高円寺家嫡男は拗らせ系男子という概念 作:sparekey@設定厨
ヒロイン:佐倉愛理 airi sakura
原作ではグラビアアイドルだったヒロイン。
原作の佐倉愛理がもし、幼少期から心を通わせられる人と出会えていたら?というコンセプトを基に性格改変されている。
重くて面倒でややこしくて社会的に怖い男に激重感情を向けられても
結構スルー出来ちゃう鋼メンタルを持っている。
ちな、今作では佐倉愛理は絶対に負けないヒロインな模様。
「いや、君はいい加減笑いすぎや。」
バスの時からずっと隣で笑ってた愛理を流石に突っ込む。
君、僕が上手いこと立ち回ってなかったら変な子まっしぐらやったで?
「だ、だってほんとにこんな漫画みたいに運が悪いことが初日から続くなんて
ぴーちゃんの不幸が久々に面白すぎてっ
本当はあの人高円寺家の仕込みとかじゃないの?」
「相も変わらず僕を阿呆鳥みたいなあだ名で呼ぶんやなぁ。
あと、さっきの人は残念ながら仕込みでも何でもないで。
正真正銘初対面でいきなり因縁つけられてんねん。」
まぁ僕の不幸はいまに始まったことやないからもう慣れたけど。
生まれつき運が悪いと言うか巻き込まれ体質というかなんというか。
「僕は昔から死ぬほど運が悪いからね。」
「ぴーちゃん可哀想。よしよし。」
「君は本真に煽ってんのか天然なんかわからん子やなぁ。」
優しく頭を撫でる愛理を僕は困った顔しながら見つめる。
こんな関係がもう何年も続いていまにいたる。
僕ら二人は早い話が幼稚園からの幼馴染みやった。
ご近所さんってのもあって僕は愛理を気に入って滅茶苦茶遊びに連れ回しとった。
何処に行くのも何すんのも一緒やった僕らはいくつになっても変わらずに連るんで
そんな当たり前の毎日は中学生に入学しても変わらんかった。
そんなある日にこの子は突然役者になりたい言いよったんよ。
この頃には僕の両親に愛理を紹介して
愛理の両親にも挨拶に行った。
僕の両親はなぜか酷く驚いた顔をしてたけど仲の良い僕らを見て喜んでたわ。
せやけど、この頃からあたりから僕らの関係は徐々に変化していった。
愛理は夢の為に、あんまり遊ばんようになった。
僕も恥ずかしい話、思春期というかなんというか……。
変に愛理を意識し初めて少しずつ距離を取るようになったんよ。
愛理は役者になる為に、劇団に入団したり
タレント事務所に所属したりで忙しく
僕はその頃に初めて自分の価値を知ったんや。
今まで何をするのも愛理と一緒やった僕は初めて他人と自分を比較することを覚えた。
どれだけ自分が優れてるのかを相対的に知ったんや。
他の凡人が何年もかかるようなことを僕はすぐに覚えるし
なんやったら凡人共の努力なんて嘲笑うような結果を出しまくった。
要は力をひけらかしとったんや。
何しても優秀やと褒められて、勉強もスポーツでもアホみたいに活躍しまくってた。
今でも親の書斎にはその頃に荒稼ぎした賞状やらトロフィーが飾ってある。
僕はそれを見ると、今でも胸が痛くてえずきそうになるけど……
親からしたら子どものそういうのは嬉しくて仕方なかったんやと思う。
ほんでお互い一週間くらい会わへんのが日常的になってきたくらいに事件は起こったんや。
僕は今でもこの頃の自分を思い出す度に自分を殺したくなる。
その頃の僕は有頂天になって、天狗になって
ついでに鼻唄まで歌ってご機嫌に歩いてたんや。
ほんで僕はその現場にたまたま遭遇した。
……愛理が十数人に囲まれて脱がされそうになってた。
しかも顔も殴られたような痣をつけて。
そっからは今でも思い出したくないくらい滅茶苦茶に暴れたった。
女も男も教師も警察も誰も彼も暴虐の限り暴れまくった。
教室には血とか髪の毛とか、耳の欠片とか散らばってた気がするけど
僕は全然暴れたらんかった。
結局両親が当主として出張るような嵌めになったってことと
翌日から一クラス丸々なくなってもうた言うくらいには悲惨な結末になった。
幸いなことに警察のお世話には並んで済んだ。
取り敢えず言えるのは、実家が昔からある名家で良かったわ。
僕はまだソイツらのこと忘れてないし許してないけど。
僕にとっての問題はそっからやった。
何で愛理がそんな目に遭ったか。
全部全部僕のせいやった。
僕が今まで散々踏み潰してきた塵粕が八つ当たりで愛理をに手を出したんや。
そっから僕はおかしくなったんやと思う。
僕は愛理のすべてを管理するようになった。
今でも思い出すとその頃の僕の執着はキモかった思うわ。
学校では誰と何処に何をして居るのか。
誰と話して、誰と仲良くして、誰に何を言われたのか。
家では何を食べて今日は何着て何処に出掛けるとか。
芸能人として何処に所属して、どんな仕事して、どんな方針で営業していくのか。
事務所も仕事も当たり前のように家の権力使ってもらうように駄々こねた。
愛理も「うん、えっとね、わかった、いつもありがと」なんて無邪気に従ってくれるのをいいことに僕の要求はどんどんエスカレートしていった。
両親も最初は過保護になってんのやろうなぁ。程度やったんが
段々過剰になってく僕を心配して僕だけ転校させられた。
一旦距離を置いて、冷静になったら解る。
あん時の僕はほんま死ぬほどキショかった。
普通に考えて束縛メンヘラドブくそ男やん。
言い訳するなら、あん時は不安で怖くて仕方がなかったんや。
なんかあったらどうしよう。なんかあったらどないしたらええねん。
それはっかり考えてた気がするわ。
この高校の合否が決まる頃に家族の了承貰って僕らは再会したけど
そんな僕を愛理は昔と変わらんようにぽやぽや笑って許してくれた。
むしろ再会を心から喜んでケーキまでご馳走になったわ。
ほんのすこーしだけ、この子にも問題あると思うのは僕だけなんかな。
こういう経緯があって僕らは今も一緒の学校に通えることになった。
昔は、ひたすら愛理を振り回してたのに、いまでは愛理に頭上がらんなって
日に日に天然に拍車かかっていく愛理にむしろ振り回される日々や。
まぁ、愛理に言えんことは今でもたくさんあるんやけどね。
例えばここに入学する迄の準備金に一億以上使ってもうてるとか。
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Tips
高円寺家当主は佐倉愛理を初めて見たとき
グラビアアイドル志望だと思っていたそうです。
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