ゾンビ少女は立派な海賊になれるか   作:のんのののん

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おてやはらかに。

ミストトレインガールズを知らない人は『ミストトレインガールズ メンローパーク』を画像検索してから読むとイメージしやすいと思います。


第1話

「釣れた────!!!!」

 

「カッチョイイサメ釣ったぞ──っ!!」

 

「入れろ入れろ! 生簀に入れろ!」

 

 メリー号の後継である新海賊船サウザンドメリー号では、船に新設された鑑賞できる生簀にテンションを上げたルフィとウソップが魚を釣っては入れてを繰り返していた。釣れたものが水槽で見れる為、何も考えずに釣れたそばから投げ入れているのだ。

 そして釣った魚を見るために水槽のある部屋に駆け込むと、2人を待っていたのは腹を大きく膨らませたサメのみであり、今まで釣り上げたマンボウをはじめとする数多の魚はサメに食べ尽くされていた。

 それを観ていたロビンは冷静に食べられたと告げ、サンジはよく考えてから入れろと怒り、フランキーは一連の流れに笑い、ルフィとウソップは目を見開いて絶叫する。

 そんな騒がしい船内であったが航海は至って順調。ほかの船員も大浴場や医療室などで各々自分の時間を気ままに過ごしていた。

 そんな中マストの上の小部屋で昼寝をしつつぼんやりと見張りをしていたゾロがなにかに気付く。

 

「おい! 海に何か浮いてるぞ」

 

 ルフィやウソップはそれを聞いて宝ではと心を踊らせながら飛び出し、他の一味のメンバーも出てくる。

 

「なんだなんだ!」

 

「タル!? 見ろ! "宝"って書いてあるぞ! もしかして! 宝船の落し物じゃねぇか!?」

 

「お宝!!」

 

 ルフィの発言に何人かは沸き立つが、その直後にナミが落ち着いた様子で断言する。

 

「残念。お酒と保存食よ」

 

 そう言うとナミはその海神御宝前と書いてある樽についての説明を始める。「海神御宝前」とは流し樽という航海の無事を祈るための供え物であり、中には酒と保存食が入っているだけだということを。

 そして中の酒を飲んだら空樽に新しい供え物を入れて流すのがならわし。

 

 それを聞いてルフィが意気揚々と樽のフタを開けると突然樽の中が爆ぜ、空に何かが打ち出された。

 なにか飛んだと身構えた一味だったが、煙の尾を付けて飛んでいった玉は途中で眩い赤い光を放って消える。

 敵味方問わず位置を知らせるそれは罠ともイタズラとも取れ、一時は焦って周囲を警戒するが見えるのは海と空のみである。

 

「…………誰も見えないけどこの気圧……」

 

 するとナミが頬で風を感じながら気づく。

 

「みんな持ち場に! 5分後に大嵐が来る!」

 

 その一言で緊張が走り、流し樽をそのままに甲板が慌ただしくなり始めた。

 各々が即座に自身の仕事へ取り掛かっているところに航海の慣れを感じるが、それでも練度はまだまだといったところだ。

 そしてバタバタとしている間に言葉通り大嵐が訪れ、向かい風という悪条件も重なって完全に捕まってしまった。

 

「完全に向かい風……!」

 

 臍を噛むナミにフランキーがニヤリとしながら返す。

 

「オイ! この船の力はそんなもんか!?」

 

「そっか! みんな帆をたたんで! 外輪出すわよ!」

 

「うおー! アレかっこいいから好きだやれー!」

 

 盛り上がる男衆に頬を釣りあげながら叫ぶ。

 

「ソルジャードックシステムチャンネル0! コーラエンジン、『外輪船』サニー号!」

 

 船体の横に付いたハッチが開いて中から外輪が顔を出すとそのまま大きな水飛沫を上げながら回り始める。

 

「進め──っ!」

 

「うお──!」

 

 新たな船の機構は荒波を掻き分けて推進力を生み出し、波を斬るように進む。

 そしてコーラが燃料という巫山戯た仕組みにも関わらず凄まじい馬力で突き進むサニー号はナミの指示の元で大嵐を何とか越えることが出来た。

 だが越えた先は甲板から海面を見る時でさえ感じられる程の濃霧であり、夜でないにも関わらず霧が深すぎて三日月の夜のよう。

 肌にまとわりつくような不快な霧の感覚と不気味な雰囲気は恐怖心を煽り、どこか心が浮き上がって鳥肌が立つ。

 そんな朝夕の感覚が狂いそうな空間を振り払うようにサンジが進んでこの海域“魔の(フロリアン)三角地帯(トライアングル)”の曰く───怪談を話し始める。

 この海域では毎年100隻以上の船が謎の消失を遂げ、死者をのせたゴースト船がさ迷っているという、よくある話だが、ウソップやチョッパーは非常に怖がった。

 ウソップは頭を抱え、チョッパー大きな声を上げながらウソップにしがみついている。

 そんな慌ただしく賑やかな一味に遠くから、歌が聞こえてきた。

 

「ヨホホホ〜ヨーホホーホ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方スリラーバークでは……

 

「はいゾンビ隊の皆さん、これからお客様が来るそうなので、気合を入れて怖がらせましょ〜」

 

「「「ウオオオォォ……!」」」

 

 墓地の中心で襟足やこめかみ辺りから青髪がひょっこり見えている赤髪の少女がのんびりとした声で号令をかけていた。

 肌が腐り土に塗れながら唸るような声で返事をゾンビ達に対してその少女は顔や体が継ぎ接ぎに見えるような傷はあれど肌は綺麗なもので真っ白ではあるが血色も良く、眠たげな赤と青のオッドアイも潤いに満ちている。

 

「メンローパーク様! そろそろ到着するそうです」

 

 海岸の方向から走ってきたゾンビが慌ただしく報告する。

 その報告を聞いて少女は、メンローパークはうばぁと独特の笑みを浮かべた。

 

「じゃあくれぐれも危害は加えないように、触らないように。レッツゾンビ〜!」

 

「「「ゾンビィィィ……」」」

 

 聞く度に変化する号令にゾンビ達は戸惑うことなく答えるが、ヒソヒソと確認し合う。

 

「メンローパークさんはこう言ってるが、モリア様の指示通りでいいんだよな?」

 

「ああ、あくまでボスはモリア様だ。てかメンローパークさんは隊長でもなんでもないしな」

 

「そこ、何話してるの?」

 

「いえ、なんでもありません!」

 

 ビシッと汚れた包帯が巻かれた手で敬礼をするゾンビ。

 そう、メンローパークはゾンビ達のリーダーのように振舞っているが実際は迷い込んだだけ。

 どういった思考でそうなったのかは不明だが、自身をリーダーだと信じきっていた。

 当然ゾンビ達は間違いを彼女に何度も指摘したが、彼女の低スペックな脳みそは重要と看做さなければ忘れて同じことを繰り返す。

 ならば力ずくで……と意気込もうにもメンローパークには敵わない。

 ボスであるモリアも敵対する様子がない事もあって影を取る以外は傍観の姿勢だ。

 そのためゾンビ達は面倒になって部下のように振舞い、モリアからの指示を遵守している。

 そしてそれに対してメンローパークは怒る……ことは無く、自身の命令も忘れてよくやったしか言わない。都合のいい部分だぜ忘れてくれる為、言葉を選ばずに言うとチョロいのだ。

 

 ゾンビ達は墓地の土を掘り返し、穴の中に入って土を自身にかけ直す。これで不気味なだけのただの墓地が出来上がった。まぁメンローパークは隠れもせずにフラフラと歩いているのだが。

 

「おや? あの馬車はヒルドンさんの……でしたっけ? 墓地に来ますね。僕もこっそり隠れておかないと」

 

 タッタッタと小走りで墓石の後ろに隠れ、チラチラと様子を伺って馬車を待つ。そして馬車は墓地の中心で停車してヒルドンは飛び立ち、馬車を引いていたケンタウロスのような何かも馬車を放置して逃げていく。

 いよいよゾンビの出番が来た。置き去りにされたことを気付いた彼らが外に出てきた時、足が地面に着いた時、それが開始のゴングだ。

 

 それから数分後……

 

「えぇ────っ?? 誰もいねェぞ──っ!!! 置き去りにされてる!!!」

 

「なんですって……!!? ……っ??」

 

「え〜〜!!? 置き去り〜〜っ!!?」

 

 扉を開ける音と共に騒がしい声が聞こえてくる。

 メンローパークは墓石の裏で飛び出す準備を整え、少し腰を上げた。

 そして遂に3つ地面に降りる音が聞こえ、ゆっくりと歩く音が聞こえ始める。彼女が隠れている墓石に近づいてくる。

 

「うばぁ────!」

 

「え〜〜!!?」

 

「あああああああ!!!」

 

「キャ──!!! ……ってえ?」

 

 勢いよく飛び出すと長鼻の男ウソップと2足で歩くトナカイ、左肩に風車の刺青があるナミが大きな声を上げて驚くが、いち早くナミがなにかに気付く。

 

「あれ? この子……?」

 

「アアアアウソップ怖ェゾンビだ──!!!」

 

「お、おおお落ち着けチョッパー! ゾンビには……!」

 

「うばぁ〜♪」

 

 今までにない程大きな声で驚く彼らを見て満足げに笑うメンローパーク。ゾンビに有るまじきニコニコとした表情だ。

 

「ちょっと2人ともよく見なさい!」

 

 ナミが2人の頭を頭を小突くとウソップとチョッパーは徐々に正気を取り戻し、落ち着いて目の前の人物を見る。

 するとそこには変わった見た目だが可愛らしい女の子が1人。縫い合わせたような傷がゾンビのように見せたが、ちゃんと見れば血色もいいしどこも腐っていない。

 

「なんだ人かぁ!」

 

「驚かせんじゃねーよ!」

 

「でもなんでこんな所に女の子が……?」

 

 当然そんな反応、メンローパークは気に入らない。

 む〜と頬を膨らませると、声を上げた。

 

「皆さん! もっと怖がらせてください!」

 

 そう言うと地面からボコボコと手が這い出てくる。そしてそのまま右手、肩、顔と土から現れ、メンローパークとは違うボロボロの布切れを着た歯茎まで剥き出しの、身体中に縫い跡と包帯、腐り落ちて見えている骨。

 緊張の糸が切れかかっていた3人はその光景を見て、耐えられなかった。

 

「「「きゅぅ……」」」

 

 バタン、と3人揃って白目を剥いて気絶した。




メンローパーク
ミストトレインガールズ内
種族─ハーフエルフ(ゾンビ)
ゾンビだから頭があまり回らない。記憶力もなく、あったことを直ぐに忘れる為日記をつけている。
好きなもの─お昼寝、写真、優しい女性や無垢な子供
嫌いなもの─父親、小難しい話、錯乱してるときの自分
趣味─頭を使わない激しくない遊びや、他愛ないお喋り
特技─特殊な能力を持つ手足や臓器などを搭載することも可能
長所─奇抜な見た目に反して、優しい大人しい常識人
短所─小難しい話を聞きたがらない&聞くと錯乱する


この小説内
種族─人間?
頭があまり回らない。記憶力もなく、あったことを直ぐに忘れる。つまりアホの子。日記は開始時点ではつけてない。種族を人間に変更している為尖った耳は丸くなっている。
好きなもの─お昼寝、写真、優しい女性や無垢な子供
嫌いなもの─小難しい話
趣味─頭を使わない激しくない遊びや、他愛ないお喋り
特技─特殊な能力を持っているが、海で泳げる
長所─奇抜な見た目に反して、優しい大人しい常識人
短所─小難しい話を聞きたがらない&聞くと目を回す



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ミストトレインガールズの世界では魔法があり、メンローパークも魔法を使います。そのあたりもガバ二次創作特有のガバ独自設定を使ったワンピース世界に馴染ませる努力をします。
頭使わずに読もうね!!!(投げやり)
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