War Commander’s 異世界傭兵戦記 作:ウルヴァリン
スライム達を引き連れた大行進でミィに怒られた次の日、気を取り直して次の依頼を引き受けることにした。
依頼内容は"薬草採取"
これは街の薬剤師からの依頼らしく、なんでも創業70年の老舗らしいが、店主である老人が腰をやってしまって暫くはベッドで横になってなければならなくなったとのことだ。
本当なら弟子が取りに行くんだが運が悪いことに弟子は実家に帰っているらしく、しかも魔物が現れる場所での採取だから一般人には危険らしい。
だから冒険者組合に依頼として来た。
装備を整えてミィからナタと袋、薬草図鑑を受け取るとハーヴィットを出て森に足を運んだ。
「よし、これだけあれば大丈夫だろ」
採取したお目当ての薬草を束ね、布袋に入れていく。ここは異世界だから見たことない薬草を期待していたんだが、借りた図鑑を見比べると俺がいた世界とあまり変わらないことがわかった。
収穫してほしい薬草は今回は4種類で名前をツツィタラン草、フッツ草、首草、クリンクハ草という名前だが絵を見てなんだかわかった。
ツツィタラン草は鎮痛薬で使われるウドでフッツ草は止血薬から入浴剤、更には食用などと幅広く使われているヨモギ。
首草は婦人草としても知られるコオホネでクリンクハ草は吐き気止めのカラスビシャクだ。
4つとも山の中なら大抵は生えているので、今度はどれだけ採取しても乾燥させるからドンドン採って来て欲しいそうなので大量に採取することにした。それにフリッターもこの国にはあるので衣の比率を変えれば天麩羅にも使えるからシャムさんに作り方を教えて作って貰おう。
そんなことを考えながら街に戻ろうとしたら、遠くの方で何かが聞こえて来た。出発前に依頼を受諾して出発しようとしていたシルヴィが教えてくれたんだがこの辺りには狼の魔物が出没するらしく、商人や狩人が時々襲われているらしい。
近くの茂みが動いて、MP7を構えるとそれは姿を現した。
「…………」
「………ミケ?」
茂みから姿を現したのは肌着姿をして何故か焼き魚を咥えている猫は正義ことミケだ。
「えっと……ミケ?」
「?」
「こんなところで何をしてるのかな?シャムさんは一緒じゃないの?」
「(モキュモキュ)」
話しかけるが可愛らしく焼き魚を頬張るミケ。やはり頭を撫でたくなるくらい可愛らしい光景だがグッと我慢する。
そして魚を食べ終わり、汚れた口元を拭いてあげるとミケは来た方角を指差した。
「……ミケ…お姉ちゃんと一緒に……川に来た」
「川遊び?」
「うん……お腹空いたからお魚…食べようとしたらお姉ちゃんが怒った………」
「それでミィから逃げてここまで来た?」
そう尋ねるとミケは頷く。そういえば今日はミィは休みで宿を出発する前に遊びに行くとか言ってたような気もする。
「こぉーらーミケー‼︎お姉ちゃんの魚を返しなさーい‼︎」
「あっ…お姉ちゃん…」
「はははっ。見つかっちゃうね。食べちゃったものは仕方がないから
お姉ちゃんにごめんなさいしよっか?俺も一緒に謝ってあげるから」
「(コクリ)」
俺の提案に納得して頷くミケ。まだ警戒はしているようだがお土産にお菓子を買ってあげて帰ったら少し懐いてくれた。
そしてミケと同じく茂みを掻き分けながらミィが姿を見せる。
「ミィ‼︎私の魚を勝手に食べちゃ駄目だって言って……る…」
やがてミィが姿を出すが、俺とミィは互いを見て硬直してしまう。ミィは俺がいることに気がつかなったようだが、ミィの今の姿は水浴びをして完全に下着姿。
16歳の控えめなスタイルだがくびれがある箇所はしっかりくびれていて、程よい肉付きで健康的な身体をしている。
暫く固まっているとやがてミィの身体が小刻みに震え出し、顔が徐々に赤くしていき俯く。
「……ミ…ミ……」
「………ミ…ミィ?」
「ミャアァアアアアアアアアア‼︎‼︎⁉︎⁇⁇」
涙目をしながらミィは猫みたいな悲鳴と共に俺に肉球ビンタを顔に炸裂させた。渾身のビンタを食らった俺は体を回転させながら木に叩きつけられてしまう。
「……ワォ……」
吹っ飛んだ俺を見て驚くミケの可愛らしい顔を映しながら気を失った。暫くしてから偶々通り掛かった依頼帰りのシルヴィとラウラに回収されて猫の寄道亭に運ばれたようだ……………。