インペルダウン最下層の自由人な囚人  完   作:ケツアゴ

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その後のあれやこれ ⑤

 この日、我々世界経済新聞の記者は匿名を条件にとある海賊へのインタビューを行った。

 

 今回は取材を受けて下さり有り難う御座います。所で匿名の理由は?

 

『ああん? ちょいと情けねえからだよ。憧れている人のシンボルに泥を塗りたくはねぇからな』

 

 成る程。しかし、それなら今回の取材を受けて下さった理由は?

 

「……人生観が少し変わってな。誰かに話したくなっただけだ」

 

 匿名希望の海賊ことハイエナのベラミーはそう言いながら何枚かの写真を差し出した。

 そこに写っていたのは雲の上に存在するとされている空島、そしてなんと雲の上に浮かぶ大地の島の写真であった。

 

「んで、これが一番重要な写真だが……うそつきノーランドが発見したって言った黄金郷の鐘の写真だ」

 

 ベラミー氏が最後に取り出したのは黄金の大鐘楼、此処でうそつきノーランドについて説明しよう。

 

 とある国の冒険家だったモンブラン・ノーランドは黄金郷を発見したと言ったが、国王が用意した大船団に多大な犠牲を出しつつ向かった末に黄金郷は存在しなかった。

 国を騙し多くの犠牲を出した罪で処刑されたノーランドだが、彼は島が海に沈んだと嘘を付き続けた。

 

 

 その黄金郷は実際は空に飛ばされたんですね。

 

「ああ、酒場で空島の話をしていた爺を馬鹿にしたら担がれて空島まで連れていかれたんだが、その爺曰くノックアップストリームで運ばれたんだろうってよ」

 

 ノックアップストリームとはグランドラインで発生する真上に向かっての激しい海流であり、その犠牲となった船が落ちて来たのが空島の正体だとされていた。

 

 今回の取材を元にモンブラン・ノーランドの祖国とされた国に取材を申し込むも拒否、現在は賞金首である子孫のモンブラン・クリケット氏の居場所を探索中である。

 

 

 これで取材は以上となります。有り難う御座いました。

 

「ああ。本当に匿名は守れよ」

 

 勿論です。

 

 こうして我々はベラミー氏への取材を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふんふん、あの時の小僧か。あっ、十五番に全額で」

 

「は、はい」

 

 アラバスタに到着した後、あの若き海賊達と別れた儂はクロコダイルが経営するカジノにやって来ていた。

 新聞を片手に持ち込んだ羊羮を齧りつつ未来を見ながらルーレットで稼ぎつつ監視用の電々虫で儂を警戒するクロコダイルの様子を見聞色で伺うが……随分と衰えたもんじゃな。

 

「さてと……あと二回は数字を当てんと不味いからな」

 

 孫娘への土産も買ったし、後は適当な軍艦を海軍から奪うかと思っておったが、此処で問題が発生した。

 

 いやはや、結構な大金を三人それぞれから借りておったのを忘れとったわい。

 まあ、海賊でも襲ってしまえば良いが、それでも時間が掛かりそうじゃし、そろそろ孫娘の船を引く蛇の産卵の季節じゃ。

 あの卵を使った料理が酒の肴にピッタリとあっては遅れてなるものか。

 

 そうしてルーレットで数字を当てること数回、このまま稼げば道中立ちよった島で一番大きな宿に泊まれるから次はポーカーでも楽しもうと思っていた時じゃ。

 従業員の一人が耳打ちしようとして来たのは。

 

 

「お客様。オーナーがお会いしたいと仰ってます」

 

 っと、言おうとしたので”おき”の時点で返事をしておく。

 

「うん? クロコダイルには適当に稼いだらアラバスタから出ていく予定だとでも伝えてくれ」

 

「は、はあ……」

 

「それと随分と稼がせて貰ったし、流石に悪いから情報をやろう。”お主が狙ってるであろう物は多分この国には存在せんぞ。せいぜい情報じゃ”とでも伝えてくれい」

 

 あっ、やべぇ。ニョン婆にも金借りていたの忘れてた。

 女帝の立場使って祖父の借金帳消しにしては……くれんよなぁ。

 

 

 シャンクスやバギーに借りた金は絶賛踏み倒し中の儂じゃが、独自の酒や飯が美味いアマゾンリリーの連中への借金を踏み倒すのは少し不味いと思う儂。

 仕方が無いのでもう少し稼ぐべきかと思った時、海賊に強い敵意を持つ者がカジノに接近しているのを感じ取った。

 

 

 

「胃が痛ぇ……糞っ!」

 

 サー・クロコダイルは激怒した、かの自由奔放悪逆無道常識皆無の老害を打倒しなくてはならないと奮起した。

 そして、昔を思い出してストレス性の胃痛が再発と共に悪化した。

 

 アラバスタを乗っ取る為の計画の要であるオフィサーエージェント、ユートピア計画成功の末には番号に合わせた地位を与える者達……何時までものその地位を約束され続けるとは限らないが、その中の一人であり顔に触れた相手に変身可能なMr.2ボンクレーが見せたビビの協力者の顔。

 その一味の中で触れた相手に次々と変身した後で思い出した様に呟いた。

 

 

 

「そういえば船に乗せて貰っているお爺ちゃんが居たわよぉ」

 

「ふん。そんな爺なんざどうでも……ぶふぉっ!?」

 

 そしてクロコダイルは吹き出した。

 漫画表現ならバギーの口からレイリーの名前が出た時の顔かエネル顔、もうボスとしての威厳とか一瞬で吹き飛んだ感じである。

 

 

「あら? どうしたのかしら? クロコダイル」

 

「その爺が厄介で面倒で腹立たしいだけだ。……だが、放置しておいて良いだろう。国の危機だの何だのを知っても好んで首を突っ込む様な奴じゃねぇ。寧ろ関わった方が……うっ」

 

 スナスナの実の砂人間であるサー・クロコダイル、物理的な攻撃を完全無効化する彼が久々に受けたダメージは胃痛であった。

 キリキリ痛む胃を押さえなかったのはプライド故だが、計画に支障をきたす原因になる可能性は低くともルヴァイドの存在は多大なる心労を彼に与えていた。

 

 

 

 そして解散後、カジノに突撃して来るであろうビビ達を罠を用意して待ち構えていた時だ、従業員から大勝している客が居ると報告を受けたのは。

 

「……今は計画の方が重要だが、少しだけ見ておくか」

 

 計画の末に王になる予定なのだからカジノの財産が多少減った所で問題無いが、待ち人が来るまでの暇潰しにオーナーとしての仕事を行おうと店内の様子を確かめて……。

 

 

「ふぼっ!?」

 

 ルヴァイドだったので再び吹いた。

 尚、画面越しに目が合った。

 

 

 

「あの糞爺、一体何をしに来やがったっ!?」

 

 実際は金を稼ぎに来ただけなのだが、疑い深さと過去の恨みから疑心暗鬼に陥るクロコダイル。

 国を救いに来たわけではないだろうが、絶対にロクな事をする気じゃないと疑っている。

 

 故に一応部下を送って対面しようとしたのだが、それを断られて居る様子を画面で眺めていた時だ、十分稼いだのか店を出ていく姿を目にして……。

 

 

 

 

 

「テメェは天魔王!?」

 

 店の前でスモーカー大佐と出会った。

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