ナルトが綱手に引き取られる話   作:tanaka

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原作とほぼ同じなので結構カットしました。


木の葉崩し5 シノVSカンクロウ

「サスケの奴…焦りやがって」

「で、何で俺が駆り出されんだよ」

「そりゃあんたが一番引き際を弁えてるからじゃない?」

「……なるほどな…ナルトのストッパー役ってことか……めんどくせえ…」

 

サスケの助太刀の為、サスケを追うナルト、シカマル、サクラは木の上を移動しながら言葉を交わす。

 

「んで、後どんくらいで追い付くんだ、犬さん?」

「分からん…向こうもかなりの速さで移動してる。ん?」

「どうした?」

「追っ手だ…8いや9人いる」

「ついてねえ…こんな時に追っ手かよ」

「速度を上げるぞ…引き離す」

 

 

 

 

 

一方、その頃、ナルト達の前を走るテマリ達は当然のごとく追っ手が増えたことに気付いていた。

 

「追っ手が増えたか?二人…いや、三人」

 

テマリは一度足を止め、木に耳を当て足音を聞く。

 

「どうだ?テマリ」

「一つはかなり近いな…直ぐそこまで来ている…あたしに任せてあんたたちは先行きな」

 

テマリはガアラを抱えたカンクロウを先に行かせ、自分は簡単な起爆札トラップを仕掛けてから戻ることを伝える。

 

しかし、追跡者は中々優秀な奴のようだ。起爆札トラップ程度では大した時間稼ぎにもならなかった。

ほどなくして追跡者……うちはサスケはガアラ達三人の背を目視に捉える距離までやってくる。

 

「しつこい野郎じゃん」

「クッ!ガアラがこんな時に…!」

 

サスケの姿を見たカンクロウとテマリは更に速度を上げる。

しかし、ガアラを抱えている状況でサスケを振り切るのは不可能だ。ガアラは小柄とは言えもう12の少年。それなりの体重を持つ。それにガアラの体は重量な砂の鎧で覆われており、常に大量の砂の入った瓢箪を抱えている。いくら英才教育を受けたカンクロウでもこれ程の重りを背負っていれば出せる速度には大きな影響が出た。このままいけば遠くない未来に捕まるのは目に見えている。つまり、ここでの最適解は一人が殿となり他二人が逃げる時間を稼ぐと言うもの。

そこまで考えカンクロウは結論を出す。自分が捨て石になると言う結論を。

 

「テマリ」

「ん?」

「ガアラを頼む」

 

カンクロウはチラリと肩に乗る弟を見た。

 

ガアラは砂の人柱力──砂の切り札だ。絶対に他里の忍に渡すわけにはいかない。何を置いても守らねばならない兵器。これは任務だと、そう割りきれたら楽だったんだろうが…。

だが、今カンクロウを突き動かすのは忍としての責任感なんてものじゃない。

普通の兄弟とは違っても、どれだけ恐ろしくても、ガアラはカンクロウにとってたった一人の弟だった。

それをみすみす敵に渡すわけにはいかない。

兄としての責任感がカンクロウを突き動かす。

 

「…お前はガアラを連れて先に行け…」

 

だから、カンクロウは自然と捨て石になる覚悟が出来た。

 

「早く行け…ガアラのことを最優先させろ…」

 

カンクロウはガアラの頭を一回撫でると、テマリに預ける。

テマリもカンクロウの目を見て、その覚悟と意思を感じとり、首肯く。

 

「分かった…死ぬなよ…カンクロウ」

「心配ねえって…十分もあれば終わらせて戻ってくるじゃん」

 

カンクロウは軽口を叩き、テマリを見送り、背負っていた傀儡を取り出す。

 

「そう言うことだ…仕方ねえからお前の相手…俺がしてやるじゃん」

 

対峙するサスケとカンクロウ。

時間稼ぎを目的とするカンクロウに対し、サスケはさっさとガアラを追わねばならない。

しかし、目の前の敵は片手間に相手を出来るほど甘い相手ではなかった。

 

予選の試合を見ただけでもその実力は充分察せられる。少なくとも中忍以上…下手したら特上クラスの実力者だ。さらに、勤勉なサスケは傀儡師の使う毒の厄介さも知っていた。傀儡師の毒はかすっただけでも致命的となりうるものばかりで、ガアラを追うためには全ての攻撃を完璧に避けねばならない。そのことを考えれば、あのテマリとかいう風遁使いの女よりも厄介な相手だった。

 

サスケは内心舌打ちしつつもカンクロウから目を逸らさず、腰を落として臨戦態勢に入る。そして、一歩を踏み出そうとして─────制止の声が掛けられた。

 

「待て」

 

現れたのは丸いサングラスをかけて口元まで隠す襟の高い白コートを着た、素顔がほとんど見えない黒髪の少年だった。

しかし、少年がどちらサイドの人間なのかは直ぐに分かる。

少年の頭には木の葉マークの額当てがあり、カンクロウと対峙するようにサスケの隣に立ったからだ。

カンクロウは木の葉の援軍に面倒が増えたと内心舌打ちをする。

一方のサスケはカンクロウから目をそらすことを良しとせず、隣を見ることこそなかったが、良く聞き知った声に誰が来たのかは直ぐに分かった。

サスケは驚きつつも口角を上げ、名前を呼ぶ。

 

「シノか。よく此処が分かったな」

 

「お前が砂の忍を追うのは見えていた。だから、俺は試験会場を抜け出したお前の後を追うために、お前の体にメスの寄壊虫を飛ばしておいた。なぜなら、オスの寄壊虫はどれだけ離れていても同種のメス匂いを嗅ぎとる事が出来るからだ。あとはその匂いを辿りに来たと言うわけだ」

 

シノは何時もの説明口調で此処に来た方法を語る。

周りが静かなせいか、何時もは皆の声にかき消されてしまうシノの声が良く通る。

平坦な事実のみを述べる声だ。

そして、さらっと説明では流されたが、どうやらシノは自力であの幻術を解いたようだった。そうでもなければ直ぐに試験場を出たサスケに寄壊虫を飛ばすことなんて出来ない。

相変わらずしれっと優秀さを見せるシノにサスケは頼もしさを感じる。

 

「うちはサスケ…お前はガアラを追え…俺はコイツとやる…なぜなら元々コイツの相手は俺だったからだ」

 

再び平坦な声で断言する。

 

シノは明らかに下忍の域を出た優秀さを持つ忍だ。あのまま中忍試験を行っていたら普通に中忍になれていただろうと思うほどに。智勇兼備の優秀さを持っている。

しかし、目の前の敵もそれは同じ。いや、知力の方は知らないが、少なくとも実力は中忍の域を出た強者だ。そして、カブトの言葉を信じるならば、実践経験は此方の比ではない。

 

「大丈夫か?コイツは強いぞ」

「心配はいらない…十分もあればお前の援護に行ってやる」

「ふ、そうか…なら頼むぞ」

 

サスケはシノを信じ、カンクロウの隣を通り過ぎていく。

カンクロウは足止めをしたかったが、シノの強さを肌で感じ取り、仕方無しにサスケを先に行かせた。

 

「早く終わらせてあのサスケって奴を止めに行くじゃん」

「心配せずとも直ぐに終わる…むろん、勝つのは俺だがな」

 

シノとカンクロウの戦いが始まった。

 

その後の展開はほぼ原作と同じとなった。

まずシノが初め蟲使いらしからぬ虚を突いた特攻で攻撃をしかけた。カンクロウは虚を突かれつつも、無難にそれを避ける。しかし、額当てに蟲を一匹くっつけられたことは気付けなかった。

シノが付けた蟲はメスの寄壊虫。

先程説明したようにオスの寄壊虫はメスの寄壊虫の匂いをかぎ分け、居場所を特定出来る。

これにより、たとえカンクロウが隠れても何時でも居場所を探知できる布石を打ったのだ。

傀儡師としてのカンクロウの腕を信じていたシノはこの森の中でカンクロウを見失うことの危険性を充分理解していた。

その後の攻防はややカンクロウ優位に進む。

カンクロウの得意とするチャクラ糸を自在に操る「傀儡の術」と、全身にあらゆる武器を仕込んだ傀儡人形「烏」が火を吹いた。

しかし、シノもさるもので、蟲分身で敵の目を欺いたり、チャクラを食べる蟲に傀儡のチャクラ糸を切断させたり、逆にチャクラ糸を伝って敵へ蟲を向かわせたりして、前方に注意を向けさせ、カンクロウの額にいるメス目掛けてカンクロウの後方に集まっているオスの寄壊虫への注意を逸らしつづけた。最後は「秘術・蟲玉」──寄壊蟲で相手の身体を隙間なく覆う秘伝忍術──で、敵のチャクラを食い尽くし、カンクロウを戦闘不能に変える。しかし、シノ自身もカンクロウが放った毒煙玉により体が毒に犯され、戦闘が終わった途端気絶し、両者戦闘続行不可能により引き分けとなった。

 

 

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