ドルマゲスに転生してしまったので悲しくない人生を送りたい   作:えにぃ

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Chapter21 サザンビーク国領 ②

サザンビーク王クラビウスの依頼を達成して魔法の鏡を手に入れるため、ついに重い腰を上げた王子に付き従う形で王者の儀式に出発した一行とディム。チャゴス王子の横暴に皆が苛立ちを募らせる中、ついに爆発したディムの怒りがチャゴスに天誅を下した。少しだけ胸のすく思いをした一行は引き続き「アルゴリザード」を探して山を探索するのだった。

 

 

「くそう。逃げられたか…。こんなイヤなことはさっさと終わらせて一刻も早く城へ帰りたいのだがな。」

 

「王子がのろまなだけでは?」

 

「…おい。よく聞こえなかったが、もしやぼくに失礼なことを言ったか?」

 

「いいえ?王子はどんな時も一生懸命だなあ、と。」

 

ディムが魔法によってチャゴスに強烈なお仕置きをしてからというもの、ディムはチャゴスへの敵対心をまるで隠さないようになった。しかし一方でチャゴスも他人の感情を慮る能力がないため、ディムの嫌味にも気づくことなく流している。

 

「そういえば、アルゴリザードはとても臆病だから近づくときは後ろからそっとだと大臣が言ってたな。」

 

「へぇ!それは知らなかった。王子と一緒なんですねぇ。」「貴様!」

 

「王子と一緒で慎重な生き物なんだなと思っただけですよ。」

 

もうトカゲ探しに飽きてきていたククールは、その様子を見て思わず近くにいたエイトに声をかけた。

 

「…なあ、エイト」

 

「ん?どうしたのククール。アルゴリザード見つけた?」

 

「いや。…ディムって意外と、いや結構いい性格してるよな。」

 

「んん?…あ~、うん。」

 

「料理も上手いし優しくて面白い奴なんだが…まあ、なんだ。敵には回したくないというか、ネチネチしてるというか……。」

 

「「それはそうね。」でがす。」

 

いつの間にか近くに来ていたゼシカとヤンガスも大きく頷いた。

 

 

王家の山はまるで観光地化なにかと見紛うほどに整然としていた。適切に間引かれた樹木はある程度規則的に並び、雑草は景観を損なわない程度の量。流れる川は不自然なほど澄んでおり、しかも草木の生えていない街道のようなものまである。明らかに獣道のような自然に形成されたものではなく、麓に管理者はいても、彼らだけでこんな山を維持できるとは思えなかった。魔物は確かに生息し、そのほとんどが強力な戦闘力を持っているのだが、それでも数は少なく、さらにこちらを見ると「何か」に怯えて逃げ出す個体もいたため、連戦にならないこの状況ではチャゴスや馬車を守りながらでも安定して戦闘を終えることができた。

 

「くそっ、また逃げられたか。…なにか、大臣から聞いていたよりアルゴリザードの数が少ないな…こうも効率が悪くては全然帰れないぞ!」

 

「アルゴリザード」もしばしば散見されたが、後ろから近付いてもチャゴスが悲鳴を上げたり肝心なところで急かしてきたりするのでまだ一匹も討伐できていないのが現状であった。

 

アルゴリザードの数が少ないと言われディムは一瞬顔を強張らせたが、誰もそれには気が付かない。

 

「あ。チャゴス王子、あそこ…ここからだと草木に隠れて見えにくいですが、アルゴリザードがいますよ。」

 

「ほう…フン、でかしたエイトよ。褒めて遣わす。ん?…おっ、ちょうど良いことにあそこに生えているのは『ジョロの実』ではないか。」

 

「ジョロの実?それはなんでがす?」

 

「なんだ、そんなことも知らないのか?…ジョロの実は王家の山に群生する植物「ジョロ」の果実で、アルゴリザードの好物でもある。奴らはジョロの実の匂いに敏感で、眠っていても目を覚ますらしい。それだけ大好物だということだ。…まあいかにも蛮族的な風体をしているお前なら知らなくとも無理はないか。悪かったな。」

 

ディムによるさっきの仕打ちを既に忘れたのか、終始見下した態度を崩すことなくジョロの実を解説する王子。王子の余計な一言に、顔面に一発いいのをお見舞いしてやろうか、と思ったヤンガスだが、先ほどのゼシカの覚悟を思い出し拳を引っ込める。ここまできて魔法の鏡を手に入れるチャンスを失うわけにはいかないのだ。

 

「おい、そこの。ジョロの実を持ってきてあそこのアルゴリザードをおびき寄せろ。そうして今度こそ奴を仕留めてやるぞ。」

 

「…しゃーねー。……よいしょっと、なあんだ。思ってたよりは軽いな。おいエイト、ジョロの実はオレが持つからアルゴリザードの場所まで誘導してくれ。」

 

一通りジョロの実を品定めするように見て回ると、ククールは自分の顔が隠れるほど大きなジョロの実の、その蔓を切って持ち上げた。

 

「ありがとうククール。でもいいの?僕が持とうか?」

 

「いいんだよこれくらい。それに、これ持ってる間は王子の素晴らしいご尊顔を拝まずに済むからな。できるなら耳にもジョロの実を詰め込みたいところだぜ。」

 

「あはは…(ん?これ立場的に笑っていいのかな僕…)」

 

一行はぐっすり眠っている一匹の「アルゴリザード」の十数メートル前まで近づくと木陰に隠れ、ククールがジョロの実を道の真ん中に投げて炸裂させた。橙色の殻が地面に落ちた衝撃で破れ、完熟した南瓜のように甘美な、それでいて摘みたての葡萄のような瑞々しさをも感じさせる芳醇な香りがあたりに広がる。

 

「?……!」

 

「来たぞっアr」「王子は喧しいので少々黙っててくださいね。」

 

ジョロの実の匂いで目を覚ましたアルゴリザードは何が起こったのか分からずしばらく周囲を見回していたが、落ちているジョロの実を見つけると嬉々として飛びつき、ジョロの実にかぶりついた。

 

「今だっ!」

 

「キシャァァァ!?」

 

ククールによる狙いすまされた矢の一閃。放たれた矢は対象の眉間に命中し、アルゴリザードはたまらず吹っ飛んだ。

 

「ち、額に当てたってのに。どれだけ硬い頭蓋なんだか。」

 

「まあいいだろう。アルゴリザードは一撃でも攻撃を当てれば臨戦態勢に入る。さあ、ぼくに続けお前たち!アルゴリザードを狩るぞ!」

 

アルゴリザードは頭を狙撃された衝撃で目を回している。自分より劣っていると認めた相手にはとことん強気に出られるチャゴスは自身のトカゲへの恐怖すら忘れ、この機を逃してなるものかと「せいなるナイフ」をアルゴリザードの首元に突き立てた。

 

「うおおおおおっっ!!!」

 

「「「(まさか…王子は本当の実力を隠して…!?)」」」

 

 

キンッ

 

 

「ひっ!?」

 

「グゥッ!?キシャアアァァ!!!」

 

「やれやれ…世話の焼ける」

 

ナイフは情けない音を立てて弾かれ、その反動でチャゴスは尻もちをつく。全くと言っていいほどダメージは入っていないが、首元を刃物で攻撃されたアルゴリザードは完全に戦闘態勢に入った。

 

「たっ、助け…腰が抜けて…」

 

「はいはい王子、今行きますよ…っとほい。危ないので後ろにすっこんでてくださいね~…皆さん、僕は王子を安全な所で逃げないように見張ってますので、そのアルゴリザードは頼みます!」

 

「任せて!」

 

がちん、と大きな音を立てて嚙み合ったアルゴリザードのアギトを間一髪避け、ディムはチャゴスをひょいと持ち上げた。そのまま後方へと下がると、交代で勇者たちが前線へ飛び出す。

 

「『ヒャダルコ』!動きを止めるわ!」

 

体勢を立て直したアルゴリザードがなおもチャゴスを追おうとするのを、ゼシカの唱えた氷の呪文が阻む。魔物であっても一応は爬虫類に分類されるアルゴリザードは、急激な気温の低下に対応できず身体の動きが極度に鈍る。

 

「打ち上げるでがすよ!兄貴!ククール!」

 

「「よしきた!」」

 

ヤンガスが動きの鈍いアルゴリザードに『蒼天魔斬』を下からジャストミートさせ、空中に吹っ飛ばす。その落下地点に回り込んだエイトと、弓から剣に持ち替えたククールが落下に合わせてWで『火炎斬り』を放った。

 

「ギャシャアァァ!」

 

「わっ、危ない!下がれっ!」

 

胸に十字(クロス)の火傷跡を負ったアルゴリザードは激情を湛えながらも、追撃を阻止するために「もうどくの息」を吐き、次いで火球を吐く準備をする。

 

「こいつ!意外と冷静な判断をっ!」

 

「こっちからは近づけないけど、それはさっき近接で痛い目を見た向こうも同じことよ!ここで一気に押し切るわ!『メラミ』!」

 

ゼシカに合わせるようにククールは『バギマ』、エイトは『ライデイン』を唱える。炎と雷が吹き荒れる、まるで竜の巣を思わせるような魔力の奔流がアルゴリザードを襲い、完全に戦意を喪失させ追い払うことに成功した。

 

「こういうとき、あっしも魔法が使えれば…って思うでがすね。」

 

「中々知識と知性が必要なんだぜ?呪文唱えるのって。そこらへんヤンガスにゃキツいだろ。」

 

「…ククールのイヤミもチャゴス王子の後だと特に気に障らないでがすな。」

 

「それはそれでなんかむず痒いな。…ん?おい、何か落ちてるぞ?」

 

アルゴリザードが去った後、赤い石のようなものが落ちていることに気が付いたククールが拾おうとすると、いつの間にか戻ってきていたチャゴスがそれを横取りした。

 

「うわっ!」

 

「ほう!これがアルゴンハートか。…随分小さいんだな。アルゴリザードも気色悪かったが、見た目ほど強くなかったし…」

 

「…おい、ディム。王子を引き留めておいてくれるんじゃなかったのか?」

 

「すみません…アルゴリザードが倒れたと分かった瞬間急に走り出したもので…」

 

過去の出来事の関係でトロデ、ゼシカを除く王族貴族に良い感情を抱いていないククールはパーティーの中でも特にチャゴスとウマが合わないようで、チャゴスが急接近してくると虫を発見してしまったかのように反射的に飛び退いてしまった。虫のような扱いをされている哀れなチャゴスに続いてディムとトロデ、ミーティアも合流する。そんな失礼ともとれるククールの反応を気にもかけず、良い事を考えた、とチャゴスは続ける。

 

「よし!ここはひとつ、もっと大きいのが手に入るまでアルゴリザードを倒し続けるとするか。フフン。」

 

「ふんだ。言ってくれちゃって。自分はすぐに逃げ出したくせにさ。」

 

「アルゴリザードに挑むときの王子のセリフがあんまりに勇ましかったもんで、アッシはつい王子が実は強いのかと思っちまったでげすよ。まあ、結果は見ての通りですがね。」

 

「(それは僕もちょっと思った…)」

 

「それにしてもみなさん、すごいですね!アルゴリザードも弱い魔物ではないはずですが、それを無傷で倒してしまうなんて…」

 

「そいつはどうも。オレたちも一端の冒険者の仲間入りを果たしたってことさ。」

 

「あの王子サマが面倒なことを考えているせいでまだ終わりにはならなそうだけどね……あーあ。私、これでやっとサイアクなお守りから解放される!って思いながらアルゴリザードと戦ってたのにな…」

 

「というか、王子はほとんど戦闘に参加していないでげすが、これで儀式は遂行されたことになるんでがすかね?」

 

「さあ…それを判断するのはクラビウス王ですからねぇ…」

 

護衛をつけた時点で既に本来の儀式と異なっているため、それでもチャゴスを送り出したクラビウスには彼なりの考えがあるのだろうとディムは続けるが、それでもチャゴスがここで何かを掴むとはエイトたちには到底思えなかった。

 

その後も何度かアルゴリザードと対戦するも、チャゴスが満足するような「アルゴンハート」は手に入れられず、そのまま日は落ちてしまった。

 

 

「これもダメだ。こんな大きさじゃ父上たちは驚きもしないだろう…。もっとアルゴリザードがたくさん出てくれば、それだけ大きいのが手に入る確率も増えるのだろうが…。ふん!トカゲどもときたら、このぼくに恐れをなして巣穴から出てきやしない。強すぎるというのも罪だな。ぶわっはっは!」

 

「…ホントにおめでたい性格ね。この困ったちゃんの王子様とお別れできる日が待ち遠しいわ。」

 

「う、嘘だろ…ほとんど戦ってないってのに、王子はアルゴリザードを自力で倒したと本気で思い込んでるのか…?いやいや、いくらなんでも…」

 

「しかし今日はもう疲れたな…。おい御者。今日の狩りはおしまいにするから、どこか開けた場所に案内しろ。疲れたから休みにするぞ。」

 

驚きを通り越して呆れるゼシカ、その呆れをも通り越してまた驚くククール、そんな彼らの言葉には気にも留めずトロデに指示を出すチャゴスに流石の一行にも隠し切れない疲れが見えてきていた。トロデもチャゴスのことを良く思っていないのは同じだが、間近でチャゴスの横暴に曝されているエイトたちを慮ってか、愚痴を言うようなことはせず、そのまま一行は山頂の開けた場所で一夜を明かした。

 

 

「!?」

 

翌朝、エイトはミーティアの悲鳴を聞いて飛び起きた。何かあったのだろうか?すぐに装備を整えて声のした方へ飛び出した。

 

「姫っ!大丈夫ですかひ…め…」

 

「エイトさん、おはようございます。お早いですね。」

 

「来たかエイト!」

 

「………???」

 

「~~~!!~~~~!!!!」

 

ミーティアがいるはずの広場に行くと、そこにはこれまでになく憤怒した表情のトロデと少し毛並みが乱れ、トロデの後ろに隠れているミーティア、何でもないように朝食の準備を始めているディム、そして──。

 

「お、王子……?」

 

「~~!~~~!!~~~~~~~~!」

 

頭から腹まで真っ逆さまに地面に埋まっている状態のチャゴスだった。

 

「えーと、ディム…これはどういう…」

 

「このアホがミーティア姫におイタをしましてね。もう一度『霊竜様』に降臨していただいたんですよ。あ、サンドイッチなら先に出せますけど今食べますか?」

 

「えーと、王様…これはどういう…」

 

余りに落ち着きすぎていて話にならないディムを一旦置いて、エイトはトロデに説明を求める。ここまでの男とは思わなかった、とトロデはわざわざ眠っていたゼシカ・ククールや用を足しに行っていたヤンガスを連れてきてまで、今朝チャゴスがミーティアにどんな酷い仕打ちをし、それを強く制止できなかった自分がどれだけ憎らしかったかを熱く語った。エイトたちはチャゴスの酷く身勝手で残酷な所業に思わず顔を顰め、その間ずっとディムは朝食を用意していた。

 

「…もっと早くわしがミーティアを庇っておれば…ミーティアや、怖い思いをさせてしまったね…情けないわしを許しておくれ…」

 

ミーティアは気にしてないですわ、とトロデに頬ずりをした。

 

「…ひでえ…なんとも胸糞の悪い話でがす。とことん美点の見つからない王子様でがすね…」

 

「でも、姫様がムチで打たれる前にディムが助けに来てくれたのよね?姫様が無事で本当に良かったわ。」

 

「~~~~~!~~~……~~!!!!」

 

「ところでディム…その結果チャゴス王子は頭から地面に埋まってるわけだが、これは…大丈夫なのか?いくらコイツが腹の立つ奴でも死んじまったら生き返らせられないぜ?」

 

「大丈夫ですよ。空気は確保してますし、無理な体勢では埋め込んでません。せいぜい頭に血が上ってクラクラするくらいでしょうか。あと、先ほどまでトロデ王がお話しされていた内容と皆さんの王子への罵詈雑言は本人には聞こえていないので安心してください。」

 

あ。とエイトたちは揃って口を手で押さえた。トロデも「わしとしたことが…」という表情をしている。かちゃ、と最後の食器を並べ終えたディムはおもむろに立ち上がって伸びをした。

 

「さて。準備も出来たことですし朝食にしましょうか。今日で儀式が終わったらいいですねぇ。」

 

見覚えのない小洒落たテーブルに椅子。おそらくディムがどこからか用意したものであろう食卓の上にはこれまた見たことのない、しかし非常に食欲をそそる料理たちが並べられている。エイトたちは思わず唾を飲み込んだ。

 

「そうだね。せっかく用意してもらったし温かいうちに食べようか。凄く美味しそうだね。」

 

「王子のことは気に入らねぇが、おかげでディムの飯が食えるならもう少しだけ我慢してやるか。」

 

「昨日の夜に続いてこんなお料理が朝から食べられるなんて!私ディムのお料理大好き!」

 

エイトたちはそれぞれ席に着くとパンやサラダを取り分け始めた。ディムはそれを確認すると埋まっているチャゴスの脚を掴んで引き上げた。

 

「おーい。王子もご飯の時間ですよー。」

 

大根のように引っこ抜かれたチャゴスはまだ幻覚に怯えていた。土まみれのまま食卓に座られると困る、と呟いたディムは水の初等魔法『ザバ』をチャゴスにぶつける。

 

「ぶはっ!やめて食べないで……ん?お前はディム?れ、霊竜は?もういないのか?」

 

「はい。王子の祈りがきっと届いたのでしょうね。それか興味を失ったか。でももしまた仲間を軽視したり、他者の権利を侵したりするようなことがあればすぐにでも飛んでくると思いますよ。」

 

「ひっ…!…くそ、や、やってられるか!儀式はもうやめだ!ぼくは帰るぞ!お前たちは何の役にも立たなかったと父上に言いつけてやる!」

 

「そうですか。ところでそろそろ朝食の時間ですが、王子はもうお帰りになるのでいらないということでよろしいですか?」

 

「!……食べるよ!早くよそって持ってこい!」

 

「もうお料理は並べてますよ。」「ふん!」

 

帰る、という言葉はどこへやら。チャゴスは長卓の中央席にどかっと座り込むと、黙々とサンドイッチを食べ始めた。ディムはミーティアのための野菜ケーキを配膳すると、自分も席について食事を始めた。

 

 

 

 

 





原作との相違点

・王家の山がキレイ。
ドルマゲスは元々魔物や植物のサンプルを採取するだけのつもりだったのだが、生来の几帳面さが顔を出し少し手入れをしてしまった。元から王家の山は複雑な構造をしていないので単に景観が良くなっただけである。

・魔物が少ない。
サーベルトが限度を知らず片っ端から見込みのある魔物をアスカンタへ送りつけたため、魔物の数は激減した。しかし下がったのはエンカ率だけであり、魔物が弱くなったわけではないので低レベルでも安心、というわけでもない。「バトルレックス」や「かくとうパンサー」に囲まれれば苦戦は必至である。

・天誅その2。
チャゴスが朝っぱらから凶行に走ることをもちろんディムは知っていたが、トロデがチャゴスという人間に深く失望し、最後の土壇場でミーティアとチャゴスの結婚式を阻止する選択を確実に取らせるためにはチャゴスの腐りようを目の当たりにする必要があると考え、苦悩の末にギリギリまで不干渉を貫いた。防げたイベントであるにもかかわらずミーティアを恐怖に晒してしまったお詫びとして、ミーティア用の朝食(もちろん魔物食材でない)は最高級の食材を使用し、腕によりをかけて作った。




最初はチャゴスがミーティアに乱暴する(語弊)シーンも400字ほど書いていたんですが、書いていてあまりに不快だったため全て削除して簡略化しました。

原作を知らない方のために軽く説明すると、山頂で一夜を明かした翌日の早朝、チャゴスは何を思ったか嫌がるミーティアに無理やり乗ろうとします。ミーティアは馬車馬であり、人を乗せる馬ではない(なんなら呪いをかけられるまでは馬ですらなかった)ため常人よりも重いチャゴスを乗せて歩くことなどできず、暴れまわってチャゴスを振り落とします。それに逆上したチャゴスは躾と称してミーティアをムチで打とうとし、それを庇ったトロデをも躊躇いなく攻撃しようとします。原作ではアルゴングレートを見つけたヤンガスによって間一髪二人はムチ打ちから逃れられるのですが、今回はチャゴスがムチをトロデに打とうとしたところでディムが『マヌーサ』→『念力』のコンボでチャゴスを頭から地面に埋め込みました。

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