ナルトが綱手に引き取られる話 作:tanaka
監視塔一階の闘技場に「第二の試験」を通過した受験者達とその担当上忍が集合していた。通過したのは7チームの21名。木の葉のルーキー3チームは全員通過しており、1期上のネジ達や大蛇丸の部下の音忍三人組もいる。当然我愛羅達砂の三人組もいる。
ちなみに、残ったのはナルトチーム、キバチーム、シカマルチーム、ネジチーム、カブトチーム、ドスチーム、我愛羅チームだ。
【未】の印を組んだ巨大な手の石像がある部屋で、石像の前に火影を中央に上忍達が並び、それに向かい合うように受験者達が並ぶ。
火影の横にいるのはカカシでその横にはガイ、アスマがいる。
「カカシよ、お前のチームも中々やるが、オレのチームがいるかぎりこれ以上は無理だな」
「ん?何か言った?」
ガイの話を全然聞いていなかったカカシは何時もの死んだ魚の目で答える。それにガイが「くっ!お前のそう言う所が──」と何時ものようにライバル心を刺激させられていた。実に何時もの光景である。
一方、ガイが勝手に闘志を燃やし悔しがる横で、アスマは、自分に焼き肉を奢らせようとするシカマル達の話を聞いて頬を引き吊らせていた。
「腹減った−!」
「まだこんなに残ってんのかよ。クソめんどくせー!」
「ぐぅ~~~!この後焼き肉行けるといいよね、シカマル、いの」
「めんどくせえが、そのくらい役得がねえとやってられねえよな…アスマに頼んでみるか」
「アスマ先生ならきって連れてってくれるわよ!」
(誰か俺の財布の心配をしてくれ)
アスマの心の叫びは誰にも聞き届けられることは無かった。
一方のガイの部下であるテンテン、リー、ネジはと言えば…
「へー あれがガイ先生の永遠のライバルね……ビジュアル的にはガイ先生完璧に負けだけど…」
「やはり先生方の中で ガイ先生が一番ナウいです! 光ってます! よぉ〜〜〜し…見ていて下さい ガイ先生! ボクも光ってみせます!!」
「やはり めぼしいところがそろったな… ここからが本番か…」
一方の音忍三人組──ザク、ドス、キンはと言えば皆憎々しげにサスケを睨んでいる。
「散々時間を無駄にしてくれたお返しはしてやるぜ… うちはサスケ…」
「このかりは高くつきますよ!」
「私らの五日間の苦労を思い知らせてやる!」
完全なる逆恨みではあるが彼等の闘志は高い。ついでに言えば疲労も高い。なにせ五日間も死の森で動き回っていたのだから。その原因を作ったサスケへの怒りも当然と言えよう。え?原因を作ったのは大蛇丸?大蛇丸は上司…サスケは敵…そういうことである。
ちなみに、その大蛇丸は現在音隠れの担当上忍としてこの集まりに参加していた。当然ドス達には知らせずに。彼は三人の捨て駒と言う名の部下の様子を興味なさげに見た後、視線を横に移し、じっと観察するようにサスケを見つめる。
(焦りは禁物ね…呪印を刻む機会はまだ沢山ある…今回は実力を見させてもらいましょう…森の中では確認する間も無かったからねぇ)
大蛇丸は蛇のように目を細める。サスケの背中に原因不明の悪寒が走る。
大蛇丸は辺りをキョロキョロと見渡すサスケを楽しげに見た後、今回の作戦のキーを握る砂隠れの三人に視線を移した。
「26チーム中 たった7チームしか残らないとはな…」
「7チームもじゃねえの、テマリ?…あの試験内容ならもっと減っててもおかしくなかったじゃん」
カンクロウが欠伸をしながら答える。この四日間
(ふぁ~~~、今日からはよく眠れそうじゃん)
(任務中に欠伸とは随分気を抜いているな…カンクロウめ)
カンクロウの現状を知ってか知らずか砂の担当上忍バキはカンクロウの説教を決めた。
バキの横にいる紅は自分の教え子達を見て、「赤丸の様子が変ね…」と首を傾げる。キバの懐の中で赤丸が小さくなっていた。その横のシノは何時も通り無表情で、ヒナタは───
「ナルトくんも合格したんだぁ… 良かったぁ…」
とナルトに熱い視線を送っている。果たして彼女の恋心が実を結ぶ日がくるのか…他人の事を言えない恋愛事情を持っている紅はチラリとアスマを見るが、彼は自分のサイフ事情を考えているようだった。
最後になるが、ナルト達と言えば
「なんかさ! なんかさ! 火影のじーちゃんにアスマ先生にカカシ先生に激眉までいるってばよ! 木の葉のルーキーも揃ってるし、みんな勢ぞろいって感じだな!」
「激眉ってガイ先生のこと?あんた幾らなんでもそれはないでしょ」
「でも、激眉以外に表現しようが無いってばよ!」
「あのねー、あの人見た目と同じくらい凄い忍なのよ。少しは敬いなさいよ」
楽しげに談笑するサクラとナルト。その横でサスケだけはピリピリと気を立てていた。
「チッ… (あの草忍がいねぇだと?どういうことだ?巻物を集められなかったのか…?いや、ありえねえ…集めようと思えば誰が相手でも出来たはずだ…。…試験に合格する気がなかったのか…?いや、それもありえねえ…なら態々木の葉まで来るはずがねえって話だからな…一体何を考えてやがんだ…くそ…分からねえ…だが、あの狂気地味目…それに時々感じるこの悪寒…悪い予感しかしねーぜ…!)
「な、なんかサスケ怒ってねえーか?」
サスケの不機嫌さにビビるナルト。
「あんたが激眉とか言うからでしょ」
「なんでサスケが激眉の事で怒るんだってばよ?」
カカシの事で怒ると言うのはまだ分かるが…いや、それもあまり想像出来ないが…
「あんた知らないの?サスケって最近あの先生に修行を付けてもらってるらしいわよ。」
「え?」
「凄い先生だって言ってたわ…尊敬してるのかもね」
「そ、そうだったのかってばよ!」
まさかサスケの野郎が激眉を尊敬してたとは…天変同地である。
「これからはサスケの前では激眉って呼ぶの止めるってばよ」
「それが良いと思うわ」
妙な勘違いをされたサスケだが、幸か不幸か思考に没頭していて気付くことはなかった。
三代目は二次試験通過者を見渡す。
(27人…これほど残るとはのう。しかも、残ったのはほとんどが新人とは。
ヒルゼンは、木の葉の未来も明るいのおと、笑みを浮かべる。
もし、この時点で、大蛇丸が里に帰ってきている事を知っていたら此処まで穏やかな笑みは出来なかっただろう。
しかし、自来也や綱手を警戒していた大蛇丸は自分が発見されるリスクを極限まで減らして慎重に行動していた。
草隠れの下忍に成り済ますのも一次試験前に済ませ、死体をしっかり処理していたし、木の葉の中で大きく動くこともなかった。そのかいあってか、現在にいたるまで誰も大蛇丸に気付くことが出来ずにいた。
唯一自来也は音の里の不穏な設立事情の「噂」を知っていたため警戒をしていたが、確証にはいたらず動くに動けないでいた。皮肉なことに、サスケが大蛇丸から逃げおおせたのも察知が出来なくなった理由になっていたのだ。
それが果たしてどんな影響をもたらすのかは今は大蛇丸にも分からない。
人数が多いと書くの大変ですね…