ナルトが綱手に引き取られる話   作:tanaka

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中忍試験の目的についての火影様のありがたい話





中忍選抜試験11 第三次試験予選②

 

「これより始める「第三の試験」──その説明の前にまず一つだけはっきりお前達に告げておきたいことがある。この試験は言わば同盟国間の戦いの縮図なのだ」

 

そんな言葉を口火に三代目火影…ヒルゼンが中忍選抜試験の歴史と意義を説明する。

 

今の同盟国は、元々勢力争いを続けた隣国同士。互いの無駄な戦力の潰し合いを避けるために設けられた戦いの場が、中忍選抜試験の始まりだった。

この試験は中忍に値する忍を選抜するためのものではあるが、一方で国の威信を背負った各国の忍が、命懸けで戦う場でもある。

 

「第三の試験」には各隠れ里に仕事の依頼をする諸国の大名や、著名人が大勢招待される。

国力の差が歴然となれば、「強国」には依頼が殺到し、「弱小国」は依頼が激減する。

同時に隣接各国に対して「我が里はこれだけの戦力を育て有している」という、外交的、政治的圧力をかけることができる。

 

国の力は里の力、里の力は忍の力。忍の本当の力とは、命懸けの戦いの中でしか生れてこない。

本当に命懸けで戦う試験だからこそ意味があり、先人達も「目指すだけの価値がある夢」として中忍試験を戦ってきた。

 

忍の世界での「友好」とは、命を削り戦うことで、力のバランスを保ってきた慣習のこと。

 

 

「つまり、これから行う「第三の試験」とは、己の夢と里の威信を賭けた、命懸けの戦いなのじゃ」

 

ヒルゼンは重々しい顔でそう締め括る。

 

受験者達はヒルゼンから感じる無言の圧力と「第三の試験」の重さ、忍世界の厳しさに動揺を禁じ得ない。特に初めて参加するナルト達にとっては、予想も出来なかった世の中の仕組みの一端を知り、その厳しさに言葉もでない様子だ。既に出場経験のある者達や上忍、中忍の忍達も、三代目の含蓄ある厳しい言葉に改めて自分の立つ場所を知り、表情を真剣な物へと変える。

 

「何だっていい…」

 

しかし、全く感情の感じられない我愛羅の冷たい声が空気を切り裂いた。

 

「それより早くその命懸けの試験ってヤツの内容を聞かせろ」

 

人を殺すことを生きる理由とする我愛羅にとって試験の意義も忍の在り方も関係ない。里の優劣も、世界の有り様すらも関係ない。命懸け等と言う脅しで揺れる心などない。唯一心が揺れるのは只人を殺した瞬間だけ。人を殺し自分が生きている意味を再度確認出来たときだけ。壊れた心に人の言葉が響くことはない。

我愛羅は冷たい目で三代目を睨み、能書きはいいから、さっさと始めろと吐き捨てる。

 

「うむ…説明をしたいが…」

 

口を濁す三代目の前に一人の忍が膝をつく。

 

「おそれながら火影様、ここからは審判を仰せつかったこの月光ハヤテから説明したいと思います」

「それがよかろう」

 

ヒルゼンの首肯を得て立ち上がったのは青白い顔で、目に隈までみえる木の葉の忍だった。登場当初から常に咳こんでいるので、受験者達からすら「体調悪そう 大丈夫かな」と心配される始末。どう考えても人選ミスな気がしてならない。しかし、次に紡がれた試験官の言葉に一同の心配は吹き飛んだ。

 

「ごほっ…第三の試験の前に、本戦の出場を賭けた予選をやってもらうと思います」

「え?」

「ごほっ…今回はこれまでの試験の基準が甘かったのか人数が残りすぎたので…ごほっ…人数を減らすために中忍試験規定に基づいて予選を実施することになりました」

 

「第三の試験」にはたくさんのゲストが来るため、だらだらとした試合はできず、時間も限られている。それが理由だった。

 

「えーーーというわけで…  体調のすぐれない方… これまでの説明でやめたくなった方 今すぐ申し出て下さい…これからすぐに予選が始まりますので…」

 

「第二の試験」が終わったばかりで疲労困憊しているのに、これからすぐに予選とは鬼畜な采配だ。時間ギリギリで二次試験を突破した者など一次、二次、三次予選とぶっ続けで三つの試験をやることになる。

幸いナルト達は20時間で合格したため休む時間は沢山あった。休みの間中我愛羅に殺意のこもった視線を向けられ続けていたこと以外は概ね平和な時間を過ごせた。

 

頑張るぞと意気込むナルト。そんなナルトを他所にカブトと音隠れの上忍…大蛇丸が目配せする。

 

「あのー… ボクはやめときます」

 

驚くナルト。

 

カブトは負傷を理由に辞退を宣告したのだ。そのカブトに同じ班の赤胴ヨロイが丸いサングラス越しに睨み付ける。

 

「勝手な行動を取るな!大蛇丸様の命令を忘れたのか!」

「あんた達に任せるよ」

 

会話は小声だったため周りの人間に聞こえることはなかった。しかし、二人の間の殺伐とした空気は皆が感じ取る。まあ、試験を降りる仲間に同じ班の仲間が怒るのはそこまで不思議ではないので特に気にする者はいなかったが…。もっともそこで交わされた会話を聞いていたら落ち着いてはいられなかっただろう。

 

「えーー…では、これより予選を始めます。ルールは一切なしです。どちらか一方が死ぬか倒れるか敗けを認めるかするまで続けます。ただし、勝負がはっきり着いたと私が判断した場合…無闇に死体を増やしたくないので止めに入ります」

 

対戦カードは電光掲示板に発表されるらしい。

早速初めのカードが表示される。

一番目のカードはうちはサスケvs赤胴ヨロイだった。

 

 

 

 

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