War Commander’s 異世界傭兵戦記   作:ウルヴァリン

45 / 46
45:みんなの朝ごはん

春が来るのは本当にあっという間だ。まだ雪は残っているが徐々に溶けていき、気温もまだまだ冷え込むがハーヴィットへ訪れる商人や旅人が徐々に増えていき、街には賑わいが出始めている。

組合でも冬季休暇を終えたミィ達が帰ってきて業務の引継ぎを行い、今度は冬の間は働いていたフレイア達が春季休暇に入り、フレイアは久々に里帰りすることにしたらしい。

 

だが宿泊施設というのは年間を通じて利用客は大なり小なりいるので、今日は朝からシャムさんのところにお邪魔することにした。

 

 

 

「お待ちどうさん!!照史専用朝食だよ!!」

 

 

シャムさんが俺用にあわせてくれた朝食を持ってきてくれた。俺が好んで食べる朝食はきつね色に焼きあがったライ麦パンを2枚に目玉焼きを3枚、こんがり焼きあがった厚切りベーコンを2枚、ボイルしたニンジンとブロッコリーにバターという某アニメーションの朝食を連想させる。

 

ルシャナとシーラにも専用の朝食があって、ルシャナは厚切りベーコンからソーセージを4本に変更されて、シーラは目玉焼きを1枚にして厚切りベーコンとソーセージ6本とボイルした鶏肉という肉尽くしという朝食だ。

 

運ばれた料理にさっそく手を伸ばし、ベーコンにフォークを突き刺して一気に噛り付いた。

 

噛り付いた瞬間に肉汁が溢れ出し、口の中全体にうまみが広がるそして俺の膝の上にはミケちゃんが陣取って、モキュモキュと可愛らしくサンドイッチを頬張っている。

そして今日はシルヴィとラウラも食べに来ていて、2人ともサンドイッチを満喫していて俺達の食卓はかなり賑わいを見せていた。因みにミィは本当に仕事が多忙な時期であるということで数日間は組合で寝泊まりするということだ。

 

 

「そういえば照史様、もうすぐ迎春祭があるのは知ってますか?」

 

「迎春祭?」

 

「ふむ、その様子だと知らなかったようだな」

 

「ご主人様、迎春祭は春の到来を祝う祭りで、ハーヴィットだけではなく国内全ての領土の街で大なり小なり開催されるんです」

 

「国全体で開催するってこと?」

 

「はい。特にハーヴィットは王都に続く大規模なもので、東西に延びる街道すべてに露店が出店するんです」

 

 

 

ハーヴィットは大体4kmほどあるが、イメージ的には大阪の恵比寿祭りみたいなものだろう。

 

 

「なんだい照史、迎春祭を知らなかったんかい?」

 

「えぇ・・・東西ということはシャムさんも?」

 

「いや、あたいは出店はしないけど祭りの間は昼間に特別献立を出すつもりだよ」

 

「限定ものですね」

 

「そうだよ。それで照史に相談があるんだけどね。何かいい料理ってないかい?」

 

「いい料理ですか?」

 

「そうだよ。照史なら他の国から来たってこともあるし、前に提案してくれたおにぎりが冒険者等からかなり人気でねぇ。他にも何か知ってるんじゃないかい?」

 

「モキュモキュ・・・・・・お兄ちゃん・・・物知り・・・」

 

 

褒めてくれたミケちゃんの頭を撫でてあげる。確かに前に俺は新しいメニューに何かないか聞かれたことがあって、俺はおにぎりとだし巻き卵の作り方を教えて、それから宿内でならベーコンの甘煮を具材にしたおにぎりと魚だしで作っただし巻き卵がメニューに追加され、持ち帰りなら癖が少ない魚醤を塗って焼いた焼きおにぎりが人気となっている。

 

 

「特別な献立ですか・・・因みに味付けとかは?」

 

「昼間に出すからがっつりしたものがいいねぇ」

 

「う~ん・・・・・・コロッケとか?」

 

「ころっけ?」

 

「ゆでたジャガイモを潰して塩コショウで味付けしてから丸く形を整えてから衣をつけて揚げる料理です。俺の国ではおやつから主食まで幅広く好まれた国民食の一つですね」

 

「へ~、そんなもんがあるんだねぇ」

 

「作り方自体も仕込みも簡単ですよ。材料も少し変えればいろんな種類のものに変えられますし、揚げたてがとても美味しいんですよ」

 

「・・・・・・照史、すまないけど作り方を教えてくれないかい?」

 

「いいですよ。だったら同じ作り方の別の物を教えておきますよ。ちょっと待ってくださいね」

 

 

そういわれて俺は紙と羽ペンを借りてコロッケのレシピの他にジャーマンポテトコロッケ、メンチカツにゆで卵をミンチでくるんだ爆弾コロッケのレシピを書いていく。そのレシピを一目見るとシャムさんは笑みがこぼれ、俺の頭をくしゃくしゃとしながら撫で始める。

 

 

「ははははっ!!ありがとうね照史!!露店はやるつもりはなかったけど、これは売れるよ!!今から簡単な露店ならすぐ準備できるからね!!」

 

「よ・・・喜んでくれて何よりです」

 

「照史!!今日の晩飯はうちに来な!!これをさっそく作ってみるから味を見ておくれ!!」

 

 

そういいながら大事そうにレシピを抱えて厨房に戻っていく。それを見て羨ましそうにしているシルヴィを見るが、一緒に来るかといえば満面の笑みを浮かべながらうなずく。

それから朝食を食べ終え、料金を払ってから今日の仕事をするために組合へ向かった・・・・・・。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。