ドルマゲスに転生してしまったので悲しくない人生を送りたい   作:えにぃ

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【閲覧注意】
この話には一部グロテスクな表現が含まれます。
本編とは関連していないので読み飛ばしていただき、一昨日投稿した番外編をお楽しみください。


五回目ともなると読者の皆々様も「ああ、またこの回か」と思っていただけるのでは…ないでしょうか!本編以上に趣味全開ですが、読んでくださる方がいるのは嬉しい限りです!

最近アニメ「ダンジョン飯」に出会ってしまい鬼リピしています。魔物食が市民権を得る日は意外とすぐそこにあるのでは…





 


幕間:(閲覧自由) 美食道化師の諸国たべある記Ⅴ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本棚から一冊の本を手に取ったあなたは内容を読んでみた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶり。私はまだ知らぬ『味』を求め、年中無休で世界を回っているしがない道化師です。……味覚は、人生のスパイス。新しい食べ物を試すことで、日常に新鮮な風を吹き込むことができます。一口でいい、新しい世界の扉をノックしてみましょう。あなたがまだ知らない、素晴らしい味があなたを待っています。食わず嫌いを乗り越え、味覚を探検するのです。

 

 

 

「あの魔物はどんな味がするんだろう」そんな言葉が口を突いて出た時、そう思った時…初めて、貴方は真の『冒険者』となるのです。それではどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リブルアーチ地方&ライドンの塔

 

・アイアンクック

剣や鎧などを素材にして作られた鳥型兵器。…ということはもちろん分解すれば武器にもなるし防具にもなる。体力が少なくなると自爆するのはおそらく技術流出リスクを考慮して仕組まれたプログラムなのだろうが、損傷を与える前に対応するコード─頭部ノードから胴体に伸びる配線の内黄色のもの─を切ればプログラムは作動しなくなる。あとは技術も素材も盗用し放題。ちなみに自爆プログラムに使われる粉末状の爆薬は意外なことに調味料として有用である。硝酸エステルを主とした有機化合混合物は戦闘マシンに搭載されているゆえか衝撃に強い調合がなされており、火気を近づけること以外では反応しない。そのため膾やおひたしのアクセントとして使うのが良い。舐めると糖類に由来しない不思議な甘みがある。

 

・ドールマスター

人形使いたちの頂点に立つ魔物であり、使用している人形もそれなりに年季が入っている。本体が食べられないのは他の人形使いと同じだが、この種の持つ人形…特にキメラパペットからは非常に良い鶏ガラの出汁が取れる。「パペットこぞう」同様げんじゅつしパペットは煮込めば食べられる(自著「たべある記Ⅱ」p5より)ので、他の野菜と一緒に鍋に投入して煮込めば即席の野菜スープが出来上がる。使い込まれた人形だけあってこちらのげんじゅつしパペットは見栄えも悪くない。

 

・アイアンダッシュ

鋼鉄の外殻を持つカブトムシ。だが他の昆虫モンスターと同じく節が非常に弱いため、間に刃物を差し込めば市販の包丁やハサミでも締められる。また身体が重く翅が退化しており垂直方向への移動ができないので、水槽に誘い込んで落とし、動かなくなるまで待つという方法も有効。前述のとおり非常に硬い外殻を持つので調理はシンプルなものに限られる。手足を捥いで火にかけ、置いておくだけで中の肉がじんわりと温められて包み焼きの状態になり、一時間ほど弱火で温めたら比較的柔らかい腹部を切開し、体液と肉をかき混ぜればそのままシチューとして食べることができる。虫特有のほろ苦さも長時間熱されることでかなりマイルドになっているが、気になるなら砂糖を加えること。

 

・ジャンバラヤン

黄緑色の肉体を持つ田舎者の悪魔(悪魔語の訛りがすごい)。鋼鉄の籠手を装着し、尻尾の先端に亀裂を入れて、手やナイフで縦に割り、白い膜は取り除いて肉を取り出す(ただし気にならない場合は取り除く必要なし)種のような形をした骨は取り除いて食べるとよい。生でも食べられるが、アイスやスムージーに加えても美味しい。なお、焼いたり煮込んだりすると味が落ちるので注意。なお尻尾の先端以外は食用に適さない。

 

・サイレス

三つの眼を持つ魔鳥。鳥系モンスターは本当に捨てるところが無くて助かる。舌が長いため、超希少部位である鳥のタンを多く剥ぎ取れるほか、太い首からは大量のせせりが取れ、呪文を詠唱するためストロー(気道)と肺が発達しており、それも美味しく食べられる。また、羽毛に隠れて見えないが頭部にはトサカがある。トサカはじっくりと焼くことで鶏皮に似た食感になる。少し臭みがあるのであっさりした味付けが好ましい。

 

・モビルヘッド

美味い事は美味いのだが、【削除済み】する過程で食欲が失せる。

 

・モビルボディ

「アイアンダッシュ」と同じ調理法を試したところ、数十分後に勢いよく破裂し辺り一面が臓物まみれになった。とてつもない死臭とあまりのグロテスクさにウチの小さな同行者が立ったまま気絶してしまったので、今後モビルボディを加熱調理するときは細心の注意を払うことにする。

 

・モビルライト

【削除済み】を【削除済み】して【削除済み】。うーん…倫理的に問題がある気がする…編集時に検閲して、問題があれば削除しておけばいいか。

 

・モビルレフト

上三種と同様に肉質は良くないが、内臓…特にこの種は脾臓が美味い。無駄な香りが無いレバーのようで、それでいてマッタリネットリとした濃厚な味わい…このまろやかな甘みは生食か、焼くなら薄膜を剥がさずにレアで。プリっとジュワっと、ジューシー且つクリーンな味わい。生きたまま脾臓を引き

【以下、可愛らしい字で倫理的に配慮の欠けた情景を描写することに対する抗議文が2ページに渡って綴られている】

 

・モビルフォース

モビル軍団の最終決戦フォームらしい。痛恨の一撃や「ベギラゴン」を連発してくる難敵だが、未熟ながらも結束力のある「バベルボブル」と違いこちらは軍団同士の仲が最悪なので放っておいてもすぐ瓦解する。短期決戦を狙うならモビルボディに足払いをかけてやろう。一度体勢を崩せば後は相手同士で勝手に殴りあいを始める。バベルボブルのようにまとめて食べることができれば何より嬉しいのだが…。

 

・ゴーレム

言わずと知れた頑強な土人形。ある研究者が自分の街を守るために作り出したという説や、滅んだ都がかつての栄華を懐かしんで人の形を成したとされる説など、その生まれには様々な説があるがリブルアーチに生息するゴーレム種は「土くれに魂が宿った」タイプだと思われる。近くに建造物に対して異常な思い入れのある職人が多数存在することが原因の一つか。ともあれ、マドハンド(自著「たべある記Ⅲ」.p37より)を食べたことのある人間からすればゴーレムなどおやつのようなものだろう。塩を多分に含んだ水(海水で良い)に浸し、その後急激に蒸発させる(しみ込んだ水分のみに対象を絞って魔法をかける、四面からマイクロ波を照射するなど方法はさまざま)ことで塩類風化を引き起こす。通常のレンガであればまだ人間の歯では太刀打ちできないが、ゴーレムは魔力によって軟化しているため食べることができる。食感はどこも変わらずサクサク、ガリガリとした食感だが、頭部は旨味のないピーナッツの味、腕は鉛筆の芯をマイルドにしたもの、指は除草剤の味、胴体は甘みのある炭、脚は苦いおからと、部位によって味が大きく異なる。気分によって食べる部位を変えると楽しい。

 

なお、磨り潰して「まりょくの土」にして売却する方が10000倍お得である。

 

・うごくせきぞう

歯が折れた…!流石にこっちは食べられなかったか…無念。

 

 

雪山地方&薬草園の洞窟

 

・アイスチャイム

氷でできたハンドベル。8つの異なる周波数が共鳴することで特定範囲内の亜原子粒子に異常を引き起こし、対象の体組織を瞬間で凍結させるという凶悪な特技「死の曲」を持つが、8体揃うのを待ってやるほど冒険者は甘くない。眉間部分が『核』となっており、そこに衝撃を加えるとほとんどの場合一撃で崩れる。アイスチャイムの身体は純粋な氷であるものの、魔素を帯びているため直接の飲食は悪酔いの元となる。何かを冷やす保冷剤としてはこの上なく優秀。砂漠に置いても丸一日は融けないので、常に一欠片持っておけば暑くても安心。

 

・マヒャドフライ

マヒャドを唱えるハエ。寒冷地にいる影響か頭部も胴体もさらりとした手触りだが、「うしのふん」「ドラゴンのフン」を落とすあたりやはりきったないことには変わりがない。成虫は不衛生でとても食べられたものではないが、反面幼虫は余計なものを食べたり触っていないのでクリーン。亜鉛鉄分の含有量は「あばれうしどり」肉を大きく凌駕し、カルシウムも「おいしいミルク」と同等の含むというスーパーフード。幼虫は自身が出す冷気を制御できていないため常に半冷凍状態で生きており、そのままでもシャリシャリして美味しい。抵抗があるならこねて丸めて強火で焼き、パンではさんで食べると良い。

 

・ブリザード

嗜好品として扱えないかとストローで吸ってみたが、肺の中で暴れ始めたので急いで吐き出した。しかし鼻詰まりは治った。相対する際には必ず「まよけの聖印」を装備して臨むこと。

 

・ダースウルフェン

モフモフの毛皮は「まじゅうの皮」として卸せるほか、好事家に高値で売れる。獲物を引き裂く鋭利な牙や爪も同様。「サーベルきつね」のようなベジタリアンはともかく、ダースウルフェンは肉食の獣なので肉のニオイがキツイ。吹雪の中で放置していれば勝手に冷凍肉になるのは助かるが、色々試したものの赤ワインソースのような味の濃いもので煮込む以外での調理はできなかった。

 

・吹雪の魔女

【説明文に重なるようにしてこの本の執筆者に対する熱烈なラブコールが赤いインクで綴られているため、細かい内容を判読することができない】

 

・スノーエイプ

白い毛皮に覆われた猿。「コングヘッド」や「マッスルウータン」と同様、脳が美味とされる。頭蓋を切開したのち5分ほど置いておくことでシャーベット状になった猿脳を楽しめるらしいが…こんな吹雪の中で冷菓子を愉しむ物好きはいるのだろうか?

 

・キラーマシン

ドクター・デロトという人物により開発されたとされる殺戮マシンであり、オーバーテクノロジーの宝庫。「AI2かいこうどう」という強力な特性は非常に精度の高い人工知能のなせるわざであり、制御ノード内部では広大なニューラルネットワークが展開されている。逆に制御ノードを失えば木偶も同然。雷呪文や爆発呪文で内側から攻撃していくのが良い。破片はしっかり回収しておくこと。使わないなら質屋で売却できる。

 

・アイスビックル

氷のカギ爪を両腕に装備している雪山の戦士。亜人タイプかつ非常に筋肉質なため、まるで歯が立たない。実力的にではなく物理的に。

 

・シャドー

どれだけ追い求めようと付かず離れず、捉えられない。これが…恋!?…冗談です。実体のない相手に興味なんて微塵もありません。

 

・樹氷の竜

雪の精が雪を嫌って吹雪を憎む人々に腹を立て、八つ当たりで生みだしたというちょっと不遇な生まれを持つドラゴン。樹氷由来といえどドラゴンなので食用可。むしろ細い身体にギュッと詰まった旨味が冷気によってさらに凝縮している。触腕を一本ずつ捥ぎ、輪切りにして皮を剥ぐ。サイコロステーキ状になった肉に下味をつけ、まとめて熱した鍋に投入!火の通りが通常の竜肉より早いため火加減には注意。アツアツなのに氷のようなガリガリとした独特な食感、瑞々しくもありながら迸る濃厚な肉汁はきっとこの雪山でしか味わえない。雪山地方ぶっちぎりの美食。

 

 

 

以降、詳しい調理の手順などが記載されている…あなたは気分が悪くなり本を閉じた。

 

 

 

 

 




「え"っ、ど…ドルマゲスさん…それ、魔物……じゃ」

「?はい、そうですけど」

「!あ、あれぇ~???もしかしてユリマさん、魔物食べられないんですかぁ~???ドルマゲス様がせっかくお作りしてくださったのにぃ???」

「………」イラッ

「生でもいけますよ!どうですかドルマゲスさん!!」

「いけません」






ちなみにたべある記ですが、一冊は「剣士像の洞窟」にあることがスレ民たちによって発見されています。しかしもちろんかのダンジョンに在るのはアスカンタ国領・パルミド地方の魔物について記された「たべある記Ⅱ」。「たべある記Ⅰ」は「旧修道院跡地」にあるらしいですが…果たして他の「たべある記」は一体どこに!?
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