ナルトが綱手に引き取られる話 作:tanaka
砂と音による木の葉の襲撃により里は大パニックになった。里の城門には突然に大蛇たが現れ、空からは次々と爆弾が落ちてくる。どういうわけか爆発は直ぐに聞こえなくなったが、戦闘による煙はそこらじゅうで上がっていた。
しかし、予めこの事態を予期していた忍達により、里の人達は恐々としながらも比較的安全に避難していく。
「押さないで!」
「落ち着いて指示に従ってください!我々が必ず安全に送り届けます!」
中忍や特別上忍、うちは警務部隊などが中心となり避難が行われる。
アカデミーで授業を受けていた木の葉丸もイルカ先生の指示で地下通路を通って避難していた。しかし、木の葉丸はヒルゼンやナルト達のことが心配で試験会場へ向かおうと画策し、あえなくイルカに見つかり、ガッチリとホールドされながら避難所に連行されることになる。
「イルカ先生放せ!」
「ダメだ!」
「試験会場にはジジイとナルト兄ちゃんが……」
「三代目は強い。そう易々と敵に遅れはとらない。ナルトだって一人前の忍だ」
「でも!!」
「こら!暴れるな!いいから大人しく避難しなさい!」
「嫌だ!!」
「ワガママ言うな!お前が怪我をしたら三代目やナルトがどうおもう!
それにあそこには今自来也様や綱手様、フガクさんもいる。だから大丈夫だ」
「大丈夫かなんて行ってみないと分からないぞコレ!ジジイもナルト兄ちゃん直ぐに無茶するんだ!」
「そ、──と、とにかく!」
「──木の葉丸」
尚も暴れる木の葉丸に、イルカが拳骨を与えようとすると、それより本の少し前に後ろから静かな声が向けられる。
「イタチ兄ちゃん」
「列に戻れ」
「でも」
「お前がそうやって暴れていれたら、いざと言う時にイルカさんが動けなくなる。そうなれば万一敵の襲撃にあった場合守れたはずの命まで失うことにもなりかねない。今お前の出来ることは此処で駄々を捏ねることではない。何よりも早く避難を完了させ、より多くの忍を敵の撃滅に向かわせる助けとなることだ。それがひいては三代目やナルトくんの命を助けることにも繋がる」
怒鳴っているわけでもないのに何故か良く通る言葉はとても16の少年が発したものとは思えない。
驚くほどの貫禄と説得力を秘めている。
イルカは思わず目の前の少年が自分の二倍くらい生きてるんじゃないかとすら思えた。
なにせ自分なんてただ木の葉丸をホールドしてただけだ。
あれだけ暴れていた木の葉丸も涙を拭きながら、列に戻り、黙々と歩いている。
「流石ですね、イタチさん」
「……少し言いすぎました」
「いえ、本来なら私が言わなければならないことです。嫌な役目を押し付けてしまった」
なぜイタチがこんな場所にいるのかというと、それは現在のイタチの体調に起因する。
中忍試験の始まる少し前の話だが、綱手主導で行われた木の葉の忍の定期検診において、イタチが重大な病気に掛かっていることが発覚した。幸い発見が早く優れた医療忍者である綱手がいたため治療すること自体は出来たが暫くは薬の内服と安静が言い渡される。しかし、イタチは根っからの仕事人間で、自分だけ遊んでいるようで気が咎めるからと、両親と綱手を説得し、週に一日程度ではあるが臨時講師としてアカデミーへ通う権利をもぎ取ったのだ。
そして、丁度臨時講師として来ている時間に襲撃が起こり、そのまま避難を手伝っていると言うことである。
✝️
「これで最後ですか」
「ああ!避難は完了した。全ての住民は里の各所にある避難所に収容済みだ」
「では、いよいよだな」
「ああ!里の総力をあげ敵を排除するぞ!」
その後暫くして全ての避難が完了し、これにより各所で木の葉の反抗が始まるのだった。