ドルマゲスに転生してしまったので悲しくない人生を送りたい   作:えにぃ

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勇者視点なのに勇者が出てこないバグ、修正はよ。

引き続き暴力的な表現に注意です。








Chapter30 リブルアーチ地方 ⑤

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「チェ…?な…なぜ……」

 

「…ハワード、さま…」

 

「ま、待て喋るな!今…」

 

妖魔ゲモンの投擲した杖によって身体に大きな穴を空けられてしまったチェルス。すぐに呪術で止血を試みるハワードだが、林檎ほどの大きさの穴が胸に空いてしまった彼をこの状態から救命することは…残念ながら誰の目にも不可能なのは明らかだった。

 

吸う息が胸の穴から抜けていく。栓を抜いたバスタブのように血液も流れてゆく。腕の中でみるみるうちに冷たくなっていく、そんなチェルスを抱えたハワード。呪術師である彼がこんなにも自分の弱さを呪いたくなったのは生まれて初めての出来事であった。

 

「…」

 

「…くそっ!わしが…!わしが未熟なばかりに…!」

 

「ちが…ぼくが…選んだ…」

 

「な…?」

 

「ぼく、は…ハワードさまが…大好きだから…だから…必然でも、運命でも…関係、ない…です…」

 

「…!」

 

「クーパスさまの子孫じゃない…ただのチェルスとして…僕は、あなたを…尊敬…」

 

「ちがっ…わしは…わしがお前を…っ」

 

「ごめ…なさ……」

 

「ま、待て!待ってくれ!逝くなチェルス!」

 

「ありがとう…ございます…僕を雇ってくれて…僕を叱ってくれて…僕に……謝ってくれて」

 

「チェルス!!!」

 

「ど…うか……お元気…で……」

 

「…!」

 

その言葉を最後に、チェルスが二度動くことは無かった。

 

ハワードの腕へと伸ばされたチェルスの手は、それすら叶わず音もなく地に墜ちる。そんなチェルスの最期を見届けたハワードの頬を涙が伝った。それはチェルスを失った悲しみか、このような事態を招いてしまった傲慢な自分への憤りか、未熟故に彼を救えなかった悔しさか。

 

「グハッ、グハハハハッ!!!こいつァ思ってもねぇ収穫だぜ!まさか賢者自らのこのこ刺されにやってきてくれるとはな!何が賢者!愚か者の極みじゃあねェか、傑作だぜ!!」

 

ゲモンは投擲した杖を回収すると、こんなに面白いものを見たことは無いという風に大きく笑い声をあげ、さらにチェルスの亡骸の前で震えるハワードに唾を吐いた。

 

「賢者が愚か者なら、キサマは最低のカス野郎だな?なんたって───」

 

『ゲモンよ…先ほど我をぞんざいに扱った不敬についてはどう弁明するつもりか?』

 

「ら、ラプソーン様!?もっ申し訳ございません!!思わず我を忘れてしまい…ばっ、罰ならなんなりと…!」

 

『……まあ、よい。我も愉快なものを目にして満足よ。賢者の血を以て此度の不敬は不問としてやろうぞ…。』

 

「おお、なんと寛大な御心…ありがたき幸せ…!!!」

 

ハワードはチェルスの亡骸をゆっくりと横たえると、ラプソーンの慈悲に涙を流しているゲモンを睨みつけた。

 

「絶対に…絶対に許さんぞ貴様ら…!」

 

「グハハハ…キサマに何ができる?…まあいい、俺様の仕事を手伝ってくれた礼だ。せめて一思いにその首を掻き切ってやるぞ」

 

「…っ!」

 

ハワードに伸びる黒い爪。あくまで呪術を扱えるだけの一般人であるハワードの首を裂くなど、ゲモンにとっては豆腐を握り潰すほどに造作もない事だろう。しかし……ハワードはこれでチェルスの所へ行けるなら、あの世でもう一度謝罪できるなら…今度こそ死んでも良いと考えていた。

 

しかし幸運にも、あるいは不幸にも、ハワードの人生は終わらない。突然ハワードの身体とチェルスの亡骸が宙に浮き、そのまま階段の下へと「落ちていく」。ゲモンの爪はハワードの首の薄皮一枚を切り裂くにとどまった。

 

「なにっがああぁぁ!?!?!?」

 

「な、なんだァ!?」

 

ぺた、ぺた、と血と泥で汚れた湿っぽい足音を鳴らし、飛ばされたハワードと入れ替わるように階段を上ってきたのは裸足の少女。

 

「…『お元気で』と言われたのなら…なにがなんでも生きなきゃダメじゃないですか」

 

「…!お前さんは…」

 

ハワードは階段の下から、少女の後姿を見上げた。

 

「あなたは彼に呪われたんですよ。『お元気で』と。だから…あなたは絶対に生き延びないとダメなんです……さあ」

 

「…っ!武運を祈る!」

 

ハワードはチェルスの亡骸を再び抱え、脱げた靴も履きなおすこともせず一心不乱に走り出した。

 

「…」

 

「な、キサマはあの時確かに…!」

 

「殴り殺した?当たってないですけど。燃やして灰にした?灼かれるのには慣れてますけど。」

 

「…!」

 

ユリマは倒れたまま動かないドルマゲスに目をやる。お願い、死なないで。そう願いながらも今は敵前。決して顔には出さない。血塗れで気を失っているサーベルトにも目をやる。きっとドルマゲスの為に死力を尽くして闘ったのだろう。ユリマは初めて、サーベルトを心から信頼できる人だと感じた。

 

「…よくも……よくも私のドルマゲスさんを…お兄さんを酷い目に遭わせましたね……!!!」

 

血と泥に塗れ、全身に火傷を負い、服ははだけて破け、艶やかだった髪は返り血で傷み……到底淑女とは思えない貧相な佇まいのユリマだが、彼女は何も気に留めない。それはひとえに彼女の愛する男性はそれでも認めてくれるから。

 

「ニンゲンってのはわかんねェなァ!どいつもこいつも誰かの為!他者に依存することでしか動けねェのか?」

 

「黙って。…次喋ったら磨り潰します。」

 

「オォ!やってみろよ女ァ!」

 

ユリマは男が嫌いである。男は下品で乱暴だから。ユリマは女が嫌いである。女は嘘つきで強欲だから。だが、ユリマが真に嫌うのは……自分の生きる理由(ドルマゲスさん)を奪おうとする者。未来を視る左目から、光を失った右目から、滂沱の涙を流すユリマの心は今、憎悪で黒く燃え上がる。

 

「あああああっ!!!」

 

「口だけのザコがッ!!」

 

ユリマの『メラゾーマ』はゲモンの「はげしい炎」と鋭い爪の乱打によって相殺される。そのまま繰り出されるゲモンの追撃は紙一重でかわし、すかさず放つ『マヒャド』。ゲモンは翼で身体を覆って防御、そして返しの『メラゾーマ』。当然ユリマには当たらない。勝負は互角に見えたが…やはり、魔力が常に杖から供給され、さらに多彩な魔法を使えるようになったゲモンの方がより有利だった。

 

 

「グハハハ…女よ、降伏する気はないか?悪いようにはしないぞ」

 

ゲモンが呪文を唱えると、全身を覆うように紫色に輝く光の膜が張られる。反射呪文『マホカンタ』だ。

 

「ハァ…ハァ…絶対…イヤ…!」

 

ユリマは相手が『マホカンタ』を唱えると見るや否や、すぐさま瓦礫を浮かせて発射する戦法に切り替え、ゲモンを狙う。降り注ぐ岩や木材に苛立ちを募らせたゲモンは、飛んでくる瓦礫の死角に隠れ、そこから尋常ならざる跳躍力で突貫してきた。そしてユリマの首筋に爪を立てようとするも、斥力によって寸前で止められる。

 

「(思ったより面倒だな……)チッ、命拾いしたな、女。俺様もこんなところで油を売ってる場合じゃあねえんだ、そろそろお暇させてもらおうか。だが、コイツは貰っていくぜ」

 

勢いよく翼を広げてユリマを弾き飛ばしたゲモンは、倒れているドルマゲスを鷲掴みにして飛び上がった。そしてドルマゲスを取り戻そうと追撃してくるユリマを『バギクロス』で押し返す。

 

「!!!きゃあっ」

 

「…」

 

「…お言葉ですがラプソーン様…この男はおそらく既に絶命していると思われます。ただのニンゲン一匹にこれ以上の措置をとる必要が本当にありますのでしょうか?」

 

『…。非常に…非常に癪ではあるが、我は何度か彼奴等と対峙した。しかしこれまで相手を御しきることは叶わなかったのだ。未だ肉体と魂の半分以上を封印されていたとしても、だ。これをただの偶然と済ませるほど、我は耄碌してはいない。脆弱で哀れなニンゲンの一人であっても、この男はもはや無視していい(ゴミ)ではないのだ。』

 

「………。」

 

ゲモンはただの人間風情をラプソーンが気にかけていることに少々不満がありそうだったが、暗黒神(かみ)の御前でそれ以上の口答えは憚られたか、何も言わずに黙った。

 

しかしそんなゲモンと対照的に、黙ってはいられない女がここに一人。

 

「ドルマゲスさんを…返せ…!」

 

ここに来る以前、ゲモンに襲撃を受けた際に死んだふりをしていたユリマは、ゲモンが去ったその後、跡をすぐには追わずに増援阻止のためリブルアーチのほぼ全域で魔物と戦っていた。そしてその全てを圧殺し、築いた屍は百を超す。が、代償にユリマも少なくないダメージを負っていた。やせ我慢は彼女の得意分野だが…どうしても限界というものは存在する。今のユリマは闇の遺跡でエイトたちと相見えた時同様、気力だけで立っていた。

 

「グハハハハ…キサマ、この道化の(つがい)か?あまりいい趣味とは言えねェな」

 

「…返せ、返して!!!」

 

「返せと言われて返す莫迦はいねェんだよ!ほら、どうだ?ほらほら!」

 

「!!!」

 

ゲモンは右足でドルマゲスの頭蓋を掴んだまま、左足の爪をドルマゲスの身体にゆっくり突き刺した。つぷ、という肉を裂く音とは裏腹に出血はない。それ則ち流れ出す血がもう残っていないことを意味する。

 

「やめてっ!!!やめてよ!!!」

 

「グハハハハッ!下等なニンゲンとは言え、やはり女の情けない泣き顔よりも(そそ)るものはねえなァ!コイツぁもうただの肉塊だってのに、ケヒヒヒッ」

 

ゲモンはこの世の何より邪悪な笑みを浮かべ、爪でドルマゲスの身体を掻き回して弄んでいる。

 

今飛び込むのは誰がどう考えても悪手。確実に自分は押し負ける。分かっている。相手はもうこの街に用はないため、自分はこのまま逃げてキラとライラスに状況を伝え、次善の策を練った方が良い。そしてドルマゲスが起きていれば彼もきっとそう勧めるだろうと。頭では分かっているのだ。だが……。ユリマの真っ黒で、しかし真っ直ぐな恋心は、連れ去られるドルマゲスを前にして逃亡の選択肢を採れるほど複雑な構造をしていなかった。ユリマは全力で大地を蹴り、飛び出す。

 

「やめてぇぇぇぇぇっっっ!!!」

 

「へっ、能無しが!莫迦の番もまた莫迦よ!」

 

瞬間、ユリマの頭に流れ込んでくるのはゲモンのカウンターを食らって地面に突っ伏し、動かなくなっている自分の姿。『少女の見る夢(リリィ)』はいつだって残酷な現実を教えてくれる。

 

「(『一秒後』…っ!一秒後、わたしはアイツに殴られる…!痛い、絶対痛い!死んじゃうかも…!…でも…っ)」

 

でも…!!!

 

「ドルマゲスさ────」

 

果して一秒後、そこには地面が割れるほどに強く叩きつけられて手足の骨がひしゃげ、意識を失った少女の姿があった。少女の思い描いた夢(りそう)は、『少女の見る夢(げんじつ)』を塗り替えることができなかった。

 

 

「グハハハハ…逝ったか?女…」

 

「…」

 

ユリマを痛烈に叩き落としたゲモンは足に掴んだドルマゲスを適当な場所へ投げ捨てると、地面に降り立った。そのまま数歩踏み出したかと思うと、ユリマが身に纏っている焦げ付いたボロ布を無造作に破り捨て、指を心臓に押し当てる。

 

「…。コイツは驚いた、まだ生きてやがったか。悪運の強い奴め」

 

指から感じる弱弱しい鼓動…ユリマが生きていると知ったゲモンは少し思案に耽る。その数秒足らずの時間から導き出されたのはおおよそ生物の考え得る最低最悪のアイデア。ゲモンはくつくつと嗤う。

 

「(いい事を思いついたぞ。…この女はニンゲンにしては顔が端正で肉付きも良い。我々魔物にとっては何の感情も抱かない虫ケラだが…同じニンゲンの男からすればさぞ劣情を煽られることだろう。…ケヒヒッ、これは随分と面白いショーが見られそうだ)」

 

『ゲモンよ…何をしている。()く道化を連れ発つのだ…我が懐かしの「闇の世界」へ』

 

「ラプソーン様!この女も闇の世界へ持ち込むことをお許しください。」

 

『何…?』

 

「このゲモン、ラプソーン様に捧げる素晴らしい催しを考えました。則ち、闇のレティシアの女子供を人質に取って、男衆の前にこの女を吊るすのです。そして────」

 

そう言いながらユリマへ手を伸ばすゲモン。その爪がユリマの肌に触れるか、触れないか。その瀬戸際。

 

バツンッ

 

「────ギッ!?」

 

「さ…わ……る、な……!!!」

 

宙を舞うゲモンの指。その向こうでゲモンを睨みつけているのはずっと死体だと思っていた道化の男。その目から発せられたあまりにも鋭い眼光に、ゲモンは足が竦んでしまった。しかしドルマゲスがそこから立ち上がることはなく、すぐにまた意識を手放し動かなくなるも……ゲモンの脂汗は止まらない。

 

「(なんだコイツ!なんだコイツ!?なん、なんで動いたんだ!ラプソーン様があれだけ身体を貫いたんだぞ!?俺様もアイツの頭をかち割って、肉を裂いて、内臓を掻き回したっ!もう流れる血も残ってないはずだ!!あ、有り得ねぇ…そんな状態から…お、俺様の指を…念力だけで捩じ切りやがった…!)」

 

今起こった出来事の何もかもが信じられず、ゲモンは捩じ切られた指を止血することすら忘れて息を呑む。普段なら無視して相手を甚振れる程度のダメージ。しかしゲモンは久しく忘れていた恐怖を思い起こし、震えあがってしまった。

 

『…。…貴様にも漸く理解できたか?この道化はいくら追い詰めようとも必ず我らの想定を超えてくる。()()哀れなのだが…まあよい、理解できたのなら、すぐに彼奴を持って運ぶのだ。』

 

「しょ…承知致しました」

 

ゲモンは虎の子を盗み出すかのようにおっかなびっくりドルマゲスを足で掴み、何もしてこないことを確認すると、そのまま飛び上がった。翼をはためかせて羽根をまき散らし、上へ、上へ。

 

 

「こ…これは…!」

 

「オレたちが屋敷を離れた十数分に何があったんだ!?人も倒れてる…生き…てるのか?」

 

「ククール!上を!」

 

「…ああ。なんって禍々しい魔物だよ…アイツが黒い魔物の親玉か?」

 

死屍累々のハワード邸、そこに現れたのは瓦礫を潜り抜けてやってきたエイトとククールだった。二人は倒壊し、いくつも地割れが起こっている屋敷の変わりようを見て驚いたが、その原因がおそらく上空の魔物の仕業であろうことが分かるとすぐに身を潜める。流石にこの状態から戦闘を吹っ掛ける気はさらさらない。むしろ相手の力量を悟って戦意を喪失したというべきか。

 

「…ククール、あれは…ダメだ」

 

「ああ、ヤバすぎる。…逃げるぞエイト。倒れてるそいつらも一緒に!」

 

一方リブルアーチ上空、ラプソーンはハワード邸跡に現れた二人の男を見て気怠そうにため息をついた。勿論、魂だけの存在であるラプソーンに息など必要ない。ただゲモンを詰めるためだけにとった形式的なアクションである。

 

『見よ。貴様が愚にもつかぬことを考えているうちに有象無象共がわらわらと…』

 

「も、申し訳ございません!すぐに全員屠って──」

 

『もうよい。貴様に任せても碌な事にならぬのは解った。一旦"代われ"』

 

その瞬間、ゲモンの雰囲気がガラリと変わる。溢れ出す暗黒のオーラを見れば、一介の魔物でしかないゲモンと暗黒の神であるラプソーンの違いは一目瞭然。主人格を交代したラプソーンは、ゲモンの肉体を使ってゼシカの時よりも更に大きなエネルギー体を作り出した。ゼシカと決定的に違うのは大きさ、そしてその色。『メラゾーマ』を思わせる特大の火球だった先刻と異なり、今回は紫電迸る黒球。『ドルモーア』を想起させるそれはまさに『闇の太陽』である。

 

「さらばだ、我の復活を阻まんと目論む全ての愚か者たちよ…」

 

今度はハワードの妨害も受けず放たれた漆黒の魔力。闇の太陽はそのままハワード邸跡に激突し、炸裂する。家を呑み、道を呑み、街を呑み、破壊して分解してその全てを無に還していく。

 

 

ゴオオォォン…ガゴオォォン……!

 

煙が晴れたのち、中央部を粗く抉り抜かれたリブルアーチは橋としての機能を喪失し、力のつり合いが取れなくなってゆっくりと自壊していく。かつて道だったものが、家だったものが海へ落ち、藻屑となって沈んでいった。

 

「ククク…これで我を邪魔立てする者は完全にいなくなった…。我がこの世界を手にする日もそう遠くはあるまい…悲しいなぁ…なあ道化よ?貴様は二度と光ある世界を目にすることができないのだからな…クククク…」

 

橋が崩れていく様子を満足げに眺めていたラプソーンは、海に生き延びた人間がいないことを認めると空間を裂いて開き、自らそこへ飛び込んだ。裂け目はすぐに閉じ、後にはもう何の痕跡も残らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

一時期ゼシカに憑依していたラプソーンは、仲間の内の一人、バンダナの男が珍しい上級転移呪文『ルーラ』を使えることをゼシカの記憶から読み取っていた。なのでできるならもう少し早い段階で町ごと自分への反乱分子を消滅させたかった。とはいえあの一瞬では全員を集めての『ルーラ』はまず間に合うまい。間に合ったとしても生き延びるのはバンダナの男と騎士団の男のみであり、まるで問題はない。ラプソーンはそこまで見越して魔力を解き放っていたのだ。そして町が崩落するところまで目視で確認したラプソーンに抜かりはなかった。

 

完膚なきまでに打ちのめされたドルマゲス達。まるで意にも介されず、蚊帳の外に置かれたエイトたち。これまでとは一線を画す、『完全なる敗北』。

 

「チェルスの死亡」

 

「リブルアーチの崩落」

 

「ドルマゲスの失踪」

 

その後、U.S.A.からセキュリティサービスを通して、あるいはリブルアーチから生き延びた行商人のネットワークを通してあらゆる場所に発信されたこれらの報せは、まだ見ぬ雪国の賢者に、リブルアーチを国領に持つサザンビーク王国に、ドルマゲスとの繋がりがある国々や町に、小さくない衝撃を与えた。

 

 

 

 

 

 





原作との相違点

・ハワード邸が倒壊していた。
もはや個人の判別がつかないが、血塗れの男性とあらぬ方向に手足の曲がった女性も倒れていた。

・というかリブルアーチが地図から消えた。
歴代シリーズで町や国が滅ぼされるのはもはや伝統と化しているが、大抵は跡として残るため、本当に地図から消えてしまう例は珍しい。



ヤンガスはゼシカを運ぶ使用人たちと出くわした際に街の外までの護衛を買って出たため、現場にはいませんでした。


(どうしよう…もうちょっと小物っぽい感じにするつもりが、ガチで邪悪な魔物になってしまった…。)い、いやあゲモン!許せませんね!皆様、ご安心ください。ゲモンはそのうちきっちりボコボコにされる予定です。






投稿後:誤字探し中…

ユリマ「ハァ…ハァ…絶対…イヤ…!」

「(なんかこのセリフちいかわみたいだなぁ…)」カタカタ

「…」カタカタ

「(そういえばコイツちぃかわだったわ)」
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