ナルトが綱手に引き取られる話   作:tanaka

35 / 43
デイダラ登場!

押しキャラなんですが今回は不遇です。

ちなみに、デイダラの使う起爆粘土の種類は以下です↓
C1:最もチャクラ消費が少なく威力の低い爆弾。牽制する際など、色々な場面で使われる
C2:かなり大きめのドラゴンの形をしていて飛行も出来る。また、ドラゴン自身が口から起爆粘土で出来た飛行物体を発射出来、威力もC1と比べてかなり高い。
C3:デイダラの十八番の起爆人形。単純に威力が凄く、里を吹き飛ばす程の威力が有る。
C4:自分自身の口で起爆粘土を食らい、デイダラの姿をした巨大な人形を出現させる。超高火力な大爆発をする、と見せかけ不発?と見せかけ、本当の狙いは超小型爆弾でそれまでとは違い、相手の身体を内部から破壊するというかなり性悪な術。範囲内で呼吸するだけで爆弾がセットされるので、里の中で使われるとほぼ詰みになる。
C0:最終奥義の自爆。自分の胸元の口に起爆粘土を食わせ、半径10㎞の大爆発を起こす。究極芸術。







木の葉崩し2

ヒルゼンside

 

自来也に蹴り飛ばされたヒルゼンは地面からムクリと起き上がり、慌てて吹き飛ばされた方を振り替えった。

 

火影として風影の相手をするのは自分の役割だと思ったからだ。

 

しかし、振り向いた時には時既に遅く、そこには巨大な半透明の青い結界が自来也と風影を囲むように張られていた。

 

───四紫炎陣。

文字通り、4人で作る、火炎系の強力堅固な結界陣。結界面は紫色の炎となり、外から接触しようとする者を火だるまに変える。この結界を打ち破るには、結界内から陣を崩すしかないが、結界を張っている4人はそれぞれ自分を守るように内側にも新たな小結界を張っており、風影と戦いながらこれを破るのは至難の技だろう。

 

ヒルゼンの脳に貯蓄された膨大な量の情報が冷徹に目の前の結界が簡単には破れないことを教えていた。

 

しかし、結界の中にいるのは他でもない自来也だ。高い実力を持ち、手札が多く、わしですら習得出来なかった仙術を会得し、初代以来の初の仙人となった男。あやつならばどんな相手でも充分以上に対処できるだろう。だから、ここは下手に結界を破ろうとするよりも、自来也に全てを任せて他の対処に当たるべきだ。それが最善だ。そう結論はついていた。

 

しかし、風影の正体が大蛇丸だったことを知り、悔しさやら後悔やら責任感やらで心が揺れ、思わずその場に立ち尽くす。

 

「大蛇丸…」

 

しかし、事態はヒルゼンの気持ちが収まるのを待ってはくれない。

 

ドン!

 

ドゴン!

 

ドゴゴン!

 

ドゴゴン!

 

ドゴゴゴン!

 

ドゴゴゴゴン!

 

唐突に、無数の爆発音が鳴り響いた。戦闘で出来た物とは違う。里の至るところで一斉に爆発が起きている。それも一度ではなく二度三度と連続的に。

 

ほほ同時にヒルゼンの目は無数の白い物体が空から落ちてくるのを見た。

 

そして、この状況であからさまに怪しい白い物体を爆発と関連付けるのは当然の既決だろう。

 

当然ヒルゼンも白い物体を爆発と関連があると怪しみ、その出所を探って上空を見上げた。すると、自分のほぼ真上、巨大な白い鳥に乗った黒装束の男が白い物体を投擲するのが見える。

 

「なんじゃ…あやつは?」

 

「芸術は爆発だァ!!」

 

「気狂いの類いか」

 

ヒルゼンは轟音の間に聞こえる爆弾魔の熱の入った言葉に、相手が狂人であることを悟る。ならば情けも容赦も不要。狂人は追い詰められれば何をするか分からないので、早急に無力化しなければならない。

 

もっとも相手が何者であれ、これだけ爆発物を里に落とすなら最優先排除対象になるのだが、

しかし、空にいるのが厄介だ。

ヒルゼンはカリッと親指を噛む。

 

「口寄せ「猿猴王」猿魔」

 

口寄せ時特有の煙が上がる。

現れたのは、長い白髪に木の葉の額宛てと忍装束を身に付けた巨大な老猿、猿魔。その巨猿は大きさこそブン太やマンダに比べれば常識的なサイズだが、数多くの口寄せ動物の中でも最強の動物と呼び声高い。さらに、サルトビと共に多くの戦場を駆け抜けた経験があり、サルトビとの連携は阿吽の呼吸、サルトビにとって最も頼りとする仲間だった。

 

「こりゃあまたらえらいことになってるのォ…サルトビ」

 

口寄せされた猿魔はクルリと辺りを見渡す。方々で火災が発生し、悲鳴や戦闘音が聞こえ、爆発まで起こっている。

 

「…襲撃か?」

「見ての通りのォ まずは上のアヤツを落とす 金剛棒変化じゃ」

「よぉーし!分かった!」

 

猿魔が金剛棒と言われる黒い棒に変化する。ただの棒と侮ってはならない。その強度は最強の剣と言われる「草薙の剣」を貫かせないほどの硬度を誇り、伸縮拡大縮小自在である。

 

「伸びよ猿魔!」

 

サルトビの意思に答えて天高く伸びる金剛棒。

 

だが、敵は止まった的ではなく、動く人間だ。爆弾魔はヒラリと鳥を操作して棒をかわす。

 

「なんの捻りもない只のぬるい突きだな…うん」

 

鳥に乗った襲撃者……デイダラは、長い金髪を風になびかせ、悠然と断言する。

 

実際には言うほどぬるい突きではなかったのはデイダラも理解している。かなり速かったし、かなり長かった。しかし、これだけ距離が離れていればどれだけ速かろうが目を瞑っていても避けられる。大した脅威にはなりえない。それは今回の攻撃だけではなく、忍術による遠距離攻撃でも同じだ。この距離を一瞬で無にするような時空間忍術でもない限り、大した驚異にはなりえない。そして、今の木の葉にそれが出来る時空間忍術の使い手はいないことは大蛇丸に聞いていた。

 

「オイラを捕まえたいならせめて飛べなきゃ話にならないぜ…うん」

 

デイダラは青い目で眼下を睥睨しながら余裕の表情でダメ出しをする。そして、新たな芸術を残すべく起爆粘土を右手に食わせ、そこそこ(・・・・)のチャクラを練り込ませる。

 

「今度のはちょっと凄いぜ……うん」

 

デイダラの起爆粘土は両手の平にある口で喰った粘土に自身のチャクラを混ぜこんで作る芸術だ。この時、粘土に混ぜるチャクラをC1からC4まで上げることができ、当然、爆発の威力は混ぜたチャクラの量に比例する。小さいものは花火程度の爆発力だが、大きくすれば大国の主要都市も吹き飛ばせるほどの破壊力を生み出すことができる。

 

先程大量に落としたのはC1と、C2(現在デイダラが乗っている恐竜)の口から出た小型爆弾。爆発の威力は眼下を見れば分かる通り、見た目相応でそこまでない。精々が家屋を破壊したり、小クレーターを作るるくらいだ。

 

これがC3になると一気に上がり、一発で都市を吹き飛ばせる程の威力になる。しかし、デイダラがこれから使おうと準備しているのは十八番のC3ではなく、白鳥くらいの大きさのC2だ。これを空の足として使うのでなく、そのまま落とすのである。

 

「さっきまでの前座とは爆発の威力が違うぜ……うん」

 

デイダラは相手に警告を与えるかのように徐々に爆発の威力を上げていく計画らしい。

しかし、もちろん、木の葉の奴等が油断している最初の間にいきなりオハコ(C3)を落とすことこそ最善の手段だ。そうすれば最大効率で最大成果を上げることが出来ただろう。むしろ、成果のみを考えるならそうするべきであったし、現在のデイダラのやり方はある意味で意味不明ですらある。

 

(実際、大蛇丸の旦那はそうしろと何度も言ってきたしな……。合図が上がったらC1やC2なんて使わずに十八番をアカデミーと火影邸に一発ずつ落とせってな…)

 

アカデミーと火影邸の下には避難用の地下通路があるらしい。上手くすれば二度の攻撃で避難民をまとめて焼き殺せていたかもしれない。それが出来なかったとしても木の葉の象徴の一つとも言えるアカデミーと火影邸を消す意義は大きい。それが大蛇丸の言だった。

 

(──……だが、それは美しくねえ。芸術ってやつを分かってねえ。フルコースでスープやオードブルをすっ飛ばしていきなりメインを出すような物だ。あの変態は結果があればどう勝っても良いとか思ってるからダメなんだ。)

 

今回の襲撃にしたってデイダラにはデイダラなりの芸術観に沿った爆破計画があった。それは言わばデイダラのアーティストととしての拘りと矜持であり、それがあったが故に木の葉の人間は助かったとも言える。実際デイダラに何も拘りがなく破壊の成果のみを考えていたら、C1やC2やC3なんて使わず、C4を一発落とせば事足りる。細菌のように呼吸により体内へと入る超小型爆弾はそれだけで殆どの木の葉の忍と住人を殺していただろう。

 

さらに、デイダラにとって不幸だったのは始めに対峙する敵がヒルゼンだったと言うことだ。五大性質全てを納め、プロフェッショナルと言われるほど多くの忍術を会得し、用いる知識は里内随一。

岩隠れの禁術である起爆粘土の知識も多くはないにしろ持っていたし、自来也から暁についての情報も手に入れていた。

それ故デイダラの起爆粘土を見て、その危険性と弱点にいち早く気づきく事が出来たのだ。さらに、それらを無力化する術を持っていたのだ。

 

もし、これが他の誰かだったら、あるいはデイダラがアーティストではなかったら、デイダラはもう少し活躍出来たかもしれない。

 

だが、どれだけ仮定の話をしようが結果は変わらない。デイダラはアーティストだし、敵は三代目火影だ。デイダラが呆気なく敗北するのも変わらない。

しかし、そんな未来の事など知るはずの無いデイダラは、棒を伸縮させ二度三度と同じ突きを放ってくるヒルゼンに、滑稽だと冷淡に笑う。

 

「……何度も懲りねえジジイだ……無駄だって言ってんだろ………うん」

 

確かに伸縮スピードはかなりのものだ。だが、初撃すら当てられなかったのだから二撃目、三撃目が当たるはずがない。

まあ、もしかしたら単調な攻撃に見せかけて油断したところに、縦薙ぎや横薙ぎをしてくる可能性もあるが、此方がそれを警戒している以上、どちらにせよ無意味な話だ。

 

「だが、こうも鬱陶しく飛び回られるとオイラの芸術活動にも支障が出るな……それにジジイを見てるとどうも両天秤のジジイを思い出して気分が悪いぜ…綺麗に爆破してやるよ……うん」

 

何度も説教をし、デイダラの芸術を「下らない」とバカにしてくれた両天秤のジジイ……世界で一番ムカつくジジイ……そんな奴に似たジジイを爆破させると思うと、中々に良い気分だ。

デイダラは気が向くままに今し方作った爆弾をジジイ目掛けて落とそうとして、瞬間ゾワリと背筋に悪寒が走る。

 

「───!」

 

咄嗟に後ろを向き悪寒の正体を探る。すると、探るまでもなく、そこに悪寒の正体はあった。なんと金剛棒から二本の猿の腕が生え、デイダラを掴むべく、此方に向かって伸ばされていたのだ。

 

「は?」

 

────聞いてねえぞ大蛇丸!

 

ヒルゼンは大蛇丸が相手をするつもりだったので、そもそも基本説明すら省かれたのだが…そんなこと関係なく叫びたくなってしまう気持ちは分かる。

 

しかし、叫びが言葉になるよりも、デイダラの体が動くよりも、腕が到達する方が早かった。

 

気付いたときにはもう遅い。眼前すれすれまで迫ってきた猿の巨腕は万力のごとき力でデイダラの腕と鳥の口を鷲掴む。そう認識した直後には腕の生えた金剛棒はデイダラと鳥を掴んだまま物凄い勢いで地面に向かって急縮小していって───

 

「え?ちょ────う!うおおおおおおお!」

 

鳥に乗ったまま猛烈な勢いで急降下する自身の体。

物凄い圧力の空気抵抗を全身で受け、頬がビタンビタン揺れる。

しかし、何とか先程作っていた爆弾を爆発させ、猿の手を外す。

猿越しの爆発とは言え、自分の体にもかなりのダメージを受けたが気にしている暇はない。

なにせ、それが出来たのが鳥が地面に衝突する寸前。このまま何もしなければ鳥と一緒に自分もスクラップ。そう瞬時に理解したデイダラは、とっさに鳥の背を足場に跳躍し、自分が落ちるだろう場所に目測をつけ、小爆弾を使って地面を軟化させ、さらに、地面に衝突する寸前体を回転させることで衝撃を逃がした。

 

そこまでしてもかなりの衝撃を受けたが動けなくなるほどではなく、瞬時に起き上がる。

 

ほぼ同時、ドゴン!と音と共に地面に衝突した鳥が木端微塵に粉砕し、それを見たデイダラは自分がああなっていたかもしれないと想像してしまい、顔を青くさせ、怒る。

 

「あ、あぶねえじゃねえか!」

「ちっ!今ので殺すつもりだったんじゃがのォ…中々にしぶとい…」

「ぶっそうなジジイだな…うん」

 

ヒルゼンの言い様に頬を引き吊らせるデイダラだが、ふと目の前の男の頭に【火】と書かれた白い傘があることに気付く。

 

「…お前もしかして、三代目火影か?うん」

「いかにも…そう言うお主は岩隠れの抜け忍…連続爆破テロ犯のデイダラじゃな?」

「なんだよ。オイラの事も知ってんのかよ。……てか、大蛇丸の旦那は何してんだ?あんだけ自分が殺すって息巻いてたくせにダサすぎんぜ…うん」

「大蛇丸ならむこうにおるよ」

 

ヒルゼンが指差す方を見ると、そこでは人外大魔境のような戦いが繰り広げられていた。青い結界の中で、巨大な蛙や蛇やらが縦横無尽に動き回り、木や水が意思を持ったように暴れ狂う。

 

パッと見では、どちらが優勢なのか、そもそも、どれが大蛇丸の手勢なのかも分からない。しかし、どちらが勝つにせよ相応の時間は掛かるだろう。

 

「そうかい…ならオイラがお前を殺しちまっても良いってことか…うん」

「それは無理じゃよ…お主ではわしには勝てぬ」

「お前…オイラのこと舐めてるだろ…うん」

「事実を言ったまでじゃ お主ではわしには勝てぬよ、デイダラ」

 

ヒルゼンはいっそ優しさすら感じる口調で子供を諭すように言う。それは酷くデイダラのプライドを傷付けた。

 

「そうかい ならオイラも一つ良いことを教えてやるぜ、ジイさん お前の死因についてだ──────」

「?」

「────お前の死因は爆死だァ!!」

 

 

✝️

気炎を吐いていたデイダラだが、それに反し、デイダラとヒルゼンの戦いは呆気なく終わった。デイダラが落下してきたこの場所には予め罠が仕掛けられていたからだ。ヒルゼンの陰遁の忍術で雁字搦めになったデイダラは、起爆粘土を取り上げられ、さらに縄脱け防止処理の施された縄で体をぐるぐる巻きにされている。

 

「てめえ!ふざけんなよ!ジジイ!不意討ちなんてしやがって!卑怯だぞ!」

「……色々聞き出したいこともあるんじゃが…話す気はあるかの?」

「は!あるわけねえだろ!」

「そうか。ならば仕方無い」

「拷問でもしようってか?」

「いや、そんなことはせんよ」

 

ヒルゼンはデイダラの言葉に短く否定し、口寄せの印を組み、地下牢に置いてあった棺桶を呼び出す。黒い鉄材に金字の彫られた棺桶は、人一人入れるくらいの大きさで、堅固なカギが付いていた。

ヒルゼンは手慣れた動きで棺桶の鍵と蓋を開け、盥巻きにしたデイダラを中へ放り入れると、再び蓋と鍵を閉める。

 

「クソジジイ!ふざけんな!出しやがれ!」

「この戦いが終わったら直ぐに出してやるわい」

 

ヒルゼンは口寄せを解除し、デイダラを棺桶ごと地下牢へ輸送し、次の戦場へと向かうのだった。

 




デイダラVSヒルゼン
ヒルゼンの勝利!

デイダラは活躍させると木の葉が大変な事になるので一番最初にフェードアウトです。下手に追い詰めると「俺の究極芸術を見せてやる!」→半径10km消滅とかになりますので。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。