桐香の超絶オモロギャグリベンジ   作:黒桐饅頭

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#1

【桐香】

「礼、郁子。超絶オモロギャグ会議を始めるわよ」

 

【郁子】

「え、またやるの? もう嫌なんだけど……」

 

【礼】

「この前7点もらったんですからもういいじゃないですか桐香様……」

 

【郁子】

「そもそも何点満点なのこれ」

 

【桐香】

「そんな気概じゃ駄目よふたりとも。芸は日々磨くもの。サボっていたら腕が落ちるわよ?」

 

【礼】

「あの……私たちって芸人だったんですか?」

 

【郁子】

「落ちる程の腕もないでしょ。なんでそんなに自信があるのかよくわからないんですケド」

 

【桐香】

「これからのSSはもっと明るく、生徒からも親しみのある組織にしていきたいと考えてるの。条例が変わる前までは少し堅い印象があったでしょう?」

 

【礼】

「……それは、まぁ」

 

【桐香】

「だからまずはこうして人を笑わせる訓練として――」

 

【郁子】

「そうはならないと思う」

 

【桐香】

「というわけで今度先輩たちにお披露目するギャグを考えましょう?」

 

【郁子】

「言っとくけど乗り気なのトーカちゃんだけだからね?」

 

【礼】

「でもちょうど仕事がひと段落ついたところだ。息抜きに付き合うのもいいんじゃないか?」

 

【郁子】

「えぇー……」

 

【桐香】

「それで今度はどのようなネタでいこうかしら」

 

【郁子】

「……この前は時事ネタだったし、そうじゃないやつがいいんじゃない? わかんないケド」

 

【礼】

「あえて、こう……ちょっと攻めたようなものとかどうですか?」

 

【桐香】

「じゃあ窓ガラスでも割る?」

 

【礼】

「攻めすぎです」

 

【郁子】

「でもマニアックすぎてもどうかと思うよ? 伝わらなかったら意味ないし」

 

【桐香】

「…………」

 

【郁子】

「……あれ? あたし今なんか変なこと言った?」

 

【桐香】

「――郁子。その"伝わらない"という点が肝要なのよ」

 

【郁子】

「……はぃ?」

 

【桐香】

「あえて分かりにくい、微かな要素からニュアンスを見出す――人はそこに面白味を感じるのよ」

 

【桐香】

「つまり、一目で分かるような単純な振る舞いに"華"はない――そういうことよ」

 

【礼】

「なるほど。さすがは桐香様……"分かって"らっしゃいますね」

 

【郁子】

「聞いてるこっちが恥ずかしくなってきた」

 

【桐香】

「そもそも現代の笑いは即物的すぎると思うの。上手に舞ってるだけで"質"を置き去りにしているというか」

 

【礼】

「たしかに瀟洒にこだわりすぎている――そんな感じがしますね」

 

【郁子】

「そんなことばっか言ってるから一週間も寝ずに考えることになるっていい加減気づいて」

 

【桐香】

「だから三人であることをもっと活かしたものを――」

 

【礼】

「となるとさらに意外性のある要素を組み込んで――」

 

【郁子】

「おーい」

 

 

 

 

 

 

   ◆◆◆

 

【桐香】

「みなさん……忙しい中、再度集まっていただきありがとうございます」

 

【桐香】

「より精巧な笑いを追求すべく……今度は二週間寝ずに考えた超絶オモロギャグ――披露します」

 

【桐香】

「――――シブがき隊」

 

【淳之介】

「1点」

 

 

 

 

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