インペルダウン最下層の自由人な囚人  完   作:ケツアゴ

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その後やあれこれ ③

① バギー一味の相談役

 

「お探しの物はこれかしら?」

 

「それは俺様のパーツ!?」

 

 道化のバギーとルフィ達との戦いは佳境を迎え、いよいよ決着の時を迎えようとしていた。

 体中をバラバラにした状態から戻そうとするがナミによって殆どが縛り上げられ腕と足の先が頭にく付いただけの状態。

 

「ゴムゴムのぉ~バズーカー!!」

 

 そして両手を大きく後ろに伸ばしたルフィによって遠くまで吹き飛ばされる。

 

 

 

 

「おっと。派手にやられたの、バギー」

 

 バギーが荒らしまくった街の空高くまで到達したバギーに向かって海賊船から飛び出した人影がバギーを掴み、そのままルフィ達の前に降り立った。

 ラフな格好をして脇腹を掻いている三メートル近い巨漢の老人、威圧感は一切無いがナミは警戒を示した。

 

 

 

 尚、空中で顔面を掴まれて急降下した勢いでバギーは白目を剥いて気絶していた。

 

 五月蠅いだろうからと思ったこの老人が何かを放ったようにも見えたが……何でもないだろう。

 

 

「誰!?」

 

「いやいや、そんなに警戒しなくても良い。ちょいとバギーの所で相談役をしているだけの老人じゃよ、お嬢さん」

 

「はぁ!? 要するにバギーの仲間って事でしょう! アンタ、此奴もぶっ飛ばしてやんなさい!」

 

 

 ナミが相手に指先を向けてルフィをけしかけようとして、その相手の姿が視界から消え失せる。

 一瞬遅れて踏んでいたバギーの体と周囲の手下達の姿も消え、後ろから声が聞こえて振り返ればバギー達を積み上げて担ぐ彼の姿があった。

 

「生憎儂が動くのはバギーが負けた時と気が向いた時だけ、その帽子を受け継いだ少年の相手をする気が今は起きんし、此処はさっさと退散しよう。そうそう、宝と海図はあげよう。負ければ全てを失うのが海賊だ。命があるだけでも儲け物じゃろうしな」

 

 一瞬だけルフィの帽子に視線を向け、再び彼は姿を消した。

 

 

 

 

「はぁ!? 宝も海図もやっちまったのかよ、ルヴァイドさん!?」

 

 数時間後、船長室にて目を覚ましたバギーだったが宝を全部失った事を聞かされて再び気を失いかねない勢いだ。

 反対にルヴァイドの方は高いウイスキーの蓋を外して直接グビグビと飲み、バギーの大声に鬱陶しそうにしていた。

 

「うっさいのぅ。お前だって倒した相手の船から宝を奪うのは散々やって来たじゃろうが。やってなくともやられる世界じゃし、海図なんぞ役に立たんのはお前だって知っとるじゃろうが」

 

「いや、そうだけれどよ。全部売れば一千万ベリーにはなったし、海図も何も知らねえ奴に売れたじゃないっすか」

 

「別に売らんでも有り金全部奪えば良いじゃろう。ほれ、前方に海賊船じゃぞ。……遠くで商船が襲われておったし、随分と稼いどるじゃろう。アレを襲おう。儂も今回は出るぞ」

 

 ルヴァイドが指差した外の先にはバギーの船の数倍の大きさを誇る海賊船の姿。

 船員だって多く、当然物資やそれを購入する為の金だって多く積んでいるだろう。

 先程ルフィ達に負けたばかりのバギー達では少々厳しい相手だと及び腰になりそうなバギーであったが、残った酒を一気に飲み干して立ち上がったルヴァイドの言葉に表情が一変する。

 

「マジっすか!? よっしゃぁああああっ! 野郎共、派手に戦うぞ、おい! 有り金全部奪い取って麦わらの小僧共に邪魔された宴の続きじゃぁあああああっ!」

 

 とても嬉しそうな表情で叫ぶバギー。

 普段の悪辣で品のない笑みとは違い、今は誇らしさとやる気に満ちた笑顔であった。

 

 

 尚、暫く後に間違って海軍の施設に忍び込んで捕まるバギーであったが、自業自得だからと少し放置し、そろそろバギーを迎えに行ってついでにインペルダウンを壊滅させるかと思っていたが頂上決戦が起きたのでマリンフォードまで迎えに行ったルヴァイドであった。

 

 

 

「へぇ、今はバギーの所に」

 

「ああ、表には極力顔出しせんようにしてな。ロジャーとは海賊の在り方が違うが、ライオンが気に入ったから同行させて貰っとる」

 

「苦労してそうだな、彼奴」

 

「そりゃあ船長が一番苦労すべきじゃろうて。だから儂は船長とか副船長とかしたくないわい」

 

 その時にちゃんとシャンクスとも再会したルヴァイドであった。

 

 

 

 

 

 

 そして少し時は過ぎ、バギーが七武海になった後、制度撤廃によって討伐対象となったが軍艦はやって来ず、変わりに拠点上空に巨大な何かが現れる。

 

 

「げげっ! ありゃあロジャー船長が居ない時に見た……。お、おいっ! ルヴァイドさんはどうした!?」

 

「空に向かって跳んでます、キャプテン」

 

「……よし。助かったな」

 

 空に現れた物、それに見覚えがあったらしいバギーは慌ててルヴァイドを探すが、部下の報告を受けて安堵へと変わった。

 

 

 

「……ふむ。儂も老いて鈍った……とでも思っていたか? イム。はっはっはっ! 有り得ん有り得ん。ロジャー海賊団最強と呼ばれた儂が情けない姿を晒すと思ったか!」

 

 上空にそれが現れた時、既にルヴァイドは回転しながら雲の近くまで跳び続け、同時に覇王色の覇気を纏ったその辺の手斧を手に猛烈な勢いで回転をしていた。

 

 

 

「今の儂はあの時よりも強いぞ! 渦多神地斬風(かたみちきっぷ)!!」

 

 空より放たれる十六発の雷撃、反対に空に向かって放たれる斬撃の渦、それは正面からぶつかり合い、雷撃を全て切り払い、それを放った何かに僅かに傷を付けて終わる。

 

 

「……あー、流石に疲れたわい」

 

 今回、ルヴァイドも余裕があった訳では無い。

 寧ろ覇気を沢山使い、彼基準で攻撃に値する威力を出したので少しスッキリしたし、二発目を撃たず去るのならこれ以上は面倒だというのが本音であった。

 

「熱い茶飲みながら羊羹食いたいし……」

 

 空を見上げれば、対象には今回と同じように昔付けた傷が残り、今回の物よりは浅いが今回の物と重なって一部深くなっている場所がある。

 だからだろう、ちょっとだけ気紛れを起こした。

 

「……ほれっ」

 

 適当に刃先だけに覇気を集中させて投げれば深くなった場所の中心に刺さって、其処から周囲にヒビが広がって行く。

 外回りの装甲や部品が僅かに崩れ落ちるも問題無い動きで去って行く中、ルヴァイドの靴が黒く染まって行った。

 

「羊羹の恨み!」

 

 この時、未来視により、部品が地面に落ちた衝撃により自分の羊羹に向かってお茶の湯飲みが倒れ込むのを見てしまったルヴァイドの表情が面倒そうな物から一変、雷撃を防いだ技と同量の覇気を込めて靴を遙か彼方へと飛ばす。

 

 

 

 

 

 この時、バギーに貸した金を回収しに来ていたクロコダイルが一部始終を目撃していたのだが……。

 

 

「アラバスタ乗っ取るよりあの爺を探して引き込んだ方が早かったんじゃねぇのか? 胃がやられそうだが。レイリーみてぇに額が広くなる位なら……」

 

 割と真剣に選択を誤ったかと悩むクロコダイル、彼に誘われたミホークを加えてクロスギルドという組織が旗揚げされるのは少し後の事である。

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃ、第一回海軍と世界政府への嫌がらせをどうするか会議!」

 

「……帰って良いか?」

 

「十分しているだろう……」

 

「あの~、これ以上何をする気っすか?」

 

 クロスギルド幹部三人+御意見番による会議(茶菓子は羊羹)、ルヴァイドによって集められはしたがクロコダイルとミホークにはやる気が見られず、バギーは恐る恐る数日分の新聞を差し出す。

 

 それは虚の玉座が存在するパンゲア城の一部が破壊されたという事、そして四つの海とグランドラインの前半後半併せて六百の到達困難な無人島の何処かにラフテルへのエターナルポースを隠しているという自称ロジャー海賊団の元クルーからのたれ込み。

 

 お陰で世界政府も海軍も海賊も大慌てである。

 

 

 誰の仕業なのかは……お察しである。

 

 

 

 

「ワンピースが嘘とか思ってる海賊もおったし、それなら白ひげの言葉の後で広まった嘘に精々踊って貰おうじゃないか。んなモンに頼ってる奴に辿り着ける場所じゃないんじゃがな」

 

 この後、海軍の首に懸賞金がかけられる事にもなったのだが、ちょっとだけインパクトは小さかった。

 

 

 

 

 そして暫く表舞台に出なかったルヴァイドだが、dead only の懸賞金が更新された。

 

 

 

 

 

 天魔王ルヴァイド 懸賞金六十六億六千万+天竜人の地位

 

 

 

「よっしゃ! ロジャーに勝った! レイリーに自慢しにシャボンディ諸島行ってくる!」

 

 

 




次回 麦わら居候ルートで本当に完結かな?
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