仮面ライダーディライト-世界の光導者-   作:トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜

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最後のダークライダー編!!

今回はアイツがメインです。


第19導 崩壊する黒きクウガ

―お休処・煌星(きらめきぼし)

 

 

「何でこの絵のクウガが消えたり現れたりしてるんだろう…?」

 

闇影は真剣な顔付きで、この「アメイジングクウガの世界」を表わすキャンバスの絵の黒いクウガが点滅するかの如く、現れたり消えたりすると言う奇妙な現象を見て考え込んでいる。

 

「その格好で考え込んでもあまり説得力が無いよ先生。」

 

「…ん?そうか?」

 

「「あぁ。/はい。」」

 

黒深子のツッコミに反応する闇影に、コウイチとツルギも同時に頷く。何故なら闇影が白い登山用の帽子に緑茶色の登山用ジャケットに茶色の登山靴、そして背負ってある大きなリュックサックと「登山家」の格好をしているからだった。

 

「まぁそれは兎も角、登山がてらにクウガを探すよ。」

 

「お前って奴は…。」

 

と、格好をさらっと流し登山しながらクウガを探すと言う闇影の呑気な言葉に頭を項垂れ呆れるコウイチ。そこに一人の女性客が入って来た。

 

「はい、いらっしゃい。」

 

「これを売ってくれ。」

 

「はいどうぞ。ありがとうござ…あら、貴女は…?」

 

商品を渡し客の顔を見た影魅璃は、その客に見覚えがあるかの様な反応をした。それを裏迄聞こえた闇影達が様子を伺い、店の表に現れた。

 

「どうしたんですか?影魅璃さ…えっ…!?」

 

「お母さん、何かあった…の…!?」

 

「う…嘘だろ…!?あんたは…!?」

 

闇影・黒深子・コウイチの三人がその女性客を見ると、信じられないと言わんばかりに驚いた表情をした。それもその筈、その客が…

 

「「ミホさんっ!!?」」

 

「ミホ…!!?」

 

白いキャップ帽を被った茶髪のポニーテールに鋭いツリ目が特徴の、コウイチのいた「リュウガの世界」でこの世を去った羽鳥ミホ/仮面ライダーファムに瓜二つだからである…。

 

「…ん?」

 

「…誰ですか?」

 

 

 

―世界の光導者、ディライト!9つの影の世界を巡り、その瞳は、何を照らす?

 

 

「誰かと間違ってねぇか?オレの名前は才牙(さいが)ソラ。ミホじゃねぇよ。」

 

「え…ミホじゃない…?あっ!良く見たら前髪に黒いメッシュがある…!!」

 

ミホと瓜二つの登山家・ソラの名前を聞きコウイチは、ミホには無かった前髪の黒いメッシュや言葉遣いで、他人の空似だと言う事に気付く。

 

「違うって解ったか?そろそろ店出たいんだけどなオレ。じゃあな。」

 

他人の空似だと理解されたと分かったソラは時間を少し取られた為か、顔を少ししかめながら買った商品をリュックの中に入れると店を後にした。

 

「……。」

 

「ちょっと違う部分があったけど、それ以外は全部ミホさんだったよね…?」

 

「うん…顔だけじゃなく声まで一緒だったわね…。」

 

「あの…そのミホさんってコウイチさんのお知り合いですか?」

 

闇影と黒深子がソラの外見について話していると、ツルギがミホの事について尋ねて来た。

 

「あぁそっか、ツルギちゃんは知らないんだったね。ミホさんって人はね…」

 

闇影は、事情を知らないツルギにミホの事を話した。彼女はコウイチと同じ「リュウガの世界」の住人であり、行方不明になった当時仮面ライダー龍騎だったコウイチを捜す為「ライダーロワイアル」に参加し仮面ライダーファムとなった。その最中に闇影達に出会い、コウイチとも再会出来たのだが、龍騎の肉体を乗っ取ったスフィアミラージュにより若くしてその生涯を閉ざされてしまった事を…。

 

「そんな事があったんですか…。」

 

「ミホさんは私と先生にとっても忘れられない人だったからね…。」

 

「コウイチを除けば最初に会ったライダーだったからね…。」

 

闇影と黒深子の言う様に、ミホはコウイチ…リュウガを除けば二人が「最初に出会ったライダー」である為、彼等にとっても印象に残る人物であり、それ故ソラはミホを強く思い出させる存在であるのだ。すると…

 

「……っ!!」

 

「コウイチ、何処行くんだ?」

 

「俺、ちょっと行って来る!!」

 

「えっ!?ちょっと待て!コウイチ!!」

 

暫く呆然と立っていたコウイチは闇影の制止を余所に、突然駆け出して店を後にした。おそらくあのソラという女性を追いかけに出たのだろう。

 

「やっぱり、さっきの人が気になってたのよね…。」

 

「あぁ…。」

 

 

 

「よっ、そこのお姉さ〜ん♪リュック重たいでしょ〜?俺が持ってやるよ。」

 

「結構だ。それにオレは今まで何度も山登りしてるから平気だ。」

 

「んな冷たい事言うなって。俺等も君と同じ登山家の仲間じゃないか〜♪んで一緒に頂上に着いたら『絶頂に登る』気分に…」

 

二人の若い登山家の男達が、登山中のソラに馴れ馴れしい口調や態度で接する、所謂軟派をしてきた。そして男の一人がソラの肩に手をやり、下まで滑る様に身体をなぞり尻を撫でながら下心を丸出しにしていると…

 

「…ふんっ!!」

 

「ィギャアァァッッ!!!?」

 

当然不快感を感じたソラは、その男の股間に力一杯怒りの蹴りを入れた。大声を上げて倒れた男は、激痛が走る「急所」を押さえながら情けない表情で悶絶していた。

 

「こ、このアマ…!!優しくしてりゃ付け上がりやがっ…!!」

 

もう一人の男は、その行動に激昂してソラを無理矢理襲おうとしたが…

 

「せいっ!!」

 

彼女は突然、近くの太い大木に拳を叩き込むと大木は叩き込まれた部分からポッキリ折れ、ドッスンと大きな音を立てて倒れた。

 

「て…ヒィィッッ!?」

 

「オレをどんな気分にするんだって?」

 

「「すっ!!すいませんっしたぁぁっっ!!」」

 

目以外満面の笑みを浮かべるソラに、男達は彼女の超人的な強さに戦き土下座をしながら蛙の様に跳び跳ねて謝罪しつつ逃げて行った。

 

「ったく…!あんな奴等も登山家だと思うと情けな…「お〜いっ!!」ってまた…!!」

 

今の男達に憤っていた時、コウイチが後ろから自分を追って走って来た。しかし、今最悪のタイミングである事を彼は知らなかった…。

 

「…しつこいんだっ…よぉっ!!」

 

「グィギャアァァァァッッッッ!!!?」

 

先程の男達が戻って来たのだと思い、ソラはさっき以上の怒りを籠めてコウイチの「急所」に蹴りを入れた。当然そんな事を知る由も無い彼は、その激痛に悶絶し倒れる運命に遭ったのだった…。

 

 

 

「す、すまない…。てっきりさっきの奴等かと思ってつい…」

 

「つっ、使い物にならなくなったらどうするんですか〜〜!!(この、思い込んだら直ぐ行動に移す所まで似てるとはなぁ…。)」

 

勘違いで股間を蹴られ涙目で「急所」を擦るコウイチに謝罪するソラ。コウイチは、この猪突猛進な性格までミホに似ていると心中呟いていた。

 

「んで、オレに何か用か?言っとくが万引きなんてしてねぇからな。」

 

「あぁいや、そんなんじゃなくて…!!ちょっとあんたが俺の知り合いに似てるから…気になるっつーか何つーか…ね…。///」

 

ソラに何の用事かを尋ねられたコウイチは、頭を掻きながらミホに似ていて気になる、と少し照れながら言い淀んでいた。しかし…

 

「悪いが軟派だったらお断りだ。じゃあな。」

 

「あっ!!待ってくれ!!」

 

コウイチの言葉が軟派だと思ったソラは、素っ気ない態度でその場を離れた。それに手を伸ばし待つように呼び止めるコウイチに…

 

「…後一つだけ…二度とオレなんかに構うな…。」

 

「…えっ…?それってどういう…ってお〜い!!待ってくれって〜!!」

 

ソラの意味深な忠告に「?」のマークを浮かべるコウイチは、そのまま無言で去って行く彼女を再び追って行った。

 

 

一方闇影達は、クウガの情報収集の為麓街に向かうべく山を降りていた。

 

 

「コウイチの事も気になるけど、俺達の目的はクウガに会う事だ。先ずは麓まで降りてみよう。」

 

「ねぇ…良いの先生?コウイチの事放っておいて。」

 

「ん?あぁ、良いんじゃないか?あいつがそうしたいならあいつの思う様に動いたら良いさ。」

 

「そんな無責任な…。」

 

黒深子はコウイチの行動について闇影に尋ねるが、本人の自由に動けばいいと言う。ツルギの指摘する様に些か無責任な発言をしているが…

 

「…あいつはずっと気にしてるのかもしれないな…ミホさんを守れなかった事を…。だからあのソラさんって人を見て、居ても立ってもいられなかったんだろうね…。」

 

「「……。」」

 

闇影は、コウイチがソラの事を気にかけていたのは単にミホに似ているだけでは無く、スフィアミラージュから彼女を守りきれなかった事を悔いていた為だと、哀しげな表情で語った。それを聞き目を伏せる黒深子とツルギ。その時…

 

『『オォォッッ!!』』

 

『『ゲェアァァッッ!!』』

 

「「「!!!?」」」」

 

黒い全身にボロボロの布を巻いた唸り声を上げる異形の四人は、自身の爪や持っている武器で互いに争っていた。

 

「先生!あれって確か、グロンギ…だよね?」

 

「うん…グロンギに間違い無いんだけど…」

 

黒深子が指摘する様に、あの四人…否、四体の異形はこの世界の怪人「グロンギ」なのだが、闇影は何故か眉をひそめていた。

 

「どういう事だ…!?グロンギ同士が殺し合ってる…!!まさかこれが『ゲゲル』のルールなのか…?」

 

ゲゲル、それはグロンギ達が自分の階級を上げる為に「定めた期間内に設定した数の人間を殺害する」と言う、一種の殺人ゲームである。しかし、彼等は何故か味方同士で殺し合っている為、闇影はそれを疑問に感じていた。

 

『ガギヅサパバギロボザ?(あいつ等は何者だ?)』

 

『ゲゲルゾリサセダ…ボゾザベダ!!(ゲゲルを見られた…殺さねば!!)』

 

グロンギ達は闇影達の存在に気付き、自分達のゲゲルを見られてしまい口封じに始末するべく彼等に襲い掛かってきた。

 

「俺達が危ないかもしれないな…。変身!」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

闇影はグロンギ達の言葉が自分達を襲う物だと悟り、ディライトに変身した。

 

「私も行きます…!変身!」

 

【HENSHIN!】

 

ツルギも戦うべく、何処からかサソードゼクターを呼び出しサソードヤイバーにセットしサソード・マスクドフォームに変身した。

 

『黒深子は安全な所に!!ツルギちゃん、半分は任せるよ!』

 

『分かりました!』

 

『さて、新しい力を使ってみますか!』

 

【SHADOW-RIDE…ANOTHER-AGITO!】

 

ディライトは黒深子に安全な場所に行く様に、サソードMFには二体のグロンギを任す様に指示すると自身の影をアナザーアギトにシャドウライドさせた。

 

『バギ!?ゴセザクウガバ!?(何!?それはクウガか!?)』

 

『またガギゴギ言って…。行くぞ!!ふっ!たぁっ!はいっ!!』

 

『グォッ!?』

 

Sアナザーアギトをクウガだと思い込むグロンギ達を尻目に、ディライトは彼(?)と共に強力なパンチとキックを繰り出した。

 

『やっ!はっ!せいっ!!』

 

『グゥッ…!!』

 

『ヂョグギギボスバ!!(調子に乗るな!!)』

 

一方サソードMFは、サソードヤイバーでグロンギ達を斬り付けて背後まで追いやった。しかしそれに怒ったグロンギの一体が持っている武器で彼女を攻撃しようと突撃したが…

 

『キャストオフ!』

 

【CAST-OFF!】

 

『『グアァァッッ!!』』

 

【CHANGE-SCORPION!】

 

サソードゼクターを操作してキャストオフをし、弾き飛ばしたアーマーを直撃させてライダーフォームとなった。

 

『クロックデュアル!』

 

【CLOCK-UP!】

 

サソードはクロックデュアルを発動し、超スピードでグロンギ達に近付き、そして…

 

『ライダースラッシュ…!!はぁっ!!』

 

【RIDER-SLASH!】

 

『『グアァァァァッッッッ!!!!』』

 

その速度のままダッシュしながらライダースラッシュを発動しグロンギ二体を一気に斬り裂いた。サソードがクロックアップ空間から出た直後、グロンギ達は斜めに斬れて黒い煙を上げ、爆発した。

 

『俺も止めと行きますか!』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…A・A・A・ANOTHER-AGITO!】

 

『はあぁぁ…はぁっっ!!』

 

『『グガアァァァァッッッッ!!!!』』

 

ディライトも止めを刺すべくFARを発動し、Sアナザーアギトと共に緑と黒のアギトの紋章を足元に出してジャンプをし「アサルトキック」を叩き付け、残りの二体を爆発させた。

 

「ふぅ…何とか終わりましたね…。」

 

「うん…でも何でグロンギ達は、味方同士で殺し合ってたんだろう…?」

 

戦いが終わり変身を解除した二人。しかし闇影は、未だに先程のグロンギ達のゲゲルの内容について腑に落ちないでいた。

 

「ともかく、早くクウガの情報を集めに行こ…!!えっ!?」

 

黒深子が闇影とツルギの下へ近付こうとした時、灰色のオーロラが彼女を包み込み別の空間へと移動させた。

 

 

 

「また此処…?って事は…!!」

 

黒深子はこの全ての時間が止まった空間に連れられた事がある為、誰が此処に移動させたか見当が付いていた。その人物とは…

 

「白石黒深子…もう一度だけ言う、ディライトから身を引け…!!さもなくばお前も死ぬぞ…!!」

 

「紅蓮さん…どういう事なの!?どうして先生の邪魔ばかりするの!?」

 

予想通り紅蓮の仕業だった。そして再度闇影から離れる様言い出した。しかし黒深子は、逆に何故何度も闇影の邪魔をするのかを尋ねた。

 

「お前も見ただろう?この世界のグロンギが殺し合っている光景を。本来はこの様な事は決して有り得ない…。それだけじゃない、今までの本来起こり得ない現象がディライトが辿った世界で起きていた。これらは全て奴が現れたせいなんだ。だから…「…して…」?」

 

紅蓮は先程の異質なゲゲルの原因や、今までの世界で起きた変わった現象が闇影が現れたせいだと淡々と語る。再三彼から手を引く様言う紅蓮の言葉に黒深子は…

 

「いい加減にして!!だからって何で全部先生のせいなの!?仮にそれが本当だとしても先生はそれを全部救って来た!!これ以上先生を死神だとか灰塵者とか悪く言うと…!!」

 

激昂し、今まで闇影はそれらの世界の異常を全て救って来たのだと声を荒げて訴え、目を灰色にし顔にオルフェノクの紋章を浮かばせ…

 

『…殺すわよ…!?』

 

スワンオルフェノクに変化し、細剣を紅蓮の首に突き付けて「殺す」と恫喝した。

 

「…ならば勝手に信じるがいい…死んで後悔する時まで…な…。」

 

『まっ、待ちなさいよっ!!』

 

尚も氷の様に冷たい表情の紅蓮は、スワンOの説得を諦め出現した灰色のオーロラを潜りその場から消えて行った。そしてスワンOもそれに包み込まれていった。

 

 

 

「…こ…!!深子…!!…黒深子!!」

 

「はっ!?せ、先生…ツルギちゃん…。」

 

黒深子が気が付くと、自分の肩を必死に揺さぶる闇影とツルギの姿が眼前にあった。いつの間にかあの空間から脱出していたのだ。

 

「大丈夫ですか?」

 

「はぁ…。急に意識が飛んだ様に寝ちゃったからびっくりしたよ…。」

 

「(えっ…?私また眠ってて…!?)う、ううん!?大丈夫。ごめんなさい、びっくりさせて。さっ、早く麓まで降りよ?」

 

二人に心配をかけた事を謝った黒深子は、今の事は話さず麓に降りるべく先頭を歩いた。

 

「(先生は死神でも、灰塵者でもない…!!私、先生の事信じる…!!)」

 

 

 

一方コウイチは、ソラをしつこく追っていたのだが途中で見失ってしまい軽く迷子になってしまっていた。

 

「くそっ…見失っちまったなぁ…。ん?あれは…?」

 

「……♪」

 

コウイチが見た物、それは近くに滝がある川原で水浴びをしているソラだった。しかも一糸纏わぬ姿で…。

 

「(うおおおおっっっっ!!!?まさかのラッキータイム発動!!凄ぇ良い身体してんなぁ…///)」

 

と、物陰からソラの山登りで鍛えられたスタイルの良い肢体をエロい目でこそこそ見るコウイチ。しかし、そんな愚か者に今天罰が下る…。

 

「ん?うわぁぁぁっっ!!雀蜂だっ!!って…うわっわっわっ…!!ああああぁぁぁぁっっっっ!!!」

 

コウイチの眼前に一匹のザビー…ではなく雀蜂が飛び交いそれに驚き仰け反ると、土に突起した石につまづきそのまま倒れて川原まで転がっていった。

 

「痛つつ…ん?これは…?…!!」

 

倒れたコウイチは何故か女性物の下着を握っており、それと同時に背後からただならぬ殺気を感じ、恐る恐る振り向くと…

 

「何をしているのかな?」

 

一糸纏わぬ姿で満面の笑みを浮かべながら仁王立ちをしたソラがいた。片手に大岩を持った状態で…。この事態にコウイチは…

 

「あっ、いや!これはその……洗濯サービスです☆」

 

「んなサービスなんて……いるかぁぁぁぁっっっっ!!!!」

 

「ま!待てっ!!話せば分かっ…!!グヮギャアァァァァッッッッ!!!!」

 

当然そんな言い訳が通じる筈も無く、持っていた大岩を不届き者(コウイチ)に容赦無く降り降ろした。さらばコウイチよ、南無…。

 

「生きとるわっ!!」

 

 

 

「全くしつこい奴だな…お前。」

 

「ずびばぜん…。」

 

惜しくも生きていたコウイチは事情を説明するも、覗きの罰として夕飯のカレーを作らされ顔に包帯を巻きミイラの様な状態でそれを一緒に食べ現在に至る。

 

「んん?このカレー美味いじゃねぇか!」

 

「そっか!そりゃ光栄。」

 

ソラはコウイチの作ったカレーが美味いと正直に褒め、コウイチもそれが嬉しく笑顔で返した。

 

「なぁ…昼間言ってたあれ、『オレになんか構うな』ってどういう意味だ?」

 

「ん?そりゃ、お前の様な変態に近付くなって意味で…」

 

「いやそうじゃなくて、何で『オレなんか』って言ったんだよ?」

 

コウイチは、ソラの「自分なんかに構うな」と言う、何処か彼女自身を自虐的に扱った言葉が気になり尋ねた。するとソラは、少し間を置いて口を開いた…。

 

「もし…もし自分が他人と違う存在だったら…お前はどうする…?」

 

「…えっ…?」

 

急に悲しげな表情で語り掛けるソラの言葉に、コウイチは目を見開いた。

 

「いや…何でもない!!忘れてくれ。それより、お前の話を聞かせてくれ。お前の旅の話や、そのミホって人の話を…。」

 

「お、おぅ…いいぜ。」

 

今の話を忘れる様言ったソラは、コウイチにこれまでの旅の話や、ミホの話をするよう頼んだ。コウイチはそれに応え笑顔で語り出した。それを聞き、笑みを浮かべるソラ。そんな他愛無い楽しい会話は延々と夜まで続いた…。

 

 

―コウイチ…お前は…生きろ…!自分の夢を…本当に叶えたい夢の為に生きるんだ!

 

―私の為…に戦っていたんだな…あ…りがとう…。

 

―ミ…ミホォォォォッッッッ!!!!

 

 

 

「…はっ!!夢か…。何で今更あの夢を…。」

 

コウイチは「あの日」の夢から目を覚まし、寝汗を拭い溜め息をついた。「ミホを守れなかったあの日」の夢を…。

 

「…って、もう朝になったのかよ…。ってあれ?ソラは…?」

 

今の時間が朝だと気付いたコウイチは、辺りを見渡すとソラが近くに建てていた筈のテントと彼女の姿がそこに無かった。

 

「…!!しまった!!どうりでやけに大人しかった訳だ!!」

 

ソラの行動にしてやられたコウイチは、慌てて彼女を探しに走り出した。

 

 

 

「ふぅ…ちょっと気が引けるが何とかあいつから撒いたぜ…。」

 

コウイチから身を離す事に成功したソラは、急ぎ足で山を降りようとした。若干罪悪感を感じるが…。

 

「…オレみたいな奴に彼処まで構う奴はあいつが初めてだったな…。」

 

少し苦笑いをし、旅の話をした時のコウイチの笑顔を思い出し口が少し綻んでいたその時…

 

「!!誰だっ!!」

 

「あら、気付かれちゃったわね♪」

 

「そう恐い顔をしなさんなって。美人が台無しだぜ?」

 

「ソラ〜!!やっと見つけ…巡さんに戴問さん!?何であんた等が此処に?」

 

何らかの気配を感じたソラが険しい顔付きで叫ぶと、木の陰から巡と周が現れた。そこへコウイチも追い付いた。

 

「あら、コウイチ君もいたのね。それはそうと…単刀直入に言うわ。貴女の力を私達に差し出して。…クウガの力を。」

 

「!!ソラが…クウガ…!?」

 

巡達の目的、それはソラの持つクウガの力である。彼女をクウガだと言う巡の言葉にコウイチは驚きを隠せないでいた…。

 

「心配しなさんな。このカードで力を抜き取るだけで命までは取らねぇよ。」

 

「何処で嗅ぎ付けた知らねぇけど、『はいそうですか』と言って渡す程…人間出来ちゃいねぇんだよっ!!」

 

スティールライドのカードをちらつかせて軽口を叩く周に激昂したソラは、腰に中心に黒い「霊石アマダム」が埋め込まれた特殊ベルト「アークル」を出現させ、変身ポーズを取り…

 

「変身!」

 

アークルの両サイドに手を当てると、ソラは両足両手首に金色の装飾品「マイティアンクレット」が装備された黒い鎧とスーツに包まれた、鍬形の様な金色の角をした黒い複眼の戦士「仮面ライダークウガ アメイジングマイティ」に変身した。

 

「本当に…クウガだったのか…!!」

 

「やれやれ…女性相手に力づくってのは気が引けるんだけどな…。」

 

「この世界はもう手遅れなの…だからそうなる前に貴女のクウガの力を頂くわ!!」

 

「手遅れ…?」

 

「「変身!!」」

 

【KAMEN-RIDE…DITHIEF!】

 

【KAMEN-RIDE…DISTEAL!】

 

巡の「この世界が手遅れ」と言う言葉が気になるコウイチを余所に、二人はディシーフとディスティールに変身した。

 

『ここは鍬形バトルと行きましょ♪』

 

【KAMEN-RIDE…GATTACK!】

 

ディシーフはAクウガに対抗する為か、赤い複眼をした青い鍬形の戦士、戦いの神こと「仮面ライダーガタック ライダーフォーム」にカメンライドし…

 

『なら、こいつだな♪』

 

【KAIZIN-RIDE…GIRAFFA-UNDEAD!】

 

ディスティールは「ブレイドの世界」や「カリスの世界」の怪人・鋏の様な双剣を持った、純金の体色のギラファノコギリクワガタを模したダイヤのカテゴリーKの上級アンデッド「ギラファアンデッド」を召喚した。

 

『お前等が何者か知らねぇけど…全部ぶっ飛ばしてやるっ!!』

 

『言葉遣いがなってないわね…。こっちも行くわよ!』

 

DガタックはAクウガの話し方に口出ししながら、ギラファUと共にディシーフドライバーを構えて彼女に向かって行った。

 

『グオォッ!?』

 

『中々やるわね…でも素手じゃあ厳しいんじゃない?せぇぇいっ!!』

 

『うあぁぁっっ!!』

 

向かってくるギラファUの攻撃をかわし、パンチとキックの連撃で背後まで吹っ飛ばしたがDガタックの攻撃まで防げず、ドライバーで斬り付けられからキックを受けて同じく背後まで吹っ飛ばされるAクウガ。

 

『くそっ…!!確かに素手はキツイよな…だったら…超変身!』

 

武器を持つ相手では此方が不利だと感じたAクウガは、地面にある木の棒を掴み身体から黒いエネルギーをスパークさせ、それを青い棒の武器「ライジングドラゴンロッド」に変化させ、青い複眼の「アメイジングドラゴン」へとフォームチェンジした。

 

『これなら…どうだぁぁっっ!!』

 

『グォォッッ!!』

 

『猪突猛進な娘を捻じ伏せるのも悪くないわね…はぁぁっっ!!』

 

ADクウガはライジングドラゴンロッドを片手にグルグル回転させながらギラファUとDガタックの正面へと走り出し、立ち上がったギラファUは双剣を構え、Dガタックもディシーフドライバーを構えて彼女の下へと走り出す。

 

『ガアァァッッ!!』

 

『勢いは良いが…スピードなら…!!ふっ!やっ!はっ!せぃや!!』

 

『ガッ!ギッ!グッ!ゲッ!ゴォッッ!?』

 

『きゃあぁぁっっ!!』

 

互いの武器で攻防繰り広げるが、ADクウガは俊敏力の高さを生かしてギラファUの双剣を弾き、がら空きになった腹にロッドを連続で打ち突け、Dガタックもろともそれを横に勢い良く振り回し、吹き飛ばした。

 

『くっ…!スピードならこっちも負けてないわよ!』

 

【ATTACK-RIDE…CLOCK-UP!】

 

『うあぁぁっっ!!』

 

Dガタックはカードを使い、クロックアップの連続ダッシュ攻撃でADクウガを翻弄した。

 

『だったら超感覚で行くぜっ!超変身!』

 

ADクウガはクロックアップの対抗手段に、Rドラゴンロッドを緑のボウガン「ライジングペガサスボウガン」に変化させ、緑の複眼の「アメイジングペガサス」に超変身し、感覚を研ぎ澄ました。

 

『…見えた!!そこだぁっ!!』

 

『きゃあぁぁっっ!!』

 

『巡ちゃん!!』

 

APクウガは超感覚でDガタックの居場所を特定し、ボウガンの一撃を見舞った。

 

『ペガサスは時間が短いからさっさと変わる!超変身!』

 

アメイジングペガサスは基本四フォーム中一番変身時間が短い為、APクウガは即座にRペガサスボウガンを紫の大剣「ライジングタイタンソード」に変化させ紫の複眼の「アメイジングタイタン」に超変身した。

 

『こっちも武器をチェンジするわ…!!』

 

【ATTACK-RIDE…GATTACK-DOUBLE-CALIBUR!】

 

DガタックはAクウガの連続フォームチェンジによる武器変換に合わせ、ガタックの専用武器である鍬形虫の顎を模した刃が特徴の二本の曲剣「ガタックダブルカリバー」を実体化、装備して走り出しATクウガのRタイタンソードと斬り結んだ。

 

『そのクウガの力、ずっと持ってたら何時か貴女に良くない事が起きるわ…だから降参してその力を私達に譲って。』

 

『そうだ。これは君だけでは無く、この世界の為でもあるんだ。だから…』

 

Dガタックは、斬り結びを行いながらATクウガに降伏する様促す。その口調は、何時もの宝を奪う時の余裕のそれとは違い、何処か真剣な物だった。ディスティールもまた同じ口調で彼女に忠告している。

 

『黙れっ!!何が世界だ、お前等の言う事なんか信じられるかっ!?こうなったらこれで一気に片付けてやるっ!!はあぁぁぁぁっっっっ…!!!!』

 

しかしATクウガは、彼等の言葉を腕をはらって一蹴し元のアメイジングマイティに戻り、凄まじいエネルギーをほど走らせながら右腕を斜めに構えた。周囲に黒いオーラを発生させながら…。

 

『まさかあれは、「究極の闇」に…!?マズイわ!!早くケリを付けないと…!!』

 

Aクウガの行動、それは今の力の十倍、いや本来の力にあたる「究極の闇」の異名を持った形態(フォーム)「アルティメットフォーム」に変化しようとしている。それに気付いたDガタックは不都合なのか、そうはさせじと彼女に向かって走り出した。が…

 

 

「変身!」

 

【SWORD-VENT】

 

コウイチはリュウガに変身し、直ぐ様ドラグバイザーにカードをベントインしドラグセイバーを召喚し、Aクウガの前に立ち、Dガタックのドライバーの攻撃を防いだ。

 

『邪魔しないでコウイチ君!早く彼女を止めないと危険だわ!!』

 

『どうかな…俺からしたらろくに事情を説明せず力を寄越せと言って襲ってくるあんた等の方が危険なんだけどな…!!』

 

【ATTACK-RIDE…LASER!】

 

『うわぁぁっっ!!』

 

『巡ちゃんの…いや、俺様達の邪魔をしてんじゃねぇよ!!おい!!』

 

Dガタックの邪魔をされた事に腹が立ったディスティールは、ディスティールレーザーをリュウガに放った。そして、ギラファUにAクウガの超変身を阻止する様命令する。

 

『グオォォッッ!!』

 

双剣を構えながら突進するギラファUはAクウガの懐にまで行き着くと、その刃が大きく振るわれる。その時、誰も予想がつかない事態が起きた…。

 

 

『!!なっ!!何だっ!?アマダムに罅が…!?』

 

アークルの中心にあるアマダムが、突然罅が入り出した。そして…

 

『『『『『!!!!?』』』』』

 

『う、嘘だろっ…!?アークルが壊れるなんて…!?』

 

リュウガの言う様に、アマダムが割れてアークルにも罅が入り完全に砕ける様に壊れてしまったのだ…。そしてそのまま変身が解除された。

 

「だっ…駄目…!!こ、こ、こ…壊れちまったらオレは…オレは…!!」

 

『危ない!!ソラ!!』

 

ギラファUの剣がソラの頭に振り下ろされ、もう回避不可能な所まで接近してきた上に、動揺している為リュウガの叫び声が届かないでいる。絶体絶命の時、彼女に異変が…!!

 

 

「ウオアァァァァッッッッ!!!!」

 

『ウギャアァァァァァッッッッ!!!!』

 

突然ソラの全身からドス黒い強力なエネルギーが爆発する様にほど走り、ギラファUを一瞬で消滅させてしまう。しかし、これで終わりでは無い…。

 

『何だ!?ソラの身体が…!?』

 

解かれた長い髪を靡かせながら、肌が黒に近い褐色になり、瞳が血の様に赤くなり目元に隈取りが現れ、爪も鋭くなり、頭に悪魔の様な角が生える等、人間とは異なった姿へと変貌するソラ。

 

「お〜いっ!!大丈夫ですかっ!?…って、コウイチ!巡!周!?お前達何で此処に…!?」

 

「ちょっと先生!あれって…!?」

 

「何なんですか…あれは…!?」

 

『あれは…本当にソラなのか…!?』

 

騒ぎを聞き付け現れた闇影・黒深子・ツルギは、今起きている現象を見てただ驚く事しか出来ず、リュウガもそれに答える余裕等全く無かった。

 

『やっぱり起きてしまったのね…「ハーフグロンギ」の力の暴走が…!!』

 

『ハーフ…グロンギ…!?』

 

 

 

―お休み処・煌星

 

 

「あら?クウガさんの絵が消えちゃった…?」

 

この世界を表すキャンバスの絵のAクウガは、影魅璃の言う様に消えて無くなってしまった。

 

 

 

「おのれディライトめ…!!この世界のクウガを焼き尽くしてしまうとは…!!」

 

上空から彼等を見下ろす紅蓮は、歯軋りをして闇影を睨み付け罵倒した。

Dガタックの言う「ハーフグロンギ」とは!?そして壊れてしまったクウガの力は!?果たして闇影達は、この世界の危機をどう光へ導くのか!?




てな訳で、アメイジングクウガはファム=ミホと瓜二つの女性ライダーでした!!

次回がダークライダー編最終回!!その結末は…!!

好きなレギュラーキャラは?

  • 煌闇影/仮面ライダーディライト
  • 白石黒深子/スワンオルフェノク
  • 赤鏡コウイチ/仮面ライダーリュウガ
  • 諸刃ツルギ/仮面ライダーサソード
  • 彩盗巡/仮面ライダーディシーフ
  • 戴問周/仮面ライダーディスティール
  • 白石影魅璃
  • 創士傀斗
  • 紅蓮
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