War Commander’s 異世界傭兵戦記   作:ウルヴァリン

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06:初めての依頼

冒険者としての登録を済ませる為、依頼掲示板を見て吟味をしている。

 

ミィからの説明では冒険者のみならずなんらかの組合には共通の階級があり、一番下の白磁等級から始まる。そこから黒鉄、鋼、銅、銀、金、山銅、秘銀、精金に難易度に合わせて等級が上がるらしい。

 

しかもただ依頼を引き受け続ければ良い訳でもないようで、達達成率はもちろんだが信頼度の他に人柄や普段の行動なんかも等級を上げるには必要みたいだ。

今のところは銀か金に留まる人間が多く、最上位の3つに到達しているのは世界でも数人程度らしい。

 

依頼に関してもいくつか種類がある。

 

まずは薬草や鉱物などの採取に街の清掃活動、護衛や警護に討伐など冒険者は他の組合の依頼を一つにまとめ上げる便利屋みたいな立ち位置のようだ。

報酬がいいものを選びたいのだが最初が肝心なんだから欲張らず、手堅いものを選んだ方がいい。

 

 

「あれ?桜崎様?」

 

 

名前を呼ばれたので振り返ると、そこにいたのは昨日会ったシルヴィアとラウラがいた。シルヴィアはこちらを見かけるとピョンピョンと手を振りながら小さく跳ね上がり、そのままこちらに歩み寄ってきた。

 

 

「シルヴィアさん、なんでここに?確か別の組合の事務所にいったんじゃ……」

 

「本来の所属はここなんです。統合組合へは指名依頼完了の報告と報酬受け取りだけで寄っただけなんです」

 

「統合組合?」

 

「その名の通り様々な職種を扱う組合だ。等級が高いパーティーは纏め役の統合組合から依頼を割り振られる時があって、今回は私達に名指しの依頼を割り振られたということだ」

 

 

つまりは親会社と下請け業者のような関係だろう。確かにそっちの方が依頼の達成率は上がるだろうし、何よりも担当するパーティーが見つからなかったという事態は回避できるだろう。

 

 

「それで桜崎。お前はここで何をしている?」

 

「シャムさんから教えてくれたんです。娘さんがいるから登録するならここがいいと…」

 

「そうなのですね♪」

 

「ということは依頼を3つ選んでいたということか」

 

「はい。しかし恥ずかしい話ですが、どれを選ぶべきか決めかねてましてね……」

 

「だったらこの"スクリームバード10羽の討伐"とか"バンディットアンツの巣の除去"はどうだ?それほど難しい相手ではないし、白磁にはおあつらえ向きだ」

 

「だめよラウラ、最初は街中の依頼をするべきよ。例えばこの人数制限なしの"お菓子公房への材料納品"とか"食堂への厨房用薪の納品"とかにするべきよ」

 

「却下だ。それはあなたが単にご褒美のお土産や賄い目当てでしょ?最初は戦闘があるもので身体を鍛えながら熟すべきよ」

 

「そんなの駄目よ。初依頼なんだから最初は楽しい依頼にしてみんなも喜べるようにした方がいいわ。それに私達も一緒にいけば桜崎様も安心できるわ」

 

「討伐系だ」

 

「楽しい系よ」

 

 

………なんだか漫才が始まったよ。シルヴィアは食欲マックスのほのぼの系依頼を勧めてラウラはがっつり戦闘系依頼を俺に勧めて、互いに火花を散らしている。

 

なんだか決着が付かなさそうなので目についた白磁向けの依頼書を手に取り、それをミィに渡した。

 

 

「これでお願いします」

 

「はい。承りました」

 

「「あっ……」」

 

「えっと……清掃組合からの依頼ですね。"下水道掃除用のスライム10匹捕獲"…手堅い依頼ですね。依頼期日はない定期依頼なので見かけたらどんどん捕まえちゃってください。捕まえた分だけ報酬も上乗せしていますから頑張ってくださいね」

 

「ありがとうございますミィさん」

 

「それと桜崎さん。私のことはミィで構いませんよ。敬語も不要です」

 

「敬語も?」

 

「はい♪」

 

 

そういうとミィは屈託の無い笑みを浮かべて来た。確かに彼女はフレンドリーな方で接した方が話しやすそうだし、無理に敬語を使う必要はないだろう。

 

 

「……分かった。これでいいかなミィ?」

 

「はい♪依頼、頑張って下さいね」

 

「あぁ」

 

「ミィちゃんだけずるい‼︎桜崎様‼︎私のこともシルヴィと呼んでください‼︎」

 

「いいのか?」

 

「もちろんです♪ねぇラウラ?」

 

「私もか?」

 

「うん♪」

 

「はぁ………仕方がないわね。いいわよ。これも何かの縁だし、私のこともラウラと呼んでくれ」

 

「ま……まぁ……いいか」

 

 

無邪気なシルヴィア……シルヴィに巻き込まれてため息を吐きながら了承するラウラ。なんだか面白く感じてしまうが確かに何かの縁だ。

 

 

「宜しくな。シルヴィ、ラウラ」

 

 

まだ出会って1日だが既に雰囲気で彼女達と仲良くすると楽しくなりそうだと思っている自分がいる。

そんな前向きな気持ちを込めて初依頼へと向かった……………。

 

 

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