ナルトが綱手に引き取られる話   作:tanaka

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中忍選抜試験14 準備期間 サスケの修行

 

中忍選抜試験の予選が終わった翌日。サスケはカカシに修行をつけてやると言われ、朝から呼び出しを食らっていた。朝八時。ベッドに横になる兄に顔を見せた後、走って待ち合わせ場所まで行くと珍しく時間通りに来ているカカシがいて、サスケは驚く。

 

「よ、遅かったな」

「────!!?!」

「ん…?どうしたの固まっちゃって?」

「お前…本当にカカシか…?偽物じゃあ無いだろう?本物のカカシはどこへやった!?」

「ええ~…。本物だよ…」

 

肯定しているのに尚も疑わしい目で見てくるサスケ。なぜ自分は此処まで疑われてるのだろうか?

 

「いや、どっからどう見ても本物でしょ?なんでそんな疑ってるわけ?エイプリルフールじゃあるまいし」

「本物のカカシが遅刻しないはずがない…!」

 

俺の評価ってそんなふうになってるのね…と頬を引き吊らせるカカシ。流石に普段の行動を反省し、謝罪を口にする。

 

「いやー何かごめんね…俺もちょっと思うところがあってね…これからは遅刻しないように心掛けるようにしたのよ」

 

綱手様に呼び出しを食らった事は上手くぼかしつつ、正直に改心を口にすると、ますます疑わしい目で見られた。

 

「…信じられん」

 

心からの言葉だったが、深くカカシを傷付けた。

修行も始まっていないのに、こっちのライフがゼロになりそうだ。

ちなみに、現在カカシのポーチには愛読書であるイチャイチャパラダイスがブックカバーを付けて入っている。これで改心したとは信じられるわけがないが、幸いにしてサスケがその事実に気付くことはなく、カカシに連れられて修行場所までやって来た。

 

カカシは崖の前に立って話を始める。

 

「今からやるのは雷の性質変化の習得だ。分かってると思うが期限は一ヶ月とかなり短い…その間に雷の性質変化を会得できるのか、出来たとして実戦で使えるだけの物になるのか…全てお前の才能と頑張り次第だ…生半可な覚悟じゃ俺の修行にはついてこれないし、場合によっちゃこの一ヶ月が丸々無駄になる…覚悟は出来てるか?」

「当然だ。さっさと始めろ。何をすれば良い?」

 

サスケが聞くとカカシはサスケの右手を確かめるようにフニフニと触る。

 

「なんだ!?気色悪い」

「失敬な」

 

カカシは怒りつつ、サスケの修行計画を脳内で組み立てる。

 

「…どうやら肉体の方はガイにみっちり鍛えられたみたいだな。思ったよりはある…だが、まだ甘い…まずは術に耐えうるだけの体を鍛えるとこからだな…」

 

カカシは顎に手を当てて思案する。

 

「そうだね…お前には昔俺がやった修行をしてもらうか…この崖を片手一本で登れ…軽く百周くらいできれば合格だ」

「(鍛えるのは)腕だけでいいのか?」ニヤリとサスケが笑う。

「今回教えるのは千鳥だ。雷のチャクラを片手に集めて放つ高速の突き…だから、腕だけで充分なのよ」

「お前がこの前使ってた雷遁の鎧じゃないのか?」

「あれはまだお前には無理だ…諦めろ」

「ちっ」

「あのねー…。雷遁の鎧は片手だけじゃなくて全身に雷のチャクラを纏う忍術なの…千鳥すら出来ない人間が使えるわけないでしょ…会得難易度も最上級のS+…お前みたいなひよっ子に使える術じゃないのよ」

 

全く持って正論でサスケは口をつぐむしかない。

 

「じゃ、時間も惜しいし、早速始めるよ」

 

 

 

右腕左腕と交互に崖登りの行をする。やってみて分かるが片腕だけで全身を支えるのはかなりキツイ。ガイとの特訓が無ければとっくにへばっていただろう。だが、まだやれる。やはりガイの言っていた通り、体術において努力は絶対に裏切らない。

 

数時間後、そこには性根尽きたサスケがいた。

カカシはイチャイチャパラダイスから目を上げる。

 

「どうやら限界みたいだな…それじゃ、休憩だ…んで時間を無駄には出来ないから休憩してる時間を使ってこの術の欠点とかを教えるぞ────さっきも言ったが千鳥は雷のチャクラを片手に集めて放つ高速の突きだ…。そして、千鳥みたいな直線的な術は高い攻撃力を持つ反面相手にとってもカウンターを狙いやすい…つまり、相手のカウンターを見切る目…写輪眼が必要なわけだ」

 

サスケの目が赤く染まる。二つ巴が浮かんでいた。

 

「この術を使うには最低でも二つ巴はいる…お前はどうやらあるみたいだが…まだ全然それを使いこなせてない…この一ヶ月は雷遁の修行と平行して写輪眼の修行も行う」

「何をやるんだ?目にチャクラでも集めればいいのか?」

「いや、これだ」

 

カカシはポーチから巻物を取り出す。

 

「この中には俺が作ったペイント弾が入っている。これが無数に飛んでくるから兎に角避けて俺に突きをしろ。つまり、見切りの練習だ…腕は疲れてるが体は動くだろ…始めるぞ」

 

 

「一つ一つの対象を目で追うな…それでは視野が狭くなり、動体視力も使いすぎる…もっと攻撃範囲の全体像を捉えるんだ…視野を広げることを意識しろ」

「くそっ…簡単に言いやがって」

 

 

「どうした?もうへばったのか?こんなんじゃ習得なんて夢のまた夢だぞ」

「誰が…はぁ…はぁ…全然…はぁ…はぁ…へばってねえよ…!」

 

 

暫く後。そこには全身余すとこなく真っ赤に染まったサスケがいた。

 

「いやー此処まで当たってくれると俺も作った甲斐があるよ」

「ちっ」

「ま、でも、自分がまだまだだって分かったでしょ?そんだけ伸び代が残ってるってことだよ」

 

その後もカカシによる地獄のような訓練が続く。

そして、一ヶ月の月日が経った。

中忍選抜試験本選の開始である。

 

 

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