女剣士と女勇者が出会うまでのお話   作:____―--

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少女は死体安置所の中で意識を覚醒させた。確かに大剣が胸を貫き死んだはずなのに、何故か生きている。しかも身体には傷一つなく健康体そのものだ。アイラは自分が何故こんな場所にいるのか理解できず困惑した。だがそんな彼女の前に頭蓋骨が現れたのだ。頭蓋骨はずっと宙を浮いており、少女に話しかける。

 

「お目覚めかい?随分と長く眠っていたねぇ」

「何が起きたの?私は確かに殺されたはずじゃ……?まさかここは死後の世界?」

 

アイラの言葉を聞いて頭蓋骨は愉快そうに笑う。

 

「あははは!死後の世界というのは半分正解で半分間違いさ。まぁ簡単に言うなら君はまだ死んでいない。だけど普通の人間じゃないよ」

「よく分からない。説明して」

「いいとも。まずここは『指輪の世界』という場所だ。本来、生き物が死ぬとここを通過して冥界に送られるんだが、君だけは特例でここに送られたんだよ。この世界は全ての世界に繋がっているからね。ちなみに君の肉体もまだ死んじゃいない。今頃ドクターが治療しているはずだよ」

「なんで私は死なないの?」

「君は『グランドマスター』から使命を授かっただろう?それを果たすまでは死ぬことは許されない。だから不死身になったのさ。そしてここからが本題なんだが……」

「聞かせて」

 

すると頭蓋骨は真剣な雰囲気になり話し始めた。

 

「お前さんはある魔物を倒す為に生まれてきた。いや、魔物というよりは概念のような存在かな……。とにかくそいつを倒すのがお前さんの使命さ。そいつはお前さんでも知ってる、いや、因縁のある相手だよ」

「……まさか」

「そうさ。あの黒い鎧を着けていて、大きいやつのことさ!」

 

アイラはその言葉を聞いた瞬間、全身の血流が激しくなり心臓が強く脈打った。脳裏に浮かぶのは奴の姿のみ。彼女は無意識のうちに拳を強く握りしめる。

 

「あいつは一体何なの?突然現れては皆殺しにして去っていく。奴は本当に人なの?」

「人では無いさ。オイラ達は奴の事を『ルイン』と呼んでいる。奴は言葉を喋らないし、魔法も滅茶苦茶だし、魔物を召喚する能力もある。お前さんの世界に魔物という概念が出来たのは奴のおかげと言ってもいいかもしれないねぇ」

「奴は何が目的なの?」

「この指輪の世界の消滅、即ち全ユニヴァースの崩壊を望んでいるようだ。何でそうしたいのかは聞いてみないと分からないけどね。この世界はポータルのようなものだ。お前さんの世界も、死後の世界も、天界も地獄もここを通じて行き来できる。もし壊されたらどうなるか分かるかい?」

「そんな重大な使命をなんで私に背負わせたの?他にも適任者がいるでしょう?」

「それはグランドマスターが決めた事だからオイラにも分からん。ちなみにグランドマスターが選んだのはお前さんだけさ。全ユニヴァースの運命はお前さんに委ねられたって訳だ」

「そんな事言われたって、私は世界なんか救えない。私は気高く無いし強くも無いもの」

「そんなことは分かっているさ。ただ心の赴くままに戦えばいいだけだ。そのうち自然と分かってくるはず」

「ルインが指輪の世界を破壊させるまでどれぐらいの時間が掛かると思う?」

「そうだなぁ……何となくだけど数年くらいかな?お前さんが20歳迎える前に終わるかもね」

「それまでに私が倒せなかったら?」

「お手上げさ。ってオイラ腕が無かったわ!あーっはっは!!」

 

頭蓋骨はしょうもないジョークを言いながら笑い出す。その様子にアイラは呆れてしまう。

 

「ルインを追い詰める為になにか手掛かりはないの?居場所や弱点とか」

「残念だけど今のところは。ただし、知っておくべき情報はいくつかあるよ」

「教えて」

「これはグランドマスターが伝えろと言ってきたことなんだが、お前さんは『永遠の王国』という場所に行くべきだとさ。そこに行けば何かしらの手掛かりを得られるはずだ。ただし歩いたり船とか、そういう手段では行けないだろうな。手がかりは冒険して見つけ出せだってさ」

「他には?」

「ルインの奴には七人の部下が居る。まあ、人の形をしている化け物みたいな連中だが、そんな奴が七人居る。ちなみにそいつらは口が利けるらしいから会話が出来るよ。まあ、そいつらも気をつけてくれよな」

「分かった」

「あとそうだ。お前さんは病に侵されているな。お前さんからフクシアの腐った香りがプンプン匂うぜぇ」

「もしかして……」

「ああ、お前さんは『ピンク・デス』という病気を患っている。何もしなければ一年で死ぬだろうな。まぁ、詳しい話はお前さんの世界にいるドクターが知っているはずだ。そろそろ見回りが来る頃合いだろう。早く行った方がいいぞ」

「どうやって?」

「台の上で横になるんだ。そうすれば勝手に戻るさ」

 

少女は指示通り台の上に乗る。すると身体が炎に包まれた。

 

「今度はじっくりお話しような」

 

頭蓋骨の言葉を聞き終えると、視界が炎に染まった。

 

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