仮面ライダーディライト-世界の光導者- 作:トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜
第21導 ディライト・ビギンズライト~眩き出会い~
これまでの仮面ライダーディライトは…
―地球が、世界が闇に染まっている…。
―ディライト。貴方には9つの影の世界を救う旅に出てもらいます。貴方にしか出来ないんです。『闇を操る光の戦士』である貴方にしか…。
野上良太郎が語る、全世界で人間が異形の姿に変わる恐ろしい現象…。
―世界が闇に支配されるなら…俺が光へ導いてやる!
それを救う為に9つの影の世界を旅する決意をした煌闇影こと、仮面ライダーディライト…。
―これは、私にしか出来ない事を探す旅なの…。
―言っただろ?大切な人を守る旅に出るって。
―私を…貴方達の旅に連れて行って下さい!
その旅の道中に新たな仲間を加え、数々の世界を光へ導いていった。そして…
―久しぶりね、闇影君。
―この世界の宝は、俺様達が戴くから邪魔すんなよな。
彼の過去を知る彩盗巡と戴問周こと、ディシーフとディスティール…。
彼等の介入等紆余曲折もあり、遂に9つの影の世界を全て光へ導いた…。
―ウククク……おめでとう闇影。いや、「緋眼の死神」…。
―ディライト……貴様は全ての世界に在ってはならない存在…。
ディライトとは一体何者なのか?全てを焼き尽くす灰塵者なのか?それとも…?
―お節介教師な仮面ライダーだ!!宜しく!!
―白石家
「…で、ここでこの公式を使うと…っとなるんだ。」
「うん…うん…!!出来た!!」
あれから9つの影の世界を旅が終わって数日経つが、未だに何の変化も無く暇を持て余している闇影は今、黒深子に勉強の師事をしている。但し、彼女が解いている問題は大学レベルの物だった。
元々黒深子は成績が優秀である為通常の高校の問題は全て解く事が出来、「それなら大学の勉強でもしないか」と言う闇影の提案に賛成し現在に至る。 そして、彼から話を聞く黒深子はそれをゆっくり解いていき問題を全て終わらせた。
「どれどれ、うん…うむ…全部正解だよ!凄いじゃないか黒深子!!今日教えたばかりの問題が全部出来てるよ。」
「先生の教え方が上手かっただけだよ。////」
問題の採点を終えた闇影は、それが全問正解だった為黒深子の飲み込みの速さを賞賛した。彼女は彼の教え方が上手いだけだと謙遜するが闇影は首を横に小さく振り…
「俺はあくまで基礎を教えただけさ。それを上手く応用出来たのは君の実力だよ。」
「先生…。///」
と、にこやかに彼女自身の実力だと言う。
「お〜い、イチャついてるとこに水を差して悪いんだが俺等が居んのを忘れんなよ。」
「……。///」
「なっ!///何言ってるんだコウイチ!?別にイチャついてなんか…!!///」
そこにコウイチの声が耳に入り、そちらに視界を移した闇影は顔を赤くして否定し、ツルギも何故か顔を赤くしている。…ここで黒深子が少しムッとしたのは秘密の話。
「まっ、良いけどよ。にしても黒深子ちゃん、ホント凄ぇよな。俺なんか聞いてもさっぱり分かんねぇし。」
「本当ですね。私も勉強を習いたいです…。」
「なら今度見てあげるよ。…コウイチはどうする?」
ツルギの言葉を聞き今度彼女の勉強を見る事を約束した闇影。コウイチにも参加をするかを少し意地悪な笑みで尋ねたが「いや、いい。」と断られた。
「先生ってホント何でも出来るんだねぇ…戦いも強いし料理も上手いし頭も良いし、何よりとても優しい!ねぇ、先生は誰から勉強を習ったの?」
知性も高く、腕も器用で容姿も優れておりライダーとしても強い闇影を、正に「完璧超人」だと賞賛する黒深子。そんな完璧超人に誰からそれ程の実力を教え込まれたのかを尋ねた。
「…俺の両親が学者だったからその下で育っただけだよ。…もういないけどね。」
「「「!!!?」」」
闇影は黒深子の質問に少し悲しい表情をして語った。彼の両親は当に亡くなっていたのだった。
「ごっ、ごめんなさい!!嫌な事思い出させちゃって!!」
「いや、大丈夫だよ。」
自分の軽はずみな質問のせいで闇影に両親の死を思い出させてしまった事を深く詫びる黒深子。しかし彼は首を横に振り大丈夫だと言う。
「なっ、なら質問を変えてよぉ!お前、何処でディライトの力を手に入れたんだ?」
重い空気が流れそうになり、何とか話題を切り換えようとするコウイチは別の質問をし、闇影が何処でディライトの力を得たのかを尋ねた。
「…この力は『ある人』が封印を施した事で生まれた物なんだ…。」
「えっ?」
「…悪い。あまり具合が良くないから少し昼寝でもしてくる…。」
ディライトドライバーを取り出してそう呟く様に話す闇影は、またも浮かない表情をして質問には完全に答えず、昼寝をすると言って部屋を後にした。
「…もしかしてこれも余計な事だった?」
「…みたいですね…。」
「でも先生ってあまり自分の事を話したりしないわね…。」
またしても重い空気になり、気まずい表情をするコウイチ。それを少し呆れた目で見るツルギ。黒深子は自分の過去を話そうとしない闇影を心配している。「封印を施して生まれた」ディライトの力とは何なのか、それを頭の中で考えていると…
「話せない程ヘビーな過去だからよ。」
「やっぱまだ話してなかったんだな…。」
「「「!!!?」」」
三人が驚き振り向くと、居ない筈の巡と周の姿がそこにあった。テーブルに座り上に赤い何かを乗せたプリンを食べながら…。
「巡さん、戴問さん。いつの間に!?って言うか人の家のプリンを食べないで下さい!」
「まぁ、それは気にしないで♪彼が話さないのなら私達が話してあげるわ。闇影君の過去を…。」
「気にします!…って、えっ!?」
「まっ、野郎の口から言うのが普通なんだが…何れは知らねぇとヤバイ事態になった時の事も考えねぇとな。」
「先生の…過去…。」
と、何やら意味深な言葉を口にしながらも巡と周は、黒深子達に闇影の過去についてを語り出す…。
―闇影の部屋
「…俺は…人から思われる程立派な人間じゃない…。だって…七年前の『あの時』の俺は…。」
ベッドでうつ伏せになった闇影も、自身の過去について思い返し始めた…。
―世界の光導者、ディライト!9つの影の世界を巡り終え、その瞳は、何を照らす?
―七年前
『ギャアァァッッ!!』
『なっ、何なんだこいつ!?たった一人で…ウッ、ウギャアァァッッ!!』
『……。』
とある世界――空が暗く、荒れ果てた荒野で、一体の怪人は同胞を倒した「何者」かを見て愕然としていると、直ぐ様その者からの攻撃を受けて爆死した。
『…これでこの世界の怪人は全て死んだか…。』
腰の紫色のカメラ型のバックルに、全身が闇を思わせる紫のスーツに刺さった、闇を思わせる黒いプレート、そして憎悪の炎を思わせる禍々しい赤き複眼が特徴の「世界の灰塵者」の称号を持ちし戦士「仮面ライダーディシェイド」は先程倒した怪人の死骸を、氷の様に冷たく見下した。周囲には彼が抹殺した怪人達の惨たらしい首、腕、足、目玉や肉片があちこちに飛散し、その下は赤く濁った血で染まっていた…。そして、先程倒した怪人でこの世界の怪人は全て死滅した様だ。
「おぉ、あんたがこいつ等を全部退治してくれたのか…。ありがとうございます。あの連中には儂を初め、ここの者達は家族を奴等に殺され残った儂等もどうしたらいいのか困っていた時にあんたがそ奴等を退治してくれた。これは…神の救いだ。」
そこに岩陰に隠れていた一人の傷付いた老人の男性が現れ、彼だけではなく十数人の女子供や老人も顔を出した。どうやら彼等は、先程ディシェイドが倒した怪人達により家族を殺され、大切な物も良い様に蹂躙されていた為、それ等を倒したディシェイドを「神の救い」だと崇めた。
『……。』
ディシェイドは無言でその老人に近付いた。これを見た者は、心身共に傷付いた老人に「もう大丈夫ですよ。」と救いの手を差し伸べる物だと思うだろう。が…
『――何勘違いしてるんだ?』
「あぐっ!!?なっ!何故…!!?」
それは見事に裏切られ、ディシェイドは紫色の四角いカードホルダー型の剣「シェイドブッカー・ソードモード」で老人の心臓を突き刺した。老人は突然の裏切りに戸惑う暇も無く倒れ、絶命した。
『俺の目的はこの世界を焼き尽くす事…。あの屑共がこの世界を人間を殆ど殺したのを見計らい始末し…』
ディシェイドの目的、それはこの世界その物を焼き尽くす事であり、怪人達が人口の殆どを抹殺し数少なくなった所で倒す…。そこまで淡々と語りながらシェイドブッカーの刃に手を滑らせると…
『残った人間は全て俺が始末する…。悪く思うなよ。』
「ヒッ!!ヒィィッッ…た、助け…ギャッ!!」
「あんたは人間じゃない…人の皮を被った悪魔だ!!ギャァッ!!」
「この子だけは…この子だけは助け…キャアァァッッ!!」
「ママーッ!!」
再び構えて、生き残った人々を躊躇い無く斬り殺し、時にはガンモードで撃ち殺していった。命を乞う叫び声、ディシェイドを悪魔だと言う罵倒する言葉、親を殺され悲しみ泣き叫ぶ幼子…そんな彼等の血飛沫や飛散する肉片を見ても、恐怖の叫びを聞いても尚、ディシェイドは一切無言だった。
『安心しろ…痛みを感じる間も無く消してやる…。』
【ATTACK-RIDE…TIME!】
そう言うとディシェイドは、ドライバーに「仮面ライダーブレイド」のアタックライド「スカラベタイム」を発動し自分以外の全ての時間を停止させ、逃げ惑う人々の動きを止めた。更に…
『全て…焼き尽くす…!!』
【FINAL-ATTACK-RIDE…ZO・ZO・ZO・ZOLDA!】
何と「仮面ライダーゾルダ」のFARを発動した。すると、彼の頭上から緑色のミノタウロスと二足歩行ロボットを合わせた契約モンスター「マグナギガ」が舞い降りた。そしてマグナギガの背中にシェイドブッカー・ガンモードをセットし引き金(トリガー)を引くと…。
『エンドオブワールド…。』
ゾルダのFAR「エンドオブワールド」が発動され、マグナギガの全身から無数のミサイルやレーザーが放たれ、当然タイムの力で身動きが取れない人々は虐殺される運命に終わった…。
『これで「任務完了」だな…。』
全てが燃え盛り、後は焼き尽くされるだけの世界をディシェイドが後にしようとした時…
「ねぇ…ぱぱとままは、どこ?えほんをよんでほしいのに…。」
そこにまだ生き残っていた小さな一人の少女が両親が何処にいるのかを彼に尋ねた。その両親を殺した張本人だと気付かずに…。ディシェイドは彼女に近付き…
『安心しろ…直ぐ会わせてやる。』
そう言った瞬間、少女の意識はそこで途切れた…。何故なら、彼女の脳天に銃撃により貫かれたからである…。すると、灰色のオーロラが現れディシェイドがそれを潜った瞬間、この世界は完全に消滅した…。
―とある基地
「任務は完了した…。」
―ご苦労、ディシェイド。いや、煌闇影君。「緋眼の死神」…。
真っ黒な長い階段の下でポケットに手を突っ込む黒いフード付きのローブを着込み、両目を赤く輝かせた金色の長い髪をポニーテール状にし、右耳に金色の太陽の形をしたピアスをした青年―仮面ライダーディシェイドこと煌闇影は、冷たい表情で階段の上にいる謎の人物に任務完了の報告をした。
「……。」
―これまでの君の仕事ぶりには目に余るよ。三年前にこの『ダークショッカー』に入り、その僅か一年後に君は幹部にまで登り詰めた…。それからは私の指示通りに仕事をこなしていきとても助かるよ。
「下らん話はいい…。それより忘れてはいないな?俺の望みを…」
―勿論だとも。君が「とある目的」の為にここの技術研究施設の技術長になり施設を好きに使う事を…その見返りに私が指示した世界を破壊する…という事をね。
闇影がこの「ダークショッカー」に所属し幹部になった理由、それは「ある目的」の為にここの研究施設を使用する事であり、条件として指示された世界を破壊する事である。
「そろそろいいか?俺はまた研究に入りたいんだがな。」
―構わんよ。もう下がって良い。ああ、それと一つだけ。今日から君に部下を二人つく事になるから宜しく頼む。
闇影が研究の為この場から立ち去ろうと踵を返した時、階段の上にいる謎の人物から自分の下に部下が付くという話を聞くが、まるで興味は無くその場を後にした。
―研究室
「こいつにはこの細胞が適合するな…。ならこれで…」
広い空間の周囲に、怪人や人間が入ったガラス張りの培養カプセルが無数にあり、闇影はその中心の手術室にある様な台の上に寝かせてある実験体らしき「者」に、何かしらの措置を施している。
「闇影様、貴方に用事があるとの事で…」
「ちっ…!!」
そこに一人の研究員が現れ、闇影に用事がある者が尋ねて来た様だった。恐らく先程言っていた自分の部下の事だろう。そう思った闇影は舌打ちをしながらその部下に会いに行った。
「お目にかかれれて光栄です。私、彩盗巡と申します。」
「戴問周…。んだよ、カワイコちゃんだと思ったら野郎かよ…。」
銀髪のショートヘアにボディラインがくっきり見える黒タイツの大人びた少女・巡とウェーブの黒髪の後ろ髪の一部をくくった同じ黒タイツの少年・周が挨拶に来たが、闇影は…
「ふん、貴様達に頼める仕事等無い。用が済んだらさっさと消えろ。」
と冷淡な態度で応対し、研究室を出る様吐き捨てた。
「随分冷血な上司様で。うっひゃ〜…凄ぇなこれ…お!一番奧に美少女の裸ハッケ〜ン!!」
「何…!?」
「ど〜れ。もうちょい下の方から覗いて…うおっ!?」
闇影の言葉を無視した二人は研究室の周囲を見て回った。そこで周は、一番奧にある中に長い髪をした全裸の少女が入った培養カプセルを見つけよく見る為にカプセルに触れようとした時…
「そいつに触るな、ゴミが…!!」
シェイドブッカー・ガンモードの銃撃が周の頬をかすった。背後から撃った闇影は殺意の籠った表情で睨んでいた。
「…の野郎…いい気になってんじゃね…ガボッ!?」
当然それに頭に来た周は、闇影をぶん殴ろうとズカズカ近付こうとしたが、巡が周の頭に思い切り拳骨を喰らわせた。
「申し訳ありません…。彼の無礼はこれでお許し願えますか?」
そして闇影に、周の行動を許す様詫び跪いた。
「ちっ、さっさと消えろ…目障りだ。」
「ありがとうございます。行くわよ、周。失礼致しました。」
「ケッ…!!」
それを聞いた巡は、苛ついてる周と共に研究室を後にした。
「くそ、あの野郎…俺様の顔に傷を付けやがって…!!巡ちゃんも何であんな野郎なんかに頭下げたんだよ!!」
かすった頬に手をやり闇影の尊大な態度に憤る周は、巡に何故彼に頭を下げたのかを尋ねた。すると巡は胸元から黒い小型の機械を取り出し小さく笑う…。
「ふふ、良いのよこれで♪あの子の身体に盗聴器を忍ばせておいたわ。これで何処に『アレ』があるか分かる筈…。」
「いつの間に…。」
巡が闇影に近付いた、いや、二人がそもそもこのダークショッカーに潜り込んだのは「ある物」を手に入る為だったのだ。それには幹部である闇影に近付き、盗聴器を付けて彼の言葉からそれが何処にあるのかを知る必要があった。
「さて、様子は…」
巡が盗聴器に耳を当てると…
―研究室
「すまない――。大丈夫か?あんな奴に触られるなんて嫌なんだよな?俺があいつ等を此処に入れたのが間違ってたんだ。本当に、すまない…。」
闇影は先程の少女が入ったカプセルに手をやり、周の行動について何度も謝っている。先程までの冷たい表情とはうって変わり呪詛の如く少女に謝り続けていた。
「もう少しだけ待っててくれ――…必ずお前を――から…。くくく…。」
闇影はカプセルに手に当てる力を増して、左耳に銀色の月のピアスを付けた少女に語りかける。赤い目をドロッと濁らせて、口を三日月の様に妖しい笑みを浮かべて笑っていた…。
「……!!」
その時、設置してあるパソコンからアラームが鳴り出し、それに目をやる闇影。
「ちっ、また任務か…。少し待っててくれるか?直ぐ戻ってくるからな。」
パソコンからの内容、それは新しい任務を知らせる物だった。舌打ちした闇影はカプセルの少女に任務に出る事を告げて、研究室を後にした。
「今の話…本気で言ってるのかしら?」
「だとしたら相当イカれてるぜ…あいつ。」
盗聴器で今の話を聞いた巡と周は、闇影の目的を知り愕然としていた。
―とある世界の荒野
「…この世界も大分人が減っているようだな…。まぁ俺にはそんな事はどうでもいい…早く片付けるか…。」
灰色のオーロラから現れた闇影は、この世界の人間が減っている事を「どうでもいい」と一蹴する。いや、それだけではない…自分自身の目的以外の全て無関心であった。そう思いながら歩いていると…
「ん?あれは…。」
『グガガガ!!人間の「肉」ってのはいつ喰っても美味ぇな…。』
『あぁ…ホントだな兄貴。ギギギギ…!!』
そこには、通常のそれより身長が一回り大きく体格の良い二体の魔化魍、「兄貴」と呼ばれた金色の身体に黒い角を生やした「金角」と同じ身体に角を生やしているが、此方は体色が銀色で眼が一つだけである「銀角」は、人間の頭を鷲掴みにしてそれを思い切り楫っていた。その傍らに数十体の死骸が転がっている事から、この世界の人々は奴等によってほぼ殺害された様である…。
「おい、そこのデカブツ二匹。最後の晩餐は済んだか?」
そこへ颯爽と近付いた闇影は、金角と銀角に喧嘩を売る様な口調で話し掛けた。無論、餌だと思っている人間如きにそんな口を叩かれて只で済ます程、この魔化魍は甘くない。
『あぁ?何だそこの人間(エサ)…。』
『俺様達最強の魔化魍である「金銀角兄弟」にんな口利くってこたぁ、自殺志願者か?』
「違うな…俺は貴様等を始末しに現れたんだ…。この世界の人間を全て始末してくれた貴様等をな…!」
闇影は、目を赤く光らせて無表情な顔のまま紫色のカメラ型のアイテム「ディシェイドライバー」を腰に当てるとそこからベルトが伸びて巻き付いた。そして…
「変身…。」
【KAMEN-RIDE…DISHADE!】
紫色のライダーが描かれたカードをドライバーに装填すると、闇影はディシェイドに変身した。
『俺の眼に映った者は…全て、焼き尽くす…!!』
『ほざいてんじゃねぇ!!人間風情…!!』
ディシェイドの挑発らしき台詞に頭に来た金角はその巨大な右腕をハンマーの様に降り降ろし彼を叩き潰した…
『がっ…!?ギィヤァァァァッッッッ!!!!』
『あ、兄貴!?』
…筈がそれより前にディシェイドは、シェイドブッカー・ソードモードで一瞬で彼の右腕を撥ね飛ばした。あまりの激痛に斬られた部分から血を流しながら悲鳴をあげる金角。
『……!!』
『アッギャアァァッッ!!?ガッ!!グゥッ!!ゲェアァァッッ!!』
『このクソ人間…!!只で済むと思っ…!!』
ディシェイドは無言のまま、シェイドブッカーで金角を幾度も斬り付けて圧倒していく。銀角は、背後から両腕を降り降ろしディシェイドを叩き殺そうとしたが…
『……ッ!!』
『ィギャアァァッッ!!?うっ、腕がぁぁっっ!!?』
僅かに背後を向き、銀角の両腕を一瞬で斬り落とした。そして再び金角の方に目をやり…
『鬼にはこいつで止めを刺すか…。』
【FINAL-ATTACK-RIDE…DE・DE・DE・DEN-O!】
『エクストリームスラッシュ…ふっ!!』
『ギィヤァァァァッッッ!!!!』
ディシェイドは、金角の外見が「鬼」に見えると言いながら「仮面ライダー電王」のFARを発動し、ソードフォームの必殺技「エクストリームスラッシュ」を使い、刀身に赤いフリーエネルギーを籠めたシェイドブッカーを振り上げて金角に斬り付けて爆発させた。
『あっ、兄貴!!ヒッ…ヒィィィィッッッッ!!!!たっ、助けてく…!!』
「最強の魔化魍」だと自負していた自分達が目の前の、それも餌だと見下していた筈の人間によってあっさり兄・金角を倒された事に恐怖した銀角は、ディシェイドから逃げ出そうとしたが…
【ATTACK-RIDE…CLOCK-UP!】
『尻尾を巻いて逃げるのが「最強の魔化魍」だとはな…化物の命乞い程見苦しい物は無い…。』
『れっ!?ヒッ…!?ヒギャアァァッッ!!?』
ディシェイドは「カブトの世界」のライダー達が共通して持つ超加速システム「クロックアップ」を使い、銀角の横に瞬時に現れ顔面を殴打した。
『た、頼む!!も、もう人を喰ったりはしねぇから、い、命だけは見逃してく…!!』
倒れた銀角は、ディシェイドに命を助ける様懇願、命乞いをした。しかし…
『…れぁっ!!?』
『言った筈だ…俺のこの眼に映った奴は必ず焼き尽くすと…。』
【ATTACK-RIDE…ONIBI!】
シェイドブッカー・ソードモードで首を撥ね飛ばし、分かれた身体と頭に彼等魔化魍を討伐する戦鬼「仮面ライダー響鬼」の「鬼火」を発動し、掌から紫色の炎を放って消炭にした…。
彼の眼に映った者は、絶対の死を約束される…。それがディシェイド(闇影)が「緋眼の死神」だと謳われるが所以だった…。
「命乞いしてる奴を躊躇い無く殺すなんて…容赦無いねぇ…青年。」
『!!?』
そこへディシェイドの無慈悲なやり方を飄々とした口調で指摘する、銀色がかった柔らかく尖った白髪に左目に掛かった黒い眼帯、下は黒ズボンの、銀色の着流しの上に茶色のジャケットを着込んだ三十台前半の男性が現れた。
「まっ、仏さんがとんでもない人喰いだった事を踏まえればどっちもどっちなんだけどねぇ…。」
『誰だ貴様は…?』
「成程…お前が『あいつ』の言ってたディシェイドか。」
『何故、俺の名を知っている…!?』
謎の男は、頭をポリポリ掻きながら彼がディシェイドだと口にした。ディシェイドは彼が自分の名を知っている事に驚きながら睨み付ける。
「凄まじい邪気と殺気を感じるねぇ…ここは少し『稽古』をつけてやるか…。」
ディシェイドの尋常でない邪気と殺気を感じ取った男は、彼に「稽古」をつけると言いながら懐から全身が銀色の音叉を取り出した。
『それは…音角!!まさか貴様…!?』
「そう言やぁ、自己紹介がまだだったな。俺の名はマバユキ、お節介な鬼のおじさんさ…青年。」
謎の男・マバユキは、尚も飄々とした口調で自己紹介をし音角を指で弾いてそれを額に近付けると、そこに鬼の紋章を浮かべて全身が銀色の炎に包まれ…
『眩鬼(まばゆき)…推参!!…ってね。』
腕を振り払うと炎は止み、マバユキは外見は装甲響鬼に酷似しているが、体色が銀色で、のっぺりした複眼は黒では無く、空の様に澄んだ青が特徴の戦鬼「仮面ライダー眩鬼」へと変化した…。
『眩鬼…だと…!?』
『さて、眩い道へと導きますか!!』
『その前に貴様を死に導くまでだ…!!』
『おっ!ふっ!よっ…と!!』
ディシェイドはシェイドブッカー・ソードモードで眩鬼に斬り掛かって行く。しかし、最小限の動きだけでそれをかわされた。
『この…ちょこまかと!!』
攻撃を回避され苛つくディシェイドはガンモードに切り替えて眩鬼に連射するが…
『あらよっと!!』
身体をバレエ選手の様に、後ろに大きく反らして銃撃を全て回避した。
『勢いだけで斬れる程戦いは甘くないよ。』
『黙れ!!ならばこいつで…!』
【FINAL-KAIZIN-RIDE…O・O・O・ORPHNOCH!】
ディシェイドがドライバーにカードを装填すると、仮面に何らかのの紋章を浮かせてその身を死から蘇りし灰色の不死王「アークオルフェノク」にFKRした。
『あらら…怪物になるとはね…。』
『減らず口はそこまでだ…!!』
DアークOは、未だに軽い口調を叩く眩鬼に向けて掌から青白いレーザーを放ち、彼の身体を硬化させようとするが…
『ならこっちも「変身」しちゃおうか…変化、凍鬼!』
両手で印を結んでそう叫び、全身が吹雪に包まれると眩鬼の姿は、白熊を模した戦鬼「仮面ライダー凍鬼」の姿に変化した。但し、何故か全身が銀色である。そして、身体から冷気を放つとレーザーは逆に凍結、粉砕してしまう。
『何!?貴様!何故他の鬼の姿になり力を使える…!?』
『凍鬼だけじゃないぜ…変化、羽撃鬼!』
DアークOは、眩鬼に何故他の音撃戦士に変身する能力を持つのかを尋ねた。しかし、M凍鬼はそれに答えず再び印を結び、今度は鷹をイメージした戦鬼「仮面ライダー羽撃鬼」に変化した。またしても全身が銀色である。
『トビマストビマス!!ってね♪これなら攻撃は届かない。さて、どうする?』
M羽撃鬼は変化した直後に翼を広げて空を飛び、DアークOにどう対処するのかを学校の授業の様に問い掛ける。
『…ふざけるなっ!!』
【KAIZIN-RIDE…GOLDPHOENIX!】
当然それに神経を逆撫でしたDアークOが再びカードを装填すると、「仮面ライダーオーディン」の契約モンスターである黄金の鳳凰「ゴルトフェニックス」にカイジンライドし、同じく空を飛びM羽撃鬼に襲い掛かった。
『グィアァァッッ!!』
『…せいっ!!』
DゴルトフェニックスとM羽撃鬼は、空中で互いに交差するかの様に激突してはまた近付いては激突する…を繰り返している。
『チィィッ…!!』
このままでは埒があかないと判断したDゴルトフェニックスは降下してディシェイドに戻り、M羽撃鬼も地上に降下して眩鬼に戻った。
『どうした青年。もう終わりか?』
『…っ!!舐めるなっ!!』
【FINAL-KAIZIN-RIDE…I・I・I・IMAGIN!】
徐々に冷静さを失うディシェイドは、全身が砂に包まれると死神からイメージされた灰色のイマジン「デスイマジン」にFKRした。
『こいつになったからには…貴様を確実に殺す!!ウオォォッッ!!』
どうやらディシェイドがこのイマジンにFKRするのは、本気でその相手を抹殺すると決めた時のみの様である…。DデスIは灰色の大鎌を実体化させ、それを振り回しながら眩鬼に向かって行く。が…
『うおっと!!』
『何だとっ!?』
何と眩鬼は、降り降ろされた大鎌を片手で受け止めた。
『お〜やおや?それで全力かい?青年。』
『何なんだ…この男…!?』
その状態で尚も飄々とした口調で話す眩鬼。DデスIは、彼の未知なる力に戸惑いを感じていた。すると…
『なぁ青年、そんな風に力を振り回して人を殺して虚しく無いか?』
『……!!』
『お前が何の目的でこの力で沢山の人間を殺し、世界を焼き尽くしたのかは知らない。だがそんな事をしてもお前の望みは叶わない…。』
突然眩鬼は、DデスIに彼自身の行動が虚しく無いのかを尋ねる。しかも何故か彼が人間を大量に虐殺し、世界を焼き尽くした事実を知っているかの様な口振りだった。
『何で知ってるのか…?って顔してるな?顔見えないけど。お前の攻撃からは虚しさと何かに固執している気持ちが凄く伝わるんだよな。俺は結構そう言うのには敏感なんでね。』
何と眩鬼は、ディシェイド…闇影の心情を彼からの攻撃を通して知ったのだと言う。これまでディシェイドの攻撃を避け防戦一辺だったのは、彼の心を知る為だった。
『もし悩んでいるのなら、俺が…『…が…る…』ん?』
『貴様に…貴様なんかに何が解る…!!家族を…世界を何もかも全て失った奴の気持ちがぁぁっっ!!』
『何っ…!!ぐあっ!?』
眩鬼からの言葉を聞き、激昂するDデスI。何と彼は、自身の世界を失った過去を持っていた。そして彼を蹴飛ばし距離を取りディシェイドの姿に戻る。
『うあぁぁぁぁっっっっ!!!!』
【FINAL-ATTACK-RIDE…DI・DI・DI・DISHADE!】
完全に感情的になったディシェイドは、自身のFARを発動した。しかし…
『なっ!!何だこれはっ!!?』
ドライバーから凄まじい電撃エネルギーを纏った黒いオーラが湧き上がり、それは周囲一体を覆い出した。
「何だありゃ…!?」
「あれが彼の力なのね…。尤も、完全に制御出来てないけどね。」
ディシェイドと眩鬼のいる岩場から遠く離れた場所で傍観する巡と周。ディシェイドの強大な力を目にして息を呑む周だが、巡はまだ制御しきれていない物だと冷静に語る。
『止すんだ青年!この力を早く止めるんだっ!!』
『黙れぇぇっっ!!俺は…俺はっ…!!』
眩鬼はディシェイドにFARの力を止めるよう強く呼び掛けるが、それに耳を貸さないディシェイド。その時、彼の足下に亀裂が入り…
『!!うっ、うわあぁぁぁぁっっっっ!!!!』
『青年!!』
足場が自分自身の力により瓦解し、ディシェイドはそのまま真っ逆さまに落下して行く…。
ディシェイドとは?謎の人物・マバユキとは何者なのか?ダークショッカーとは?そして、闇影の「ある目的」とは何なのか?
闇(闇影)と光(マバユキ)が出会う時、何が起きるのか…今、その真実が明らかになる…。
今の闇影と昔の闇影の性格が全く違う事に驚く方が何人いる事やら…。
マバユキの性格はヒビキさんをイメージした物です。
好きなレギュラーキャラは?
-
煌闇影/仮面ライダーディライト
-
白石黒深子/スワンオルフェノク
-
赤鏡コウイチ/仮面ライダーリュウガ
-
諸刃ツルギ/仮面ライダーサソード
-
彩盗巡/仮面ライダーディシーフ
-
戴問周/仮面ライダーディスティール
-
白石影魅璃
-
創士傀斗
-
紅蓮