【完結】チートツール×フールライフ! ~女神から貰った能力で勇者選抜されたので頑張ってラスダン前まで来たら勇者にパーティ追放されたので復讐します~   作:黒片大豆

3 / 66
第1話【エピローグ】

 ミクドラムには大きな港がある。ここでは交易品が、昼夜問わず入れ替わり立ち代わり運ばれ運び入れられる。

 

 そのため夜通し働くものや、日雇いのために、簡易な宿が多くたち並んでいる地域だ。

 

 サックは、その宿の一つにチェックインした。

 宿に向かう途中、夜勤の人向けの夜食販売の出店を見つけ、ローストビーフのサンドイッチを購入していた。

 

「……む、思ったより固いな」

 

『目利き』を使って、サックは一番「おいしくない」物を選んだ。夜勤であくせく働く者たちの、些細な幸せをあまり横取りしたくないという気持ちもあり、謙遜した結果だったが。

 

「水も一緒に買っておいてよかった」

 

 皮の袋に水を貯めてもらっていた。これが無ければ飲み込めなかったかもしれない。

 

「さて、と」

 

 サックは一気にサンドイッチをほおばり、3階建ての宿の最上階、3階の窓から、外を眺めた。

 

「燃えてるなあ……」

 

 もう少しで日の出ではあるが、それにしては外が明るい。

 それもそのはず、遠くで大きな屋敷が燃えているのだ。

 

「葉っぱは燃やすとガスが出るからな。『うまのふん』を潜在解放させて、全部腐らせて堆肥にしておいて、正解だった」

 

 あのお茶の葉をそのままにしておいたら、この火事で風下の人間たちが大変なことになっていただろう。

 咄嗟の思い付き(イタズラ)が、功を奏した。

 

「……」

 

 この火事。誰かが屋敷に火を放ったのだろうか。

 自暴自棄になり、自殺を図ったか。

 全てを消してしまいたかったのか。

 

 その辺の事情は、もう、誰も知る由もない。

 

「……もったいない、おっぱいだった……」

 

 サックは改めて『女運の無さ』に愕然とした。

 

 そして、

 

「復讐……か」

 

 大きなあくびとともに独り言。

 と同時に、『復讐』について考え始めた。

 

 元々、復讐なんて行っても、失ったものは何も戻ってこない。

 ただ虚しいだけだ、などという思考であった。

 

 が、今回の一軒で、復讐の考え方を改めることとしたのだ。

 復讐で、相手に同じかそれ以上の屈辱を与えられれば。

 どれだけ、ココロが清々しうるだろう。

 最高の自己満足じゃないか。

 

「……」

 

 きしむ安物ベッドに横たえながら、サックは、この旅の目標を修正した。

 単に田舎に帰って、能力を使ったスローライフを願っていたが、それは辞めだ。

 

「折角だし、やってみるか!」

 

 右手を天井に突き出し、中指を天に向けて突き立てた。相手を最高に侮辱するハンドサインだ。

 

「『復讐』してやるよ……。こんな能力付けて、貧乏くじ引かせやがって……

 待ってろ! クソ『女神』!」

 

 

 FIN

 




第1話お読み頂きありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。少しでも気に入ってくれたら作者冥利につきます。

ご感想、ご評価お待ちしてます。宜しくお願いいたします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。