ナルトが綱手に引き取られる話   作:tanaka

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ナルト、自来也に会う(八歳)

 

シズネside

今日も朝湯を浴びに行こうと、朝早くから修行に励んでいたナルト君を誘い、温泉に向かうと、入ろうとしていた女湯の壁に張り付き、堂々と覗きをする見知った男がいた。緑の和服の上に袖無しの赤いはっぴを着た白髪巨躯のその知人は、壁木の隙間に目を押し当て、カメラを片手に鼻息荒く感想を述べている。

 

「ええのぉ!ええのぉ!」

 

「違ぁう!こっちだぁ!もっとこっちを向けぇ!」

 

「タオルを外せてのォ!」

 

そこそこ大きい声量で、しかし、湯の中にいる温泉客には聞こえないくらいの絶妙な声量で、声を上げる三忍・自来也。

道行く人々の視線はたいへん厳しい。絶対零度の視線と言う奴だ。

しかも、今の時刻は早朝。日が登り始めたばかりである。

 

(朝っぱらから何をやってるんですか?!)

 

シズネの心は道を通った全ての者の心と一致した。

 

 

 

ナルトside 影分身は修行チート

ナルトが里を出てから一年が経った。その間、各地を放浪としながら、せっせと修行に励んでいる。

大抵は本体が肉体作りをし、影分身にチャクラコントロールや忍術の修行を任せている。

今は口寄せの術を練習してる所である。

 

「口寄せの術!」

 

ボンッ!と煙が上がり、出てきたのは大型犬くらいのカツユである。これでも大きくなった方だがナルトが目指してるサイズはこんなものではない。

 

『ナルト様、朝から精が出ますね』

「朝からすまねえってばよ、カツユ」

『いえいえ、お気になさらず。ナルト様の修行を見るのは楽しいですから』

「そうかぁ?」

『人の成長を見るのは楽しいものですよ。日毎に強くなっていくナルト様は見ごたえがあります』

「でも、口寄せの術は停滞ぎみだってばよ」

 

ーーーガサゴソ

 

草を掻き分ける音が響く。

音がした方を向くと、シズネがいた。普段着ている鎖帷子は着けておらず、寝起き仕様のラフな格好である。

 

『シズネ様』

「あ、姉ちゃんどうしたんだってば?」

「今から温泉に行こうと思ったんですがナルト君もどうですか?」

「行くってばよ!カツユも行くってば?」

『同伴可能ならご同伴しましょう』

 

口寄せの術で、呼び出せる対象の強さや大きさには上限がある。それを決めるのは術者の実力、術の精度、込めるチャクラの量の三つ。ナルトはチャクラ量は問題ないが、実力と精度はまだまだ。

そんな話を道すがらシズネやカツユとしながら、温泉に向かう。

 

しばらく歩いていると、ナルトはシズネの様子がおかしくなったことに気付く。

シズネはある一点を凝視していた。いや、シズネだけでなく、他の道行く人もその方向を見ている。

不思議に思い、その視線を辿ると、風呂を覗いている巻物を腰に背負った老人が見えた。

再びシズネの方を見る。シズネは何か言おうとして口を開きかけるが、何も言わずに口を閉ざすを繰り返している。

何を躊躇っているのか分からないが、此処は俺の出番だとナルトは思った。

ナルトは気配を消し、自来也の後ろまでやって来ると、両手を合わせて、ピストルの形を作り、指にチャクラを溜める。

 

「天誅!!」

 

自来也は腐っても三忍の一人である。いくら油断してたとは言えナルトごとき子供の攻撃は当たらない。しかし、ちょうどその時自来也の目前に裸の美女が横切った。うちは一族を思わせる黒い長髪とクールな顔立ち。豊麗に成熟した身体は大人の色香を放ち、同性すらも魅了するだろう。さらに、その魅惑的なボディをタオルや手で一切隠すことなく堂々と晒し、目前を通りすぎる姿に、自来也の意識が一瞬で女に釘付けになったのは仕方のないことだった。

そして、ナルトの攻撃に殺気が無かったのも幸いし、自来也にとっては不幸にも、カンチョーの餌食になったのである。

 

「##%%£×℃#%££♀′℃%」

 

老人の言葉にならない悲鳴が響く。そのまま老人は壁木を盛大に壊しながら、女湯にダイブした。

 

「のおおおお!儂のケツが!ケツが!誰だ?こんな無茶苦茶しおった奴は!?」

「「「キャアアアァァァ!!!」」」

 

自来也は直ぐ様湯から立ちあがり怒り心頭と言う風に声を張り上げるが、直後、悲鳴と共に、湯桶や石鹸、シャンプーなどが投げつけられ、堪らず防戦に入る。

 

「痛ッ!痛ッ!痛ッ!痛いっての!?止め!止めんか!事故!事故だっての!」

カメラを片手に言っても説得力はない。

「「「イヤァアアアアァァァ!!!」」」

「ちょ、止め!痛い!痛いから!」

 

湯気が立つ温泉の中で、腕やタオルで体を隠した女性が老人を囲み、ボコボコにしている。

蹴る、投げる、蹴る、投げる、蹴る、投げる。

反撃するわけにもいかず防御に徹する自来也だが、ふと顔を上げると、ヒットマンのように手の銃口に息を吹き付け、やたら発音の良い声で「命中!」と言っているナルトの姿が見える。自来也は、全てを悟り、カッと眉を吊り上げた。

 

「おまえか!こんな無茶苦茶しおったのは?!」

 

当然の怒りである。

 

「うるさい!天誅だってばよ!朝っぱらから覗きをしてたエロジジイにはお仕置きが必要なんだってばよ!」

「覗きじゃない!取材だ取材!」

何時ものようにお決まりの言い訳をする自来也だが、それに烈火のごとく怒っていた者達に更に油を注ぐ結果となった。

 

「な、何が取材よ!?まったく懲りてないじゃない!」

「やっぱ只の覗き魔だったのね!」

「何が事故よ!ちょっと信じちゃったじゃない!」

「憲兵を呼びなさい!」

 

流石に憲兵を呼ばれるのは勘弁な自来也は顔を青くさせ、ナルトを睨む。

 

「と、とにかくじゃ!こんな場所で話すのもなんじゃ!続きは違う場所でじっくりしてやるからのォ!?」

 

そう言うと、自来也は壊した壁を土遁・土流壁で塞ぎ、ナルトを脇に抱え、とんでもないスピードで何処かへ消えた。

シズネは数秒アワアワとした後、急いで綱手を呼びに行った。

 

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