墓場   作:埴輪庭

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現在ハーメルンで連載しているイマドキのサバサバ冒険者の元になった話です。
3話まで進めてみたものの、進めれば進めるほどにストレスがたまっていく事に気付きました。ストレスがたまる事でそれは執筆の促進剤ともなったのですが、これをずっと連載するのはちょっとやだなあ。もっとゲシゲシいいたいなあっておもって書き直した所サバサバ冒険者が生まれました。
ここは墓場なので埋めておく事にします。


イマドキのサバサバ冒険者の前身①

ウーリにとって迷宮探索は冒険じゃない。仕事だ。

だから無理はしない。

中には仕事だからこそ無理をするってやつらもいるけれど、ウーリにとってそんな事はしったことではない。

 

 

「ウーリ!」

 

リーダーの呼び声に答え、俺はセットしていた術式を放つ。

石つぶてを飛ばすつまらない術とされている。

だが、つまるかつまらないかは使い方次第だとおもう。

俺は魔力で誘導をして、ハイコボルトの右目を狙った。

狙いはあやまたず、ハイコボルトは目を抑えうずくまる。

うん、いい仕事ができた。

射出後のつぶての誘導は相応の技術を要する。

この魔力誘導は、例えるならフルスイングで殴るように周囲に見せかけ、打撃音も派手に鳴り響いたにも関わらず実際は大した力を込めていない、そんな感じの繊細さが必要だ。

最低限のコストで最良の結果といえる。

 

すかさず突剣士(フェンサー)のレオナが突き込んで、頚動脈を裂いた。

 

こうなれば後はフクロにするだけだ。

俺は無駄な魔力、体力を使わないように背後を警戒しつつ、パーティがハイコボルトをボコボコにしているのを眺めていた。

 

戦いは終わり、みな怪我などはないものの、なぜか俺を睨む奴がいる。リーダーのアレフだった。

 

「ウーリ、最初の一撃はよかったけどなぜそれからの攻撃に参加しなかったんだ?」

 

そんなもの、意味がないからだ。

あんなものあとは前衛の連中が仕事をすればいい。

魔法には限りがあるんだから、過剰火力になる場面では節約させてほしい。

それともなにか?お前らが袋叩きにして瀕死になったアイツに俺の最大火力をぶち込んでほしかったのか?

俺の持つ術で一番火力があるのは周囲に致死性の毒の煙をまき散らす術だが、本当にいいのか?ああん?

 

「すみません」

 

だが俺は謝罪した。その方が早いからだ。

言い争い自体が面倒なのだ。

 

「すみません、じゃないんだ!謝ってほしいわけじゃないんだよ!なぜ攻撃に参加しなかったのか聞きたいんだ」

 

そのほうが早いという前言を撤回する。

まあ仕方ない。彼も悪気があって俺を糾弾してるわけじゃない。

俺も説明をサボるのはよくないか。

話さなくても分かる、なんていうのは自分だけの錯覚にすぎないわけだからな。

 

ということで、かくかくしかじか…と俺は理由を説明した。

 

「そうか…分かったよ。だけど、僕らはパーティだろう?みんなで苦楽を共にすることで連帯感が高まるんじゃないのか?意味があるとかないとか、そういう事じゃないんだよ、大事なのは。大切なのは、パーティへ貢献しようという意思じゃないのか?」

 

アレフのいう事は全然よくわからなかった。

全く…これっぽっちもだ。

初手で相手を行動不能にしたはずだが、あれは貢献じゃないのか?

だが、それがアレフの考えなんだろう。

俺の考えは違うが。

他の連中もうんうん頷いている。

こういう時に無理くり自分の理屈をぶちあげると大抵はろくなことにならない。

 

「そうですね、次から意識して気をつけてみます。ご指導ありがとうございました」

 

俺は答える。上司に口答えはしないのが俺のポリシーである。逆らえば面倒くさくなるしな。

 

「わかってくれてうれしいよ、さあ、探索を続けよう!」

雨降って地固まる。

軋轢を乗り越えたパーティは関係が深まり、チームワークもよくなった…

俺以外は。

だってアレフのいってることよくわからないもん。

 

 

 

 

「それでどうだった?」

受付嬢のアシュリーさんが聞いてきた。

 

どうもこうもない。あんな面倒くさい連中と関わっていられるか。

 

「そうですね…ちょっと戦闘スタイルが僕には合わなかったかもしれないです。まあもう少し色々探して見ます。でも皆さん、とてもいい人達だったとおもいますよ」

 

職場で愚痴は垂れ流さない、これは大事なことだ。

自分も思い出して嫌な気分になるし、相手のことも嫌な気分にしてしまう。

特に受付嬢なんてのはギルドの犬だ。

ギルドにだって信用ってもんがあるんだろうし、不平不満たらたらの冒険者なんぞ使いたくはないだろう。依頼人とかに聞かれたらクレームが飛んできそうだもんな。

 

「ふーん……そう」

アシュリーさんの視線が少し痛い。

適当ぶっこいてるのはばれてるんだろうな。

真偽を見抜くみたいなのも業務のうちなんだろうし。

 

「それじゃあ、明けの翼への加入は希望しないってことでいいのね?先方は結構高くウーリくんのことを評価してたわよ。話し合うべきこともあるけど、魔法使いとして優秀だし是非加入をしてもらいたいって」

 

アシュリーさんはそういうが、俺がいやだ。

 

「そうですか、ありがたいですね。でももう少し色々考えてみてからにしますよ。じゃあまた良さそうな募集でもあれば応募します」

 

そういって俺はその場を後にした。

今日はこれで上がりだ。

家に帰って飯食って寝よう。

今日も一日お疲れ様でしたっと。

 

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