夕食を食べた後にしよう」
「分かりました。地図は片付けますね」
そういってルシャナは広げていた地図を仕舞い、女将が持ってきてくれた料理を食べることにした。持ってきてくれた料理はどれも素朴だが優しい味わいとなっていて、明日の廃坑通過に備えるだろう。食事を終えて再び簡単な話し合いをしたら明かりを消して寝ることにした・・・・・・・・・・・・。