ドルマゲスに転生してしまったので悲しくない人生を送りたい 作:えにぃ
先日、大阪フィルハーモニー交響楽団のドラゴンクエストⅧ・コンサートを鑑賞しました!めっちゃめちゃくちゃ良かったです!生演奏のドラクエⅧを聴いた後、これは書かねば!と思い書き上げました。
ハロー、闇の世界で船を手に入れた道化師ドルマゲスです。向こうの世界では船を持ってないので、何気にこれが初入手ですね。いやあ、なにぶん浮遊と『ルーラ』が有能すぎて…。便利すぎるっていうのも考え物ですよほんとに。実際魔法も呪術も使えない今、めちゃくちゃ困ってるわけですからね。
…
闇ドニの町を魔物の襲撃から守り抜いた俺たちは、返礼品としてドニの領主である黒ククールから船を譲って(オブラートに包んだ表現)もらい、無事に船を入手することができた。家庭内のわだかまりも黒ククールとの和解によって少しは解消されたのか、ディムも今までの陰気な感じがちょっとだけマシになったような気がする。結構結構。
─船着き場─
「3番ドック3番ドック…これか。…おお」
「ふむ。…僕が用心棒をやってた船よりは小さいですが、まあ悪くない船ですね」
ディムの『ルーラ』によってドニから船着き場に戻って来た俺たちは、黒ククールからもらった船を引き取りに来ていた。なるほど、勇者たちの所有する古代の魔導船よりは小ぶりだが、こちらも十分立派な船だ。これなら多少の荒波にも負けることはあるまい。魔物の襲撃も想定しているのか船体には黒光りする装甲も施されており、滅多なことでは沈没することは無さそうだ。
「え~!アレがわたしたちの船になるの!?すご~い!」
「こらこら、あんまりはしゃぐんじゃないぞユリ」
船のチェックは黒サーと黒ユリマに任せ、俺たちは港の管理者に船の所有権が移転したことを伝えに行く。港湾の管理人は、高級な船に似つかわしくない風体の俺たちをかなり怪しんでいたようだが、ディムがドニ領家の判が押印された占有移転許可証を提示すると訝しみながらも手続きをしてくれた。
「ふう、これで船は正式に僕らのものですね」
「ええ、非常に順調です。紆余曲折ありましたが結果こうして海を渡ることができるようになったのはディム君のおかげ。本当にありがとうございます。」
「…まあ、僕もおじさんに色々と助けてもらいましたからね。ギブアンドテイク…でしたっけ?それですよそれ」
「ふっふっふ、便利な言葉でしょう」「まあ、合理的な考え方ではあると思います」
船の登記やらなんやらの手続きが終わると、俺たちは軽く食料などを調達してから3番ドックに戻って来た。昨日の一件以降、ディムの口調もかなりトゲのないものになった。昨日までの彼なら口を開こうものなら必ず誰かしらの神経を逆撫でしていたものだが、今は多少の軽口程度で済んでいる。
「あ、やっと帰って来た!二人とも遅いですよ。何してたんですか?」
「ええとですね」
「さっきおじさんがした話聞いてなかったんですか?そんなんだからサーベルトさん以外に友達できないんですよ」
「!…な、な……!」
うーん、前言は撤回すべきか?
とにかく黒ユリマが暴れる前に話を進めなければならん。また包丁を振り回して衛兵さんのお世話になるのも面倒だし、というかこんなのに対応しないといけない衛兵さんらに申し訳ない。
「えー、船が。この船が正式に私たちのものになったんですよ。ささ、出港しましょう」
「待ってくれ、その話なんだが」
せっかく気を逸らそうとしてたのに。俺は少々ムッとしながら(もちろん表情には出していないが)顔だけ向けて黒サーを見る。
「…?」
しかし黒サーが思いの外真剣な顔をしていたので、俺は黒ユリマをディムに押し付け、黒サーに向き直った。ディムが喚いているが、自分の蒔いた種は自分でなんとかするんだな。
「ドルマゲス、俺はお前に『船を手に入れるまでは面倒を見てやる』と約束したな?」
「ええ、そうですね」
ああ、まあそんな感じのことは言ってたような。あれって約束だったのか…にしてはかなり一方的だった気が。
「そしてお前は船を手に入れた。ここに俺とお前の約束は果たされたわけだ。つまり俺がお前の面倒を見てやるのもここまでということになる。本当は最後までついて行ってやりたいが…それはきっとお前の為にならないだろう」
「まあ、はい。そうなりますね」
彼らには悪いが、実際黒サーたちがやってくれたことというとあんまりない。光の世界、リブルアーチでゲモンに惨敗し、ラプソーンに身体の大部分を封印されて死に体だった俺を救い出してくれたことには本当に感謝してもし足りないが…。そもそも彼らは勝手についてきただけなのだ。少々キツい言い方をすれば、別にいてもいなくても戦力的にはそう変わりない。黒サー1人よりセキュサ1体の方が強いのである。もちろん、黒サーたちの勇気ある行動で命を救われたドニ住民も多くいたことだろう。それは疑うべくもなく素晴らしいことだ。…しかし彼らが俺の旅についてくることについて、俺側のメリットは特にない。
「なんだ?案外淡白だな。もっと泣きながら名残惜しむかと思ったが」
「いやあハハ、こういう旅に別れはつきものですからね。慣れてしまったようです。(泣くかよ!)」
「離別にも慣れてしまったということか…悲しいことだな」
「はい。悲しいなぁ…悲しいったら悲しいなあ」
俺があっさりしすぎていたのか、黒サーがムッとし始めたので少々大げさに悲しんでおく。
「ユリマさんはそれで大丈夫なんですか?おじさんとお別れですけど」
「冗談!わたしはサッちゃんがいればそれでいいんです、よっ!」
黒ユリマは包丁を振り回しながら、ディムはそれを避けながら会話をしている。二人とも器用なことするね。
「さて、というわけで俺とユリはトラペッタに帰ろうと思うが…最後に一つ頼みがある。」
「はい、なんでしょうか」
「帰り際に寄ってほしいところがあるんだ。心配するな、そう遠い所じゃない」
「…どちらでしょう?」
なんでナチュラルに俺たちが彼らを送り届けてあげることになってるんだろうか。…いや、次の行き先である海賊の洞窟(仮)はトラペッタのすぐ下にあるはずなので、特に問題無いとはいえども。
「メダル王国だ」
「ほう、メダル王国。確かコロッセオが有名な場所でしたね」
これまた意外な名前が出てきたな。…存在自体は闇ポルトリンクからの航行中、マダムとの世間話の中で聞いた。トロデーン、アスカンタ、サザンビークのどれにも属さない永世中立国、それが闇の世界のメダル王国。こちらの世界には「ちいさなメダル」なんてものはなく、代わりにコロッセオで度々武闘大会を開催し観光客を誘引しているのだとか。
「知っているなら話は早い。……メダル王国の武闘大会に出てみたい。剣士としての自分がどこまで通用するのか、一度試してみたい。それが俺の小さな夢なんだ。」
まあ、黒サーは
ふむ。なんにせよ、自分の強さに驕らず邁進する人間というのは好ましいものだ。黒サーが今より上のレベルを経験したいと望むのなら、俺はその意思を尊重したいと思う。…先ほどは黒サーがいてもいなくても変わらないとは言ったものの、彼は基本お人好しで「いいヤツ」なのだ。多少傲慢なのが玉に瑕ではあるが、最後にそれくらいの頼みなら聞いてあげたいところだ。
「どうします?おじさん急いでるんじゃないですか?」
「うーん…サーベルトさん、次の大会はいつ開催ですか?」
「明日だ。さっき港を歩いていた男性から聞いた。大会自体は今日から三日間らしいが、俺が興味があるのは明日の剣士部門だけ。それが終わればすぐに帰ろう。もし俺が勝てるようなことがあれば賞品などは譲る。…どうだ」
あの自分勝手な彼がここまで譲歩するとは。こんな慎ましい黒サーも中々珍しい。加えて試合が明日ならば都合も悪くない、というか非常に好都合。
「よし、では行きましょう。私は出場しませんが、大会には興味がありますしね」
「恩に着る。なら早速出ようか。出航だ」「しゅっこ~う!」
少し気が早いような気がするが、かといってここに用があるわけでもない。闇メダル王国で何か面白いものや未知の魔物のサンプルが見つかるかもしれないし…ということで、既に時刻は夕暮れ時だが俺たちは早速出発することにした。太陽の無い闇の世界じゃ昼も夜もそう変わらんしな。
…
船の舵を取っているのは黒ユリマだ。…というより「わたしがやる!」と言って聞かなかった。闇ポルトリンクに来た時もかなりはしゃいでいたし、もしかしたら船に興味があるのだろうか?出航前、ディムは彼女の操舵技術に不安を感じていたようだが、いざ船を出してみるとそこまで酷い航行ではなかった。貰った船が優秀なことも関係しているのかもしれないな。
マイエラ地方の船着き場からメダル王国までの距離は、船着き場~ポルトリンク間に比べてかなり近い。実際、2時間ほどすればもう王国のある島は見えてきていた。やはり地理的な部分では光の世界と闇の世界にはほぼ差異が無いと見える。
「ふむ…。」
メダル王国か~。「メダル王国」と聞いて俺の脳裏に浮かぶのはどこかコミカルな二人組だ。だらしがなくてボケボケのメダル王女と、そんな王女にツッコミを入れまくる大臣。国政の行く末を心配する王女の父ことメダル王の心中が察せられるが、友人としてみれば中々魅力的な人たちだった。すっかりボロボロになってしまったがこの「道化の衣装」も元は大臣から賜ったものだし、「オリハルコン」をあの時もし手に入れられていなかったら俺は闇の遺跡でユリマに敗北していたかもしれない(あとロトゼタシアからも戻れなかったかもしれない)、そういう意味では黒サーたち同様、彼らもまた恩人である。光の世界に戻ったら久々に顔を出してみてもいいかもしれないな。
メダル王国のある島の周りには大小様々な船が停泊していた。そして沖合からでも微かに聞こえてくる歓声。まさに祭の真っ只中という雰囲気だ。
「僕も用心棒として働く傍ら、時々メダル王国の話は聞いてました。なんでも、観客は三大国だけに限らず世界中からやってきてて、時には大国の要人がお忍びでやってくることもあるみたいですよ。」
「ああ、興奮してきた…!成り行きとはいえ、本当にあのメダル王国に来られるとは…!」
「よかったねサッちゃん!」
そんなに行きたかったのなら闇トラペッタにいる時もポルトリンクから闇メダル王国には来られたのでは?と思い尋ねてみたのだが、向こうにいた時は、大会の開催と自分の都合が毎回上手く合わず、また道中もユリマを連れて二人で行くのは危険だったため二の足を踏んでいたのだという。ふむ。まあ治安の悪い闇の世界だ。そういうことも往々にしてあろう。
俺たちは船が比較的混雑していない河口付近に船を停め(黒ユリが適当に下ろした錨が隣の船の船壁をガリガリ削った時は流石に焦った)、闇メダル王国に入国した。
…
「ふもふも……甘くておいしい!」
「ほほう、りんごあめ…こっちの世界にはあるんですね」
闇メダル王国は光の世界のそれに比べて、外観自体はそこまで変わっていなかった。島の真ん中に王宮が一つ。しかし闇のメダル王国は王宮に地下があり、それがまるまる広大なコロッセオになっていた。場所、雰囲気、規模感共にパルミド地方のバトルロード闘技場にかなり似ている…こっちのがちょっと広いかな?武器道具を売買するバザーや料理を提供する出店が盛況なところはサザンビークっぽい。とはいえ、俺たちが入城した時点で本日最後の試合は終わってしまったらしく、既に撤収を始めている店もある。
「おじさんの世界にはないんですか?りんごあめ」
「無いですね…」
「もったいない!こんなに美味しいのに!」
「ディム君も欲しいですか?」
「僕は…い、いいです。味はもう知ってるので」
「(買ってやるか)」
甘味が好物なのか、黒ユリマはりんごあめを手にしてゴキゲンだ。彼女が上機嫌なだけでかなりの面倒事が抑えられるので、大会中は買いだめしててもいいかもしれない。一応バザーと出店は一回りしたのだが、やはり光の世界との文化の違いを感じた。どちらが優れているというわけではないのだが、闇の世界の文化には光の世界でも応用できそうなものも多い。例えばこのりんごあめ等のフルーツ菓子は光の世界にはないものだし…帰ったらアスカンタのパヴァンやベルガラックのギャリングと組んでフルーツ菓子で資金繰り……ってのもアリだな。
俺がそんなことを考えていると、大会本部に受付に行っていた黒サーが帰って来た。どうやら滞りなく受付を済ませられたらしい。どうやら場の空気にあてられてかなりテンションが上がってしまっているようだったので、張り切り過ぎないよう適当に助言し、後のガス抜きは黒ユリマに任せて二人とは別れた。彼らも俺といるより二人でいた方が楽だろうしな。
…
「…夜も更けるのにまだやかましいですね」
「まあ、お祭りですからね」
俺は暇つぶしがてらディムに手伝ってもらって、王宮の外で魔物を狩りつつ死体から「まじゅうの皮」や「こうもりの羽」などの素材を剥ぎ取ったり、筋繊維や骨髄、魔物固有の臓器(毒袋・火炎袋等)などのサンプルを採取したりしていた。この島では北の大陸や南の大陸には生息していない魔物が多い。黒い「ランドゲーロ」や黒い「さつじんイカリ」、黒い「ポイズンキラー」などが、しかも今は(時間的には)夜なのでかなりの数出現する。
マイエラに行く途中に海上で会った黒いイカもそうだったが、闇の世界の魔物たちは非常に攻撃的である分、動きに精細さを欠くきらいがある。その性質をなんとか改善すれば、今あるセキュリティサービスにもさらなる強化が見込めそうだが…まあここらへんはU.S.A.の研究職どもを連れて隠者の家の老魔導士にでも相談してみようか。俺は仕留めた人面カエルをディムに冷却してもらい、『
「おじさんも変なことしますよね。魔物の死体なんて弄ってどうするんですか?」
「弄るなんて人聞きの悪い。研究ですよけんきゅう。強い魔物と強い魔物を組み合わせて、もっと強い魔物にする。例えば…『シルバーデビル』の翼を持って縦横無尽に大空を駆け巡る『ギガンテス』のような屈強な魔物が存在したら?想像するだけで身の毛もよだつでしょう?ですがその魔物が味方に付けばこれ以上なく頼もしい。私はセキュリティサービスにもっとそういう遺伝子工学的な強化を加えたいんですよ。」
「どっちの魔物も見たことないのでなんとも。」
うぐぐ、そうだった。こっちの世界にいない魔物の話をして通じるわけがない。
「…そのセキュリティサービスの強化も、おじさんが神鳥レティスに会って自分の身体を取り戻そうとしているのも、全ては暗黒神ラプソーンを倒すためですか。」
「まあ、大局を見ればそうなりますかね。……なにか?」
周囲の魔物を粗方掃討し尽くしたディムは空を見上げた。黒い空に月はない。
「マイエラの船着き場でおじさんが言ってた『世界を救うための旅』…最初は冗談だと思ってたんです、僕。おじさんは顔からして冗談みたいな人ですし」
「…顔云々は普通に悪口ですけどここは流しましょう。続けてください」
「でもドニの町を魔物の襲撃から守り抜いて、普段飄々としてるおじさんが死に物狂いでドニの為に戦ってるのを見て、世界を救うってもしかして本気なのかなって思ったんです。あの時は言いませんでしたけど」
「…」
「…なんでそこまで頑張れるんですか?ラプソーンは光の世界にいて、おじさんはもう封印されたままだと思ってるんですよね?じゃあこっちの世界にいれば少なくともラプソーンの脅威には晒されないし、長生きできますよ。それなのにおじさんのやろうとしてることは、せっかく助かった命をみすみす捨てに行くようなものに見えます。世界を救うために身を粉にするなんて非合理的ですよ。世の中には滅んで然るべき人もいる。おじさんはそういう人たちの為に命を懸けてるんですか?そんなの、そんなの間違ってますよ!」
「ストップ、ストップです。一旦ステイ、落ち着いて」「…すいません」
珍しく感情が表に出てきたディムだが、少々声が大きくなってきたので落ち着かせる。
「滅んで然るべき人もいる。ディム君の過去からしてそう思うこともあるでしょう。それは私も否定しません。」
「…」
ここで「だったらどうして!」と突っかかってこないのがディムの良いところだ。
「ディム君、君は二つほど誤解をしています。一つは『闇の世界にいればラプソーンの脅威には晒されない』ということ。私の見立てが間違っていなければラプソーンの最終目的はおそらく『光の世界と闇の世界の融合』、そしてその混沌の新世界を統べること。つまり、この闇の世界にもいずれラプソーンの魔の手は伸びてくるのです。」
今のラプソーンは残された魂の封印と聖地ゴルドに納められた肉体の封印を解こうと画策しているからこそ光の世界に留まっているだけであって、もし完全復活を遂げたのなら原作通り二つの世界を融合させようとするだろう。そうなれば闇の世界の魔物は光の世界に、光の世界の魔物は闇の世界へとなだれ込み、どちらの世界でもとんでもない大混乱が起こる。人間同士の世界戦争も勃発するかもしれない。そうなればどこに逃げ隠れしようと同じだ。
「…もう一つの誤解は?」
「私は『世界を救う』とは言いましたが、それは目的ではなく手段です。私はただこの肉体の『悲しい』運命に抗って『悲しくない人生』を送りたいだけ。その過程で世界を救う必要がある、それだけです。」
魔性の道化師ドルマゲスとして憑依転生してから数年、様々な経験をしたり、色々な人に出会って考えを改めたりもしたが、「悲しくない人生を送りたい」これだけは今も昔も変わらない。俺はトラペッタで過ごしたあの穏やかで美しい日々を決して忘れない。暗黒デブなんぞに俺の安寧を、人生を壊させたりなんかしない。だから世界を救うのだ。その過程で誰かが救われたとしても、それは俺の意図したものではない。当然、救える命は多いに越したことはないが。
「世界を救うのが…目的じゃなく手段……はは、スケールが大きいですね、おじさんは」
「道化師というのは少々大げさなくらいが丁度いいのですよ」
「……。言いたいことは分かりましたし、誤解についても理解しました。おじさんがそう望むなら僕からはもう何も言いません。ドニを救ってもらった恩がありますから、僕はおじさんが…光の世界に帰るまで、お供します」
ん?
「?ディム君は光の世界に来ないんですか?てっきり一緒に来るものだとばかり」
「え…」
「身寄りが無いなら私と来てもいいんですよ。きっと私の仲間たちも歓迎してくれます」
ディムを連れて帰ったらみんなはどんな反応をするだろうか?現在最年少のキラちゃんは、彼女よりもっと若いディムを弟のように可愛がってくれるか、そうでなくても色々と面倒を見てくれることだろう。サーベルトや師匠は張り切って剣や魔法を教えようとするかもしれない。ユリマは………。……。まあ、まあ大丈夫だろう。きっと。うん。
「……」
「まあ、考えておいてください。明日や明後日に帰れるわけではないので」
「…はい」
魔物も少なくなって頃合いも良いので、そろそろ引き上げて寝ることにする。俺はどこか心ここにあらずと言った雰囲気のディムを連れて宿屋へと向かった。
この時何の気なしに放った俺の言葉が、まさかあんな結果を呼ぶことになるとは知らずに。
ゲルダ「ディム?誰だいそれは」
ヤンガス「うーん、ディムについて説明するなら、まずドルマゲスについて詳しく説明しないといけないでがすな」
ゼシカ「魔王の仲間の変身した姿で私の恩人よ」
ゲルダ「まお…なんだって?悪いね、もう一回いいかい?」
ゼシカ「魔王の仲間の変身した姿で私の恩人よ」
ゲルダ「…」
ゲルダ「???」
ククール「アイツ、兄貴の話だけじゃなくてディムの話するときもアホになるのかよ…」
エイト「あはは…」
ゲルダ「結局ディムって誰なのさ!」
初めは黒サーと黒ユリマのシリアスな展開で進めていましたが、どうやっても納得のいく落としどころが考えられなかったのですっぱり諦めました。まあ、小話ということでご容赦くだちい。
小話ですがもうちっとだけ続きます(次でメダル王国編、次の次で闇の世界編は終わりの予定)。続きは明日出せるように頑張ります!