War Commander’s 異世界傭兵戦記   作:ウルヴァリン

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38:依頼完遂からのお説教

 

ヴェルダリアから7日間でハーヴィットに帰ってきた。アレクセイが最初に出迎えてくれて、土産である火酒を渡してからハーヴィットへ入城。猫の寄道亭で荷物を部屋に置いて、シャムさんとミケちゃんにお土産を渡した。ルシャナもミケちゃんにお土産を買っていたので上げると、ミケちゃんからお姉ちゃんと呼んでもらえたのでかなり喜んでいた。

 

そして依頼完遂証明書と組合長宛ての手紙を持って組合に向かうが、それから大変だった。

 

依頼完遂証明書を提出して今回の依頼はこれで終了となるが、殿下からの手紙とエドガーからの手紙をそれぞれ提出すると殿下のサインを見てミィが毛を逆立てて驚いてしまった。

 

 

 

「こ・・・今度は何をしたニャー!?」

 

 

 

ミィは直感でまた俺達が何かをしたと悟って俺に問い詰めてきた。確かにジャンヌ殿下からの手紙が来たとなったら誰でも驚くのは間違いない。

 

手紙を渡して暫くしたら組合長に呼ばれたので俺とルシャナはすぐ組合長室へと向かった。

 

 

 

「失礼します。桜崎 照史およびルシャナ、出頭しました」

 

「いいわよ。中に入って」

 

「失礼します」

 

 

入室許可が出たので中に入ると書類作業を中断したのであろう女性がデスクに座っていた。顔は幼さが残る童顔で灰色のサイドテール。細目で身長は俺くらいなのだがシルヴィやラウラ達以上に胸が大きく、全体的に主婦という印象が強そうな女性だ。

デスクの前に立つと女性は俺達を見ながら話し始めた。

 

 

「こうして直接話すのは初めてね。私がこの組合で組合長をしているエノラよ」

 

「お世話になっております。黒鉄級冒険者の桜崎 照史です」

 

「ルシャナです。桜崎様の従者をしています」

 

「あなた達のことは聞いているわ。この組合ではかなりの有名人ですものね」

 

 

そういいながらエノラさんは俺達が届けた手紙を机に置く。

 

 

「それで下でミィちゃんからかなり怒られたようね?」

 

「・・・分かりますか?」

 

「そりゃ分かるわよ。だって顔にそれだけデカデカと肉球の痕を付けられたらね」

 

 

確かにしたで事情の説明を求めて来たミィに廃坑で亜種に変異したイズを倒したと話した。それで無茶を通り越して馬鹿と言いながらミィは必殺猫パンチを俺とルシャナの頭頂部に食らわせてきた。

 

 

「まぁあいさつ程度の冗談はこれくらいにして、あなたはこの手紙に何が書かれているか知っている?」

 

「いえ・・・」

 

「あなた、トートベリー廃坑でイズと対峙して倒したって書いてあるわよ?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「その沈黙は手紙の内容が事実だと認めてるようなものよ?」

 

「・・・不可抗力で交戦したんですが・・・」

 

「それだったら引き返して通報するなり高等級冒険者を連れてきて討伐してもらうって手段もあったわよね?」

 

「面目次第もありません・・・・・・」

 

 

エノラさんは細目で笑みを浮かべているが、その瞼の先にある眼が笑っていないということはすぐに分かる。確かに緊急事態とはいえ黒鉄等級冒険者と白磁等級冒険者の2人が格上の中の格上である魔物と交戦するなんで言語道断だし、本来の対処としては逃げるかやり過ごすのが1番だ。

 

 

「はぁ・・・いい?冒険者は確かに冒険をするのが本懐だけど、それは命があってこその話よ?それは理解してるかしら?」

 

「は・・・はい・・・・・・」

 

「依頼達成率10割だけど自分を軽視する傾向があるっていう報告が上がってたあなたに仲間を付けた状態で昇級をさせたいっていう申し出をしてきたのはシルヴィちゃんとラウラちゃん達なのよ?そんなあなたが死んだらあの子達の願いを踏みにじることになってたのよ?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「あなたはもう少し自分を大事にしなさい。依頼を依頼主が満足になる結果を出すのは大事だけど、あなたが死んだら困っている人たちがさらに増える」

 

 

そういいながらエノラさんは椅子から立ち上がり、俺の手を取ってこちらをじっと見る。

 

 

「あなたを慕っている人達はたくさんいる。それを忘れたら駄目よ。いいわね?」

 

「・・・・・・承知しました」

 

「よろしい。お説教は終わりよ。殿下からの手紙ではイズを討伐した功績は残せないけど、あなた達には殿下からの依頼を無条件で引き受ける権利が与えられ、さらなる高みを目指すことができるわ。けど絶対に無茶はしないことよ。行っていいわ」

 

 

そういわれて俺達は組合長室を後にした。ここまで俺を慕ってくれていることが分かってちょっと嬉しく感じ、期待に応えなければと思ってしまう。そう考えながら俺達は組合を後にした・・・・・・・・・・・・。

 

 

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