ドルマゲスに転生してしまったので悲しくない人生を送りたい 作:えにぃ
…既にドラクエⅧじゃないだろって?…返す言葉もございません……。
ハロー、何気に船旅はかなり久しぶりな道化師ドルマゲスです。さっき船を襲ってきたイカを見て、「オセアーノン」のことを思い出しました。ユリマに潰されてのしイカになってしまった可哀想なオセアーノン…『ジゴフラッシュ』を覚えるため「海竜」を連れてきてくれたり料理を褒めてくれたりと、悪いヤツじゃあなかったんですけどねえ…。まあ、その後にもっと気になる人が出てきてしまったわけですが。
…
『ギガデイン』を詠唱も無しにノータイムで撃ち込み、一撃で船を襲っていた大イカを撃退した少年から俺はしばらく目を離すことが出来なかった。
「(誰?誰誰誰??あの人……)」
当然だが俺の知り合いなどではない。闇の世界に知り合いはいない。…だがしかし彼の姿には「懐かしさ」しかない。彼の姿は、俺が勇者たちと一緒に過ごしていた時の変装と瓜二つだからだ。少しツンツンした髪も、ちょっと怖い目つきも、小さい背丈から腕や脚の長さのバランスに至るまで本っっ当にそっくり。
「(『ディム坊』って船員たちからは呼ばれてたよな?なら『ディム』が名前か、あるいはニックネームか…。…こんな偶然ってある??)」
これまた当然のことながら、今まで使っていた『ディム』という名は俺がその場で適当に考えた仮名だ。『ドルマゲス』を呼びやすくもじっただけ。外見だって特に意識せずに『
「なんとかなったみたいだな、ドルマゲス。…さっきの子、凄かったな?」
「…。」
「ドルマゲス?おーい」
「サッちゃんを無視するとか…どういう了見です?」
「…。」
明らかに他人とは思えない。こんな偶然があるわけがない。彼は何者?本当にただの現地人なのか?それともまさか…俺と同じ転生者──────
「返事くらいしたらどうなんですかッ!!」
「痛ッ!?」
黒ユリマに包丁の先端で背中を突っつかれた。…包丁で。もちろん先端も先端、血が出ない程度にだが。俺が我に返ると目の前には目のハイライトの消えた彼女が……いや、もう普通におかしいよこの子。破綻してる。マジで一緒にいたくないんだけど……。
「刺すのは…本当に危ないですからやめていただけませんか?」
「ふん、余計なお世話です。程度は知ってますから」
程度を知ってるってことは人を刺し慣れてるってことじゃん。こわ。…ホントもう俺の命の恩人じゃなかったら黒サーもろとも海に落としてるからな。何されても許すと思ってんじゃないだろうな?
「ユリ、いくらなんでも…包丁を人に向けるのは……」
「え!?う、うん…そうだよねごめんサッちゃん」
黒サーもちょっと引いてるし。まあ…黒サーを無視してしまった俺にも1%…やっぱ0.1%くらいの責任はあるかもしれない。
「それでサーベルトさん。ええ、凄かったですねさっきの人。彼は一体誰なんでしょうか?」
「うー…ん、俺は知らないが…もしかしたら巷で噂の『魔性の少年』とは彼のことなのかもな。」
「『魔性の少年』?」
そんな『魔性の道化師』みたいな。肩書まで似てるのかよ。
「トラペッタにも行商人はいるってのは知ってるだろ?彼らの話にたまに登場するんだ、その『魔性の少年』が。南の大陸の各地を渡り歩いている謎の美少年で、金持ちの前に突然現れては用心棒として自分を売り日銭を稼いでいるのだとか。曰く、山と見紛う大きさの氷塊を自在に操る。曰く、大地を遍く照らす火球を生みだす。俺はそんなものはてっきり噂に尾ひれがついているもんだと思っていたが、先の雷…。もし彼がそうならさっきの異常な強さも頷けるな。」
ふむ。要は凄く強いが素性のよく分からない用心棒ってことか。危ない危ない。変に声をかけて消し飛ばされちゃたまらない。なんか機嫌も悪そうだったし。
「そんなことより着きますよ、マイエラ地方」
「ああ、そうですね」
とは言ってもスルーはできないよな。彼の正体がどうしても気になってしまう俺は「ディム」に会いに行くことを決心したのだった。
…
先程船が大イカの魔物『テンダークルス』に襲われたのはマイエラ地方『船着き場』からかなり近い海域であり、多くの人が目撃していたこともあってか、船の出迎えには大勢の人が集まって来ていた。二人は人ごみをすり抜けてまたどこかへ行ってしまったが…まあ、あの二人に限って別行動をするとは思えないので、後で合流すればいいだろう。せっかく人に溢れているので、俺は「ディム」の情報が無いか聞き取り調査(盗み聞き)をすることにする。
「『
「(さてさて……ん?あれは…)」
「やあ船長、さっきのは凄かったねぇ。あんなにデカいテンダークルスは中々見ないんだが」
「おうよ、何とか助かったぜ。あんなガキを雇えって上のヤツに言われた時はおれも思わず耳を疑ったが…まあ高い金払ってるだけはあるな。性格はかわいくねェが」
埠頭で話しているのはさっきの船の船長と…相手はこの船着き場の人間。服装からしておそらくここの役人か。おそらく「あんなガキ」とは「ディム」のことだろう。
「あんなガキとは…ああ、例の少年か」
「何考えてるかわかんねえんだよな、アイツ。言葉遣いこそ丁寧だが…おれはどうもアイツとはウマがあわん」
「とんでもない魔力を持っているとか?まあ、さっきの魔法を見ればイヤでも理解させられるがね。…船長もあまり彼を邪険に扱ってると黒焦げにされるかもしれないよ?」
「へっ、海の上で黒焦げかい。ご忠告ありがとよ。あいにくだが、おれの船はさっきの戦いでガタが来ちまってな。しばらく船は出せねェんでアイツは
「やれやれ、アンタもその子もご愁傷様だね」
そう言って船長と船着き場の男は別れた。なるほどな。黒サーの言う通り「ディム」は生粋の船員ではなく雇われの用心棒らしい。解雇させられてしまったなら今はフリーのはず…なんとか彼と接触できないだろうか?…もちろん、穏便に。
その後も「ディム」を探しつついくつかのグループの話を盗み聞いたが、話の内容自体は興味深かったものの彼の素性や居場所に繋がる情報は得られなかった。
…
「………。」
俺は結構な時間聞き込みをしていたのだが、乗り場から港町に繋がるゲートの人ごみが一向に掃けないのが気になったので様子を見に行ったところ、検問所が大混雑していたことが原因だと分かった。そしてその原因は…
「危険物の持ち込みは禁止されている!」
「なんですか!わたしに触らないで!汚い!!」
「ユリを離せ!!!」
「この…ッ!取り押さえろ!!」
「サッちゃん!助けて!!!」
「…。もし、お姉さま。何が起こってるんです?」
もう既に嫌な予感がするが…俺は船で仲良くなったマダムに事情を尋ねた。
「あら、さっきの芸者の方じゃない。…それが何か、『王立防衛軍』の検問に誰かが引っ掛かっちゃってそれからずっと揉めてるみたいなのよね。丸出しの包丁を所持していたとかなんとか…」
「…。」
よくもまあこうホイホイと問題を起こせるものだ。この時分、武器を所持して入国すること自体は別に禁じられてはいないはず。実際周りにいる戦士や騎士っぽい人間は帯刀している。つまり武器を持ったままゲートを通ること自体は禁じられてはいないはずなのだ。だが黒ユリが持っているのは出刃包丁、しかも鞘が無いため身を守るための武器ではなく、人に害を与える凶器として判断されてしまったのだろう。……なんで包丁を手に持ったまま検問所を通過できると思ったのだろうか。バカなのかな。
「(助けてあげてもいいけど、でもなあ…)」
俺はこう見えても割と根に持つタイプだ。バカでかい声を出して鼓膜を破壊しようとしてきたリーザス様のことも別に許したわけじゃないし、ミーティアを虐めてゼシカを泣かせたチャゴスなど当然論外。黒ユリと黒サーにも散々振り回されてきたのでもう少し彼らはここでお灸を据えられていればいいのだ、と思ってしまう。…うーん、でも待たされているマダムや他の人には申し訳ないしな……。
「(仕方ない、ささっと行って町の外にでも転移さ…せ……)」
その時、俺は視界の端に数人の男を捉えた。そしてその男たちに囲まれるようにして連れられていたのは…
「ディム…!」
間違いない。先ほど海上で魔物を下したあの少年だ。ディムと彼を囲った男たちは埠頭の裏路地へと消えていった。一瞬迷ったが、彼に繋がるチャンスをここで手放すわけにはいかない。俺は待たされているマダムや他の乗客たちに心の中で謝りながらその場を離れ、彼らの入っていった裏路地へ急いだ。
…
埠頭の裏路地…つまりは荷下ろしされた積み荷が一時的に保管される倉庫同士の細い通路である。その内、ゲートから最も離れた人気のない場所にディムと男たちはいた。
「なんですか、こんなとこに連れてきて。人を呼びますよ」
「うへへ…呼んでも誰も来ねぇようにこんなとこまで連れてきたんだろうがよぉ」
「よお坊や…おれたちゃ最近羽目を外し過ぎてよぅ、今金に困ってんのよ。ちょっくら金を貸してくれや」
男のうちの一人がディムに肩を組んだが、すぐに振り払われる。どうやらディムと男たちはお友達というわけではないらしい。そして会話内容も穏やかでない。
「…こんな貧相なガキからですか?貴方たち無いですよ、見る目」
「しらばっくれてんじゃねぇぞ!おれはお前がたんまり金を貰ってるところを見た!」
「そうだそうだ!今も金持ってんだろ!」
「…面倒だな」
手切れ金として給金を船長から貰ったところを目撃していた地元のチンピラってところだろうか。ディムが貿易商…には見えないだろうから、お小遣いを貰った富豪の子どもか何かに見えたのかもしれない。それで人気のないところに連れ出して恫喝か。黒サーもサーベルトも許さなさそうな悪漢だが、ドラクエ世界では割と横行している犯罪である。いわゆるテンプレート。ならば次はどうなるか?
「へっへっへ…図星か?さっさと有り金全部出して消えな。そうすりゃ殺しはしねぇよ」
「…。」
「なんだぁ?そんな反抗的な、ムカツク眼をしやがって…おれたちにケンカ売ってんのか?」
「(さて、どうしたもんか)」
俺は今また姿を消しているので、チンピラどもを後ろからぶん殴って気絶させてやれば事態は収束させられるが…ディムがこの場をどう収めようとするのかも気になる。もしかすると彼の巧みな話術で円満に───
「…ケンカ、売れば買ってくれますか?あんたらの命で」
「…ちょっ」
後ろ手に隠されたディムの手がぼんやりと発光しているのを俺は見逃さなかった。使えなくたって分かる、あれはとんでもない魔力が集まって光っているのだ。あんだけ魔力を集めちゃ、あそこからどんな魔法を放とうが目の前にいる男たち、ついでに直線上にいる俺も死ぬ。ダメダメダメ!
「ハイ、失礼」
「なっ!?こいッ」
「どっから現れッ」
「この…ぐあッ」
「…!」
「オリハルコンの棒」。殺傷能力などは無く、ただただ硬いだけの棒。操られたユリマとの戦いや、夢の中の出来事であるが「時のオーブ」を破壊するのにも役立った最強の警棒である。俺は打撃の直前で姿を現し、男たちに完全に捕捉される前に頭を一発ずつぶん殴ってのした。わざわざ姿を見せたのはディムにコイツ等の味方だと思われない為である。
「…。」
「…。」
「…。えー、人気のない場所でも、案外助けを呼んだら誰か来るかもですよ。少年」
「…!」
ディムは一瞬目を見開いたが、すぐに構えなおした。もちろん魔力は右手に集中させたまま。
「おじさんも…僕の敵ですか?」
「(おじ…)違います違います。貴方を助けに来ただけです。…助けが必要だったかは置いておいて」
ディムは油断なく俺を睨みつけている。確かに突然目の前に片腕の怪しい人間が出現すりゃ警戒もするよな。しかし俺に本当に敵意が無く、話も通じそうだということがわかったのか、ディムはふっと息を吐いて集中していた魔力を元に戻した。
「…。助けなんて必要なかったんですけどね。」
「まあまあ、私が殴ってないとこの人たち死んでたんじゃないですか。ついでに私も。」
「はあ。…おじさん、名前は」
偽名……いや、いいか。そのために俺は彼を追いかけてきたんだから。
「ドルマゲスです。…少年の名前は?」
「!?」
「どうしました?」
「…僕も……ドルマゲス…です、けど…」
「え?」
「え?」
穏やかな波の打ち寄せる埠頭の裏路地に、間抜け面が二つ浮かんだ。
…
「…光の世界」
「はい。私はそこから来ました。光の世界のことは?」
「いいえ、全く知らなかったですね。」
「ふむ…。」
彼の「ディム」と言うのは源氏名…というかコードネームだったようで、本名は俺と同じく「ドルマゲス」だという。だが光の世界のことは知らず、また現世やらドラゴンクエストやらのメタフィクション的なエトセトラも知らない、つまり転生者ではないようだった。しかし姿形が異なってもドルマゲスなんて珍しい名前がそうそう被ることはあるまい。なので…
「つまりおじさん、貴方は…光の世界の『ドルマゲス』……ということですか?」
「ええ、そうです。」
俺はディムを闇の世界の『ドルマゲス』だと結論付けた。
「僕からすれば…光の世界だなんてのも信じがたいものなんですけどね?」
「心中お察ししますよ。私だってよく知らない人に、自分たちが生きているこの世界は実は卵の殻で、外には別の世界が広がっているんだ、と大真面目な顔で力説されれば眉を顰めます。しかし実際私は光の世界出身なものでして…」
「…。」
なら証拠を見せろと言わんばかりにディムが胡乱な目つきで睨んでくるので、俺は『
「な、お、おお…これは…なるほど……?これは…僕…?」
「証拠になるかは分かりませんが、これが光の世界の『色』です。そして向こうの世界では私は幾度となくこの姿で活動していました。ね、偶然というにはあまりにも運命的だとは思いませんか?」
「そ、それが本当なら…。ちなみにこれは『モシャス』ですか?」
「いや、違います。そもそも私、魔法使えなくてですね。」
「?でもさっき『ステルス』の呪文を…いや、ステルスじゃ音や気配までは消せないはず…」
聡いな。そもそも『ステルス』はDQⅧには存在しない魔法だろうに。先の詠唱破棄といい、ディムはかなり魔法に精通しているようだ。そこらへんは魔法が使えなさ過ぎてウンウン唸っていた昔の俺とはまるで正反対である。
「まあ、それはちょっとした手品みたいなものでして」
「…?確かにおじさん、魔力が『全く』感じられないですね。戦士や武闘家には見えないですけど。それにちょっと…。……魔法が使えないのは、もしかしておじさんがこの世界に来た原因と何か関係があったりしますか?」
「…!」
「おじさん?」
「…ちょっと聡すぎてビックリですよ」
理解が早すぎる。が、今ので確信した。俺の分身のこと、封印のこと、暗黒神のこと…。これほど聡明な彼になら話しても大丈夫だろう。そして根拠は無いが彼はきっと協力してくれる。俺はディムをそこらにうち棄ててあった椅子に座らせ、リブルアーチからの一連の出来事を彼に話して聞かせることにした。
あとおじさん呼びやめてね。まだ28だから。…まだギリお兄さんで通用するから。多分。……ね??
…
「あっ!ドルマゲスだ!ユリ、いたぞ!」「ホントだ!!」
ここは闇の世界のマイエラ地方、その『船着き場』。闇のポルトリンク同様外壁に囲まれているこの町だが、閉鎖的な中でも市場が開かれるなど、暗いなりに活気はある。俺がディムと一緒に市場を物色していると、向こうから黒サーと黒ユリマがやってきた。やべ、二人のこと忘れてた。
「おっ、サーベルトさんにユリマさん。無事に検問所を突破できたんですね」
「わたしたち、大変だったんですよ!どうして助けに来てくれなかったんですかぁ!?」
「まったく、どこをほっつき歩いてたんだ?心配したんだぞ」
「ははは…」
もう。自分たちのことはすぐ棚にあげる。包丁丸出しで検問所を通ろうとしたアホの黒ユリマは論外として、黒サーの場合は自分たちには全く非が無いと本気で思い込み、その上で心からこちらを心配しているので変に咎められない分タチが悪い。
「うん?隣にいるのは……あ!さっき船で魔物を倒した…」
ここでようやく黒サーが俺の隣にいるディムの存在を認知する。ディムは一歩前に出るとペコリとお辞儀をした。
「初めまして、ディムです。」
「ああ。こっちはユリマ、そして俺はサーベルトだ。ユリは俺のガールフレンドで、俺たちは二人でトラペッタに住んでいるんだが、今ドルマゲスが自分探しの旅に出ると言うので、危なっかしいからついてきてやってるんだ。君も困ったことがあれば俺に相談するといい。できることがあれば力になるぞ」
聞いていないことまで話す黒サーに気圧され、ディムは少し不安そうにこっちを見てくる。
「おじさん…?」
「少年、気にしないでください。この人は何故かいつも上から目線で話を聞かない人ですが、隣にくっついている女性よりはまだ常識のある人です。」
「一体どうしたんですか?こんな小さな男の子を…ハッ!もしかしてドルマゲスさん、
「おじさん…?」
「少年、気をつけてください。この人は思い込みと盲愛だけで生きているちょっとおかしな人です。」
「君はこれからどこへ行くんだ?もし俺たちと来るなら歓迎するが、ユリは俺の彼女だから変な気は起こさないように。」「やだぁ!わたしがサッちゃん以外の、しかもそんな小さい子に靡くわけないでしょ!」「ははは、そうだったな!ごめんよユリ。ユリの愛を試すつもりじゃなかったんだ」
「おじさん…?」
「…。」
ディムが俺を三度目に見上げる頃には、その顔は最早不安というより「なんでアンタこんなヤバい奴らと一緒にいるの?」という呆れに近い表情をしていた。知らんよ。むしろこっちが知りたい。俺はジト目のディムから目を逸した。
「えー、この少年…ディム君ですが、我々の旅に同行していただけることになりました。」
「おじさん、待ってください。先に僕の
「失礼、そうでしたね。では紹介も済んだことですし、準備を整えたら早速出発しましょうか。」
俺の話を聞いたディムは、今すぐ俺たちと同行することはできないが、自分の雇い主に話をつけてからなら、世界平和の為に協力するという返事をくれた。俺としてもパーティーに火力担当の常識人枠が加わるのはそのまま俺の負担が減ることになるので願ったり叶ったりである。ああ、これで俺の胃痛が少しは軽減され……
「?」
「く、くく…最高!おじ、おじさん…ぷぷ」
視線を感じたのでそちらを見ると、黒ユリがこっちを見て笑いを堪えている。どうやらディムが俺をおじさん呼びしたことがかなりお気に召したようだ。まあ、彼女の機嫌が良いに越したことはないのでここは無視………
「いや、僕からすれば貴方だっておばさんなんですけどね。」
「……は?」
「おい、今のは聞き捨てならないな…!」
……この少年、勧誘したの間違いだったかもしれない。
サーベルト「……。」
ユリマ「…なんですかお兄さん?さっきからジロジロ見て…わたしの顔になにか?」
サーベルト「いや、ユリマのまつ毛は長くて綺麗だな───」
キラ「(紅茶を吹き出す)」
ライラス「(紅茶がかかる)」
ユリマ「……ッ!や、やめて…ッ!ほんきで、本気で鳥肌が立ちました。こんな寒気、う、ウッ、気持ち悪い…」
サーベルト「───と以前ドリィが褒めていたのを思い出してな。俺にはよく分からないが、彼にとってはそれが羨ましかったらしい」
ユリマ「…へ、へぇ~~~~?ふぅ~~ん??まあ?そんなことで喜ぶほどわたしは単純じゃないですけど??」ツヤツヤ
キラ「(な、なんだ~)ふふ、まったくユリマさんは分かりやすいですね」
ライラス「(紅茶が滴っている)」
・ディム
闇の世界のドルマゲス。闇の世界で起きた諸現象のバタフライエフェクトの結果、何故か少年になっている。年齢は推定12歳前後で、仲間内で最年少である14歳のキラちゃんよりおそらく若い。落ち着いてはいるが気に入らない相手は飄々とした態度でとことん煽り、面倒事は何でもその圧倒的な魔力で物理的に解決するという、闇の世界らしいやはり癖のある性格をしている。光の世界と比較すればこれだけで十分なクソガキなのだが、今はもっとめんどくさいメンバーがパーティーに2人もいるので繰り上げで常識人枠に収まってしまうのだった。
原作ドルマゲスとは違い非常に多様な魔法を使うことができるが、なぜ彼は若くして魔法学を極めるに至ったのか?
折角登場した闇の世界のドルマゲス、大切に扱いたいところです。敬語のキャラ同士を会話させるのは難しい…上手い表現を模索してみます。次回か次々回からは勇者サイドの予定です。