War Commander’s 異世界傭兵戦記   作:ウルヴァリン

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41:オークの戦士

影区画にて違法売買をしていた商人からオークの女性を購入。すぐ俺達はすぐに影区画から移動して組合に向かう。だがいくら寒さに強いオークでもボロボロの薄着ではさすがに問題ありだと考え、ひとまずは服屋でオークの彼女でも着れる服を簡単に購入し、ある程度の見た目は整えて組合に向かった。

 

 

「あっ♪照史様♪」

 

「やあシルヴィ。依頼帰り?」

 

「はい♪ん?・・・その人は?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「さっき保護した奴隷だ。すぐに手続きをして組合の入浴場を借りようと思ってね」

 

 

シルヴィと話をしたいところだが、ひとまず優先は彼女だ。受付カウンターにいたミィに事情を説明し、本来は夜勤勤務職員用の設備だが、今回は事情が事情なので特別に使わせてもらえることになった。彼女を綺麗にするのをルシャナに任せ、俺はシルヴィ、ミィ、そしてたまたま来ていたフレイアを交えて食堂で話をしていた。

 

 

「照史、あのオークはどうしたの?」

 

「あぁ。ルシャナの負担を軽くさせたかったから2人目の奴隷を迎え入れることになってな。フランツ商会に行ったんだがアメリアさんが留守でな」

 

「そういえば港町に奴隷を仕入れに行ってくるっていってました」

 

「それで仕方がないから勉強も兼ねて影区画に行ってきたんだ」

 

「影区画!?それはまた危険な場所に行ったわね!?」

 

「そこで彼女を見つけたんだ。危害を加えられようとしていたから止めて彼女を購入したって訳だ」

 

 

3人にこれまでの経緯を話す。話を聞いたミィは少し険しそうな表情をしながら俺に話し始める。

 

 

「それじゃあ照史さんはあの人を照史さんの奴隷として登録したいということですか?」

 

「あぁ。出来るか?」

 

「必要書類はありますので奴隷登録そのものはどこの奴隷商でも出来ます。いくらかの手数料は必要ですが・・・」

 

「そうなのか・・・」

 

「ただ・・・あの人を冒険者として登録するのは難しいかもしれないです」

 

 

ミィが言いにくそうに話し出す。これは俺も予想していたことだ。冒険者に登録するにはしっかりとした身分があるか、もしくは俺とルシャナのように試験を受ければなれるが、それは犯罪履歴が一定以下であるということだ。

喧嘩による障害や事故による障害なら犯罪歴としては微弱で審査には支障はない。だが彼女の場合は書類によると貴族の屋敷に盗みに入り、それが見つかってしまって犯罪履歴がついてしまったようだ。

単なる窃盗ならまだ大丈夫だった。

 

だが貴族となってしまったら通常の窃盗よりも重罪で、通常の窃盗が半年間の社会貢献であるのに対して、貴族の場合は重罪になることも多く、それで彼女も犯罪奴隷に落とされたとある。

 

つまり犯罪奴隷であるか否かというのが今回のネックだ。しかも名前の欄にも彼女の名前が書かれておらず、名無し扱いという状態だ。

 

 

「やっぱり犯罪奴隷だと難しいか・・・」

 

「犯罪奴隷全部がなれないってことはないけど、あの人の場合は資料によると貴族の屋敷に忍び込む犯罪もしてるから・・・」

 

「えぇ~、でもあの人って悪い人には見えないけど・・・」

 

「まぁ、シルヴィの人を見る目って案外頼りになるけど、それでもねぇ・・・」

 

「俺としてはぜひ彼女には重装戦士として盾役か前衛をやってもらいたい。その方がルシャナの負担も軽くなるし、戦術の幅も広がるしな」

 

「一応は期限が過ぎれば犯罪履歴が消えるけど、貴族の屋敷に忍び込むとなったら30年くらい経たないと消えないわ」

 

 

30年という長さは流石に問題だ。そう話しているとルシャナがオークの女性を連れて戻ってきた。オークの女性は薄汚れていた肌が綺麗になり、緑色の肌が潤ってきめ細かい。赤髪もサラサラしていて傷は目立つが美人であるということは誰の目から見てもわかる。

 

 

「ご主人様、洗い終えました」

 

「ありがとうルシャナ。それで・・・君の名前を教えてくれないか?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・警戒してますね」

 

「仕方ないわよ。話を聞いてただけだけど、どう考えても不当な扱いを受けてたんだから警戒をしても仕方がないわ」

 

「大丈夫だよ?照史様って少し変な人だけどとっても優しい人だよ?」

 

「シルヴィアさ~ん。どういう意味かなそれは~?」

 

「ひふぁいひふぁい!?ほへんなはい!?ほーはんへふ!?(痛い痛い!?ごめんなさい!?冗談です!?」

 

 

どさくさ紛れに冗談をぶっこんできたシルヴィのもち肌の頬を両側から引っ張る。びよーんと伸びる柔らかい頬でなんだか癖になりそうだ。一通り楽しんだら可愛らしい空腹の音が聞こえ、聞こえた方角を見るとオークの女性からだ。彼女はその音に顔を少し赤く染め、うつむいてしまう。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

「はははっ。あんな奴のところにいたんだから間違いなく空腹だよね。だったらまずは腹を満たすことを最優先としようか。ミィ、すまないけど出来るものを注文するよ」

 

「分かりました。ちょっと出来るものを聞いてきますね」

 

「うぅ~・・・照史様にいじめられたぁ・・・」

 

「変な冗談を言うからよ」

 

 

ミィに頼んで食堂の調理場に料理を作ってもらうことにした。立ったままの女性とルシャナに腰かけるように指示し、ルシャナは椅子に座るが彼女は立ったままだ。

 

 

「どうしたの?主を前に座ってはいけないっていうなら気にしないでいいよ。俺は奴隷とか主従関係とかあまり気にしないんだ」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「ダメかな?」

 

 

若干困った状態となるが、少しだけ考えた彼女は俺の隣に座る。座る際の姿勢は綺麗で、どうやらある程度の作法は教育を受けているようだ。そういうと無口の彼女の口がようやく開いた。

 

 

「・・・・・・シーラ」

 

「?」

 

「私の名前は・・・シーラ・ドゥエーリ・バベーダ。レヘナ山脈オールヂェン氏族の戦士、シーラ・ドゥエーリ・バベーダです。我が主」

 

 

ようやく名前を教えてくれたシーラ。少ししてからミィがオークであるシーラに合わせて色んな料理を大量に持ってきてくれて、彼女はまるで掃除機のようにそれを平らげていく。よほど空腹だったんだろう。

 

彼女から信頼を得るにはまだまだ時間が掛かりそうだけど、ひとまずはこれでいいだろう・・・・・・・・・・・・。

 

 

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