仮面ライダーディライト-世界の光導者- 作:トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜
―白石家
「"NEO-ZECT(ネオゼクト)行動隊長 煌闇影" …これがこの世界での役目か。でも家に変化が無いなぁ…。」
と、自分の名刺を読みながら考え込む闇影。何時もなら世界が移動する度に白石家は何かしら変化するのだが、今回は闇影の服装が紺色のスーツの姿以外特に変化が無い…と思いきや…
「せ〜んせ♪早くご飯食べよ♪」
「って!!うわぁっ!?///な、何で抱きつくんだっ!?黒深子!!///」
突然、フリルの付いた可愛らしいエプロンを着けた黒深子が闇影に抱きついて来た。闇影は顔を赤くしながら彼女に尋ねた。すると黒深子は信じられない事を言った…。
「何でって…良いじゃない。私達『夫婦』なんだから♪」
「ああ、そっか、そうだ…ね…って…」
何と闇影と自分が夫婦だと、満面の笑みを浮かべてそう言った。闇影は一瞬納得したが、直ぐに我に返り沈黙し、そして…
「ええええぇぇぇぇっっっっ!!!?ふっ、夫婦ぅぅぅぅっっっっ!!!?」
大声で絶叫すると、家中が震度8の地震が起きたが如く揺れまくった。そりゃそうだ、突然身近にいた女の子が「妻です。」だなんて唐突過ぎた話を聞いて冷静でいられる筈が無い。
「(何で!?何時!?何処で!?どうやって!?いやいやいやいや落ち着け煌闇影!!教師たる者、生徒とこんな関係になるのは断じて有ってはあらない…!!だが…だが…!!)」
冷や汗を垂らし頭を抱え、テンパりながらあれこれ考え込む闇影。いつの間にかテーブルに座らされているとも気付かずに…。
「は〜い先生。朝御飯たっくさん作ったよ♪どうかなぁ?私料理するの初めてだから自信無いけど、先生に喜んで貰う様頑張ったんだから!」
「ん?あ、ああ!!そうなんだ!!どれ、どんな料…理…なん…!!」
ふと我に返った闇影は黒深子の作った朝食に目をやると、怪訝げな顔をした。何故ならテーブルの上にある料理が全て真っ黒い物体にしか見えないのだ。皿を取ってみると、何故か「助けてぇ…助けてぇ…。」という呻き声が聞こえて来たので慌ててテーブルに置き戻した。
「(お、おい闇影…お前、何か黒深子ちゃんを怒らせる様な事でもしたのかよ!?)」
「(こっちが聞きたいよ…急に夫婦だとか言い出すし、料理は得体が知れないし…。)」
「どうしたの先生?早く食・べ・て♪」
闇影とコウイチは、黒深子の豹変振りにただただ恐れ、困惑していた。しかし、それ以上に恐ろしいのは彼女の料理だった。食すか否かと迷っていたその時…
「あっ!!いたいた!!何してんスか隊長!!ワームが現れましたよ!!」
「えっ!?ちょ、ちょっと!引っ張らないで!!」
そこへ突然、黒い軍服を着たツンと尖った茶髪の青年が闇影の手を掴み、その場から颯爽と彼を連れ去っていった。
「何だったんだ?闇影連れていかれたし…。」
「も〜う!!ご飯も食べてくれない上に『言ってきます』のキスもしないなんて〜っ!!」
「キ、キスッ!?///黒深子ちゃん、ホントどうし…!!」
「私がどうしたって?コウイチ。」
「そうだよっ!!もう一人の黒深子ちゃんも何か言って…って、え?」
何時もとは違い過ぎる黒深子の豹変した態度に疑問を持つコウイチは、背後から声がしたので振り返って見ると…
「ええぇぇっっ!?く、黒深子ちゃんが二人いるっ!?」
そこには黒深子が「もう一人」いたので、コウイチは目を見開き驚いた…。
―世界の光導者、ディライト!9つの影の世界を巡り、その瞳は、何を照す?
―とある港近くの廃工場
『ブブブ…!!』
『ギギギ…!!』
そこでは蝿の特性を持ったワーム「ミュスカワーム」と複数の緑色の成虫前のワーム「サナギ体」複数と、NEO-ZECT所属の黒蟻に似たスーツを着た複数の「ゼクトルーパー」が交戦していた。
『全弾!てぇぇっっ!!』
『グギィィッッ!!』
『き、効かな…ぐああっっ!!』
一人の戦闘員の号令でゼクトルーパー達はマシンガンの様な銃器でミュスカW達に攻撃した。しかし、それらは全く効かず逆にワーム側の迎撃で隊員が数人死傷してしまった。そこへNEO-ZECT側に一台の車が止まり、闇影と先程の青年・部隊副隊長の壬銅(みどう)テツキが降りてきた。
「あれがこの世界の怪人、ワームか…。」
「被害が酷いッス…俺達でやっちゃいましょう!!お前等下がってろッス!!」
『隊長と副隊長が戦うそうだ…皆、下がれ!!』
テツキはゼクトルーパー達に下がる様命令し、闇影と共に前線に出た。無論何の手も無く戦う訳では無い。
「来いッス!!」
テツキが右腕を上に翳すと、空中から銅色のケンタウルスオオカブト型の昆虫コア「カブティックゼクター」が飛来し彼の手元に収まった。
「ゼクターか…。よし、俺も…って、おわっ!?」
闇影も変身すべくディライトドライバーを取り出そうとしたが、突然謎の物体が彼の目の前に飛んで来たので驚きとっさに掴んだ。
「これって…ザビーゼクター!?」
闇影が掴んだ物、それはNEO-ZECT行動部隊長の証である蜂型の昆虫コア「ザビーゼクター」であり、よく見ると左手首にブレスレット型アイテム「ライダーブレス」が装着されていた。
「行くッスよ…隊長!変身!」
【HENSHIN!】
【CHANGE-BEETLE!】
「何か粗方解らないけど、行くぞっ!!変身!」
【HENSHIN!】
二人がライダーブレスにゼクターをセットすると、テツキはケンタウルスオオカブトを模した銅色のライダー「仮面ライダーケタロス」に、闇影は蜂の巣をイメージした銀色と黄色のアーマーを纏った戦士「仮面ライダーザビー マスクドフォーム」に変身した。
『あれ?壬銅君のはちょっと違うんだね。』
ザビーの言う様に「ダークカブトの世界」を初めとするカブト系統の世界のライダーは皆、第一形態に特殊金属「ヒヒイロノカネ」で構成されたアーマーが装着されるのだが、ケタロスの様に最初から「ライダーフォーム」に変身すると言う例外もある。
『なら俺も…キャストオフ!』
【CAST-OFF!】
『グガァァッッ!!?』
ザビーMFがザビーゼクターの羽「ゼクターウィング」を上げた後、内側に回転させると、アーマーが展開され全てミュスカW達めがけて弾け飛び…
【CHANGE-WASP!】
複眼が怪しく光り、黄色と黒を基調とした凶暴な雀蜂に似た顔付きが特徴の「ライダーフォーム」へとフォームチェンジした。
『ふぅ…身軽になったし…戦闘開始!!』
『どゅりゃ!せいっ!せいやっ!!』
『グギィィッッ!!』
ザビーとケタロスは走り出し、ミュスカW達と交戦を開始した。ケタロスは専用武器「ゼクトクナイガン」をクナイモードにして、サナギ体達を素早く斬り裂いていった。
『武器が一つか…。良い機会だし此処は素の力で行きますか!!ほいっ!ふっ!ふっ!だぁぁっっ!!』
『グッ!ガッ!ギャアァァッッ!!』
一方ザビーは、ケタロスとは違い武器がゼクターに装着されたザビーニードルしか無く、これを機に肉弾戦で戦う事に決め、ミュスカWやサナギ体達を目にも止まらぬパンチを連打し、囲まれても逆立ちして両足を大きく伸ばし、蹴り回るという荒々しい戦法を取った。
『グッ…!!グガガ…』
『逃げても無駄さ!!』
『ギャアッッ!!』
サナギ体一体がザビーに恐れをなして逃げようとしたが、そうはさせじとザビーニードルから放つ針状の攻撃を受け爆死した。
『す…凄いッスね、隊長。』
『止めだっ!!行くよ壬銅君!クロックアップ!』
【CLOCK-UP!】
『了解ッス!!クロックアップ!』
【CLOCK-UP!】
ザビーとケタロスは、ゼクターを作動しクロックアップを発動し時間流の空間に突入した。すると、ミュスカW達の動きや援護射撃の弾丸の動きも全てゆっくりに見え、二人は高速移動しワーム達に近付いた。そして…
【RIDER-BEAT!】
『はぁぁぁ…アバランチスラッシュ!!』
【RIDER-STING!】
『ライダー…スティング!!』
『グギャアァァァァッッッッ!!!!』
ケタロスは「ライダービート」のタキオン粒子で強化した右腕のゼクトクナイガン・クナイモードで弧を描く様に斬る「アバランチスラッシュ」でサナギ体達を斬り裂き、ザビーはクロックアップの速度を上乗せしつつ、ザビーニードルでミュスカWの脳天を「ライダースティング」で貫き、ワーム達を爆破させた。
「ふぅ…これにて一件落着コンプリート…ってね!!」
変身を解いた闇影は、某世界の赤い刑事と侍の台詞をごちゃ混ぜにした台詞を言い任務完了を宣言した。その時、彼の携帯が鳴り出した。
「はい、もしもし。」
『闇影!直ぐに家に戻って来てくれ!なんか黒深子ちゃんが二人いるんだ!!』
「??黒深子が二人…!!ワームかもしれない…分かった!直ぐに戻る!」
「ワームがいるなら、俺も行くッス!!」
コウイチからの電話を切った闇影は、直ちに白石家に向かった。テツキもワームを倒すべく一緒に同行した。
―白石家
「先生、私が本物よっ!!」
「偽者の言う事なんか聞いちゃ駄目だよ先生っ!!」
「う〜ん…どっちが本物なんだ?」
「難いッスね…。」
どちらかが黒深子に擬態したワームなのは分かっているが、「自分が本物、向こうが偽者」だと言う二人に闇影達は困惑していた。
「此処は俺に任せろ…。スリーサイズはいくっ…!!」
「「んなもん答えるかぁぁっっ!!」」
「つ…ゲボガハァッ!!」
「「(二人分の正拳突き…死んだなあれ…。)」」
馬鹿な質問をし出したコウイチは、二人の黒深子から正拳突きを喰らい、死んだ様に地に沈んだ。
「能力まで同じだと本当に…ん?待てよ…。だったら…!!いや〜ホント凄かったよねぇ黒深子。」
「「??」」
何かを思い付いた闇影は急に話し出し、二人の黒深子は何の事だかと首を傾げていた。
「『激しくして欲しいの。』とか『普通じゃ嫌。』とか言って来るからびっくりしちゃったよ。」
「な!な!な!///何言い出すのよ先生!!///私そんな事言ってないわよ!!///」
「そうよ!!昨日の夜、私先生を部屋になんか招いてない…か…ら…!!」
「何で昨日の夜の事だと分かったのかな?俺は『凄かったね』としか言ってないのに。」
「くっ…くそっ!!」
ワームは擬態した人間の技術や記憶をもコピーする事が可能である。それを逆手にわざと本人の知らない事を話し出し、その反応で正体を割り出す…。これが闇影の作戦である。そして、その策に嵌まった黒深子(?)はサナギ体へと変化し、コウイチを踏みつけて壁を突き破り逃走した。
「待てっ!逃がすかっ!!」
「私に化けて先生を誘惑するなんて…絶対息の根を止めてよねっ!!先生!!」
「怖っ!ま、待てっ!!」
闇影とテツキは壊れた壁を通ってサナギ体を追い掛け、走り出した。同じくコウイチを踏みつけながら…。
「壁から出ちゃ駄目でしょ!行儀悪い!!」
「…誰も俺の心配しないのね…ガクッ。」
影魅璃は、サナギ体や踏みつけられたコウイチには触れず、闇影達が壁を出た事に怒っていた。それに突っ込み気絶するコウイチ…。
「待てぇぇっっ!!」
『し、しつこい…。こうなったら…グォォォ!!』
執拗に追って来る闇影達に業を煮やしたサナギ体は「脱皮」をし、白蟻を模した「フォルミカアルビュスワーム」に変化し、クロックアップで再び逃走しようとしたが、二人の男女がいるのを見かけ…
『あいつ等捕まえて人質にでもすっか!!シャアァァッッ!!』
「まずい!!お~いそこの人達!!早く逃げて下さいっ!!」
急遽フォルミカアルビュスWは、彼等を人質に捕らえようとクロックアップを使い近付き出した。が…
「逃げる?その必要はありませんよ。」
銀色がかった白い短髪に眼鏡をかけた知的な雰囲気を持つ男性は、飛来した銀色のカブティックゼクターを掴み、そして…
「変身!」
【HENSHIN!】
【CHANGE-BEETLE!】
左手首のライダーブレスにゼクターをセットすると、男性はヘラクレスオオカブトを模した銀色のライダー「仮面ライダーヘラクス」に変身した。
「あの人もライダーなのか…!」
【RIDER-BEAT!】
『楽にさせますよ…はぁっ!!』
『グギャアァァッッ!!』
ヘラクスは直ぐ様ライダービートで強化した腕でゼクトクナイガン・アックスモードを縦一文字に振り上げ、敵を切り裂く「アバランチチョップ」でフォルミカアルビュスWを撃破した。
「凄い…たった一撃で…「きゃあっ!?」」
『ギギギ…!!』
「またかっ!!変し…!」
闇影は、素早くワームを倒したヘラクスを見て息を呑み驚いていた時、一緒にいた女性に別のサナギ体が近付いて来た。闇影は今度こそディライトに変身しようとした瞬間…
【CLOCK-UP!】
『…!!』
『ギィヤァァッッ!!』
「…えっ!?」
【CLOCK-OVER!】
「黒い何か」が音も出さず、目にも見えぬ速度でサナギ体に近付くと、一瞬で爆破させた。その正体は…
「黒い…カブト…!」
胸に赤いラインが入った漆黒のボディアーマー、妖しく光る黄色の複眼が特徴の黒いカブトムシをイメージした戦士、この世界の守護者「仮面ライダーダークカブト」だった…。
『現れたなダークカブト!!そのライダーシステムは我々ネオゼクトの所有物だ。返して貰おうか!!』
『…。』
【CLOCK-UP!】
ヘラクスは、ダークカブトにライダーシステム「ダークカブトゼクター」を手を差し出しながら返還する様要求した。ネオゼクトの名を出した事から、ヘラクスもネオゼクトの一員の様だ。しかしダークカブトは一言も喋らず、クロックアップを使いこの場から去って行った。
『くっ…!逃げられましたか…。』
「貴方は…一体…?」
「どうでしたか隊長…って、そっ、総帥!!」
「へ?」
闇影に追い付いたテツキは、ヘラクスを見ると驚いた表情で「総帥」と呼び姿勢を整え敬礼をした。
―黒角(くずみ)家
ヘラクスの変身者であり、NEO-ZECTの総帥・銀城(ぎんじょう)ヒデナリと一緒にいた彼の婚約者、長い黒髪をポニーテール状に丸めた女性・黒角ヒヨリの自宅に招かれた闇影達。
「またダークカブトを逃してしまいましたか…!」
「落ち着いてヒデナリさん。お茶でもどうぞ。皆さんもどうぞ。」
ダークカブトに逃げられ憤慨するヒデナリに、ヒヨリは茶を差し出し、落ち着く様宥めた。
「あのダークカブトは、一体何者なんですか?」
「…五年前、NEO-ZECT…当時のZECTはとあるワームの軍勢と戦っていました。私と壬銅、そして…」
「私の弟、ソウタもZECTの隊員だったんです…。」
「『だった』?」
ヒヨリは、棚にある自分とヒデナリの間にいる青年・ソウタを写した写真立てに悲しげな表情で目をやって答えた。
「彼は若くして他よりずば抜けた実力を持った隊員であり、懸命にワームと戦っていました。しかし、僅かな隙を付かれワーム達に拐われてしまい行方が分からなくなり結果、我々とワーム側は共に敗北…同時に彼の持つダークカブトゼクター迄奪っていった…。」
ヒデナリが躍起になってダークカブトを捕まえたい理由、それは、ソウタの持つダークカブトの力をワームが悪用しているやもしれないからであり、何より…
「奴等からソウタ君を奪い返くべく、そしてワームの驚異から人々を守る為に、私はゼクトをネオゼクトに再建しました。私の弱さ故に起きた過ちを自分でケリを付ける!!それがゼクトを創設した私の責任、私なりに出来るヒヨリへの償いです…!!」
自分が弱いが故に起きた事態を自身で解決すると言うヒデナリは、それがネオゼクトを創設した自身の責務、そしてヒヨリへの償いだと強く言った。
「余りお気になさらないで下さいヒデナリさん。貴方は貴方で弟の事を想ってくれているのは解っていますから。それにね、もしかしたらソウタは生きてるかもしれないの。」
「どういう事ッスか?」
「弟が行方不明になってから、私がワームに襲われそうな時には何時もそのダークカブトが現れるんです…。だからあれは弟なんじゃないかって…。」
ヒヨリがこれ迄何度もワームに襲われそうになった時に何時もダークカブトが現れる為、彼女はそのダークカブトこそ、行方不明になったソウタなのだと推測した。
「でもそれなら、何で戻って来ないんスか?」
「それは…。」
「うーむ…。」
「弟さんが戻らない理由か…。何なんだろう?」
闇影が歩きながらソウタが戻らない理由を考えていたその時、コノハムシを模したワーム「フォリアタスワーム」が現れた。
『ブブブ…!!』
「ワームか…!三度目の正直…行くよ!変身!」
【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】
闇影は、ワームに会った回数を「三度目の正直」と言いながら同じく三回目にして漸くディライトに変身した。
『ブブブ…!!』
『何っ!?つむじ風に変わった…って、ぐあぁっ!!』
フォリアタスWは強いつむじ風に変化し、クロックアップを用いてディライトに突撃し、近くの廃工場内迄吹き飛ばした。
『痛たた…こっちはクロックアップを使えないのに…こうなったら…!!』
クロックアップが使えないと嘆くディライトは、立ち上がりライトブッカー・ソードモードを構えたままで動きを止めた。フォリアタスWは再びつむじ風と化し、クロックアップでディライトに近付いたが…
『(クロックアップが使えないなら、目を閉じて感覚を研ぎ澄ませるんだ…。後ろから5m…4、3、2、1…)…そこだっ!!』
『ブギャアァァッッ!!』
目を閉じて感覚を研ぎ澄ませたディライトの居合い斬りの如く一振りにより、フォリアタスWは爆死した。
『ふぅ…こんなもんだ…うわぁっ!?』
ディライトが敵を倒した直後に、何者かの銃撃が襲い掛かった。それは、十数人のゼクトルーパーを率いたヘラクスとケタロス達NEO-ZECTだった。
『煌君…いやディライト!!まさか君が世界を焼き尽くす灰塵者…死神だったなんて残念です…!!』
『…。(俺はそうは思えないッスが、かと言ってNEO-ZECTを裏切る真似は出来ないッス…!!)』
『此処でもか…紅蓮の仕業だな…。』
ヘラクス達が襲撃した理由は、ディライトが灰塵者であり死神だと言う事を紅蓮から聞いた為である。だが、ケタロスはディライトが灰塵者だとは思ってないが、NEO-ZECTを裏切りたくないと心の中で葛藤していた。
『さて、戦力を更に増やしましょうか…来なさい!!蠍姫!!』
『はい…!!』
ヘラクスの命令を聞き現れたのは、ツインテール状にした腰まで届く長い紫色の髪に、髪と同じ色のワンピース型の服を着た寡黙な表情をした14、5歳程の少女だった。
『女の…子…?』
『本当は隠し玉としたかったんですが、相手が死神ならばそうは言ってられませんのでね…。行きなさい。』
「はい…。おいで…サソードゼクター…!」
蠍姫と呼ばれた少女は、紫色の剣「サソードヤイバー」を取り出すと何処からか紫色の蠍型のコア「サソードゼクター」が地を這いながら彼女の手元に飛び上がり、そして…
「変身…!」
【HENSHIN!】
蠍姫はサソードヤイバーの鍔部分にゼクターをセットすると、銀色と紫色のアーマーを纏った戦士「仮面ライダーサソード マスクドフォーム」に変身し、更に…
『キャストオフ…!』
【CAST-OFF!】
『おわっ!?わっ!わぁっ!!』
【CHANGE-SCORPION!】
サソードMFがサソードゼクターの尾部を倒してその先端部「サソードニードル」をサソードヤイバーに差し込むとアーマーが展開、キャストオフをしアーマーをディライトに向かって弾き飛ばすと、鋭い緑の複眼に、紫色の蠍を模したライダーフォームに変わった。因みにディライトは、弾き飛んだアーマーを全て回避した。
『ディライト、貴方は…私が抹殺します!』
『…っと!サソード迄来ちゃったか…。此処は新しい力で行きますか!』
【SHADOW-RIDE…NEGA-DEN-O!】
サソードの登場で分が悪いと感じたディライトは、自身の影をネガ電王・ネガフォームにシャドウライドさせた。
『更に…これだ!』
【ATTACK-RIDE…TSUYOSA HA BEKKAKU DA!】
『強さは…別格だっ!!』
ディライトはネガタロスの決め台詞を言いながら、Sネガ電王NFと共にライトブッカーとデンガッシャー・ソードモードを突き出しサソード達を挑発した。
『ふざけないで下さい…!はぁっ!!』
サソードは今のふざけた台詞が気に食わず、サソードヤイバーでディライトに斬り掛かったが、彼の前に出たSネガ電王NFのデンガッシャーで防がれた。
『はっ!やっ!えいっ!せいっ!!』
サソードは隙の無い素早い斬撃でSネガ電王NFと剣で斬り結ぶが、軈てその速度にSネガ電王NFは徐々に押されそうになって来た。
『このままではやられる…!!防御力アップだ!』
【ATTACK-RIDE…ITAMI DE OKAESHI SHIMASUWA!】
『い、痛みでお返しします…わ。///』
ディライトはSネガ電王NFをシールドフォームにフォームチェンジさせ、仮面の中で顔を赤くしながらカプラの決め台詞を言った。…結構恥ずかしい様だ。
【ATTACK-RIDE…CAPRIRLD!】
ディライトは、カプリールドを装備させたSネガ電王SFをサソードの正面に立たせて、連撃を防いだ。
『コロコロと…!やあぁぁっっ!!』
姿の変化に苛立つサソードは、剣を目にも止まらぬ速度で乱れ突きをした。一点の狂いも無い突きをまともに受ければどんな強固な盾も破壊出来る…。その言葉通り、カプリールドの中心に罅が入り砕けてしまった。
『まずい…!だったら…!』
『いい加減にして下さい…!!』
【CLOCK-UP!】
『でぎゃあぁぁっっ!!』
盾が砕かれた焦りで対応が遅れたディライトは次のカードを使おうとしたが、堪忍袋の緒が切れたサソードのクロックアップの突撃により、Sネガ電王SFと共に奥の方迄吹っ飛ばされた。
『総員!サソードに続きなさい!!』
『はっ!!』
ヘラクスはサソードの支援に回る様、ケタロスとゼクトルーパー達に命令した。そこに…
「ダークカブトゼクターを奪う為に闇影君を着けてたら、何か凄い事に…モグモグ…なってるわね。」
「ザビーになるわ、サソードの美少女ちゃんに襲われるわ…微妙に羨ましいぃっ!!」
おでんをくわえた巡と、煙草を吸いながら闇影を羨む周が現れた。今回の彼等の目的は、ダークカブトゼクターの様だ。
『何ですか貴方達?ディライトの仲間ですか?』
「はっ!冗談!俺様達はその言葉が嫌ぇなんだよ!変身!」
【KAMEN-RIDE…DISTEAL!】
「折角だから、次いでに貴方達のゼクターも頂こうかしら…。変身!」
【KAMEN-RIDE…DITHIEF!】
仲間という言葉を嫌う周と巡は、ヘラクス達のゼクターを「ついで」に奪うべくディスティールとディシーフに変身した。
『虫軍団には虫軍団と行くか!』
【KAMEN-RIDE…CHALICE!】
【KAIZIN-RIDE…DARK-ROACHES!】
ディスティールは黒い蟷螂のライダー・カリスと、黒いゴキブリに似た異形「ダークローチ」三体を召喚した。
『ゲゲェェッッ!!』
『な、何だ!?こいつもワームか!?』
ゼクトルーパー達はダークR達をワームだと思い込みながら、交戦し始めた。
【ATTACK-RIDE…SLASH!】
『せえぇぇいっっ!!』
ディシーフは、赤いエネルギーを纏ったドライバーを振るった「ディシーフスラッシュ」でヘラクスに攻撃を仕掛け…
『くっ…!!我々とは違うライダーシステムか!?何て強さだ…!!』
『ほいやっ!!』
カリスもカリスアローでケタロスに斬り掛かるが、二人共ゼクトクナイガン・アックスモードでその攻撃を防いだ。
『わっと…!この蟷螂も相当強いッス…!!』
ヘラクスとケタロスは、ディシーフやカリス、そしてダークRと言う、自分達とは違うライダーシステムや、ワームとは違う異形の存在に戸惑いを隠し切れなかった。そして…
『一気にやっか…。』
【FINAL-ATTACK-RIDE…DI・DI・DI・DISTEAL!】
『喰らいなっ…!!』
『ぜっ、全員退避…うっ、うわああぁぁぁぁっっっっ!!!!』
ディスティールはFARを発動し、無数のカードの円を正面に作り、ダークRとケタロスと交戦中のカリスを吸収し、ディメンジョンスコールを水色の極太のレーザーにしてゼクトルーパー達に発射し大きく吹き飛ばした。
『貴様…!!』
『安心しな、一応加減はした。』
『遊びは此処迄にして、闇影君のとこに行きましょ。』
『あ、遊びだとぉっ!?』
『あんた等がいると宝盗んのに邪魔だからな…。ま、良い準備運動が出来たって事で。じゃあな。』
『ごきげんよう♪』
【【ATTACK-RIDE…WARP!】】
ディシーフとディスティールは、「ワープ」のカードを使い、この場から姿を消した。彼等がネオゼクトと戦ったのは、ダークカブトゼクターを奪うのに邪魔だと言うだけの理由だった。そして二人が消え去ったのを見てヘラクスとケタロスは変身を解除した。
「あいつ等〜…ムカつくッス!!」
「放っておきなさい…ディライトは蠍姫に任せて、我々は『例の計画』を進める為に一度本部に戻りますよ。」
二人の態度に激怒するテツキとは対称に、ヒデナリは冷静な態度で何かの計画を進める為、ネオゼクトに帰還する様言った。
「例のって…『あの計画』の事ッスか?」
「その通りです。さぁ、早く戻りましょう…。」
「!!りょ、了解ッス…。(何だったんスか…)」
テツキは、「計画」という単語を聞いた時のヒデナリが一瞬見せた表情に寒気が走った。
「(総帥が…笑ってた…。)」
冷たい笑みを浮かべた彼の表情に…。
―地下倉庫
『あっ…くっ…!!』
『はぁ…はぁ…もう、諦めなさい…はぁ…!!』
一方ディライトは、サソードの高速攻撃を受け過ぎ体力を消耗していた。だが、彼は無意味に受けている訳では無い。
『(あの子の使うクロックアップ、普通の何かと微妙に違う気がする…。まるで「二人分」の速度だ…。)』
幾度もサソードのクロックアップを見極めた彼は、「二人分」の速度だと推測した。現に彼女もスタミナが切れかかっている。反撃するなら今しか無い…。
『生憎、俺の辞書に「諦める」って言葉は無いんでね…。』
『ならそれは不良品って事ですね。クロックアップを使えない貴方に勝ち目は…』
『はは…こりゃ一本取られたね。確かに俺は「クロックアップ」は使えないよ…でもね。』
体制を整えたディライトは、一枚のカードを取り出した。確かにクロックアップは使えないが、それに対応出来る手段が無い訳では無い。
『あまり使いたく無いけど、こいつで行くしかない!!』
【ATTACK-RIDE…SONIC!】
『うっ…!』
ディライトがカードを装填した瞬間、辺りを照す程全身がライトオレンジに光り輝き、サソードはあまりの眩しさに腕で視界を覆った。すると…
『…!!クロックアップ!』
【CLOCK-UP!】
突然ディライトが光を纏いながら超スピードでダッシュしてサソードに向かって来た。それに感付いた彼女はとっさにクロックアップを使い横に回避した。
『これは…!?』
『この「ソニック」は、俺の全体力をスピード力に転換させる力を持ってるんだ。反面、走る度に体力が削られるけど…これで対等に渡り合える!!』
『…何故そんな簡単に能力の種を明かしたんですか…?』
サソードはソニックの能力を全て明かしたディライトに疑問を持った。ソニックは全体力をスピードに変える力、即ちそれが切れればディライトの敗北を意味する…にも拘らず、それを敵にである自分に話した事が理解出来なかった。
『何でかなぁ…君が手の内を晒して戦ってるのに、俺だけ隠すのはずるいなぁ…っと思ったからかな?』
『そんな理由…だけで…?』
『後戦ってて思うんだけど…君の心に迷いを感じたよ。』
『…!!』
『何だか君の戦いは、何処か無理に戦ってる様な気がしてならないんだけど…もし良かったら俺に…『私が使用したのは「クロックデュアル」です…。』って、え?』
サソードはディライトの言葉を遮り、自身が先程使用していたクロックアップを「クロックデュアル」だと言い出した。
『貴方を見てると、隠す気にならなくなった…それだけです。』
『そっか…んじゃ、続き行くよ!!』
『変な人ですね…。行きます…!!クロックデュアル!!』
【CLOCK-UP!】
ディライトとサソードは、ソニックとクロックデュアルを用いながら超スピードの戦いを繰り広げた。時にぶつかり剣を斬り結び、時に離れてまた斬り合うという高速の戦いを何処か楽しげに行なっていた。二人の超速度の突進で辺りの壁が崩壊していった。
『見切りました…!!』
【RIDER-SLASH!】
『ライダー…スラッ…あっ!!』
ディライトの僅かな隙を見切ったサソードは、サソードヤイバーにタキオン粒子を凝縮した斬撃「ライダースラッシュ」を放とうとしたが、長時間のクロックデュアルの多用により足元がぐらつき倒れてしまい、その弾みで変身が解けてしまった。
「あ…足が…!!」
『大丈…!!危ないっ!!』
蠍姫は今の転倒で足を捻ってしまいその場から動けないでいた。その時運が悪く、崩壊した壁の瓦礫が彼女の頭上に落下し出した。
「あっ…くっ…!!ソニックの影響で身体が…!!畜生!!」
闇影もソニックの影響で体力が無くなり、変身が解け動けないでいる。このままみすみす彼女を死なせてしまうのか…と悔しげな顔をしていたその時…
『クロックデュアル!』
【CLOCK-UP!】
黒い影ことダークカブトが、なんとサソードと同じクロックデュアルを使い瓦礫が落下する直前に蠍姫を救い出した。
「あの子と同じ、クロックデュアルを…!?」
「う…うぅ…はっ!!退きなさいダークカブト…!!家族の仇!!」
「何だって!?」
蠍姫はダークカブトから離れ、再びサソードヤイバーを構え彼を「家族の仇」だと言った。その時…
『ウグゥゥッッ!!?ガガッ…!!ウッ…ガアァァァァッッッッ!!!!』
「「!!?」」
ダークカブトは突然苦しみ出し、その身に「ある異変」が起きた。それは、上半身が「カリスの世界」にいた「コーカサスビートルアンデッド」の様な強固な漆黒の鎧に似た姿に、四つの妖しく光る黄色の複眼、背中や肩に鋭い棘が特徴のワーム「ビートルワーム・ジークフリード」へと変貌した。
「ワーム…!!」
『グッ…グガァァ…。』
【CLOCK-UP!】
しかし、直ぐに元のダークカブトに戻り、クロックアップを使いこの場から消え去って行った。
『へぇ…ワームねぇ…。』
『尚更ゲットしねえとな…。』
ディシーフとディスティールは物陰でそう呟きながら、その後を追って行った。
「一体…どういう事なんだ…?」
ダークカブトの正体がワームである知り、困惑する闇影。果たして行方不明のソウタなのか?クロックデュアルとは?そして、彼を「家族の仇 」だと言う蠍姫の真意は…!?謎が謎を呼び深まっていく…。
次回は思わぬ展開が待っています。
好きなレギュラーキャラは?
-
煌闇影/仮面ライダーディライト
-
白石黒深子/スワンオルフェノク
-
赤鏡コウイチ/仮面ライダーリュウガ
-
諸刃ツルギ/仮面ライダーサソード
-
彩盗巡/仮面ライダーディシーフ
-
戴問周/仮面ライダーディスティール
-
白石影魅璃
-
創士傀斗
-
紅蓮