仮面ライダーディライト-世界の光導者- 作:トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜
―何でだ…何で…俺を…?
―決まって…るだろ…?俺は…お前の…――だからだ…よ…。
―!!…おい…おいっ!!……う…うああああぁぁぁぁっっっっ!!!!
「はっ!!…ふう…また『あの夢』か…。」
闇影は謎の悪夢に魘されて目を覚ました。体中に大量の汗をかきながら…。これまで何度も同じ夢を見ていた様だ。その時…
「ぅんん…おはよ…闇影君…。」
「ああ…おはよ…」
この部屋にいる筈の無い女性の声に挨拶をした闇影だが、その人物を見た瞬間、全思考が停止した。そして…
―黒深子の部屋
「ふぁああ…もう朝ね…。」
「おはよう。麗しのお嬢さん♪俺様の朝のキスはいるかな?」
黒深子も目を覚ましたが、そこに謎の男が立っており、訳の分からない台詞をほざいていた。そして…
「おはよ…って、嫌ぁぁぁぁっっっっ!!!!誰よアンタァァァァッッッッ!!!!」
「フゴガアァァッッ!!」
当然こんな状況を従事出来る程、世の年頃の女の子は優しくなく、黒深子は悲鳴を上げながら男に御馴染の正拳突きをお見舞いして壁が減り込むぐらいに吹っ飛ばした。
「は、早く先生に伝えないと「うっぎゃああああぁぁぁぁっっっっ!!!!」って、先生!?」
闇影の悲鳴を聞いた黒深子は、急ぎ足で彼の部屋に駆け込んだ。
「先生!!どうし…た…の…。」
「あっ…黒深子…ちっ、違う!!違うんだっ!!」
黒深子が見た光景は、脱ぎ散らかされた女性用の衣服に、上下の下着、そして、闇影の隣に生まれたばかりの姿をしている妖艶な女性がベッドにいる。これを見て考えられる答えは一つしかない…。
『ぬぁ~にが違うのよ!!この…ド変態教師がぁぁぁぁっっっっ!!!!///』
「あんぎゃああああぁぁぁぁっっっっ!!!!」
闇影は必死に弁解するも、黒深子は顔を真っ赤にしながらスワンオルフェノクに変化して制裁を加えた。これにより闇影は本日二度目の悲鳴を上げることになった…。
―世界の光導者、ディライト!9つの影の世界を巡り、その瞳は、何を照らす?
―甘味処・かがやき
「ホンットにごめんなさい、先生!!」
「いや、いいんだ黒深子。あの状況じゃああなるのは無理ないからね。それより…何でお前等が此処に居るんだよ!!」
黒深子は手を合わせて、先程の行動をひたすら謝った。闇影は顔中にマミーレジェンドルガの如く、包帯を包みながらそれを許した。そして、謎の男女に何故此処に居るのかを尋ねた。
「あら、久しぶりに会ってそれはないんじゃない?闇影君。私達はこないだのたい焼きのお礼をしに来たのよ。」
「じゃあ、あの時の犯人って…貴女なの!?」
「ええ。私、彩盗巡(さいとう めぐる)。よろしくね黒深子ちゃん♪」
「そして、俺様は戴問周(だいもん しゅう)さ♪スープをどうぞ。」
謎の女性・巡が自己紹介した直後に、周という男は、スープの入った皿や料理をテーブルに配膳した。どうやらこれがその「お礼」らしい。
「あら、これ美味しいわ。全部周君が作ったの?」
「YES、マドモアゼル…。食後のデザートはいかがです?」
周は料理が得意であるが、影魅璃の様な美しい女性には優しく…
「おい、お前!人参残ってるだろ!残さず食え!!」
「俺は人参嫌いなんですよ!!」
人参を残したコウイチに注意する等、男性には厳しいという典型的なフェニミストである。
「それで、その礼を返しに来ただけなのか?」
「私達は、この世界のお宝を貰いに来たの。」
巡は、食事を食べながらこの世界の宝を手に入れるのが目的だと話した。
「この世界の宝?」
「そ。でも、もうひとつは…んふふ♪」
「えっ…ちょ、ちょっと!何してるんですか!!///」
巡は闇影に近づき、彼のシャツの胸元の隙間を指でなぞりながら耳元でこう囁いた…。
「貴方の様子を見ておきたかったの。嘗て『死神』と呼ばれていた貴方がどうしてるのかを…ね。」
「…!!」
闇影はそれを聞いて全身を硬直させ、目は見開き、額から汗を垂らし出し、気づけば二人の姿が其処になかった。
「あの人達、また消えたわ…。って、先生、大丈夫?」
「…ん?あ、ああ…大丈夫さ。心配しないで。さあ、外に出よう!」
黒深子の言葉に意識が戻った闇影は、リビングを出て玄関へと向かった。しかし、表情はずっと浮かないままだった。
「先生…。」
「あいつ…ホントに大丈夫なのか?」
―森の中
「この世界のライダーは一体何処に居るんだろう?なぁ…闇影。」
「…。」
―お前、何なんだよ!俺に構うんじゃねぇよ!
―まぁまぁ、気にすんなよ。お前の悩みは俺が解決してやるって!
コウイチは闇影に歌舞鬼の居場所の話を振ったが、返事が返ってこないので大声で話し掛けてみた。
「おいっ!闇影!!」
「!!な、何だよコウイチ。びっくりするじゃないか!!」
「お前が返事しないからだよ!どうしたんだ?さっきから。」
「そうか…すまない。」
「ねぇ、先生。さっきの巡さんって人に何を言われたの?」
黒深子は、闇影の異変の原因は先程巡に言われた事が原因ではないかを尋ねた。
「それは…」
「きゃあぁぁぁぁっっっっ!!!!」
「「「!!!?」」」
突然、何者かの悲鳴が森中に響いた。闇影達は辺りを見回してみると、三人の幼い子供達が二体の異形に襲われている光景が見えた。
「あれって…!?」
「ああ、魔化魍だな!ここは俺が行く!!」
そう言うと闇影は、彼等の下へと駆け寄った。魔化魍は、音撃でしか倒せない異形である為、普通のライダーでは倒せない。しかし、ディライトである闇影ならその方式を無視して倒す事が可能であるのだ。
『コケケケ…!』
『クコココ…!』
「はぁ…はぁ…ど、どうしよう…。アイツ等…はぁ…未だ…追って…くるよ…。はぁ…はぁ…。」
「…。」
三人の内の一人の前髪が揃った長い黒髪の少女は、走り過ぎた為息絶え絶えとしていた。もう一人の同じく前髪が揃っているが此方はボブカットヘアな寡黙な少女も同様だった。それに構わず魔化魍達はじりじりと彼等に近づく…。
「ちっくしょぉっ!!逃げ切れねぇなら…!!」
「な、何するの!?キョウスケ!」
キョウスケと呼ばれた額にゴーグルを着けた跳ね返った茶髪の活発な少年は、地面に落ちてる太目の木の棒を拾い構えて、魔化魍と戦う様だった。
「こいつ等は俺がなんとかする…!カスミとヒナカは先に逃げろ!!」
「無茶だよ…!!キョウスケじゃ勝てないよ!!」
「うるせぇ!やってみねぇと分かんねぇだろ!!…初めに言っとくぜ…俺はとーてーも、強い!!」
「気持ちは分かるけど、無茶は駄目だよ。ふっ!」
『コガッ!?』
闇影は遠くから魔化魍に石を投げつけて、注意を自分に向けさせた。
「後は任せて…。変身!」
【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】
『子供を襲う奴にはお仕置きが必要だな…行くぞ!』
闇影はディライトに変身し、魔化魍に「お仕置き」宣言した。
「誰だ…?アイツ。」
『はあっ!ぜいっ!それっ!やぁっ!』
『コカッ!コケッ!コォッ!』
ディライトはライトブッカーで魔化魍を斬りつけていき、正面蹴りを喰らわせた。しかし、もう一体の魔化魍が後ろから攻撃した。
『ケケィッ!!』
『ぐあぁっ!!くっ…そっちが二体なら、こっちも二体だっ!!』
【SHADOW-RIDE…CHALISE!】
ディライトはカードを装填し、自身の影をカリスへとシャドウライドさせ、もう一枚カードを取り出し…
『特別に…これだっ!』
【FORM-SHADOW-RIDE…CHALICE!JACK!】
「特別」と称したカードを使用すると、Sカリスは複眼の色がメタルレッドになり、両肩には金色の三本の爪の様な物が生え、胸に金色の狼の絵が刻まれたアンデッドクレストが浮かんだ戦士「仮面ライダーカリス ジャックフォーム」にフォームチェンジした…。
『ク…クカアァァッッ!!』
『コ…コカアァァッッ!!』
魔化魍達はその姿に少し怯んだが、それでも尚彼等に襲いかかった。
『これで…終わりだ!』
【FINAL-ATTACK-RIDE…CHA・CHA・CHA・CHALICE!】
『はあぁぁ…喰らえぇぇっっ!!』
『『グガアァァァァッッッッ!!!!』』
ディライトとSカリスJFは右腕に強力な風を纏いながら素早くダッシュし、手刀を叩きつける「J(ジャック)・スピニングウェーブ」を魔化魍達に叩きつけると大爆発した。
「ふう…大丈夫?」
変身を解除した闇影は、子供達に怪我はないのかを尋ね心配をした。
「は…はい。ありがとうございます。」
「魔化魍を倒すなんて…おっさん、何者だよ。」
「お、おっさんって…俺は煌闇影、旅人さ。君達は?」
「私はカスミです。彼はキョウスケ。で、この子はヒナカ、私の妹です。」
「……。」
長い髪の少女・カスミは自分達の名前を闇影に紹介した。しかし、彼女とは正反対のボブカットの少女・ヒナカは口を閉ざしながらこくんと会釈した。
「あれ、どうしたの?」
「ヒナカは口が利けないんだよ。目の前で両親が魔化魍に殺されたとこを見てからずっとな…。」
「!!ご、ごめん!!俺知らなくて…!!」
「……。」
なんとヒナカは、両親が目の前で魔化魍に殺されたショックから声を失ってしまったのだ。それを知った闇影は、彼女に頭を下げた。するとヒナカは首を横に振った。おそらく「気にしないで」と言う返事なのだろう…。
「私達、この森で山菜を採りに行ってたんですが、途中であの魔化魍達に襲われて…。」
「そうだったのか…よし、俺が君達の家まで送ってあげるよ!」
「えっ!!でもなんか悪いですよ。」
「気にしないで。それにさっきみたいな事が起きるかもしれないし。」
「先生~!!大丈夫!?」
こうして闇影の何時もの「お節介」がまた始まった。その後、黒深子とコウイチと一緒に子供達の自宅迄歩いた…。
―孤児院・かぶきの庵
「ここが…君達の家…?」
闇影達が着いた場所は、木造の大きめな建物で出来た家と言うよりキャンプのロッジに近い物だった。
「はい!送って下さってありがとうございます!どうぞ入って下さい。お茶をご馳走しますから。」
「なんか悪いなぁ…じゃあ、お邪魔します。」
中に入ると、カスミ達と同じ位の年齢の子供達が沢山いた。遊んでいる子もいれば、何かの作業をしている子もいた。
「うわぁ…子供がいっぱいいるわね…。」
「カスミちゃん、ここって一体…?」
「ここは…親を事故で亡くしたり、魔化魍に殺されたりした子を引き取る場所なんです…。」
「「「!!!」」」
「さっきも言いましたが、私もヒナカもキョウスケもその一人なんです。そんな子達をカブキさんが皆引き取っているんです。」
「カブキさん?」
「カブキさんはな、俺等の面倒を見たりしてくれてるんだ。とっても強くて、こないだなんて大きな猪を仕留めてたんだ!そんだけ強い理由はな…」
「おい、キョウスケ…あまり余計な事を喋るな。」
キョウスケの背後から、肩迄伸びた黒いボサボサの頭に、鋭い目をした、猟師の様な服装を着た無精髭の男性が現れた。
「カブキさん、お帰り!」
「カスミ、キョウスケ。こいつ等は?」
「あっ…すいません。なんか勝手にお邪魔しちゃって。」
「この人達は私達が魔化魍に襲われているのを助けてくれたの。だからそのお礼をしたくて…。」
「余所者は帰れ…二度とこの家の敷居を跨ぐな…。」
「え…出て行けって、どういうこ…!?」
カブキは、闇影達にこの家から出る様言うと、持っていた猟銃を突き付けた。
「もう一度言う…死にたくなければここから出て行け…今すぐに!!」
「ちょっとカブキさん!!いくらなんでもそれは…!!」
「分かりました。勝手に上がって申し訳ありません。黒深子、コウイチ、帰るぞ。」
「えっ…!?ってちょっと先生!?待ってよ~。」
「おい、闇影!お~いってば!?」
闇影は一切反論せず、カブキに一礼してこの家を出て行った。黒深子とコウイチも追う様に出た。
「銃はやり過ぎじゃねぇか…?」
「カブキさん…まだ『あの事』を…?」
「…晩飯の準備をするぞ…。」
キョウスケとカスミの言葉を無視し、カブキは夕食の準備をする為部屋を出た。
―森の中
「いきなり出て行けって言いながら銃を突き付けてくるなんて…。」
「先生、これからどうするの?」
「…!!悪いけど、先に帰ってて。俺用事思い出したから。」
「えっ?忘れ物?だったら一緒に行くわ。」
「いや、いいんだ。俺一人でいい。」
「ふう…分かったわ。後でね。」
「じゃ、黒深子ちゃん。森は危険だから俺から離れないで。」
「コウイチが一番危険な気がするんだけど。」
「ぐはっ!!そんなぁ…って待ってよ黒深子ちゃん!!」
黒深子の辛辣な言葉に打ちひしがれるコウイチだが、気付くと黒深子は先に進んでいた。闇影は二人がいなくなったのを見計うと…
「隠れてないで出て来たらどうなんだ、巡、周!!」
そう叫ぶと、木の影から饅頭を頬張りながらその袋を持った巡と火の付いた煙草を咥えた周が現れた。
「あぁむ…ふふ…気付かれちゃった♪」
「相変わらず鋭いのなんの…。」
「あの家で妙な視線を感じてな…。目的は何だ?」
「今朝も言ったじゃない…『この世界のお宝を貰う』って。」
「邪魔すんなとも言ったがな…俺様達が狙っているのは、野郎の持つ『黒の変身音叉』。ありゃ戦国時代に作られた物で、今じゃ超レアな宝な…んごっ!!」
周は煙草を吸いながら、自分達の目的を聞いても無いのに闇影にベラベラと話した為、巡から顔面にパンチを喰らった。
「余計な事迄喋らないで。」
「ご…ごめんよ、巡ちゃ~ん。」
「じゃあ、やっぱり彼がこの世界のライダー…?」
「当り♪戦国時代のお宝なんて…手に入れて当然じゃない。」
「この世界のお宝は俺様達が戴く。だからよ、邪魔はすんな。」
「もし邪魔するようだったら…闇影君を殺す…。」
巡と周は、闇影に邪魔立てしない様釘を刺した。巡に至っては殺すとドスの利いた声で恫喝していた。
「なら俺は…それを止めるまでだ。子供達を守る為に必要な力は、絶対に奪わせない!!」
「けっ!ホントすっかり優等生だな…昔『死神』と恐れられたてめぇが…よっ!!」
「くっ…!!」
周は闇影の「優等生な言葉」が気に入らず、彼に回し蹴りを繰り出した。しかし、闇影はそれを腕で受け止めた。
「おまけにそれがばれる事にビビってるみてぇだな。さっきあいつ等を先に帰したのがその証拠だぜ。やっぱお前変わっちまってるよ。」
「…。」
「と・に・か・く!仕事の邪魔はしないでね闇影君。じゃね♪」
「あばよ、死神さんよ。」
「待てっ!くっ、また消えたか…。」
巡と周は、またも闇影の前から姿を消した。彼の嘗ての名前を言いながら…。
「…だったら、俺のすべき事は…」
そう言うと闇影は、ある事を思い付き出した…。
―甘味処・かがやき
「先生…絶対何か悩んでいた。そんな気がする。」
「あの二人が何か知ってるかもな…。」
「そういえば闇影さんが初めてここに来た時に、何か独り言を呟いてるのを聞いた事あるわ。」
「えっ、そうなのお母さん?どんな事!?」
影魅璃は、闇影がこの家に来た時に独り言を言っていたのを聞いていた様だ。黒深子はその話を母に聞き出した。
「何だったかしら…『俺のせいだ…。俺があの人を殺したんだ。』って…。」
「殺したって…先生が!?そんな…。」
黒深子はそれを聞いて愕然とした。あの優しい闇影が人を殺したという信じられない話に耳を疑った。その時…
「えっ?な、何っ!?」
突然謎のオーロラが表われ、黒深子を時が止まった様な空間へと移動させた。そこに赤いフードの女性・紅蓮がいた…。
「突然ですまないな…白石黒深子。私の名は紅蓮、影の監視者だ。」
「紅蓮…?そう…貴女がコウイチや相馬君に先生が灰燼者だなんて吹き込んだのね!?」
黒深子は、紅蓮がコウイチや相馬ユウジ/仮面ライダーオーガを嗾けて闇影を襲わせた事を知り、彼女に憤慨した。
「私は事実を言った迄だ…。奴の存在は世界の調和を乱し、やがて全てを焼き尽くす…!!悪い事は言わない…あの男から離れろ。」
「違う…違うわっ!!先生は灰燼者なんかじゃない!!これまでずっと世界を…私達を救って来た!!」
黒深子は、闇影が灰燼者ではないと紅蓮に強く反論した。オルフェノクになり人を殺めてしまった自分や鏡の中でしか生きられなかったコウイチ、そして数々の世界を「光」へ導き救って来た彼が世界を焼き尽くす筈がないと…
「…今は話しても無駄の様だな…今日の所は引き下がろう。だが、奴が灰燼者であり『死神』である事は絶対の真実。それを忘れるな…。」
「待って!!貴女は先生を知っているの!?『死神』って何の事なの!?」
そう言うと紅蓮はオーロラに包まれ消えていった。同時に黒深子もオーロラにより元の場所へと帰っていった。
「待ってっ!!…って、あれ、何時の間に…?」
「黒深子ちゃん!!どうしたんだ?急に寝たと思ったら大声出して。」
「凄い汗かいてるけど、嫌な夢でも見たの?」
「(え?寝た?今の…夢だった?)ううん、大丈夫。ちょっとシャワー浴びてくる。」
黒深子はリビングから出て行き、風呂場へと向かった。
「(先生が『死神』…もしかして、巡さんが言った事と関係があるのかも…。)」
―孤児院・かぶきの庵
夕食後、カブキは子供達が風呂に入っている間竃にくべる為の薪を取りに行こうとした時、闇影が現れた。
「またお前か…。今度は何の様だ?」
「夜分遅くに申し訳ありません。今、貴方の持つ『黒い音叉』が狙われています。ですから、暫くの間貴方を守ろうと決めました!」
「…は?」
なんと闇影は、巡と周に音叉が盗まれるのを防ぐ為、カブキを守ると決意したのだ。あまりの唐突な話にカブキは呆れていた。
「勿論、ここの手伝いもしますよ!あわよくば、貴方の悩みも解決…「ふざけるなっ!!」」
「さっきから何を訳の分からない事を言ってるんだ!?今日会ったばかりのお前に俺の何が分かる!?音叉が盗まれる等、一体何の話だ!?」
カブキは怒りを露にして闇影を怒鳴った。確かに、初対面の人間がいきなり自分を守る等、悩みを聞く等言うのは怪しいと感じるのは当然だ。だが彼の場合、それとは別の理由がある…
「俺は他人等誰も信用しない…誰も信じられるか!!」
「カブキさん…何故そこまで…何か理由があるんですか?」
「まだ言うのか!!いい加減に…!!」
『おいしそうなにんげんがいるね。』
『ああ、それもふたり。あのいえにもたくさんいるよ。』
「「!!」」
闇影とカブキの前に、女の声をした男と男の声をした女の奇妙な二人が現れた。彼等は童子と姫…魔化魍の教育係に当る人物である。
『おまえたち!!出番だ!!』
『コカカカ…!!』
姫が叫ぶと、その背後から無数の魔化魍が数十体程現れた。人を喰える為、涎を垂らしている者が沢山いた…。
『いいか?いえにいるやつらはさらうだけだからな。くっていいのはあのふたりだけだ!』
童子は、何故か家の中の子供達は喰わずに拐う様に命令した。それを聞いた魔化魍達はやや不満そうだった…。
「子供達には手を出させんぞ!!魔化魍共!!歌舞鬼…。」
カブキは懐から黒い変身音叉を取り出し、長靴に軽く叩き音を出すと、それを額に近づけた。すると、彼の額に鬼の紋章が浮かび、全身を桜吹雪が包んだ。そして…
『むうぅぅん…はぁっ!!』
頭部の右が緑、左が赤色の伸びた角、黒いスーツに金色の肩当てが特徴のこの世界のライダー「仮面ライダー歌舞鬼」へと変身した…。
「やっぱり、貴方が…」
『ここは俺が片付ける…お前はさっさとここから消えろ!!』
「逃げるなんてとんでもない…変身!」
【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】
歌舞鬼をあくまで守るという闇影も、ディライトに変身した。
『絶対に貴方を守ります!何があっても…!』
―ここは俺に任せとけ!お前は、俺が守ってやるから。
『ふん…!勝手にしろ。だあっ!ふっ!ぜやああぁぁっっ!!』
『ギャアアァァッッ!!』
歌舞鬼は、黒い音叉を「鳴刀・音叉剣」に変化させ、魔化魍を次々と斬り裂いていき、背後からの敵も回し蹴りで蹴散らしていき、時には拳で殴る等、その怒涛の勢いは、正に「鬼」そのものだった…。
『凄い…今までのライダー達も強かったけど、カブキさんは格段に強い…はあっ!!』
『グモオォォッッ!!』
ディライトは敵を斬りながら、鬼神の如く戦う歌舞鬼の戦いぶりを見て、息を飲んだ。
『でも、何故だろう…?彼から憎しみ…いや、悲しみの気しか感じ取れない…。』
『くたばれっ!消えろっ!化物がぁっ!!』
『グガアァァッッ!!』
ディライトの言葉通り、歌舞鬼からは「守る」為の闘気より、「殺す」為の邪気が感じられる。その証拠に、魔化魍の顔面に音叉剣を突き刺したり、両腕を斬り裂いてから鬼火で焼き払う等、戦い方がどんどんえげつない物へと変貌していった…。その時…
「随分と賑やかねぇ…あむ…お姉さんも混ざっていいかしら?」
「おっ!こりゃ凄ぇな…。」
『巡、周!!何で此処に!?』
そこに、おにぎりを頬張った巡と周が颯爽と現れた。その目的は当然…
「決まってるじゃない…私達の目的は…」
「お宝あるのみ!!」
改めて自分達の目的を言うと、巡は赤とピンクが基調の短刀を、周は水色と藍色が基調のハンドボウガンを手元に持ち、二人は一枚のカードを取り出した…。そして、巡はそれを短刀の刃と鍔の間にカードをスラッシュし、周もボウガンの横側にカードをスラッシュした。
『お前達…まさかそれは…!!』
【【KAMEN-RIDE…】】
「「変身!!」」
【DITHIEF!】
【DISTEAL!】
巡が短刀を縦に振ると、全身に赤いスーツが包まれ、振った場所からピンク色のライドプレートが左肩以外に突き刺さり、右が黄色、左が黒の複眼の戦士「仮面ライダーディシーフ」に変身し…
周が真上にトリガーを引くと、全身に水色のスーツが包まれ、そこから藍色のライドプレートが突き刺さり、右が黒、左が紫の複眼の戦士「仮面ライダーディスティール」に変身した。
『ディシーフに、ディスティールだと…!?そうか、それで…』
『まぁ見・て…てっ!!』
ディシーフはクロックアップの様に高速移動すると、ディシーフドライバーで魔化魍達を切り裂いていった。
『グギャアァァッッ!!』
『俺様に射抜けねぇモンは…無い!!うりゃりゃりゃりゃあぁっっ!!』
ディスティールは軽口を叩きながらディスティールドライバーを連射して、光の矢で魔化魍達を射抜いていた。
『グアァァッッ!!』
『なんだこいつら…!!?おにじゃないのに…。』
『鬼じゃないわよ。』
『俺様達は、盗賊だ!!』
【KAIZIN-RIDE…GARULU!】
【KAIZIN-RIDE…SWALLOWTAIL-FANGIRE!】
ディスティールは二枚のカードを読み込ませてボウガンを撃つと、青い狼の姿をしたウルフェン族最後の生き残り「ガルル」とアゲハチョウをイメージしたファンガイア「スワローテイルファンガイア」が現れた。
『行ってきな。』
『グオオォォッッ!!』
『ヘャアァァッッ!!』
『グギャアアァァッッ!!』
ディスティールの号令を聞き、ガルルは鋭い爪で敵を引き裂いていき、スワローテイルFは掌から光弾を放ち、魔化魍達を殲滅していった、
『これが…あいつ等の力…。』
『さてと、そろそろ…』
『ケリを付けるか!』
【FINAL-ATTACK-RIDE…DI・DI・DI・DITHIEF!】
【FINAL-ATTACK-RIDE…DI・DI・DI・DISTEAL!】
『これでお終い♪はぁっ!!』
『光のシャワーを浴びてみな…おらぁっ!!』
『ギャアァァァァッッッ!!!!』
ディシーフがカードを読み込ませると、彼女の正面に十枚の巨大なカードが並び出し、それをドライバーで振り上げると、大きな衝撃波の斬撃が敵を殲滅するFAR「ディメンジョンスライサー」を発動した。
ディスティールがドライバーを宙に向けると、その周囲に無数のカードで出来た円が現われ、ガルルとスワローテイルFはそれに吸収された。それにめがけて矢を射つと、上空から無数の光の矢が雨の様に降り注ぎ敵を一掃するFAR「ディメンジョンスコール」が発動した。この二つの強力なFARにより、魔化魍達はほとんど消滅した。
『グ…ガ…ガ…。』
『しぶてぇ奴がいるな…こいつは「貰っとく」か!』
【STEAL-RIDE…MA・MA・MA・MAKAMOU!】
『グゥッ…!?グッ…グギャアァァッッ!!!!』
『魔化魍が…カードになっていく!?』
ディスティールは僅かに生き残っていた魔化魍にボウガンを撃つと、魔化魍は光に包まれカードとなり彼の手元に吸い寄せられた。この「スティールライド」のカードはライダーや怪人をライドカードにして「奪う」能力を持っているのだ。
『ここはいちどひいたほうがいいな。』
『「あのかた」にはなさないと。』
童子と姫は戦況が悪いと判断し、その場から消えていった。
『あら、逃げちゃったわね…まいっか、じゃあ、お仕事と行きますかっ!』
【KAMEN-RIDE…ZERONNOS!】
ディシーフがカードを読み込ませると、緑の牛の電仮面に胸の金のレールが特徴の戦士「仮面ライダーゼロノス アルタイルフォーム」の姿にカメンライドした。
『最初に言っておくわ!私はかーなーり、強いわ!!』
『貴様等も敵か!?ならば…殺す!!』
DゼロノスAFと歌舞鬼はドライバーと音叉剣で斬り結び合い、互角の戦いを繰りひろげていた。しかし、背後から別の攻撃を喰らってしまった。
『ぐあぁっ!!』
『俺様も忘れんなよ。うらああぁぁっっ!!』
背後からディスティールの射撃攻撃が襲ってきた。正面にDゼロノスAF、背後にディスティール、どう見ても歌舞鬼の分が悪く攻撃を避けながら戦う彼のスタミナが所除に切れていき…
『くっ…しまった!』
『やったわ!これは頂き…』
その隙を付かれ音叉剣を弾かれてしまい、それを回収しようとしたDゼロノスAFだが…
『させるかっ!!』
【ATTACK-RIDE…LASER!】
『きゃああっっ!!?』
ディライトは、そうはさせじとディライトレーザーでDゼロノスAFの行動を阻止した。その衝撃でDゼロノスAFは元のディシーフの姿に戻った。
『お前…何で…?』
『邪魔しないでって言ったでしょ!?闇影君!』
『こっちも奪わせないと言ったはずだ。カブキさんは…俺が守る…ぐあぁっ!!』
歌舞鬼を守ると言い張るディライトは、背後からディスティールの射撃を受けた。
『よくも巡ちゃんに当てやがったな…許さねぇ…てめぇを殺してから奪ってやる!!』
【ATTACK-RIDE…SPARK!】
『ぐあっ!!か、身体が…痺れて…動かない…!!』
ディスティールは水色の電撃「ディスティールスパーク」をディライトに撃つと、彼の身体に電流がほど走身動きを取れなくした。
『これで避けられねぇだろ。最後に…』
【FINAL-ATTACK-RIDE…】
ディシーフを攻撃されて怒りを露にしたディスティールは、ディライトを本気で抹殺すべく自身のFARを発動しようとした。
『くたばりやがれっ!!』
『くっ…!!』
いかにディライトでも、FARをまともに喰らえば確実に死んでしまう…。彼の運命やいかに!?
待て次回!!(短)
好きなレギュラーキャラは?
-
煌闇影/仮面ライダーディライト
-
白石黒深子/スワンオルフェノク
-
赤鏡コウイチ/仮面ライダーリュウガ
-
諸刃ツルギ/仮面ライダーサソード
-
彩盗巡/仮面ライダーディシーフ
-
戴問周/仮面ライダーディスティール
-
白石影魅璃
-
創士傀斗
-
紅蓮