War Commander’s 異世界傭兵戦記   作:ウルヴァリン

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37:帰路へ

依頼を完了させてから王都にて観光を楽しむ。買い物に食事などを存分に楽しみ、3日間の滞在はあっという間に終わった。武器屋でお願いしていた刻印された武器を引き取り、ルシャナはそれを大事そうに確認した。

 

鋼鉄のロングソードにはTÄGELICHKEIT(武勇), MUT(勇気), VERTEIDIGUNG(守護), EHRLICHKEIT(高潔さ), TREUE(忠誠心), NÄCHSTENLIEBE(寛大さ), GLAUBE(信念), HÖFLICHKEIT(礼節)という騎士道における8つの徳目が彫られ、銀のロングソードにはDu sollst alle Befleckungen reinigen.(汝、全ての穢れを浄化せよ)という聖職者の言葉を彫っている。

 

借り受けた荷馬車に購入したみんなへのお土産と道中の食糧を積載し、ハーヴィットへ帰る準備を整えた。帰る前にエドガーと殿下に挨拶しにいき、エドガーから手間賃と統合組合の支部長宛ての手紙を預かる。殿下に挨拶に向かうが、殿下は城に行ってて会えなかった。仕方がないのでバーテンダーにまた来ると伝言を頼んだ。

 

そのバーテンダーからも餞別で火酒をボトル1本くれて、道中の休息の際に身体を温めろといってくれた。

 

本当にいい人たちばかりだった。挨拶を終えて俺達はヴェルダリアを後にした。

 

 

「楽しかったな」

 

「はい。私も思いっきり羽を伸ばせて本当に楽しかったです」

 

 

荷馬車の操作をルシャナに任せ、俺は荷台で416を構えながら周辺を警戒する。王都を出発する際に衛兵長が見送ってくれて、王都からハーヴィットへ向かう道中には盗賊が出現する可能性があるらしい。

 

その道中で指名手配になっている盗賊を討伐したり捕まえたらハーヴィットにて懸賞金が支払われる。だが護送手段がない場合、首を切り落として何らかの手段で保管しておけば大丈夫らしい。

 

 

 

「ご主人様、今回の報酬はあとどのくらい残ってますか?」

 

「そうだな・・・あと110枚くらい残ってるけどどうしたの?」

 

「提案したいのですが、もしご主人様が良かったら新しい奴隷と活動拠点の家を購入するのはいかがでしょうか?」

 

「新しい奴隷と住居を?」

 

「はい。シャムさんの宿に住み続けるには今後の冒険者としての必要なものも増えていきますから、借りている部屋よりも住居を用意しておけば、部屋の一角を物資の保管庫にするなり武器庫にするなり自由にできます」

 

「奴隷のほうは?」

 

「ご主人様は後衛の援護役で私は前衛。出来るなら斥候か盾役がいればより多くの戦術をとることができます」

 

「確かに・・・イズと戦った時に前衛のルシャナに攻撃が集中したからな・・・」

 

 

 

イズとの戦いでは俺よりルシャナに攻撃が集中し、後衛より前衛に攻撃が集中するのはそうだが、やはりルシャナ1人にすべてを負担させるというのは問題だ。そう考えたらもう一人だけ奴隷を購入するのはありかもしれない。

購入を決めるにしても家を用意しなければならないなど問題はあるが、ひとまずはハーヴィットで考えておいたほうがいいだろう。そんなことを考えているとルシャナは馬を止めた。

 

 

 

「・・・ご主人様」

 

「あぁ・・・囲まれてるな」

 

 

 

416に初弾を装填して構える。ルシャナもロングソードを背中から抜き取り、荷馬車を降りる。それと同時に荷馬車の周囲から複数の武装したガラの悪い連中が姿を見せた。

 

 

 

「動くな!!死にたくなかったら身ぐるみ全部おいてけ!!」

 

 

 

リーダーらしき男がそういうと周辺に現れた連中は剣や槍を構え、弓の鏃をこちらに向ける。

 

 

「前方に5名、後方に7名だ」

 

「ご主人様、どうしますか?」

 

「弓は2名で後方にいる。こいつを仕留めたらルシャナは前方を任せる。俺は後方の奴等を片付けるけど頭目の首は刎ね飛ばして」

 

「承知しました」

 

「おい、男は殺して女は生かしておけ。奴隷として高く売りつけ・・・」

 

 

 

襲った相手が悪かった。俺は少し離れた場所で隠れながら弓を構えている賊に素早く照準を合わせて頭を撃ち抜く。瞬時にもう一人の賊に5.56mm弾をお見舞いし、遠距離からの攻撃を完全に封じ込めた。

 

それを合図にルシャナがリーダーの男に飛び掛かり、すれ違いざまに首を刎ね飛ばした。それから回転して勢いのまま次の賊の体を斜めに斬り落とし、3人目の腹に突き刺すと上に力を込めて上半身だけ一刀両断にする。

俺も弓を排除してから素早く一番近くの奴の頭に銃弾をぶち込み、その隣にいた奴にも銃弾を撃ち込む。後方右側を制圧すると次は左側に振り返り、セミオートで次々と倒していく。20秒ほどで左側にいた賊も制圧し、新しいP-MAGに交換して前方を確認するとルシャナの方も終わっていた。

 

 

 

「ルシャナ、そっちは終わった?」

 

「はい。丁度いい試し斬りになりました」

 

「それはよかった。それで斬り加減はどうだった?」

 

「あの武器屋はかなりいい腕をした鍛冶師と取引してるようです。斬れ味はとても素晴らしいです」

 

「それはよかった。じゃあ、頭目の首を回収して移動しよう」

 

「分かりました」

 

 

 

そういうとルシャナは頭目の首を回収して賊の携行していた袋に雪と一緒に詰め込んで一時的に冷凍保存する。処置すると袋は荷馬車に縛り付けて、倒した賊の死体は全て一か所に固めて置いてAN-M14 特殊焼夷手榴弾を取り出して投げ込み、そのまま焼却処分としておく。

それからすぐ移動を再開させ、帰りは廃坑は使わず時間をかけて正規の街道を使ってハーヴィットへ向かう。

 

途中で野営を何度か繰り返し、ヴェルダリアを出発して1週間後にハーヴィットに到着した・・・・・・・・・・・・。

 

 

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