ナルトが綱手に引き取られる話   作:tanaka

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鈴取り試験のしばらく後の話です。本編とは特に関係ありません。



閑話 ナルト先生

 

 

「アルティメット変化の術を教えてほしい?」

 

休日、サクラに呼び出されたナルトの第一声である。

現在二人がいるのはサクラの自室で、ナルトは何時も通りのジャージ姿、サクラはラフな部屋着である。

 

「んー、別にいいけど…」

 

ナルトは仲間の頼みにテキトーに頷こうとして、直後雷が落ちたように固まる。そして、これは良いことを考えたぞ!と言うような下卑た顔をする。それはナルトがよくろくでもないことを思い付いたときにする顔だった。

 

「…あ、そうだ!ならさ!ならさ!交換条件だってばよ!俺もサクラちゃんに頼みたいことがあるってばよ!」

「??」

「それは…ごにょごにょ…ごにょごにょ…」

 

ナルトの頼みを聞いたサクラはその内容の余りのしょうもなさに呆れて白い目を向けながらも、未知の術に対する知識欲の方が勝り、すぐに頷いた。

 

 

さて、さっそくナルト先生によるアルティメット変化の術の講義が行われる…のだが、何故かナルトは伊達眼鏡を付け、教鞭を持って現れ、サクラは制服に着替えさせられた。

教わる立場だから大人しく従ったが、始める前から先行きが不安になる出だしだ。チョーシに乗って大失敗する奴特有のオーラを放っている。

 

「あんた…形から入るにもほどがあるでしょ」

「はい!そこ!私語は厳禁だってばよ!次やったら廊下に立たせるってばよ」

 

…生徒一人なのに廊下に立たせたら授業にならないじゃないの…

とは思ったが口に出さずに頷く。未知の忍術の前ではこの程度どうと言うこともない。

 

「サクラちゃんの家って本当に何でもあるってばよ!」

 

たった今、家付きのメイドから教卓を受け取ったナルトが驚きながら言う。自分で言っといてなんだが本当に教卓があるとは思わなかったらしい。

 

さもありなん。本当になんであるんだ。教卓もそうだが、この制服も。

 

アカデミーに通っていたサクラには必要の無いものの筈であった。

 

「その制服は奥様の学生時代のものです」

 

サクラの疑問を敏感に察知したメイドがこっそりと教えてくれる。なるほど。これはママのだったのか。どうりで胸元が豊かなわけだ。…なんかムカつくわね。

 

ペタペタと胸を触る。悲しい空間が掌を伝わる。サクラは二つボタンを外した。これで少しはダボつきも自然になるだろう。

 

 

 

そして、授業が始まる。

 

「──アルティメット変化の術も印は普通の変化の術と同じだってばよ。でも、チャクラの練り方が違うってばよ。こうして…こうして…こうして…」

 

ナルトはのりのりで説明する。普段よくバカ扱いされ(事実)、誰かに物を教えると言うことがないため、この状況を楽しんでいた。

 

「そんじゃあ、実際に見せてみるってばよ!アルティメット変化の術!」

 

ぼふんと煙が上がり裸の美女が現れる。

煙の中から出てきたのはサクラもよく知るシズネだった。

黒いショートヘアに、白く艶のある肌、慎ましやかでハリのある胸、しなやかに括れた腰。

近くで見ると精密さが良く分かる。

色や形だけではなく、本当に質感や匂いまで忠実に再現されている。これが変化の術と言うのだがら驚くべきことだ。

 

「そんじゃ、試しにやってみるってばよ!」

 

ナルトに促され、サクラは術を練る。しかし、高等忍術だけあって中々上手くいかない。

 

「あー違う違う!もっとこう!ぐぐ!ぐん!ぐぐん!みたいな感じだってばよ」

 

説明が悪いというのも理由の一つだ。

 

「違うってばよ!サクラちゃんのはギュルン!!だってばよ!そうじゃなくて、ぐぐ!ぐん!ぐぐん!だってばよ!」

 

…擬音ばかりではなく、もっと言葉を使って説明してほしい。

そう思って目を向けたら、何を勘違いしたのか身振り手振りを大きくして説明し始めた。

…そういうことじゃないんだよ…

 

「こう…こう…こう…だってばよ!」

「こう?」

「違ーう!こう!」

 

結局その日術を会得することは出来なかった。しかし、時間が時間と言うことでその日は切り上げ、今度はナルトの願いを叶える番だ。

ナルトは真剣な目でサクラを見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺ってばお色気の術に人生を掛けてるのは知ってるってばね?」

「…初めて聞いたわよ…いや、喧伝してるのは知ってたけど」

「俺の人生の目標は究極のお色気の術を完成させることだってばよ!」

「…あんたの夢って火影になることじゃなかったの」

 

いつの間にこんなにグレードダウンしたんだ…私は悲しいよ…

 

呆れた目を向けるサクラ。

 

「もちろん、火影にもなるってばよ!でも、夢を一つしか持っちゃいけないなんて決まりはないってばよ!夢は大きく持つものだってばよ!」

「…なんか良いこと言ってる雰囲気出してるけどお色気の術だからね」

 

内容が内容故に全く心は動かされない。

 

「ま、約束だし協力はするわ」

 

サクラは着ていた制服を脱ぐ。

 

「ちょっと待ってなさい」

 

黒いスカートの下から現れたのは赤いレースの下着だった。意外と大人っぽい物着けてるなぁーとナルトは感心しそうになるが、慌てて頭を振る。何か盛大な勘違いをされてるような気がする。

 

恐る恐るサクラを見る。

 

サクラは気負うこと無く靴下やシャツを脱いでいく。

 

 

 

ナルトは確かにお色気の術の研鑽のために協力を求めた。モデルが足りないとも言った。しかし、流石にフォーマンセルの仲間に忍術を対価に裸になれとは言わない。言うわけがない。そこまで常識知らずではない。

 

ナルトが驚いている内にサクラはパンツすら取ろうとしている。

もしかして、制服姿で一秒も居たくないと言う理由で脱ぎ出したのかもしれないというナルトの希望的観測はここに否定された。

流石にいくら制服が嫌だったとしても下着まで脱ぐ道理はない。

ちなみに、ブラは初めから着けていなかったので現在上半身は裸の状態だ。このまま止めないとまっぱになる。

 

しかし、ナルトは僅かに逡巡する。

 

サクラちゃんが見せてくれるって言うなら、見ても良いんじゃないか?

 

別に無理矢理させているわけではない。勘違いの結果とは言え、正当な取引とも言える。

 

だから、このまま何もなかったかのように振る舞い、サクラちゃんにお色気の術の製作を手伝ってもらうのは有りな気がする。サクラちゃんの協力を得るメリットは大きい。とんでもなく頭が良いし、女性視点のアドバイスが聞ける。しかも、サクラちゃんは貧乳とは言えまごう事なき美少女だ。そんな彼女が裸になってくれると言うのなら今迄以上に術の開発は捗るだろう。それに単純にサクラちゃんの裸を見たい。

 

しかし、ナルトに残ったフェア精神が寸前の所で立ち上がった。

 

ナルトは床から立ち上り、遅まきながらサクラを止める。

 

「サクラちゃん……?なんで脱ぎ出してんだってばよ?」

 

「何でってモデルが欲しいって言ったのはナルトじゃない」

 

「いや、確かにモデルが欲しいとは言ったけど、サクラちゃんをモデルにしようとは思ってなかったってばよ」

 

サクラは手で胸を隠した状態でナルトのデリカシーの無い発言にピクリと眉を上げる。

 

「それは私の体がモデルにする価値もない貧相な物って言いたいわけ?」

 

ゴゴゴゴ!とサクラの背中に般若を見るナルト。

 

(な、なんか勘違いを正そうと思ったら余計に勘違いされたってばよ!)

 

ナルトは握りこぶしを作り、右手にチャクラを貯めていくサクラを見て慌てて首を高速で振る。

 

「ち、ちが…ごか…誤解だってばよ!俺ってばサクラちゃんは美人だと思ってるってばよ!超美人だってばよ!本当だってばよ!凄い可愛いってばよ!でも、術の対価にそこまでさせる気は無いってばよ!」

 

息継ぎなしで言い切るナルト。サクラの特技を会得した瞬間だった。人は追い詰められると何時も以上の力を発揮するものである。

 

「か、かわ……な、何言ってのよ!」

「ぐへぼは!」

 

だが、結局殴られた。その火事場の馬鹿力は無意味なものだった。

 

サクラは誰もが認める美人であるが同時に大富豪の娘と言う高過ぎる高値の花だ。常識的な身の程を弁えている男なら突撃する前に生まれが違うと諦める。

それ故、これほどの美人でありながらサクラは今迄告白はおろか、誰かに好意を向けられた事もなく(サクラ目線)、身内以外で「かわいい」などと言われたこともなかった。

 

それ故、意外にもこう言った誉め言葉には弱い。不意打ちで、「可愛い」とか「美人」とか連呼されたサクラが羞恥に顔を赤らめ、照れ隠しにビンタしてしまったのは仕方の無いことだ。

そのビンタは所謂、漫画でよくある「キャー!変態ー!」とか言うようなギャクツッコミであったのだが、込められた威力はシャレでは済まなかった。

 

なにせ、さっきまで拳にチャクラを貯めていたのだ。ナルトに当てるつもりはなく、ただの脅しだったので遠慮無く貯めていたのが尚悪かった。

 

本来なら脅しとして教卓に奮われるはずだったそれは、サクラの唐突な挙動不審な行動に呆気に取られていたナルトの頬に見事にヒットする。

 

ブバン!!とおよそ人体が鳴らしてはならない音を上げ、ナルトは吹き飛ぶ。

 

幸い感情が激しく動かされていたためチャクラコントロールは乱れていた。何時も通りの芸術的な破壊力はなりを潜め、ただの力任せのビンタと言ってもいい。さりとて大量のチャクラで補強されたビンタである事実は揺るぎがたく、油断していたナルトは殴られた瞬間に意識を失い、三回くらい宙を回転し、そのまま地面と盛大なキスをするのだった。

鼻と口から血を流したナルトは暫くの間目を覚ますことはなかったとさ。めでたしめでたし。

 

全然めでたくねーってばよ!

 

 

✝️その後の話

 

暫く後、気絶から目を覚ましたナルトは腫れた頬を擦りながらサクラに今度こそ誤解が無いようキッチリと説明した。

 

「──と言うことだってばよ」

「───なるほどねぇ。つまりなに、ナルト、あんた、パパのエロ本が見たかったってこと?」

「そうだってばよ!サクラちゃんの父ちゃんは木の葉一の富豪だってばよ!きっと凄い秘蔵のエロ本が沢山あるってばよ!それって参考資料にもってこいだと思ったんだってばよ」

「それならそうと言いなさいよ。勘違いするような言い方して。思わずビンタしちゃったじゃない」

 

思わずで済ましていいような威力ではない。九尾とうずまき一族の回復力のあるナルトだから良かったが、そうじゃなければ全治三週間程度にはなっていただろう。

 

ジトーと見るナルトに、サクラは気まずそうに目を反らし、

 

「わ、悪かったとは思ってるわよ…だから、ほら最高級の傷薬をあげたじゃない」

 

ずいっ!と傷薬を出して弁明する。

 

「うん…まあ…もうエロ本貰えるなら何でも良いってばよ」

 

元々は自分の説明不足が招いた結果であるし、不可抗力とは言え、サクラちゃんのおっぱいも見てしまった。ナルトはこの傷は甘んじて受け入れる事にした。

 





一応追記しておきますが、これは本編とは全く関係の無い話です。それと、サクラも忍術を知るためとは言え、相手は選びます。ナルトの善良さを知っていたからです。
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