ドルマゲスに転生してしまったので悲しくない人生を送りたい   作:えにぃ

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ついに闇の遺跡編も終わりですかね…さてこっから続けようか続けまいか。

今回は長くなってしまったので二つに分けました!分けたらちょっと短くなっちゃいましたけど…
後編は今日中に投稿しようと思います!








第四十章 愛と闇と道化と呪われし町娘 前

ハロー、なんて言っていられませんね。どうも、ドルマゲスです。ユリマさんとの再会を、まさかこんな場所で、こんな最悪の形で果たすことになろうとは…。傷つけたくない、という感情に嘘はありませんが、それが通るような甘い状況でもありません。…倒さねば、倒される。私がではなくサーベルトやキラさんがです。…この戦い、負けるわけにはいきません。

 

 

 

 

キューブ状の結界の中が、外から視認できなくなるほどの光が炸裂する。俺の『メラゾーマ』とユリマの『メラゾーマ』が激突したのだ。

 

「くっ……!」

 

「熱い…ああ、熱いなぁ…ふふ」

 

俺は直前に『ザバ』を自分を対象に詠唱し、全身を水でコーティングしていた。ダメージが抑えられるわけではないが、炎呪文の追加効果である火傷は防ぐことができるのだ。一方ユリマは全身を炎に覆われたため、大火傷を負ったはずだが…

 

「(熱さを感じていない…、というより『痛み』に慣れ切っている感じか……なんて厄介)」

 

「いいんですかドルマゲスさん?…こんなに温められちゃったら私、もっと熱狂しちゃうかもしれないですよ?」

 

ユリマは恍惚とした表情のまま『ベギラゴン』を唱える。幸いなことに重力魔法以外の魔法は詠唱を破棄することはできないらしい。

 

「(『ベギラゴン』は…導線をなぞるようにして回避しながら詠唱者の懐に……)うわっ!?」

 

『メラ』を始めとする炎呪文を「火球」とするならば『ギラ』系の灼熱呪文は「火炎放射」である。魔力操作によってある程度コントロールを効かせることのできる『メラ』系と違い、『ギラ』系は放たれると何かにぶつかって炎上するまで直線的な動きしかできない。その隙を狙った、つもりだったが。

 

「重力で軌道を曲げて……っ!」

 

「…寄り道も回り道も大事ですよ?全速全身、当たって砕けて良いのは恋だけです♡」

 

「ぐああっ!」

 

『ベギラゴン』の直撃を貰い、俺はもんどりうって吹き飛ばされた。かなりのダメージ…先ほど水を浴びていなかったならこの傷は二度と治らない痕になっていたかもしれない。

 

「ただし…私の恋は除きますけどね!『ライデイン』!除いてくれますよね??除けますよ!ドルマゲスさんになら!!」

 

「(ライデイン!回避は不可、なら…)」

 

相手の詠唱を見た瞬間に「てつのつるぎ」を取り出し地面に突き刺す。即席の避雷針だ。そのまま「まじゅうの皮」を取り出して身体を覆う。

 

『デイン』系は自然現象としての雷とは異なるので避雷針で無効化することはできないが、雷の性質上ある程度威力を分散させることはできる。

 

「(はあ…はあ…よし、雷のダメージはほとんどなし…次は…)」

 

「『バギクロス』ですね?服がびりびりに破れないくらいでお願いしますよ!」

 

「(!?読まれた…?)ばっ、『バギクロス』!」

 

「きゃー♪」

 

相手の『バギクロス』に応戦する形でこちらも同じ呪文を放つ。二つのハリケーンはベーゴマのようにぶつかり合い、対消滅した。ユリマは深く腰を落とし、その凶悪な笑みからは今にもこちらへ飛び掛かり、喉を食い破ってくるような勢いすら感じる。

 

「…」

 

「考え中ですか?ならこっちから行きます…!」

 

「…ユリマさん、ちょっと待ってもらっていいです「いいですよ♪」」

 

ユリマは直ぐに前傾だった姿勢を戻し、後ろ手に杖を持って微笑んだ。素直すぎてこちらが驚かされる。

 

「今のバギクロス…なんで私が使うと思ったんですか?」

 

「…んー…」

 

ユリマはちょっとばつの悪そうな、悪戯が親にバレた子供のような笑みを浮かべた。

 

「その前も、貴方は私が交渉を決裂させることが分かっていたかのように行動しましたね?他にもサーベルトの回避先を読んで魔法を放ったり、私が『ジゴフラッシュ』を唱える前に防御反応を取ったりしました…」

 

「あー、やっぱり気づいちゃいました…?」

 

「ユリマさん、貴方…『少し先の未来が見えて』ますね?」

 

彼女はやっと気づいてくれた、と薄く笑った。

 

 

「ちょっと遅かったですよ?ドルマゲスさん。あんなにヒントを出していたのに。」

 

「…やはりそう、ですか。」

 

…そうではないと言ってほしかったと思いながらも、俺は観念したように首を振った。

 

「『少女の見る夢(リリィ)』って呼んでます。私、昔からよく予知夢を見る…っていうのはドルマゲスさんもご存じですよね。それが派生して?進化して?順応して?…よくわからないですけど『未来を見る』能力に変わったみたいです。…ふふ、ドルマゲスさんなら『認識された霊力が予知夢の力と混ざりあって、その不安定な状態のままパルミドで危機意識が大きく成長したことがトリガーになったのか…!?』なんて分析しそうですよね。」

 

…嘘やハッタリの類はなさそうだ。原作でも水晶玉の場所や勇者の到来を予知していたユリマ、その予知夢の力は俺もトラペッタにいた時に確認している。それがこんな具合に魔術として昇華されるとは…。

 

「凄いですね。その術はどうすれば未来が見えるのですか?」

 

「こうやって、両手の親指、人差し指で空を四角に型取ると…見えます。あそこを見ててください、ドルマゲスさん。14秒後にそこの柱にひびが入ります。」

 

「…」

 

「…あとは自分に危険が迫っている時も数秒先の未来が見えたり見えなかったり、そんな感じですね。私に似て気まぐれな能力なんですよ。」

 

ユリマがそう言い終わるや否や、俺から見て右前方20メートルほど先にある石柱に亀裂が入った。

 

「…!!」

 

「ね?……ああ、ビックリした顔も素敵です♡…さて、どうします?降参してもいいですよ。私が言うのもなんですが、ドルマゲスさんの勝ち目は薄いと思うんです。」

 

「…何ですって?」

 

「出力は互角でも魔力量は私が上、重力系の呪文は詠唱も破棄できる、一足先の未来も見える。今のドルマゲスさんじゃどうやったって勝てっこないですよ?降参した方が身のためなんじゃないですか?」

 

「…」

 

「あっ、ドルマゲスさんが弱いとか、そういうことじゃないですよ??ただ私が強すぎってだけで…」

 

「…仮に私が降参したらどうなるんです?」

 

「!!!」

 

よくぞ聞いてくれましたとばかりにユリマは目を輝かせる。しかしその眼は俺を見ているようでまるで見ちゃいない。

 

「ドルマゲスさんが降参したらこの陰気な島を出て私とドルマゲスさんは全ての(しがらみ)から解放されて二人で暮らすんです。海のどこかには『地図にない島』なんてものがあるみたいで、そこに丸太小屋でも建てて二人で住みましょう!…天気も良いある朝、鳥のさえずりに導かれるままドルマゲスさんが目を覚ますと、隣で寝ているはずの私がいないんです。ドルマゲスさんは焦ってベッドを飛び出しますが、キッチンにエプロンをつけて、お玉を片手に朝ご飯を作っている私がいてドルマゲスさんは安心するんです。豆から挽いたこだわりコーヒーを淹れて一口飲んだ後、ドルマゲスさんが『今日は随分と早いですね、どうしたんですか?』なんて聞いて来るのを『別に何も!でも、たまには私もできる女だってところを見せたいんです!』って返したりなんかして。小屋は最初は小さいんですけどだんだん大きくしていくんです。ドルマゲスさんに家具を創ってもらってる間に私は花壇を作るんですよね。バラをたくさん咲かせるんです。覚えていますか?ドルマゲスさんがいつかくれたあのバラです。アレをたくさん咲かせて、いずれは島中の植物をバラに変えるのが私の目標なんですよ。慣れない朝ご飯を作って、花壇いじりもした私は多分疲れちゃうので少しお昼寝をするんです。それで目が覚めたらもうお昼過ぎ。寝起きでまだ意識が混濁している私を覚醒させてくれるのは昼食の準備をしてくれているドルマゲスさん。不思議な力で色んな工程を一気にこなすその姿に、お鍋がぐらぐらと煮えたり、肉が焼けたりする調理の音に、私の知らない香辛料や材料が使われた料理の何とも言えない魅力的な香りに魅せられて、私は思うんです。『ああ、これが幸せってことなんだろうな』って。私の幸せは目の前にあるんです。」

 

「…私が降参すれば貴方は幸せになれると?」

 

長すぎて最初の方はもう忘れてしまったが、最後の文から強引に話をまとめる。

 

「そうです!それでぇ…その…私はどっちでもいいんですけど、その、ドルマゲスさんがどうしてもっていうなら……子「その場合、ルイネロさんは?トラペッタの町のみなさんにはなんと説明するんです?今でさえみんな心配していると思いますが。」

 

「…」

 

「…」

 

「……お父さんや他の人には手紙なりなんなりで生存報告だけすればいいじゃないですか。お父さんにもいい加減独り立ちしてほしいですし。……心配かけてって言うならドルマゲスさんも一緒ですよ。」

 

「…」

 

…それはそうか。師匠が回復したら一度トラペッタに向けて手紙を出すのもありかもしれない。しかし全ては今を切り抜けてからだ。ユリマは心なしか少し苛立っているように見える。

 

「ね、降参してください。私も好きでドルマゲスさんを虐めたいんじゃあないんです。そういう子じゃないんです。この結界を解除して『歯向かってごめんなさい』『助けに来てくれてありがとう』って言ってくれたら全部終わりなんです。この終わりが私とドルマゲスさんの始まりになるんです。」

 

「…。」

 

「ねぇ?」

 

「……私が降参して結界を解いたら、外にいるサーベルトとキラさんはどうするつもりですか。」

 

「…!」

 

「…答えてください。」

 

「……か…」

 

「?」

 

「……こんな時でもあの人たちの心配ですかァ!?なんで!?なんっっで私じゃダメなんです!?私と来た方が絶対幸せですよ!ドルマゲスさんの望むことならなんでもしますよ!!何不自由なく過ごせます!私…わたし頑張りますから!信じてくださいよ!!ねぇ!!!」

 

「信じてないわけじゃない、むしろ嘘は一つもないと思ってますよ。だからこそです。ユリマさんが私を大事に思ってくれているように、私はそこにいる二人を大事に思っているんです。」

 

「…は?」

 

「…」

 

「ドルマゲスさん()()()に私の気持ちの何が分かるっていうんですか。分かるわけないでしょう?私の血、私の涙、私の痛み…それをあんな人たちと一緒にしないでくださいよぉ!!!」

 

「…。」

 

「霊力を信じる俺を信じ」て呪術が使えるようになったのなら、同様に「サーベルトたちを大事に思う俺を大事に思う」ことでその矛を収められるかと思ったが。…逆効果だったようだ。ユリマの全身から血液が滲みだし、目から大粒の涙が零れだす。乾いていた頬の血痕が涙で溶け出し、図らずとも般若を思わせる血化粧になった。

 

「もう…もういいですよ!!!ドルマゲスさんなら分かってくれると思ったのに!もう知らないです!!ドルマゲスさんは絶対に私が連れていきます!あなたの腕が無くなっても、あなたの脚が無くなっても、亡骸になっても連れていきますから!泣いて謝っても絶対止まらないから!!!!!」

 

「止まらない?………そんな覚悟、私はとうの昔…貴方の故郷を出発した時に決めてるんですよ。」

 

俺は外にいるサーベルトにハンドサインで無事であることと警戒待機の続行を伝えると、先ほどあけられた結界の穴を塞ぎ、「オリハルコンの棒」を構えた。

 

「第二ラウンド、始めましょう。」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「ドリィ…」

 

「ドルマゲス様、大丈夫なのでしょうか…」

 

サーベルトは爆炎が、猛吹雪が、暴風が荒れ狂うキューブ結界を凝視したまま親友(とも)の名を零す。その後ろで、結界内で戦闘を繰り広げている憧れの人、もとい想い人を心配するのは金髪の女ことキラである。キラは自分を『絶対に守れ』とドルマゲスから託されたサーベルトの顔を見た。バケツを被ったような形(フルフェイス)の兜である「オリハルコンの仮面」を装備しているサーベルトの顔色は窺い知ることができない。

 

「ああ。ドリィはきっと問題ないさ。さっきもサインを送ってきただろう?アレは確か…スライム語で『私・無事』という意味だったはず。だから大丈夫だ。」

 

「…アレはスライム語ではなく自然語です…。意味は同じですけど。」

 

…窺い知ることはできないが、キラは自分を守る鎧兜の剣士が自分と同程度か、それ以上にドルマゲスを心配していることをよく知っていた。

 

「(きっとサーベルト様は今すぐにでもドルマゲス様を助けに行きたいのでしょう。しかし当のドルマゲス様が私を守れとサーベルト様に命令されているので、サーベルト様は動きたくとも動けないのかもしれません。)」

 

「…」

 

「(もしそうだったら…)」

 

私だって、わたしだって…

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「逃げないでくださいよォ!私が鬼ごっこ苦手なこと知ってるくせに!!」

 

「よく知ってるからやってるんです…よっと!」

 

俺は力場が乱れて上も下も分からなくなってしまった空間の中、有り得ない挙動で迫ってくる大魔法の数々をいなしながらユリマに一撃を入れては離れる。いなすといっても、ダメージを抑えているだけで、確実にHPはガリガリと削られている。この後大魔法を一撃でもまともに食らえば一巻の終わりだろう。こんな時こそ冷静に、と俺は自分に言い聞かせた。

 

「痛い!」

 

「全然効いていないように見えますけどね!」

 

「……。…痛いって言ってるじゃないですか?…いくらドルマゲスさんだからって私が何でも許すと思わないでくださいね?」

 

「!!!」

 

俺の足元を中心に蜘蛛の巣のような亀裂が入る。咄嗟に跳びあがって脱出を図ったが俺の足はまるで石のように微動だにしなかった。

 

「足だけに重力を…っ!!」

 

「『メラゾーマ』!燃えて!!!!」

 

「くっ!」

 

俺は眼前で『賢者の見る夢(イデア)』を開き、迫りくる『メラゾーマ』を間一髪で異空間に送った。

 

「だったら…『少女の…」

 

「させないっ!」

 

開いたままの異空間から「ばくだん岩のカケラ」を取り出し、即座に投げる。空気との摩擦で赤熱したばくだん岩のカケラはその性質に従い、ユリマの胸の前で炸裂して燃え上がる。

 

「きゃあっ!!」

 

俺は隙を突いて緩んだ重力から抜け出し、またよろめいたユリマをオリハルコンの棒で刺突した。

 

「ユリマさん、貴方のその魔術…『少女の見る夢(リリィ)』でしたか。あらゆる事象を未然に知り、対応できる最強の後出しジャンケン。無敵に近い素晴らしい能力です。が…無敵に近いと言っても欠点が無いわけではない。」

 

「ゲホッ!はあ…はあ…ふん、本当にそんなものがあるなら言ってみてくださいよ…」

 

「…まず一つ、指で空間を切り取ら(フレームを作ら)なければ未来が見えないこと」

 

俺は弾丸のような速度で飛んでくる岩石を『ザバラーン』でまとめて押し流す。その水流に乗って接近し、また棒をユリマの肩に叩き込む。

 

「あ゛っ!」

 

「…二つ目、緊急時には自動で発生するという『リリィ』、()()()()()()()()()()()、例えばこのような、刃も魔力もないただの棒の攻撃は『リリィ』の致命打の対象に入らないっ!」

 

「っ!『バギクロス』!」

 

「ぐうぅぅっ!!」

 

至近距離で圧縮した『バギクロス』を放たれ、回避できずに俺は咄嗟に右腕で受けた。ギャリギャリと嫌な音を立てながら右腕の肉が削げ落ちていく。

 

「(痛い痛い痛いッッ!!)あああああっっ!!ハアッ!」

 

削られた右腕の骨が見えるか見えないかというところでユリマを突き飛ばし、左手に握りなおした棒を全力で投擲した。しかし彼女の額を狙った棒は紙一重で避けられ、結界にぶつかってポトリと落ちた。

 

「…ふふふ、ど、どうですか!棒を無くしちゃもう形無しですよ!それから…っ!」

 

ユリマは指でフレームを作り、覗き込んだ。『リリィ』は正常に発動し、未来を確認したユリマは口角を上げた。

 

「…ほら、やっぱり…!武器が無くちゃもう…」

 

「三つ目」

 

「え?」

 

「三つ目ですよ。あなたの『少女の見る夢(リリィ)』の欠点の三つ目」

 

俺は人差し指をくいと引いた。右手はもう感覚もないので左手の指だ。

 

「……?」

 

いくら殺傷能力のない棒と言えど、その素材は世界最硬の鉱物オリハルコン。何度も殴られれば満身創痍に至るのは不思議なことではない。ユリマは無駄に突っかかってくることはせず、俺の次の言葉を警戒している。

 

「未来が見えるのは指と指の間から覗き込んだ光景のみ。なので『死角』の未来は見えない。」

 

「!!!」

 

「そして、私の最も得意としている呪術は…『念力』です」

 

「ま、まさかっ!!!」

 

ユリマが後ろを振り返った時にはもう遅く、眼前に迫っていた「オリハルコンの棒」が彼女の額にクリーンヒットした。

 

「…っ……!」

 

「どうやら私のことを良く知らないみたいですね、お嬢さん…?一緒に住みたいなら、まずお互いを知るところから始めましょうね。」

 

とさりと崩れ落ち、意識を失った少女を見下ろしながら俺はふうとため息を吐いた。

 

 

 

 

 

ああ、ちょっと、疲れた。

 

 

 

 

そこで俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 




「オリハルコンの仮面」:FFシリーズの最硬防具「ガラスのマスク」をイメージしてドルマゲスが作った兜。「はぐれメタル」等の生体細胞である「メタルのカケラ」を「オリハルコン」と錬金しており、尋常ではない耐久力と衝撃吸収性を誇る。勇者たちが王家の山に赴いている間に「はやぶさの剣・改」と共にドルマゲス(分身)から支給された。


『少女の見る夢(リリィ)』:元来予知夢を見る能力を持つユリマが霊力を認識したことによって図らずとも発現した魔術。二つの能力を持つ。
①予知夢の力を指と指の間に限定することでいつでも未来の光景を覗き見ることができる。覗く先の時間を設定することはできないが、その光景が現実化するまでの正確な秒数は頭に入ってくる。あくまで未来の自分の視界を借りているだけなので、全方位を見渡すことはできない。
②自分の命に届きうる危機が向かってきた際、指で空間を切り取らずとも自動で頭に未来の光景が流れ込んでくる。この場合、迫ってくる危機の方向と到達までの秒数も判明するが、致命打にならない攻撃には反応しない。

どんな事象も事前に知ることができるが、確実に回避できるというわけではない。百合(リリー)の花言葉は「純粋」「虚栄心」「呪い」。少女はただ、道化師の役に立ちたいだけだった。


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