ナルトが綱手に引き取られる話   作:tanaka

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木の葉崩し 終

木の葉の忍が各地で反抗を始める中、この戦争の中心とも呼べる大蛇丸と自来也の戦いも終盤に差し掛かっていた。

 

「これはやられたわね……」

 

大蛇丸は周囲を見渡して一人ごちる。

魔幻・蝦蟇臨唱。

それが大蛇丸が掛かった術の名前だ。

これは妙木山の二大蝦蟇であるフカサクとシマが合唱することで初めて成立する最強幻術。妙木山に伝わる幻術の楽譜に基づいてデュエットすることで、蝦蟇にのみ発声が可能な歌詞とメロディを上手く組み合わせた凶悪な幻術が成立する。術の発動条件は音を聞かせること。これさえ出来れば、たとえ対象者が複数人だったとしても、何処に隠れていたとしても、関係なく幻術に掛けられる。そして、この幻術に一度はまると、強制的に特殊な幻術世界に引き込まれ、強力無比な金縛りを受けるのだ。

 

(体が…動かない…!)

 

現在大蛇丸は東西南北を四体の巨大蝦蟇により囲まれた水のような立方体の中に閉じ込められていた。蝦蟇は仁王像のように見栄を切り、片手に刀を持ち、腰に不と書かれた前垂れをつけている。

 

この空間にいるのは自分だけではなく、扉間、柱間、音の四人衆までもがいる。

 

大蛇丸にとって初見の術。しかし、大蛇丸の聡明な頭脳と高い分析力が、この空間が幻術であり、聴覚に働きかけることで発動するものであると即座に見抜いた。

 

「いいか…もし幻術をくらったら己のチャクラの流れをいったん可能な限り止めるよう心掛けろ。幻術中は相手に頭の中のチャクラをコントロールされとる状態だ。それを上回る力でチャクラの流れを乱せば

幻術は解ける」

 

これは忍ならば大抵誰もが知っているアカデミーで習う基礎知識。当然大蛇丸も知っており、すぐにチャクラの流れを塞き止める。

大蛇丸には大抵の幻術なら解ける自信があった。しかし、これは全く解ける気がしない。大蛇丸に解けないと言うことは音の四人衆に解けるはずがない。チラリと左にいる扉間と柱間を見るが、彼等も解けていないようだった。

それはこの幻術が相当強固なものであることを物語っていた。

 

「自来也…………あんたにこんな幻術があるとはねえ」

 

大蛇丸がまんまと二大仙人の蝦蟇臨唱にハマったのには、自来也を良く知るが故の大蛇丸の思い込みがあった。自来也は自他共に認める幻術音痴…。それは自来也と同じ班だった大蛇丸もよく知っている。それに加えて、仙術になったことにより忍術の威力が軒並み上がったこともあり、些か幻術に対する心の準備が欠けていたのは否定しようのない事実だった。

 

「どんな奴が相手でも油断はするなと教わったハズだがの…大蛇丸…過信がお前の弱点だ」

「クク…言うようになったじゃない」

 

大蛇丸は口でこそ余裕ありそうに振る舞っていたが、その実かなり焦っていた。

今の自分はいわゆる詰みのような状態だ。このまま何もしなければそう遠くない未来に自分は終わるだろう。

それが分かってしまうがゆえに焦り、打開策を考える。

 

しかし、何も思い付かないまま、終わりの時は来た。

 

自来也は現実世界で扉間と柱間を封印した後、大蛇丸、音の四人衆にそれぞれ刻印を刻む。

この刻印は草隠れの「天牢」と言う禁錮術を参考に作ったオリジナル忍術で、刻むのに時間がかかると言う欠点があるが、一度刻んでしまえば効果は抜群…忍にとって命とも呼べるチャクラをほとんど練れなくする。そして、無理に練ろうとすると火ダルマになるという塩梅だ。

殺すと言う事も考えたが、不死の研究をし続けるような奴を果たして本当に殺せるのかと言う疑問は拭いされなかった。

それに、大蛇丸には聞き出したいことも沢山ある。ダンゾウと繋がりがあると言う黒い噂もあるし、所属している暁とか言う組織も気になる。多少のリスクは犯しても此処は捕縛すべきだと自来也は考えた。

 

大蛇丸は取り敢えず殺されなかった事に安堵しつつも、それは問題が先送りになっただけだと分かっている。情報を引き出せるだけ引き出したら直ぐにでも始末されるだろう。自分ならそうするし、絶対にそうなる。だから、そうなる前になんとか脱出すべく大蛇丸は脳みそをフル回転させるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閑話 地下牢の捕虜

 

木の葉隠れの里

地下牢

第四房

 

音の四人衆は手足を鎖で縛られ、腹に忍術の使用を封じる刻印が刻まれた状態で、裸で拘束されていた。

 

「これは良い眺めぜよ」

「盛ってんじゃねえよ、ゲスチンヤローが!!」

「この角度じゃ自然と見えるんだから仕方ないぜよ」

「目を瞑れって言ってんだよソチンヤロー!その粗末なチンコ引き抜くぞ!」

「タユヤ、女がそう言う言葉をあんまり……」

「くせーよ、エロデブ」

「……………」

 

もう何度目かにもなる鬼童丸とタユヤの舌戦に、次郎坊が苦言を呈し、一瞬で黙らされる。

それを隣で聞いていた左近(男)と右近(女)の二人は、昨日の尋問で寝不足なのもあり、欠伸をしながら文句を垂れる。

 

「ふぁ…お前らうるせえーよ、少しは静かにできねえのか?こっちは只でさえ苛立ってるってのに」

「全くだ…俺なんて次郎坊のデカチンをずっと見せられて喋る気も起きねえよ」

「そりゃ、流石に同情するぜよ」

「ソチンを見せられるよりかはマシだろうけどな」

「「…………………」」

 

タユヤの言葉に今度は次郎坊だけでなく、鬼童丸も黙らされた。

 

 

✝️

木の葉隠れの里

地下牢

第三房

 

そこにはデイダラとミトが収監されていた。

真の忍である彼等にとって尋問や拷問など苦ではなく、もっぱら退屈こそが敵であった。

そこではミトは退屈をまぎらわせるためにデイダラに芸術の話を頼んだのだが、内容が意味不明過ぎて、途中から子守唄にしか聞こえてこなくなり、いつの間にか眠ってしまった。

 

「つまり、おいらの作品は──」

 

「……………………………」

 

「ておい!聞いてんのか!」

 

スピー…スピー…プツン!

 

「は!え?なに?」

 

「てめえー!やっぱ寝てたらだろ!てめえが知りたいってから話してたのに!」

 

「いや!寝てないって!聞いてた聞いてた。芸術は爆発で、クールって話でしょ?」

 

「お、おう、聞いてんならいいんだ。いいか、おいらの作品はな……」

 

スピー…スピー……スピー………

 

✝️

木の葉隠れの里

地下牢

第二房

 

そこにはダンゾウが収監されていた。

彼は大蛇丸との繋がりが露見し、現在謹慎を受けていたのである。

 

「……………………………」

 

ダンゾウは黙して何も語らない。何も語らず、目を閉じ、時を待った。

 

 

 

 

 

設定

 

木の葉隠れの地下牢。

第一房から第八房まである。特に凶悪な囚人や捕虜が収監される。現在第一房から第五房まで埋まっている。




木の葉崩し編終了!
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