仮面ライダーディライト-世界の光導者-   作:トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜

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これが闇影の響…!!

と言う冗談は置いといて、歌舞鬼編後半です!!


第12導 悲しみ無き明日

ディシーフを攻撃された事に激怒したディスティールは、自身のFARでディライトを抹殺しようとするが…

 

『ふっ!!』

 

『何っ!?ぐあっ!!』

 

歌舞鬼は、動物の絵が刻まれたディスク「アニマルディスク」をディスティールの手元に投げつけてドライバーを叩き落し、彼を変身解除させた。

 

『カブキさん!』

 

『勘違いするな。俺は敵の攻撃を阻止しただけだ…。更に…喰らえっ!』

 

歌舞鬼は、緑色の炎を灯した翡翠色の撥「音撃棒・烈翠」を取り出しディシーフと周に向けて太鼓を叩く様に振ると、無数の炎が彼等を襲った。

 

「熱っちちちっ…!!どうすんだ、巡ちゃん!?」

 

『ここは一旦引き上げるしかないわね…次こそ必ずその音叉を戴くから。じゃあね♪』

 

【ATTACK-RIDE…SMOKE!】

 

『うわっ!煙幕か!?』

 

ディシーフは「スモーク」のカードを使い煙幕を作り出し、それが止んだ時には二人は姿を眩ましていた。

 

「ふぅ…何とか退いたか…カブキさん、さっきは助けて下さってありがとうございます!」

 

「何度も言わせるな。俺は敵の攻撃を防いだだけで、お前を助けた覚えはない。」

 

「なら最初から音撃棒で攻撃すれば良かったのに、態々アニマルディスクを投げつけてから攻撃したんですか?」

 

「あ、あれは…「カブキさ~ん!!」」

 

カブキは闇影を助けた覚えは無いと否定するが、彼から尤もな反論を受け言い淀んでいた。丁度その時、庵からカスミ、キョウスケ、ヒナカの三人が出て来た。

 

「大丈夫ですか!?どこか怪我はしてませんか!?」

 

「馬~鹿。んな訳ねぇだろ。カブキさんはとーてーも強ぇんだからよ!」

 

「ああ、とても強かったよ!それにさっきなんか俺を「少し顔を貸せ。」えっ?ちょっ、ちょっと!!」

 

闇影は三人に自分がカブキに助けられた事を話そうとした時、彼に少し離れた場所迄引っ張られた。

 

「さっき起きた事は絶対あいつ等に言うな。」

 

「え?何でですか?」

 

「い・い・か・ら絶対に言うな!今日一日ここで泊まらせてやるから!」

 

カブキは小声で、先程の行動を一日泊まらせる事を条件に闇影を必死に口止めしだした。

 

「は、はい…。」

 

あまりの勢いに闇影はつい了承し、それに安心したカブキは彼と共に子供達の下へと戻った。

 

「…昼間の礼としてこいつを一日だけ泊める事にした。」

 

「「ええっ!?あのカブキさんが人を泊めるっっ!?」」

 

カブキは「昼間に子供達を助けた礼」として闇影を泊める事を子供達に話した。すると、自分達以外の人間が嫌いなカブキからこんな言葉を聞いた彼等は、大層驚いていた…。

 

 

 

―森の中

 

 

『なんてやつらだ。おにでもないのにこどもたちをたおすとは…。』

 

『ここはいちど「あのかた」に…』

 

『妾(わらわ)に会わずとも話は耳に入っているぞえ。』

 

『『!!あ…ああ…』』

 

童子と姫はディライト達の事を「ある人物」に報告しようとした時、何処からか「その人物」の声が聞こえ、それを聞いた二人は何故か怯えていた。

 

『何者かは知らぬが、中々興味深い人物じゃのう。…彼奴等のせいで妾の今宵の食料を確保出来なんだ…という話かえ?』

 

ディライト達の話に興味を持っていた「人物」は、彼等のせいで子供達を拐えなかった二人に憤りを感じ、そして…

 

『『ひっ…!た、たすけ…ぐああぁぁぁぁっっっっ!!!!』』

 

童子と姫は森の奥から現れた黒い何かに捕われ、引き摺り込まれていき断末魔の如く叫び闇の中へと消えていった…。

 

『使えぬ奴等じゃ…こうなれば妾が直接行くしかあるまいな…。』

 

 

 

―世界の光導者、ディライト!9つの影の世界を巡り、その瞳は、何を照らす?

 

 

 

―お兄ちゃん!助けてっ!

 

―こ、これはどういう事だ…?また「あの」光景が…!?ア、アスミッ!?

 

―お兄ちゃんっ!!…カムイお兄ちゃん!!助けてっ!!

 

―ま、待てっ!!アスミッ!!

 

―お兄ちゃぁぁぁぁんっ!!!!

 

―アスミィィィィッッッッ!!!!

 

 

 

「はっ!?また…あの夢か…また俺は…くそっ!!」

 

目覚めたカブキは、夢の中での自分に苛立ち、拳を叩き付けた。どうやら、何度も同じ夢を見ている様だ…。

 

「…とりあえず朝食の準備をするか…。」

 

少し落ち着きを取り戻したカブキは、朝食の準備をするべく台所へと向かった。すると…

 

「あっ、カブキさん!御早うございます!」

 

そこに、三角巾を被りエプロンを着けた闇影が朝食の準備をしていたのでカブキは思わずズッコケた。

 

「なっ、何でお前が準備をしているんだっ!?」

 

「何でって…一晩泊めて下さったお礼をするのは当然じゃないですか。」

 

「だからって…」

 

「御早う…。うわぁ…凄いいい匂いがする。」

 

「凄っげぇ旨そうなぁ…これ全部闇影兄ちゃんが作ったのか?」

 

起きてきたカスミとキョウスケは闇影の作った大量の料理を見て賞賛した。

 

「うん!沢山食べてね。他の皆も起きてくるからそろそろ座って。さ、カブキさんも。」

 

「はぁ…こいつを泊まらせたのは間違いだったな…。」

 

カブキは闇影を泊めた事を後悔し、額に手をあてながら食卓に着いた。

 

 

 

「綺麗にするのは掃除♪御歳暮品はソーセージ~♪…っと!」

 

その後も闇影は、楽しそうに家事をしたり、子供達の遊び相手になったりしており、今も訳の分からない歌を歌いながら菷で掃除をしていた。

 

「さって!一通り終わったし、皆のおやつに団子でも作ろっかな!」

 

この世界での闇影の役割は和菓子職人の様であり、それを活かして子供達のおやつを作ろうと考えた時、カブキが現れた。

 

「煌…。」

 

「あっ、カブキさん。どうかしましたか?」

 

「何故、お前は俺を守ろうとする?」

 

「何故って、それは…」

 

「あの二人が音叉を狙っているから…だけでは無いのだろう?」

 

カブキは、闇影が何故昨日今日会ったばかりの自分を守ろうとするのか、巡と周が音叉を狙っているだけでは無いと思い、その真意を尋ね出した。

 

「…貴方は、昔の俺とよく似ているんです。誰も信じられなかった自分と…。」

 

「何?」

 

「だけど、ある人にこう言われたんです。『人を信じられないのなら、人を信じられる自分を信じてみろ。』…と。」

 

「人を信じられる自分を…信じる…。」

 

「今の自分があるのはその人のお陰なんです。だから、俺にしてくれた事をやればカブキさんも変われるんじゃないか、と思ったんです。」

 

なんと、闇影も嘗ては他人を信じられない人間だったのだ。今迄の行動も、「ある人」の言葉により自分が変われた為、自分にしてくれた事をカブキにしてみようと考えての行動の様だ。するとカブキは、口を開き…

 

「…俺は、いや俺達は…人間に見殺しにされたんだ。」

 

「…えっ!?」

 

 

 

「…♪」

 

一方、カスミ達は闇影へのお礼の為に川原で綺麗な石を探したり、花を摘んだりしていた。どうやらカブキが闇影を助けた事を皆薄々気付いている様だ。

 

「ヒナカ、それとても綺麗ね~。闇影さん、喜ぶよ。」

 

「…♪」

 

「(闇影さんが来てから、よく笑う様になったわね…本当に良かった。)」

 

ヒナカは、カスミに摘み集めた花を綺麗と言われ頷きながら笑みを浮かべた。闇影が来てから今迄以上に明るくなった妹を見て、カスミも嬉しそうに笑みを浮かべていた。その時…

 

「…!!」

 

突然、黒く太い何かがヒナカを捕らえ、そのまま彼女を引き摺る様に連れ去っていった。

 

「ヒナカ!ヒナカァァッッ!!」

 

「カスミ!ヒナカ!どうしたんだっ!?」

 

「キョウスケ…ヒナカが…ヒナカが…ぐすっ…。」

 

「泣くなよ!急いでカブキさん達に知らせようぜ!」

 

 

 

「俺の家族は代々、魔化魍から人を守る為に戦う鬼の子孫なんだ。」

 

「鬼の…子孫…。」

 

「当時の俺も、人を守る事を誇りに思いながら戦い、旅をし続けていた。だが…」

 

「だが?」

 

「ある村から、大型の魔化魍の討伐の依頼を受けて、そこに赴いた。流石に大型相手には俺達だけじゃ手が足りないから村の連中にも多少の協力を頼み了承してくれた。ところが…。」

 

カブキは少し顔を険しくし、血が出る程拳を握りながら話を続けた。彼がそれほど強い憎悪を抱くその事実とは…

 

「奴等は最初から村を捨てるつもりで俺達にその魔化魍を押し付けてさっさと逃げやがった…!!あの連中は、俺達を身代わりにする為に依頼をしただけに過ぎなかったんだ!!」

 

「…!!そんな…!!」

 

「結局俺達だけで戦ったが、力の差は歴然…俺以外皆喰い殺されたよ…。父も、母も、俺の妹も…!!」

 

カブキが人間不信になった理由―それは、守ろうとした人間達により文字通り「生け贄」にされてしまい、それにより魔化魍に家族を殺された事が原因であった。

 

「辛うじて生き残った俺は、それ以来他人を守る事を止め、魔化魍に親を殺された子供達を救う為だけに戦う事にした…。」

 

「御自分と同じ境遇の子供達を放っておけなかったからなんですね…。」

 

「…。」

 

そして、自分の様に家族を失った子供達を救うべく「かぶきの庵」を築いたと言う…。話が終わった後、二人は暫く沈黙していた。その時…

 

「「カブキさ~ん!!」」

 

カスミとキョウスケが血相を変えながら、闇影とカブキの下へ走ってきた。

 

「二人共、どうしたんだい?」

 

「ヒナカが…拐われたんだ!!」

 

「!!…何だとっ!?」

 

「太くて黒い何かがヒナカに巻き付いて、遠くへ連れ去っていったの…。」

 

「(太く、黒い何か…まさか…!!)…ヒナカが最後にいた場所迄案内しろ。」

 

「えっ?何で…?」

 

「いいから早くしろ!何処に連れ去られたのかが分かるかもしれないんだ!!」

 

「う、うん…。」

 

カブキは、ヒナカが最後にいた場所迄案内する様子供達に言った。

 

 

 

―花畑

 

 

「此処からどの方角に連れ去られていったか分かるか?」

 

「えっと…多分あっちの方だけど…。」

 

カスミは、ヒナカがあの黒い何かに連れ去られた方角をカブキに聞かれ、その方向に指を差した。

 

「(やはり『奴』か…!)解った…後は俺に任せてお前達は家に戻ってろ。」

 

それを見たカブキは、子供達に庵に戻る様促し心当たりがあるのか、カスミが指を差した場所迄行こうとした。

 

「待って下さい!俺も行きます!」

 

当然、闇影もカブキについて行こうとしたが…

 

「お前、さっきの話を聞いてなかったのか!?俺は…」

 

「貴方こそ忘れたんですか!?俺が貴方を守るって!!」

 

「なっ…!」

 

「それに、もし相手が複数だった事を考えたら、一人でも戦える人間がいた方がいいでしょう?」

 

カブキは闇影が来るのに無論反対だが、それでも尚、「自分を守る」と言う彼の言葉に少々たじろいだ。

 

「カブキさん。闇影さんを信じてあげて!」

 

「カスミ…。」

 

「俺からもお願いだ!この人もとーてーも強いから、一緒に戦えばどんな魔化魍なんか目じゃないぜ!」

 

「キョウスケ…。」

 

カスミとキョウスケも、闇影を連れて行く様に頼んだ。二人が闇影を強く信頼しているのを見て、彼の「自分を信じられる自分を信じてみろ」という先程の言葉が頭を過った。そして…

 

「…足手まといになるなよ…。さっさとついて来い!」

 

「カブキさん…はいっ!」

 

 

―森の中

 

 

「ヒナカ…無事でいろよ…!!誰だっ!?」

 

突然、何者かがカブキの足元に光の矢を放った。その正体は…

 

「はい、スト~ップ。」

 

「大人しく音叉を渡せばそれで良し。渡さないと…今度は威嚇じゃ済まないわよ。あむ…。」

 

煙草をくわえながらドライバーを構える周と、団子を食べながら片手に同じくドライバーを構えた巡だった。

 

「巡…周!」

 

「そこを退け…貴様等に構っている暇は無い!」

 

「知るかよ。俺様達の仕事に関係無ぇ事だ。」

 

「子供の命が懸かっていると知ってもか?お前達の仕事はその子の命より大事か?」

 

「「!!」」

 

子供の命と聞くと、二人は少し眉をひそめた。と言っても宝を手に入れる為なら手段を選ばない彼等に何を言っても聞かないだろう。そう思考していた時、あの灰色のオーロラが現れた。そして…

 

「なっ、これは…うわぁっ!!」

 

「煌!!」

 

それは闇影を包み込み、彼の姿をこの場から消し去った。おそらく「オーガの世界」の時の様に、別空間へ移動したのだろう。

 

「くっ…二対一か…!!」

 

闇影が消えた事で此方の分が悪くなったカブキは、巡達と戦う覚悟を決めようとしたが…

 

「これは…あの人の仕業だな。」

 

「ここは一旦仕事は中断ね。私達も行くわよ!せいっ!!」

 

何故か二人は、音叉を奪う「仕事」を中断すると言い出し、巡がディシーフドライバーで空を斬る様に振り上げると、そこに大きな次元の切れ目が生まれた。二人がそこに飛び込む様に入ると同時に、切れ目も消えていった。

 

「あいつ等も消えた…!!一体どういう…煌の行方も気になるが、今はヒナカが先だ!!」

 

今起きた事が気にはなるが、ヒナカを救うのが先決だと決めたカブキは、再び走り出した。

 

 

 

「ここは…ミラーワールド!?」

 

闇影が移動した空間は、全ての建物が反転した空間だった。この事から、コウイチのいた「リュウガの世界」にある「ミラーワールド」だと推測したが…

 

「少し違うな…。此処はそれに似ただけの異空間に過ぎない。」

 

「!!粗方解ったよ…これもお前の仕業なんだな…紅蓮!!」

 

闇影が叫ぶように、自分をこの空間に移動させたのは、彼を「死神」だと罵る赤いフードの女性―紅蓮だった。

 

「ディライト…貴様は全ての世界に在ってはならない存在…此処で葬ってくれる!!出でよ!オーディィィィン!!」

 

紅蓮が叫びながら両手を拡げると、灰色のオーロラから黄金色の鳳凰をイメージしたその神々しい姿は、正に「神」と呼ぶに相応しいライダー「仮面ライダーオーディン」だった…。

 

『……。』

 

「残念だけど、此処で死ぬ訳にはいかないっ!変身!」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

『はあぁぁっっ…!!』

 

闇影はディライトに変身するや否や、ライトブッカーでオーディンに斬り掛かったが…

 

『……。』

 

【SWORD-VENT】

 

オーディンは錫杖型のバイザー「鳳凰召錫ゴルトバイザー」にカードを読み込ませると、二振りの黄金の剣「ゴルトセイバー」を召喚し、×の字にして斬撃を防ぎ…

 

『くっ…!防がれ…ぐあぁっ!!』

 

ゴルトセイバーを広げてディライトの腕を浮かせて、その隙をついで攻撃した。

 

【ADVENT】

 

更にオーディンは、黄金色の鳳凰をイメージした自身の契約モンスター「ゴルトフェニックス」を召喚し、ディライトを襲わせた。

 

『ぐあぁぁっっ!!』

 

ゴルトフェニックスの強力な攻撃を受けたディライトは、あまりのダメージの大きさに変身を解除させられた。

 

「何か焦っている様だが、それで勝てる程オーディンは甘くない!」

 

「くっ…!早く…カブキさんの所へ行かないといけないのに…此処で…終わるのか…?」

 

確かに紅蓮の言う通り、闇影はカブキの手助けをしたいが為にどこが焦りを感じており、それが彼の手を鈍らせていた。その時…

 

「終わらせないわよ。」

 

突然空間に切れ目が生まれ、そこから巡と周が現れた。

 

「お前達…!どうやって…いや、何で此処に!?」

 

「貴様等も来たか…ディシーフ、ディスティール。」

 

「紅蓮さん。貴女には悪いけど、彼を未だ死なせる訳にはいかないのよね。」

 

「こいつを倒すのは、俺様達だから…な!」

 

「「変身!!」」

 

【KAMEN-RIDE…DITHIEF!】

 

【KAMEN-RIDE…DISTEAL!】

 

巡と周は、闇影を死なせないと言いながらディシーフとディスティールに変身した。

 

『相手がオーディンなら、これよね♪』

 

【KAMEN-RIDE…KNIGHT!】

 

『行ってきな。』

 

【KAIZIN-RIDE…CRAB-ORPHNOCH!】

 

『ハアァァ…。』

 

ディシーフは紺色の蝙蝠の騎士をイメージしたライダー「仮面ライダーナイト」にカメンライドし、ディスティールは蟹の特性を持った左腕が機械鋏のオルフェノク「クラブオルフェノク」を召喚した。

 

【ATTACK-RIDE…SWORD-VENT!】

 

『はあぁぁっっ!!』

 

Dナイトは契約モンスター「ダークウイング」の尾を模した剣「ウイングランサー」で オーディンに斬り掛かっていった。初めの内は、彼が優位に立っていたが…

 

『フッ!!』

 

『……!!?』

 

クラブOは、左腕の機械鋏をワイヤーの様に伸ばしオーディンを捕らえ、そこから電流を流した。更に…

 

『相手は巡ちゃんだけじゃねぇんだぜ!!』

 

【ATTACK-RIDE…LASER!】

 

ディスティールは水色のレーザー「ディスティールレーザー」でオーディンを狙撃した。前からDナイト、後ろからディスティール、流石に彼の分が悪くなってきたが…

 

『……!!』

 

『えぇっ!!嘘でしょっ!?そんなの…きゃああぁぁっっ!!』

 

『グアァァッッ!!』

 

それに構わず力ずくでクラブOの鋏から抜け出し、そのままの勢いで二本のゴルトセイバーを真横に振り上げて衝撃波を放ち、クラブOを破壊し、Dナイトをディシーフの姿へと戻した。

 

『巡ちゃん!!大丈夫っ!?』

 

『…流石は神のライダーと呼ばれるだけあって手強いわね…。』

 

『向こうが神なら、こっちは帝王でいくか!!』

 

【KAMEN-RIDE…ORGA!】

 

ディスティールがドライバーにカードをスラッシュして放つと、黒き地の帝王・オーガが現れた。そして、そのままオーガストランザーでオーディンに斬り掛かっていった。

 

『はっ!ふっ!せいっ!!』

 

『……!!』

 

オーガストランザーとゴルトセイバーで斬り結び、ほぼ互角の戦いを繰り広げるオーガとオーディン…そして…

 

『はぁっ!!』

 

『……!!』

 

オーガは僅かな隙を付き、オーガストランザーをオーディンに突き刺し大ダメージを与えたが…

 

『……!!』

 

『ぐあぁぁっっ!!』

 

それすら物ともしないオーディンはオーガストランザーを抜き捨て、丸腰になったオーガにゴルドセイバーで斬り付けた。

 

「もはやオーガに勝ち目は無い。無駄な足掻き…『でもねぇぜ。』!?」

 

【FINAL-FORM-RIDE…O・O・O・ORGA!】

 

『じっとすりゃ直ぐ終わる。』

 

『うっ!?』

 

ディスティールはドライバーでオーガを射ち抜き、オーガをストランザーオーガにFFRさせた。

 

『そんだけダメージ受けりゃ、いくら神様でもひとたまりもねぇだろ。』

 

「貴様…まさかその為にわざと…!!」

 

そう、ディスティールは最初からオーガをFFRさせるべく、彼(?)を囮にしダメージを負わせてから武器に変形させて止めを刺す為に召喚したのだ。

 

「ちぃっ…オーディン!!」

 

【FINAL-VENT】

 

紅蓮が指示すると、オーディンはファイナルベントのカードでゴルトフェニックスを召喚し必殺技「エターナルカオス」を発動しようとしたが…

 

『遅いぜ…!!』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…O・O・O・ORGA!】

 

『おぉぉぉ…撃ち斬れぇぇぇっっっっ!!!!』

 

ディスティールはストランザーオーガから放つ水色の光の刃のFAR「ディスティールバニッシュ」でゴルトフェニックスごとオーディンを斬り裂き「Ω」のマークを残し爆発させたが…

 

『……。』

 

爆炎が止むと、なんとオーディンは胸を押さえながら辛うじて生き残っていた。

 

『しぶといな…その力、戴くぜ!』

 

【STEAL-RIDE…R・R・R・RIDER!】

 

『……!!』

 

しかし、ディスティールのスティールライドにより、オーディンは呆気なくカードに変換、回収されてしまった…。

 

「まさか、ライダーまでカードに変換出来るなんて…!!」

 

「くっ…ディシーフ!ディスティール!貴様等がどういう了見でディライトを助けたのか知らぬが、そいつは全てを焼き尽くす『死神』…!それだけは忘れるな!!」

 

そう言うと紅蓮は、険しい顔をしながら灰色のオーロラの中へと消えていき、それに伴い闇影達もオーロラに包まれて元の場所へと戻った…。

 

 

 

「戻ってこれたわね…。」

 

「とりあえず礼は言っておく…。」

 

闇影はカブキの元へ再び行こうとしたが、周が前を遮った。

 

「ちょっと待ちな。これで『はい、おしまい』で済むと思ってんのか?」

 

「何だと…!?」

 

「てめぇを救ってやった報酬として、あの音叉を奪って俺様達に渡しな。」

 

「まぁ、命の報酬としては安い物だと思うけどね♪」

 

「…それが目的か。呆れて物が言えないな。」

 

闇影は、巡と周が自分を助けた理由を聞き怒りを通り越して呆れていた。

 

「俺は、自分の命を懸けてでも守りたい『宝』を救う手助けをしに行く。それを邪魔するなら…お前達でも容赦しない。」

 

闇影は目で鋭く睨みながら恫喝し、踵を返してカブキの元へ走っていった。

 

「命を懸けてでも守りたい宝…か…。」

 

 

―森の大広場

 

 

「此処か…いい加減に姿を現わしたらどうなんだ!!黒蛇(くろち)!!」

 

『ホホ…相も変わらず思い上がった物言いじゃのぅ…。』

 

大きな地震と共に森を荒らしながら、上半身が蛇の様な顔付きをした女性の身体で下半身が無数の太長く黒い大蛇がうよめいた巨大な魔化魍「黒蛇」が現わした。一匹の大蛇がヒナカを巻き付けながら…

 

「……!!」

 

「ヒナカ!!黒蛇、貴様…!!」

 

『最近魔化魍が次々倒される話を聞きこの小娘を拐い誘き寄せて見れば、うぬらだとはな…。』

 

「何故俺を狙わずヒナカを拐った!?」

 

『この方が妾にとって都合が良いから…じゃのう。』

 

「ふざけるなっ!!貴様は此処で倒す!!家族の敵…今こそ取らせてもらう!!」

 

この黒蛇こそ、カブキの家族を皆殺しにした張本人の様だ。それと同時にヒナカを拐った事に強い怒りを抱いたカブキは、歌舞鬼に変身し直ぐ様音叉剣で斬り掛かっていった。

 

『おおぉぉっっ!!』

 

『たった一人で妾に勝てると思うてか…笑止!!』

 

『シャアァァッッ!!』

 

『ぐああぁぁっっ!!』

 

だが下半身の一匹の大蛇が勢いよく突撃し、向かって来た歌舞鬼を木が数本へし折れる程撥ね飛ばした。

 

「!!」

 

ヒナカは、そんな彼を見て声を出そうと口をパクパクさせていたがなかなか喋れず歯痒く思っていた。

 

『くっ…黒蛇…黒蛇!クロチィィッッ!!』

 

直ぐ様立ち上がった歌舞鬼は、憎悪と怒りをこめて咆哮しながら身体から黒いオーラを生み出し、再び黒蛇に向かっていった。それが彼女に吸収されている事に気付かないまま…。

 

『往生際が悪いのぅ…ハァッ!!』

 

『ぐっ…ぐがあぁぁっっ!!』

 

数体の大蛇の吐く炎をまともに喰らい、もう数体が先程の様に突撃された歌舞鬼は変身を解除されてしまい、その勢いで音叉が飛んでいってしまった。

 

「くっ…くそっ…!!」

 

「もう終わりかえ?ならばさっさと喰『わせるかぁっ!!』グガァッ!!」

 

カブキを喰らおうとした黒蛇は、ディライトの乗るマシンディライターに撥ねられ大きく身を仰け反った。

 

『カブキさん!大丈夫ですかっ!?』

 

「煌…。あ…ああ…。」

 

『貴様が童子と姫の言っていたディライトとやらか?少しは骨があると良いのぅ…。』

 

『ここで一気にケリを付けるっ!!』

 

【FINAL-SHADOW-RIDE…HI・HI・HI・HIBIKI!】

 

ディライトは、自身の影をディスクアニマル達が融合した朱色の鎧が特徴の戦士「仮面ライダー響鬼」の最終形態「装甲響鬼」にFSRさせた。

 

「あれは…伝説の鬼『響鬼』…!!煌…お前は一体…!?」

 

 

 

―何してんだよっ!?俺から離れろっ!!

 

―安心しろ…お前の「闇」は…俺が止めてやるっ!!

 

 

 

『(―さん…。)俺は…』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…HI・HI・HI・HIBIKI!】

 

『俺はもう…大切な人を失う悲しみを…誰にも味わって欲しく無いんだぁぁっっ!!』

 

ディライトとS装甲響鬼は、ライトブッカーと装甲声刃の刃に黒と赤の炎を宿し敵を斬り裂くFAR「鬼神覚声」を黒蛇に喰らわせた。しかし…

 

『ホホ…今何かしたのかえ?ハァァッッ!!』

 

『何っ!?そんな…ぐああぁぁっっ!!!!』

 

「煌!!」

 

二人分のFARを受けながらも全くダメージを負っていない黒蛇は、大蛇達の吐く炎でディライトとS装甲響鬼を焼き尽くし変身を解除させた。

 

「くっ…何て強さだ…!!」

 

「あらあら…派手にやられちゃってるわねぇ…。」

 

「いい様だぜ。」

 

「お前達…!!それは…!!」

 

突撃現れた巡と周は、目当ての音叉をくるくる回しながら地を這っていた闇影を嘲笑った。

 

「まっ、ブツが手に入ったし別にいいけどな♪」

 

「貴様等…。」

 

「怒らないの。あまり怒ると相手の思う壺よ。」

 

「どういう事だ…?」

 

「怒る…憎しみ…!!そうか!奴は怒り…負の感情に比例して力を増していく魔化魍なんだ!だから黒蛇はカブキさんに負の感情を強める為にヒナカちゃんを拐ったんだ。」

 

黒蛇の能力―それは、負の感情を吸収する事によりその力を増長させるのだ。ヒナカを拐ったのも、カブキの憎しみを強める為であった。

 

『人は負に囚われ易い愚かな存在…保身の為に村や他人を犠牲にする者、それにより憎悪を抱いたまま生きる者…そんな奴等なぞ消えて当然よのう。』

 

「負の感情を持つ事を愚かな事だとは…俺は思わない。」

 

『何じゃと?』

 

「確かに人は、大なり小なり他人に対して憎しみを抱いている…だが、人を思いやり、守りたいという思いがそれを打ち消してくれる!」

 

「思いやり、守りたいという思いが…憎しみを打ち消す…。」

 

「だから人と人は手を取り合って生きていける!悲しみのない明日の為に!!」

 

『うぬら…一体何者じゃ!?』

 

「お節介教師な仮面ライダーだ!!宜しく!!変身!」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

『さて、輝く道へと導きますか!』

 

闇影はディライトに変身し、何時もの台詞を言いながらカードをドライバーに装填した。

 

【ATTACK-RIDE…LASER-BLADE!】

 

『はぁっ!!』

 

『ギャアァァッッ!!』

 

ディライトはライトブッカーから放つ「ディライトレーザーブレード」で一体の大蛇を斬り裂いた。その時…

 

「…キさん…って…。」

 

「???」

 

「カブキさ~んっっ!!闇影さ~んっっ!!皆、頑張ってぇぇっっ!!」

 

「!!ヒナカ…お前、声が…!!」

 

何とヒナカは声を取り戻し、大声でカブキ達を応援した。彼女もまた、闇影の「導き」の言葉に勇気付けられたのだ。

 

「あらあら、子供の期待に応えるのが大人の務めよね…周!」

 

「特に女の子の声援は力がみなぎるぜ…あいよ巡ちゃん!」

 

巡と周は、少し笑いながら音叉をカブキに投げ渡し自分達の変身ツールを構えた。

 

「俺は…ずっと弱かった自分を憎んでいただけだった…そのせいでヒナカをあんな目に逢わせてしまった…だが…!」

 

「「変身!!」」

 

「あの子達の、そして自分の明日の為に…俺は戦う!!歌舞鬼!!」

 

【KAMEN-RIDE…DITHIEF!】

 

【KAMEN-RIDE…DISTEAL!】

 

巡と周はディシーフとディスティールに、そしてカブキは音叉で歌舞鬼に変身し、ディライトの応戦に向かった。

 

『お前達、どういうつもりだ!?急に音叉を手放すなんて!』

 

『勘違いすんなよ。俺様達は子供を利用する奴が嫌いなだけだからな!』

 

『それに、未だ見てないからよ。自分の命を懸けてでも守りたいお宝を、ね♪』

 

ディライトの疑問に二人戦いながら、子供を利用する輩が嫌い、命を懸けてでも守りたい宝を見たいという理由で音叉を返したのだと言う。

 

『くっ…おのれぇぇっっ!!図に乗るなよ!人間がぁぁっっ!!』

 

ディライト達の攻撃に業を煮やした黒蛇は、大蛇同士をまとめ上げ、龍に近い一匹の大蛇に変化させ、その口から巨大な黒い光弾を放った。それによりヒナカは解放され、地面へと落ちていった。

 

「きゃああぁぁっっ!!」

 

『まずいっ!!ヒナカァッ!!』

 

【ATTACK-RIDE…BARRIER-FORCE!】

 

光弾により辺り一帯が吹き飛び、クレーターの様な物が出来た。しかし、爆風が止むとドーム状の透明なバリアに囲まれたディライト達がいた。

 

『残念だったな。俺様達は生きてるぜ。』

 

『なっ、何故じゃぁぁっっ!?』

 

『それは、このカードのお陰よ♪』

 

ディシーフは、カードを見せ付けながら「バリアフォース」により光弾から身を守ったのだと説明した。

 

『力を出し切ったお前に、勝ち目は無い!』

 

【FINAL-FORM-RIDE…KA・KA・KA・KABUKI!】

 

『カブキさん、力を抜いて下さい。』

 

『何…おわっ!?』

 

ディライトが歌舞鬼の背中に手を当てると、歌舞鬼は黒と黄色の鴉の様な模様が刻まれた巨大なアニマルディスクを模した「カブキアニマルディスク」にFFRした。

 

『行っけぇぇっっ!!』

 

『ウガアァァッッ!!』

 

ディライトはKアニマルディスクをフリスビーの様に振り投げて黒蛇の腹に直撃させた。Kアニマルディスクは回転したまま宙を浮いていた。

 

『これで…最後だっ!!』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…KA・KA・KA・KABUKI!】

 

Kアニマルディスクは、巨大なディスクアニマル「消炭鴉」を模した「カブキケシズミガラス」に変形すると、翼を広げて大きく鳴き出した。

 

『キィィィィッッッッ!!!!』

 

『グゥッ…頭が…割…れ…ガアァァァァッッッッ!!!!』

 

黒蛇は、Kケシズミガラスの放つ清めの超音波のFAR「ディライトハウリング」により大爆発した。

 

 

 

「ヒナカ、お前の声のお陰で黒蛇を倒す事が出来た。」

 

カブキは、ヒナカの応援により怨敵・黒蛇を倒す事が出来た事に感謝するが、彼女は首を横に振った。

 

「ううん。私が声を取り戻せたのは闇影さんのお陰なの。だから…」

 

「そうだったな…俺やヒナカの心を救ってくれてありがとう…煌。」

 

 

 

一方、巡と周は黒蛇が倒された場所で何かを探していた。

 

「お前達、何やってるんだ?」

 

「あったぜ巡ちゃん!!アニマルディスク!!」

 

二人は、三枚のアニマルディスクを見つけて嬉しそうにしていた。

 

「三枚揃っているからそれなりの価値はあるわね♪これが命を懸けてでも手に入れたい『お宝』なのね闇影君。ありがと♪」

 

「違う!俺が言ってるのは…!!」

 

闇影は、自分と彼等の命を懸ける価値がある『宝』の見解の違いを指摘しようとしたが…

 

「また何処かで会いましょ、闇影君♪」

 

「あばよ。」

 

二人は、次元の切れ目を作り出しその中へと消えて行った…。

 

 

 

「本当の家族みたいで素敵な絵だわ…。」

 

「そうですね!ヒナカちゃんも声を取り戻せて本当に良かった。」

 

影魅璃と闇影は、キャンバスに描かれたカブキとヒナカが手を繋ぎ夕日に向かって歩いている絵を嬉しそうに見ていた。

 

 

 

―奴が灰燼者であり「死神」である事は絶対の真実。それを忘れるな…。

 

 

 

「(先生が「死神」なんて…そんな事絶対に有り得ない…!!)」

 

「ん?どうしたんだ黒深子。」

 

黒深子は、紅蓮の言っていた言葉を思い返していた時、闇影に声を掛けられた。

 

「え?ううん、何でもない。それよりも…とりゃあぁぁっっ!!」

 

「ぐがぁぁっっ!!?」

 

突然、黒深子は闇影のこめかみに向かって回し蹴りを喰らわせた。

 

「ちょっ、黒深子ちゃん!?」

 

「連絡しないで外泊した罰です!反省して!!」

 

「ご…ごめんなさい…。」

 

それとは余所に、次の世界を表わすキャンバスに黒鬼と複数の人物が国会議事堂に向かおうとする絵に変わった。

 

「ネガ電王の世界…青い…縞縞…。」

 

闇影は、黒深子の下着の色と共に次の世界の名前を言い、そのまま倒れた…。




次回は「別格」なアイツの登場です!!

好きなレギュラーキャラは?

  • 煌闇影/仮面ライダーディライト
  • 白石黒深子/スワンオルフェノク
  • 赤鏡コウイチ/仮面ライダーリュウガ
  • 諸刃ツルギ/仮面ライダーサソード
  • 彩盗巡/仮面ライダーディシーフ
  • 戴問周/仮面ライダーディスティール
  • 白石影魅璃
  • 創士傀斗
  • 紅蓮
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