ドルマゲスに転生してしまったので悲しくない人生を送りたい 作:えにぃ
【INN】と書かれた大きな看板が近づいてくる。ここまでくれば流石に魔物の数も目に見えて減ってくるので、俺はいらぬトラブルを避けるためセキュリティサービスを片付けた。自らの壮絶な過去を赤裸々に語ったディムだが、相変わらず何を考えているかは読めない。情操教育って大事なんだなって。
…
─闇のマイエラ地方・ドニの町─
光の世界ではほんとに小さな町だったドニだが、闇の世界ではかなり規模が大きくなっていた。オークニス以上リブルアーチ以下といったところだろうか?魔物も光の世界より狂暴とはいえ、見境なく人里を襲うわけではない。町が大きくなればなるほど魔物もやはり近寄りがたくなるのだ。
船の中でお喋りしたマダムによれば、この世界のマイエラ修道院は近年魔物の軍勢によって崩落してしまったらしい。生き残りは数人の牧師と修道士のみで、立ち向かった聖堂騎士団は奮戦虚しく壊滅。つまり、闇の世界のマルチェロはもういないことになる。そうして元来マイエラ修道院が持っていた聖地的側面はドニへと吸収され、それもまたこの町の発展に寄与しているようだ。
「大きな町だな…トラペッタといい勝負じゃないか?」
こちらから入り口の衛兵の姿が見えるか見えないかというところでディムは足を止めた。
「一応父には仕事を斡旋してもらったという事実があるので、信義則的に正面から町には入りたくないんですよね。衛兵に見つかったら身分明かさないとダメじゃないですか。そしたら父にいらない迷惑が掛かります、すると交渉が不利になりかねません」
あー。それで『ルーラ』を使うのを渋ってたのね。押し通れば良いのに、変なところで律儀な子。
「この前…と言っても数年前ですが。その時は衛兵なんていなかったので簡単に入れたんですけど…どうしよう」
「そんな最悪なお父さんのことなんて気にしないで入ったらいいじゃないですか。人も増えてるし、もしかしたらディムくんのことを知っている人に出会わないままお屋敷に行けるかも。」
「あなたもたまにはいいこと言いますね。…でも、うぅん…」
ディムはどうしても町人に見つかりたくないようだ。父親にいらぬ迷惑をかけて交渉を不利にしたくない、というのが建前らしいが、おそらく本音はまた誰かに嘲られることを心のどこかで怖がっているのかもしれない。それ裏付けるように、ディムの手は小刻みに震えている。…どれだけ不幸に慣れていても、どれだけ気丈に振舞っていても、やはり彼はまだ子どもなのだ。
「ディム君」
俺はできるだけ刺激を与えないようディムの震える手をゆっくり包んだ。
「…?」
「さっさと用事を済ませて、この町から出て行きましょう。…さあ手を取って、私と一緒に来てください」
「え…」
またそっちの趣味だ犯罪者だなんだと騒ぐ黒ユリマたちを置いて、俺は『
…
「す…すごい……本当に視られてないし聞かれてない」
「魔法が使えなくたって、私には魔術がありますからねえ」
「おじさんのこと、初めて尊敬できそうです」
「(やっぱり一言多いんだよなあ…)」「あ、そこ右です」「はい」
闇ドニの町内部は元の面影を失くしていた。さっきはオークニス以上リブルアーチ以下と評したが、石造りの建物が華やかに並ぶこの明るい町はむしろベルガラックとよく似ている。若干人通りが少ないような気もするが…。俺たちが姿を消し、ディムの導きで領主の屋敷へと向かう途中、彼は不自然にも見える動きで辺りを見回していた。周りから見られていないか気にしている…と言う風でもなさそうだが。
「…どうかしました?何か気になることでも?」
「…?いえ…」
「…」
「なんですかね、なぜか色々なものが目に付くというか…」
「もしかしたら、『懐かしい』のかもしれないですね」
「懐かしい?いや、有り得ないですよ。この町には酷い思い出しかないですし」
「おや、そうですか」
ディムは珍しく、俺の言葉に対し露骨に不快感を顕わにした。失言だっただろうか?
「…」
「…」
「…おじさん」
「はい?」
「……。こんなこと言うの、僕らしくないってのは分かってるんですけど…ちょっと楽しみにしてるところもあるんです、父に会うことが」
ディムの口から出たちょっと予想外の言葉に俺は足を止めかけた。ディムは少し顔を赤らめ、握る手にも力がこめられるのがわかる。
「…父親は君を酷い目に遭わせた張本人だったのでは?」
「それは当然です。父のことは嫌い。………ですけど、ですけどね。それでも…父は僕と血の繋がった唯一の肉親で…ってあれ、やっぱりなんか、らしくないこと言ってますね、僕。…おじさんがいつもとぼけた顔してるから僕までおかしくなっちゃったのかもしれない。ごめんなさい忘れてください」
ディムはその端正な顔をふいと向け、少し早足になる。一瞬、ほんの一瞬だけ良くない扉が開きそうになって俺は首を振った。
「……別におかしなことではないと思いますよ。人は皆家族を想う心を持ってます。君の場合は嘲られ、虐められ、勘当され、とんでもない逆境の中でもその心を保持できる、強靭なメンタルを持っているというだけです。父親によって不幸にされた人間が、父親を想ってはいけないなんて道理はありません。」
「……………そですか」
「お父さんとちゃんとお話しできればいいですね。」
「…はい」
それっきりディムは黙り込んでしまった。しばらく進むと、立派な屋敷が見えてきたので俺はディムを抱えて飛ぶ───ほどの力は今は無いため彼を背負ってのそのそと塀を越える。
オディロ院長に会いに行った時とギャリングに会いに行った時、そして今回で不法侵入は三回目だ。『仏の顔も三度』という諺があるが…まあ、『三度目の正直』ということで。ありがたいことに扉にカギはかかっていなかったので、そっと入って扉を閉じた。
「父親はどこの部屋に?(この屋敷、ハワード邸と構造似てるな…)」
「記憶通りなら、正面の階段を上った二階の…向かって右の部屋です」
「了解です」
「…」
「…」
「…?おかしいな、いくらなんでも使用人が少なすぎる…?」
「…何かあったのかもしれません、急ぎましょう」
…確かに、屋敷の大きさの割にはメイドの一人も見かけない。この過酷な世界で屋敷の入口にカギの一つもかかっていないのも不自然だ。緊急の事態が発生したのか?…なんとなく嫌な予感がする。それはディムも同じようで、握った手にじんわりと汗が滲むのがわかった。何度か躓きそうになりながら階段を駆け上がり、部屋の前に立つ。
「ここからは僕一人で行きます。おじさんは…ほら、部外者ですから」
「おじさんには…僕の格好の悪い所を見せたくないですし」
「…そうですか。では、お気をつけて」
まあ、ほっとけないよ。俺が手を放したことでディムの姿が誰の目にも見えるようになる。一方俺は知覚されないままなので、ディムが深呼吸してから扉を開けるのに合わせ、そのままするりと部屋に忍び込んだ。ごめんよ、でも心配なんだ。こんないたいけな子供を酷い目に遭わせたクソ親のご尊顔も見たいしね。
…
「誰だ!」
「!う…」
部屋の中に在る十数人の視線が一斉にディムに集中する。おそらくは久々に受けたのであろう他者からの刺すような視線にたじろぐディム。彼が名乗りをあげようとして怯んだ隙に、部屋にいた老いた給仕係が目を見開く。
「まさか……あの町娘の息子……ドルマゲス……!?」
その言葉に部屋の中にどよめきが起こる。途端に嫌悪の目を向ける者、彼が突然現れた意図が読めず困惑する者、三者三様…だが、その中に彼に対してポジティブな感情の人間がいないのは確かだ。
「そ、そうです…僕は
なおも向けられる嫌悪の視線にトラウマが刺激されているのか、ディムはいつになく緊張状態にあった。すぐに逃げ出したい衝動に駆られるも足を踏ん張り、声を裏返しながらも勇敢に用件を告げる。
「よくもまあこんな時に顔を出せたものだ!下賤な小僧が!」
「父に会わせてください!!」
「黙れ!!さては遺産目当てにやってきたな!?どこで嗅ぎつけたのか、卑しい奴め!!」
しかしその振り絞られた勇気が燃え盛ったのも束の間、『遺産』という思いがけない言葉にディムは硬直してしまう。
「えっ……」
「そうよ!きっとそうに違いないわ!」
「この疫病神め!」
「今すぐそのガキを叩きだせ!!」
「な…!?」
「(マズいっ!?)」
嫌悪は憎悪に変わり、憎悪は人を狂気に陥らせる。メイドが、コックが、役人が、ディムを睨みつける。同様の中、感じたことのないほどの威圧感に気圧されて動けないディムに、使用人が手に持った箒を勢いよく振り下ろした。
「出て行けええええっ!!!」
「…」
「…?あれ…」
俺が飛び出すよりも早く、箒は伸びてきた青年の手によってがっしりと掴まれていた。
「く、ククール坊っちゃん……」
「(ククール…こっちでも見た目はそこまで変わってないな。服装くらいか…)」
「…フン」
光の世界の彼よりも豪勢な服装に身を包み、少し長い髪を後ろで結った黒ククールはすっかり腰が引けてしまっているディムを一瞥すると、使用人から箒をふんだくり、床へと無造作に放り投げる。ガラン!と大きな音が部屋に響き、使用人たちの暴動は水を打ったように静まった。
「あ…え…」
「やれやれ…こんなガキ一人追い出すのに箒が必要か?大人が寄ってたかってガーガーワーワーみっともねぇ。」
「で、ですが坊っちゃん、彼は旦那様の…」
「そんなこと、オレが知らないわけないだろ?…よう、
「あ、あなたは……」
「オレはククール…このドニの領主の跡取り息子…いや、今はもう領主か。お前と顔を合わせるのは初めてだな。」
「!?りょ…え…じゃあ、父は……」
使用人たちは皆一様に俯き、ククールの顔が翳る。
「親父は死んだよ。不慮の事故で数日前にな。今は遺書を読んでる最中だったんだ。」
「……!」
「…親父からは何度かお前のことを聞かされたさ。『生意気だが要領の良いところが俺に似ている』ってな。…オレは後ろのコイツ等みたいにお前を蔑んじゃあいない。むしろいくら恨まれても仕方ない立場だとさえ思ってる。」
「…。」
「だがドルマゲス、お前は『死んだ』んだ。親父に用があってきたんだろうが…親父はもういない。悪いが、帰ってくれ。」
「で、でも…!」
「これからはオレがこの町を治めていかなきゃならない。領主の息子はただ一人…オレだけなんだ。どうか、わかってくれ」
「…。……。」
黒ククールは少し憂いを含んだ表情でそう言うと、踵を返して部屋の奥へと歩いていく。仕える主が死んで気が立っていたのであろう使用人たちも、牽制するようにディムを睨むと相続の話をするため無言でテーブルへと戻っていった。
「…」
「(…。)」
一人残されたディムが力なく立ち上がりフラフラと部屋から退出するのに合わせ、俺も部屋から出て行った。
…
「…いますよね、おじさん」
俺が消沈したディムになんと声を掛けようか迷っているうちに、向こうから声を掛けられた。俺は『ラグランジュ』を解除しディムの隣に立つ。
「はい、います」
「さっきも部屋の中にいましたよね」
「…申し訳ない」
「…幻滅しました、よね、おじさんは僕が年の割に強いから、落ち着いているから僕を誘ってくれたのに…実際はほら、ただの人間に睨まれただけで足が竦む軟弱なガキですよ。この通り、期待を持たせておいて船も手に入れられませんでした。」
「…それは───」
街道を歩く足取りは重い。正直船より今はこの気まずい状況をなんとかしたい。何か景気のいい言葉を言うべく俺が口を開きかけた瞬間、耳を劈くけたたましいベルの音が町中に鳴り響いた。
「な…なんだ?」
「いたァ!サッちゃん!いたよ!!」
「ここにいたか!ドルマゲス!ディム!魔物の軍勢が襲ってきた!かなり多い…急いで来てくれ!」
「「!!」」
「…ッ!」
「ディム君!」
黒サーから報告を受けるや否や一目散に飛び出していったディムを追い、俺と黒サーも前線へと続く階段を駆け下りた。
…
ドニの町は東側の壁の薄い場所から襲撃を受けていた。外壁は突破されており、その近くの何棟かの建物は全壊している。さらには遠方から岩を投擲してくる魔物がいるようで、既に町は少なくない被害を受けていた。近くの建物をよじ登って確認したところ、魔物の数は目測で50近く。俺のセキュサより20体ほど多い。
「(相変わらず見たことない魔物ばかりだが…)」
東側、というだけあってアスカンタ国領やパルミド地方の魔物が主だが、これだけ種族もばらばらな魔物たちが簡単に徒党を組むとは思えない。どこかに指揮しているヤツがいるはず。
「きゃああああっ!」
「お母さん!お母さん!!!」
「たすっ、助けてくれ!足が瓦礫に…」
そこかしこで人々の悲鳴が響きわたる。…悠長にしている暇はなさそうだ。俺はセキュサを全展開する。衆目に触れることにはなるが、パニックになっている人にとっては魔物が増えようと(それが色付きであろうと)あまり関係ないだろう、と割り切ることにする。むしろ出し惜しみして死人が増えた方が後味が悪い。俺は「デンデン竜」を始めとした力自慢のセキュサたちに瓦礫に埋まっている人を救助するよう指示し、残りの3割ほどは自分の周りに固めた。レベル一桁台の能力しかない俺には相手の一撃一撃が致命打になるのだ。
魔物の進撃は勢いを増していく。明らかにただの戯れではない侵攻……相手は本気でドニを落としに来ている。轟音を立てて崩れる建物、絶望し逃げ惑う人々。全ての命を救うことは叶わないだろうが…せめて。
「ディム君!私は敵の指揮系統を潰しに行きます!君は他の魔物を───」
「…せない……許せない…っ!よくも、よくもっ!!」
「…!」
ディムの周囲を魔力の奔流が渦巻く。闇ポルトリンクで感じた魔力よりも更に数段大きな……
「はあっ!!」
俺では決して真似のできない完全なる詠唱破棄。今まさに住民を手にかけんとした魔物たちに『ギガデイン』が次々と突き刺さり、爆散する。
「…!」
「…僕の生まれた町は…僕が…」
「…うん、他の魔物たちは任せましたよ」
返事の代わりとしてディムは魔物たちの中心部に『イオナズン』を放つ。俺は黒サーたちに住民を比較的被害の小さい西側に誘導するよう頼み、敵の頭を潰すべく駆けだした。
…
突っ込んでくる「リップス」を『
「(にゃろ…俺とディムが迎撃を始めたと知って戦力を分散させやがったな…)」
相手は最低でも人間レベルの知能は有している魔物だ。悪魔系か、自然系か。これほど戦略的に駒を動かすためには盤面全体を見渡す必要がある…。つまり、敵は空!俺はマイクを振り回す「へドロイド」の王冠を踏み台にして大きく跳ぶと、
「…ッお前は!」
「ゲッ!ゲゲゲッ!ハデハデノモンスター、ナンデ、オマエ、何者!」
「…!…なんだ、アイツじゃないんですね」
目論み通り、魔物の軍勢に指示を出していたリーダーは空に佇んでいた。大きな翼、鋭い爪、そして三つの目。その姿はかの仇敵「妖魔ゲモン」と同じ。
「…?ナンデモイイ、所詮オマエモニンゲン、ブッコロス!!」
「へっ、そりゃあいい、リベンジのスパーリングと行こうじゃないですか」
──だがその体躯はあの怪物とは比べ物にもならない小ささ、そして言葉に知性もキレもない。額に角のないこの魔物はゲモンではなく、ただの「ダークジャミラ」だ。…だがコイツに勝てなければ俺はゲモンにもきっと勝てないだろう。そう考えると「はおうのオノ・レプリカ」を持つ手にも熱が入る。
「キエエッ!」
ダークジャミラもまたその敏捷性と瞬発力を活かした爪の攻撃を得意とする物理主体の魔物だ。だがそれも「ヤツ」に比べれば遅すぎる。俺はすれちがいざまにオノの一撃を叩きこんだ。奇声を上げて傷口を抑えるダークジャミラへ、さらにセキュリティサービスたちの追撃。飛行タイプのセキュサたちは直接攻撃、地上のセキュサも火球や弓矢、呪文などでサポートしてくれる。
「ウットウシイワァァ!!ゲゲゲッ!全員黒焦ゲニシテヤル!!!」
翼を広げて攻撃の波を全て弾いたダークジャミラは「はげしいほのお」で地上のセキュサを全て焼き払い、近くの飛行タイプもその自慢の爪で握り潰して投げ捨てた。
「ゲーゲッゲッゲ!ザコガ群レタトテオレ様ニハ敵ワンノダ!」
「ハイ、油断大敵」「…ガ!?」
俺は空高く飛び上がったダークジャミラの更に上の死角から降下し、相手の背中に着地すると同時に「よるのパピヨン・レプリカ」でめった刺しにした。三つの目、首、翼の付け根、心臓。さらに追加効果で「混乱」が発生し、上下感覚を失ったダークジャミラはあえなく地面に激突する。
「(ふう…ちょっと欲張りすぎたかな?セキュサが拾ってくれなきゃ俺も落下してたか)」
俺は地面に降り立つと、よろよろと立ち上がろうとするダークジャミラの胸部をダメ押しの「プロト・ビッグボウガン」で打ち抜いた。
「ギャッ!…ググ、グ…『聖堂騎士団』トヤラハ潰シタカラ、アトハ楽勝ダッタハズナノニ…」
「マイエラ修道院を襲ったのもあんたらだったんですね。目的は?」
「ゲ、ゲゲゲゲ…新タナル世界ノタメ…邪魔ナモノハ……ラプソーン様ノ…ラプソーン…様……」
「……(ラプソーン…!)」
ダークジャミラはそこで力尽き、音も無く消滅する。自爆を念慮しての遠距離狙撃だったのだが、結局杞憂に終わった。同時にそれまで響いていた爆音も聞こえなくなり、人々の悲鳴も止んだ。向こうの戦いや救助も終わったのだろう。
あの時のディムの鬼気迫るオーラは、味方の俺ですら震えるほどの迫力だった。それはつまり、この町の襲撃が彼の感情を大きく揺さぶったということだ。
「…なんだかんだ言ってたけど、故郷だもんな。」
…
「お疲れ様、ディム君」
「はい…さ、流石に疲れました……」
噴水のある街の広場で座り込んでいたディムの手を引いて立ち上がらせる。ほんと、何発呪文撃ってたんだろう。俺が万全でもあんなに撃てないよ。俺は「まほうのせいすい」をスポーツドリンクで割ったもの(キラちゃん考案・開発)を渡した。飲みやすく糖分吸収もMP回復も早い。スポドリ万歳である。
「美味しくも不味くもない不思議な味ですね」
貴様!俺は良くともキラちゃんを愚弄することは許さんぞ!他の仲間たちへの愚弄は許す。
「相変わらず減らない口ですねえ…でも」
「…?」
「なんか、嬉しそうじゃないですか?口角が上がってますよ」
「!?ちがっ、これは……」
途端に顔を赤くしたディムは急いで口元を手で覆う…が、しばらくして手を戻した。
「いや……そう、ですね。嫌な記憶ばかり残っている大嫌いな町ですけど…滅びなくて良かったと思っている自分がいるのは事実です。」
「そうですね。嫌なことだらけでも……それは君の大事な記憶ですから。」
「…。」
「さて、サーベルトさんたちの所へ戻りましょうか。後のことを考えないとですしね。」
「はい。……おじさん」
「はい?」
「僕……おじさんについてきて良かったです」
「…そうですか、それはなにより」
これまでになく晴れ晴れとしているディムのその表情を見て、俺はラプソーンやら船やらのことを考えるのはいったんやめにすることにした。
・黒ククール
闇の世界のククール。闇ドニの町を治める領主の正統な後継者である。光の世界とは違い孤児になっておらず、統治者としての教育を受けているため光の世界の彼ほどひねくれていない。とはいえ、皮肉屋な所や、弱い者いじめが嫌いなところなどは変わっていないようだ。闇の世界の住人が性格の良さで光の世界の住人を上回る稀有な例。
・「はおうのオノ・レプリカ」
U.S.A.の技術力を駆使してドルマゲスが作り出した強力な両手斧「はおうのオノ」の模造品。攻撃力の低下は否めないものの全体的に小ぶりな片手斧となっており、隻腕のドルマゲスでも問題なく振るうことができる。もちろん本物はみんな大好き「風鳴りの山」の奥に、いつか来るヤンガスの為に保管してある。
・「よるのパピヨン・レプリカ」
U.S.A.の技術力を駆使してドルマゲスが作り出した最強の短刀「よるのパピヨン」の模造品。ただでさえ軽い短刀が、更なる軽量化を経て連続での刺突を可能にした。「かえし」を撤廃することで与ダメージが下がった代わりに攻撃効率が上がり、追加効果の「混乱」が発動しやすくなった。
・「プロト・ビッグボウガン」
U.S.A.の技術力を駆使してキラが製作した機械仕掛けの弓「ビッグボウガン」の改良試作品。ビッグボウガンの高い攻撃力を更に増強するために改造し続けた結果、発射までにタイムラグが生じるようになり命中率が著しく低くなってしまった。しかしそれを犠牲に得た攻撃力には目を見張るものがある。
すごい…なんかぽっと出の黒ディムがゴリゴリドルマゲスの好感度を稼いでるぅ…。