バラティエに行って、帰り道にバギーの海賊団で過ごしてから数日後。私は、やっと帰ってきた。
思ってた以上に長く家を空けちゃったな……ダダンさん達にお土産渡して、エースと話をしなきゃ。
「ぶわっはっはっはっ!」
「「「ギャァァァァァァァァァァッ!!!」」」
なんて思ってたらガープ中将がエース達を追いかけ回しながら森の破壊活動をしていた。
「まったく……」
私は荷物を木の幹に置いて、落ちていた丸太を木刀サイズにカットして二振りにして握り締める。
「そりゃあ!ぬうっ、レイラ!?」
「随分と楽しそうに孫の虐待をしてますねガープ中将。大丈夫だった三人共?」
「母ちゃん!」
「母さん……」
「ジジイの攻撃を木刀で防いだ!?」
ルフィ目掛けて振り下ろされた拳を二振りの木刀を交差して防ぐ。エース達は驚いたみたいだけど今はこのバカ中将を止めないと。
「ほう……ちったぁ、マシな目になりおったな。じゃが、この程度でワシが止められると思うなっ!」
「人の話を……聞きなさい、バカ中将!鍛えるにしてもやり方があるでしょう!」
「すっげぇぇぇっ!!」
「ジジイの拳を薙ぎ払った!?」
「しかも木刀で突き飛ばした!?」
再び振り下ろされたガープ中将の拳を左の木刀でいなしながらカウンターで右の木刀で突きを繰り出して、ガープ中将を突き飛ばす。
私の攻撃にエース達は本気で驚いたのか目が飛び出てる。
そっか、今まで攻撃をいなして軽いカウンターしか見せた事が無かったね。
「三人共……真正面からぶつかるのが悪いとは言わないよ。でも私やアナタ達みたいにガープ中将と純粋な力に差がある時は……避けたり、いなす技術が必要になる。こんな風にね」
突き飛ばしたガープ中将が復活して拳を放ってきた。私は三人に攻撃が流れない様にガープ中将の拳を右の木刀で上方に弾きながら、左手の木刀を逆手に構える。
「そして相手の勢いを……利用する!」
「ぐおっ!?」
逆手に構えた左の木刀を薙ぎ払ってガープ中将の横腹に叩き込む。更に右手の木刀を投げ捨て、ガープ中将の首に右手を添え、大外刈りでガープ中将を投げ飛ばし、頭から叩き落とす。
「と、まあ……こんな感じかな」
「か、母ちゃん、すっげー!、」
「す、すげぇ……ジジィを一方的に……」
「母さん、こんなに凄かったのか……」
地面に叩き付けられたガープ中将。エース達にはまさかの光景に言葉を失ってる。
ガープ中将を止める事はあっても叩きのめした所を見せた事が無かったから本気で驚いてるんだね。
「三人は後で話があるからね。さて、ガープ中将」
「う、うむ……」
私は左手に握っていた木刀を肩に担ぎ、起き上がったガープ中将に睨みを効かせる。
「エースの面倒を見る事を頼まれ、私は世話をしてきました。親として。エース達を鍛えたいのもガープ中将から聞いていましたし、その意図も理解しています」
「お、おう……その通りじゃ」
私の言葉にガープ中将は怯えながらも私の言葉に頷く。
「なら、ちゃんと戦い方を指導してください。ガープ中将のやり方は単なる新手の虐待か育児放棄ですから。母親として……看過できません」
「う、うむ……ちぃとばかり、はしゃいでしまったようじゃ。後は任せるぞい」
私が睨みを効かせるとガープ中将はスゴスゴと帰っていく。まったく帰って早々に孫虐待の祖父を叱らなきゃならないなんて。
「さて、三人共」
「「「は、はい!」」」
私が振り返るとエース達はビクッと肩を振るわせる。私は虐待はしないから、その反応には傷付くなぁ。
「お土産沢山買ってきたら今日は宴だよ」
「お土産やったー!」
「ジジィも帰ってくれたし、母さんが帰ってきてくれて助かったよ……」
ルフィとサボはガープ中将の虐待から抜け出せて喜んでるけどエースは私を見上げてる。何かを言いたくて、何を言えば良いかわからない。そんな顔だった。
「エース……後で話があるからね」
「母さん……ああ、わかった」
私がエースの頭を撫でながら、そう告げるとエースは何かを覚悟した様な顔付きで頷いた。
エースもきっと私と話をしたかったんだと思う。
私はエースと話をしなきゃならない。親として……エースの今後の為にも。