仮面ライダーディライト-世界の光導者-   作:トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜

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少しだけエロ表現があります。(笑)

そして、またも原典キャラが…


第25導 ディシーフは御尋ね者?縛られた正義

「これって巡さんの世界…だよね?」

 

「はい…ですが、どうして指名手配されているのでしょう…?」

 

キャンバスに描かれたディシーフの指名手配書の絵を見て、何故巡が指名手配されているのかを考える黒深子とツルギ。

 

「あいつが今までやってきた事を考えたら別に不思議じゃないさ。いや、もしかしたら余罪もあるかも…強盗や窃盗の他に殺人、恐喝、暴行、逆痴漢、強姦、未成年略取、監禁…とかね。」

 

「お前、相変わらず巡さんや戴問さんにはきついのな。」

 

しかし闇影は、今まで彼女がしてきた事を思返せば指名手配されてもおかしくないのだと然程気にはせず、冗談混じりに有りもしない余罪を推測する。

 

「もう!真面目に考えてよ先生!!」

 

「あ〜ごめんごめん、冗談だよ。ただ、あいつが何をしてこの世界で指名手配されるのか気にはなるな…。」

 

その冗談を黒深子に叱責されて軽く詫びる闇影は、巡が何故この世界で指名手配されたのかを真剣な顔付きで考え出す…。

 

 

 

「ふぅ…七年ぶりになるかな♪私の世界。」

 

同時刻、巡もこの世界に到着…いや七年ぶりに帰還した。しかし、何故か何時も居る筈の周の姿が見当たらなかった。その理由は…

 

「周には無理言って、今回は私用で戻って来ただけなんだけどね。」

 

今回この世界に戻って来たのは何時もの宝探しでも、単なる里帰りでも無く「私用」で戻って来たのだった。その為、周には先に次の世界に行く様に言い現在に至る…。

 

「さてと…このまま目的実行したいけれどその前に…!!」

 

「彩盗巡…世界の敵めぇ…!!」

 

すると、巡の背後に鉄パイプや金属バット等殺傷力のある道具を構えた十数人の人々が殺意の籠もった目付きで彼女に迫る…。

 

「この人達を何とかしないと…ね♪」

 

それを見た巡は、右脚に巻き付けたホルダーからディシーフドライバーを取り出して、刃の部分を舌でペロリと舐めながら人々に向かって行く…。

 

 

 

―世界の光導者、ディライト!数多の平行世界を巡り、その瞳は、何を照らす?

 

 

 

「先ずは情報収「こんにちは。」こんにちは…情報収集する事だけど…」

 

闇影達はこの世界についての情報収集の為に街を歩き回っている。しかし彼は何故か表情を暗くしている…

 

「何で俺だけこんな格好をしてるんだああああぁぁぁぁっっっっ!!!!///」

 

「「「ぷっ…くくっ…!!」」」

 

自分の格好に嘆き絶叫する闇影。それもその筈、家を出た瞬間に彼の服装が、警帽に紺色のサスペンダー服を着た虹色の鼠のマスコットの姿となっているからだ。その姿を見た黒深子達は歩きながら笑いを堪えている。

 

「…それ確か、警察のイメージマスコットの『ニジマスくん』だったよな…くく…!!」

 

「え、ええ…そうだったわ…ね…ふふ…!!」

 

「そんなに笑わなくて良いだろっ!?けど、これで俺達の行く場所が警察なのが分かった。あそこなら指名手配犯の情報があるからな。」

 

今回の闇影の役割「警察のイメージマスコット」である「ニジマスくん」とは、正義の赤、希望の橙、勇気の黄、安全の緑、平和の青、愛の藍、友情の紫を意味した七つの色をした愛らしい「鼠のお巡りさん」である。その格好を見て笑いながら説明する黒深子とコウイチに憤慨する闇影だが、皮肉にもこれが切欠で彼等の行き先が警察関連の場所に確定した。警察署や交番ならば指名手配犯の情報を自分達以上に把握している筈…。

 

「でも問題は「こんにちは。」こんにちは。問題は私達一般人に情報をくれるかどうかよね…。」

 

「とりあえずは行って「こんにちは。」あっ、はいこんにちは。…行って見るのが一番だと私は思います…。」

 

「そういう事。」

 

「…なぁ、さっきから気になってんだけどよ…何で行く人行く人が挨拶してくるんだ?」

 

「良い事じゃないか。寧ろそれが当たり前にならない方がおかしいだろ。」

 

コウイチの言う様に、先程から通り過ぎる人々がすれ違い様に挨拶をしてきているのだ。しかし闇影は、他人と挨拶するのは当然だと思っている為全く不審がらないでいる。

 

「お嬢ちゃん達、煎餅でも食わんか?ほれ。お茶も持ってけ!」

 

「あ、ありがとうございます…。だけど…何か変なのよね…。」

 

「はい…。」

 

とは言え、何処か不気味な雰囲気を漂っており不安になる黒深子とツルギ。中には菓子やお茶等を差し出す者も。その時…

 

「退いて下さーーいっっ!!」

 

「「「「!!!!」」」」

 

反対側から自転車に乗った少年が猛スピードで自分達の方へ向かって来る。そして…

 

「「「「うわぁっ!!?/きゃあぁっ!!?」」」」

 

突っ込む勢いで向かって来た為慌てて両側に避ける闇影達。一歩間違えば大怪我になっていたのかもしれない…。

 

「おいコラッ!!危ねぇだろっ!?」

 

「ごめんなさい!!急がないと塾に遅れてしまいそうだから!!あの!今のは通報しないで下さい!!」

 

「通報?」

 

コウイチの怒号に少年は去り際に何度も平謝りする。自転車を飛ばしていた理由は「塾に遅れそうだった」為である。しかし、その後の彼の怯えた様に「通報はしないで欲しい」と懇願する言動に、闇影は首を傾げる。その時…

 

「うっ…うわああぁぁっっ!!」

 

「「「「!!!!?」」」」

 

『貴様…決められた速度以上のスピードで自転車に乗ったな?』

 

「ごっごめんなさい!!ホントに急いでたので…あの…!!」

 

『言い訳無用!!定められた法律を守れない貴様は…悪だ!!』

 

『『法律違反は悪だ!!悪は許されない!!』』

 

「たっ助けてぇぇっっ!!」

 

少年の目の前に黒い鼠とカラスの嘴を複合した様な姿をしたステンドグラスの怪人「ラットファンガイア」が二体現れ、「自転車のスピード違反」と言う、良い事ではないのだが「悪」と言う程では無い罪により彼を捕獲しようと襲い掛かる。

 

「先生!!あれってオトヤさん達がいた世界の…!!」

 

「ああ、ファンガイアだ。でも、あの世界にしかいない筈のファンガイアがどうして…!?」

 

ラットFを目撃した闇影は、本来ならばオトヤ/仮面ライダーダークキバのいる「ダークキバの世界」等キバ系統の世界にしか存在しない筈のファンガイアが何故この世界にいるのか疑問を抱く。

 

「考えるのは後だ!!今はあの子を助けないと!!」

 

しかし今は考えている暇は無い、このままでは目の前の少年が危険な目に遭ってしまう…そう思い直ぐ様現場に駆け付けようとする闇影。だが…

 

『『グワァッ!?』』

 

「え…!?」

 

突然ラットFに謎の銃撃が襲う。闇影達が銃撃が放たれた方向に目を向けると、オールバック状にした黒髪のポニーテールをした黒いジャケットに同じ色をしたホットパンツの女性と逆立った短い黒髪に黒い服と同じ色をしたブーツの男性が銃を構えていた。

 

「早く逃げて!!」

 

「はっ、はい!!」

 

『貴様等…!!』

 

「せやせや。お前等の相手は俺等や!!早よ来いや!!」

 

女性の指示を聞いた少年はそのまま急いで逃げ去っていき、それに憤慨するラットFは二人の男女を睨み付ける。そして関西弁で話す男性はラットF達に自分達の方へ注意を引き付けるかの様に中指を立てて挑発する。

 

「さてと、こいつ等を片付けるわよ襟立君!!」

 

「おう!!」

 

ラットFを片付けると宣言する女性と襟立と呼ばれた男性は何処からか機械型のベルトを腰に巻き付けて装着し懐から黒いナックル型の機械を取り出し…

 

「「変身!!」」

 

【【FI・S・T・O・N】】

 

それをベルトにセットすると、二人の姿は女性は頭部が赤色の十字架、襟立は緑色の十字架を模したバイザーをした全体が白いアーマーが特徴の「仮面ライダーイクサ セーブモード」に酷似したライダー「イクサトルーパー」へて変身を遂げた。

 

「あれはイクサ…!?でも、微妙に違う…?」

 

『行くわよ!!/行くで!!はあぁぁ…!!』

 

『ギャッ!!ギッ!!グャアッ!!』

 

『ガッ!!グッ!!ベェアッ!!』

 

女性が変身したイクサトルーパー・レッドクロスは専用武器「トルーパーカリバー・ソードモード」でラットFを素早く斬り付け、襟立のイクサトルーパー・グリーンクロスは先程のナックル型の機械「トルーパーナックル」でパンチを繰り出してはキックをするという格闘スタイルでラットF達を徐々に後退させる。

 

『はい。後は止めね♪』

 

『終いや!!』

 

【【R・I・SE・U・P】】

 

『『はあぁぁ…はぁっっ!!』』

 

『『ギィヤアアァァッッ!!』』

 

イクサトルーパーRCが金色の笛「カリバーフエッスル」を、イクサトルーパーGCが銀色の笛「ナックルフエッスル」をベルトに読み込ませると、RCは刀身に赤い光を纏ったトルーパーカリバーで斬り裂く「トルーパージャッジメント」を、GCはトルーパーナックルに緑色のエネルギーを籠めた強力パンチ「トルーパーブロウクン」を放つと、二体のラットFは全身に罅が入りガラスの様に砕け散った。

 

『どうにか片付いた…って、貴方達まだいたの!?逃げなさいって言った筈でしょ!?』

 

「君達は一体…!?」

 

『『『『ヘェヤァァッッ…!!!!』』』』

 

『恵の姉ちゃん!!今度は四体来よったで!?』

 

恵と呼ばれたイクサトルーパーRCは、未だにこの場に留まっている闇影達を目にして再度逃げる様怒号を飛ばす。しかしその時、別個体のラットFが今度は四体現れた。

 

『やはり貴様等か!!我が同胞を殺した平和を脅かす愚かな無法者共…!!』

 

『こんな堅っ苦しいルール作って何が平和よ!!』

 

『黙れ!!「絶対正義」の名の下に貴様等を粛正する!!』

 

「絶対正義」の題目に「無法者」であるイクサトルーパー達を始末するべく、ラットF達は彼等に襲い掛かろうとした。四対二と、数の上ではこちらが勝っている為始末するのは容易い、そう確信していた。しかし、その考えには一つ誤算があった…。

 

「悪いけど、多勢に無勢な戦いを見逃す程俺は甘くない。変身!」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

『ふっ!!』

 

『ギャアッ!?』

 

目の前の危機を見逃せない闇影はディライトに変身すると同時に、ライトブッカー・ガンモードの銃撃をラットF達に放った。

 

『貴方…何者…!?』

 

『お節介教師な仮面ライダーです、宜しく。』

 

『貴様も仲間か!?ならば死ぬがいい!!』

 

イクサトルーパーRCは突然現れた自分達とは違うライダーの存在を知り彼に何者かと尋ねた。その質問にディライトは、何時もの台詞で自己紹介する。一方ラットF達は、自分達にとっての誤算(ディライト)の存在を見てイクサトルーパー達の仲間だと推測し、始末する為彼に一斉に襲い掛かる。

 

『ファンガイアにはこれでいくか。絶滅タイムだ…何てね♪』

 

【SHADOW-RIDE…DARK-KIVA!】

 

ディライトはキバットバット二世の決め台詞を言いながら、ラットFの相手に相応しいライダーとして自身の影をダークキバにシャドウライドさせる。

 

『何!?影がキバに!?』

 

『あれ…「渡」の金ぴかのキバに似とる!?』

 

【ATTACK-RIDE…BASSHAA-MAGNUM!】

 

シャドウライドの能力に唖然とする一体のラットFとイクサトルーパーGCを余所に、ディライトはドライバーにカードを装填し、Sダークキバに緑色の海魔を模した銃「魔海銃バッシャーマグナム」を実体化、装備させた。

 

『これだけ未だ使ってないから使わないと可哀想だからね。ふっ!はっ!やあっ!!』

 

『『『『グガアアァァッッ!!!!』』』』

 

意外にどうでもいい理由でバッシャーマグナムを選んだディライトだが、Sダークキバと共にライトブッカーで素早く水の銃弾「アクアバレット」を連射してラットF達を迎撃する。

 

『さて…止めといくか!!』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DA・DA・DA・DARK-KIVA!】

 

『バッシャーバイト…ってね♪これで終わりだぁぁっっ!!』

 

『『『『グギャアアアアァァァァッッッッ!!!!』』』』

 

ディライトが止めとしてFARのカードを発動すると、彼等とラットF達の周囲のみ全体が薄暗い水の空間「アクアフィールド」と化し、その水を全て巻き上げて作り出した巨大な水流弾を放つ「バッシャー・アクアトルネード」をSダークキバと共に射出するとラットF達は全身に罅が入り砕け散った…。

 

『ふぅ…それにしても、今のファンガイアは何だったんだろう…?』

 

『貴方こそ何者なの!?突然変身したと思ったら、影をキバに変えちゃうなんて…!!』

 

戦闘を終えたディライトは、ラットFが何故先程の少年を襲おうとしたのかを疑問に思っている時、イクサトルーパーRCが彼の素性を声を荒げて尋ね出す。

 

『俺は…!!』

 

「ライダーめぇ…!!」

 

「法を犯す無法者共めぇ…!!」

 

ディライトが自分の素性を明かそうとした時、十数人の人々が殺意の籠った表情で道具等を持って突然現れ、彼とイクサトルーパー達にじりじりと近付き出す…。

 

『ちっ…やりづらいなぁ…!!』

 

「な…何…!?さっきまで優しかった人達が急に…!!」

 

「あんた等大丈夫か!?あのライダー達に何もされて無いか!?」

 

「わ…私達別に何もされてないですよ?それにあのオレンジのライダーは私達の…!!」

 

道具を持った連中の中の一人の男性が黒深子達の身を案じる言葉を掛ける。黒深子は、先程まで親切だった人々の豹変ぶりに戸惑いつつディライトは自分達の仲間だと告げようとした時…

 

『ちっ…折角上玉が二人も見つかったのに…!!ここは退くぞお前等。』

 

『『はあっ!!?』』

 

「えっ…!?」

 

突然ディライトがまるで悪人になったかの様な台詞を言ったり、イクサトルーパー達のリーダーを気取り出した為、イクサトルーパー達はすっとんきょうな声で呆れ驚き、黒深子も目を見開いて驚く。

 

「やっぱりかぁ…!!ライダーは平和を乱す無法者だ!!」

 

「三人共捕まえるぞ!!」

 

『おっ、おいあんた!!一体何のつも…!!』

 

『分かったわリーダー。襟立君、退くわよ!!』

 

『は!?ええっ!?何のこっちゃ!?』

 

「逃がすな!!追えぇぇっっ!!」

 

イクサトルーパーGCはディライトの突然の行動を問い質そうとしたが、イクサトルーパーRCはその言葉の真意を汲み取ったのか、ディライトを「リーダー」と呼びGに退く様促しその場から立ち去って行き、人々はそれを逃がすまいと彼等を追って行く…。

 

「あいつ、一体どういうつもりだ…?急にさっきの人達の仲間だと言い出して…。」

 

「私もよく分かりません…。」

 

「もしかしたら先生、私達を守る為にあんな事を言ったのかも…。」

 

「「え?」」

 

「考えて見て。もしさっき私が先生の仲間だって言ってたらどうなってたのかを。」

 

「「あ…!!」」

 

黒深子は先程のディライトの不可解な行動を推測した。もし彼女が彼の仲間だと言ってしまえば、自分達まで「無法者」の仲間だと見なされてしまう…。それを瞬時に察したディライトは、イクサトルーパー達の仲間だと名乗り、黒深子達からその矛先を自分に向ける為にあの様な行動を取ったのだと…。

 

「ん?先生からメールが来たわ…!!」

 

「何て送って来たんだ?」

 

「『後で合流しよう』だって。」

 

「なら、取り敢えず安心ですね…。」

 

その時、黒深子の携帯に闇影からメールが届いた。「後で合流しよう」と言う内容を見て彼の無事を確認して一安心する三人。

 

「(先生…気を付けて戻って来て…!!)」

 

 

―神社境内

 

 

「成程な、あの嬢ちゃん達から守る為に俺等の仲間のふりをしたんか…。」

 

「うん…彼女達にまで危ない目に遭わせられないからね。」

 

「それより!あんた一体何者!?そのライダーシステムは何なの!?」

 

黒髪の青年・襟立健吾は先程の闇影の行動の真意を漸く理解するが、ポニーテールの女性・麻生恵は改めて彼の素性を矢継ぎ早に問い詰める。

 

「先程も言ったでしょ?お節介教師な仮面r…「余計な事しないで!!」」

 

再び何時もの台詞で自己紹介をしようとする闇影だが、「余計なお節介」だと怒号を飛ばし中断させる恵。

 

「所で、あのファンガイア達の目的は何ですか?さっきの子が自転車のスピード違反をしたのを理由に襲おうとしてましたけど…。」

 

「それは…!!」

 

「いたぞ!!無法者共!!」

 

「誘拐犯共め…!!」

 

「ヤバいで!!追い付かれてしもうた!!」

 

「あ〜もう!!あんたのせいで変な余罪まで付けられたじゃない!!」

 

恵が闇影の質問に答えようとした時、先程の人々がここまで追い付いて来た。恵は、黒深子達を危険から遠ざける為に言った嘘のせいで自分達に余計な罪を増やした闇影に憤慨しながら、健吾と共にこの場から立ち去っていく。

 

「一体全体どういう事なんだ…!?」

 

彼等から具体的な話を聞けないまま、闇影も急いでこの場から立ち去る。それを追い掛けて行く人々も居なくなりガランとした神社の境内の中央に灰色のオーロラが発生し、その中から紅蓮が現れ…

 

「ディライト…貴様はこの世界の『正義』により断罪される運命にある…!!」

 

そう言うと再びオーロラの中へと入り消えていった…。

 

 

 

―白石家

 

 

「ただいま。」

 

「先生!!大丈夫だった!?」

 

「ああ。あの着ぐるみを脱いで帰って来たから取り敢えず狙われる事は無いよ。」

 

「良かった…。」

 

あれから合流場所はここだと連絡があり先に戻った黒深子達は、着ぐるみを脱いだ闇影が無事に帰って来たのを見て安心した。

 

「で、結局あの人達は何者だったんだ?」

 

「それを聞こうとしたらさっきの人達が追い掛けて来て聞けず終いになったよ…。」

 

「やはり警察関係の人に合って話を聞くしかありませんね…。」

 

「そうだね、行こう。」

 

ツルギの言葉通り、闇影達は当初の目的の場所・警察関連の場所へ赴く事にした。

 

 

 

「ふぅ…生身で戦った後の水浴びは最高よね〜♪」

 

同時刻、巡は先程の人々との戦闘を終えて汗をかき、川原に入ってゆったりとしていた。尤も、戦闘と言ってもドライバーの柄で殴って気絶させただけだが。

 

「彩盗巡…無法者には罰を…!!」

 

「あらら…囲まちゃったわね♪」

 

そこへ殺意の籠った表情をした人々が川原を取り囲み、巡がそこから出るのを防いだ。衣服は全て川の外、しかしそこは人々が居て取りに行けない。更に一人の男は川原に入って彼女に近付き出す。通常の女性なら自身の裸体を人前に晒す様な真似は気恥ずかしくて出来はしないが…

 

「しょうがないわね…超特別大サービスよ!!ふっ!!」

 

「何…!!ブゴゴゴ…!!///」

 

何と巡は、自らその男に近付きドライバーを片手に柄で殴って気絶させ川に沈めた。何故丸腰の身で武器を持っていたのか…その答えは彼女が川原から上がる事で判明した。

 

「生憎、普段は右足のホルダーにドライバーをしまっているのよ♪因みにカードホルダーは左にね♪」

 

よく見ると、巡の両足には黒い帯が付いたホルダーが巻かれていた。彼女は通常、ディシーフドライバーとカードホルダーは肌身離さず持つ為にこの様な処置を取っていたのだ。と、ウインクしながら答える。

 

「かっ…構うもんか!!///全員で襲い掛かれぇぇっっ!!」

 

『うおおおおぉぉぉぉっっっっ!!!!』

 

「あら、随分正直な行動よね♪で・も…」

 

全裸になった女性が相手でもお構い無しに再び襲い掛かる人々。それに対して妖艶な笑みを浮かべて笑う巡は…

 

「うぶっ!!」

 

「そう簡単にヤラれる程私は甘くないわよ!!」

 

襲って来た男にその豊満な胸を揺らしながら長い右足で顔面に蹴りを叩き込む。その後も足を大きく開いた蹴りや、胸が当たるのを承知で抱き締める形でプロレス技を掛けたりと、今自分が全裸である事をまるで自覚していないかの様な攻撃を繰り出す…。

 

 

 

「あ〜あ、こんなに汚しちゃって…どっかから服を調達しないとね。」

 

彼等を全て気絶させた巡は、今の騒動で汚れてしまった衣服を拾って愚痴を溢しながら、代わりの衣服を調達するべくこの場から立ち去った…。

 

 

 

―交番

 

 

「すいません。ちょっとお尋ねしたいんですが…」

 

『ヘヤァァ…何の用だ…!?』

 

「「「「!!!!?」」」」

 

「な、何で交番にファンガイアが居るんだ!?」

 

一方、交番に訪れた闇影達一行。しかし、中には誰も居ない為奥にいるかもしれないと、声を掛ける闇影。すると、奥から警察帽を被ったラットFが現れた為一行は大きく驚く。

 

「(いや…見た目だけで判断しちゃ駄目だ…。)じ、実はあの…指名手配犯の彩盗巡についてお尋ねしたい事があるんですけど…。」

 

予想外の存在に驚きつつも、闇影はラットFに巡の情報について尋ねる。すると…

 

『何!?彩盗巡だとっ!?こうしては居られん!!直ぐに「あの方」に連絡だ!!』

 

「え、え…?何事…?」

 

巡の名前を聞いた瞬間、ラットFは急に慌て出し机にある電話で「あの方」なる人物に連絡し出した。突然の慌てぶりにただ困惑する闇影達。そして…

 

 

 

「凄っごいな〜…!!」

 

「うん…何せリムジンで送迎してくるくらいだからね…。」

 

「如何にもって感じのとこだな…。」

 

「ええ…。」

 

十数分後、彼等は今「あの方」なる人物が住んでいる真っ白な豪邸の屋敷内にいる。あの後、黒深子の言う様にリムジンが交番に走ってきて闇影達を特別な客としてもてなし出したのだ。案内されるまま屋敷に入ると、ありとあらゆるゴージャスな家財が装飾されておりまるで高級ホテルにでも来たかの様な内装だった。

 

「ようこそお越し下さいました。こちらへ御案内致します。」

 

「あ、はい。こちらこそどうも…。」

 

そこへスーツを着た中年の男性が現れ、闇影達を責任者の元へ案内する。その途中に…

 

「「いらっしゃいませお客様。」」

 

「えっ…あ、うっ…こ、こんにちは…///」

 

「うぉっ…凄ぇモンが見れたぜ…!!」

 

首にタオルを巻きエアロビ用のレオタードを着た二人組の女性とすれ違い、その姿にどぎまぎした闇影は顔を赤くしながら挨拶をし、コウイチは彼女達の姿を見て鼻の下を伸ばす。

 

「彼女達はここのトレーニングルームで無法者達と対抗する為に日々訓練をしている戦士なんです。」

 

「そうなんですか…。ん?さっきの人達の胸の所の…」

 

「何だ闇影。お前もやっと普通の男として目覚め始めたか〜?まぁ、スタイルは良いけど胸はあまり形が良くねぇけど…」

 

「お前と一緒にするな!そうじゃなくて、さっきの人達が着ていた服の胸に書いてあった数字だ。確か『31103』って書いてあったような…まぁ特に意味は無いけどね。」

 

意味不明な事を言ってからかうコウイチを注意する闇影。彼が気にしていたのは先程の女性二人が着ていた服の胸元に書いてあった「31103」と言う数字である。しかし、あまり意味の無い事だとその話題を終わらせた。

 

「此方でございます。少々お待ちを…。お客様をお連れ致しました。」

 

気が付くと、責任者の部屋の前に辿り着いた闇影達。男性は彼等を連れて来たと言いながらドアをノックする。しかし、いくら叩いても返事が返って来ない。その代わりに何やら大きな音量で音楽が聞こえて来る。

 

「もしや…。」

 

男性は責任者が返事をしない理由を考えながら、合鍵を使いドアを開けた。すると…

 

 

 

「イクササァァァァイズッッ!!」

 

「「「「はい?」」」」

 

「やはり…!!」

 

闇影達が目にした物、それは耳がつんざく程の大音量で音楽を流しながら白い文字で「31103」と書かれた青いTシャツと黒い半ズボンが特徴の、端正な顔立ちをした黒髪の二十代の男性がハイテンションで歌いながら何やら謎の体操をしていると言う、何とも言い難い光景だった。そして、音楽が鳴り終えると…

 

「その命…神に返しなさい…!!」

 

指を差して、謎の決め台詞を自信満々にほざく。これを見た闇影達の思った第一印象は…

 

「「「(変人だぁぁぁぁっっっっ!!!)」」」

 

「(変人ですね…!!)」

 

と、散々な物である…。

 

 

 

―三十分後

 

 

「待たせて申し訳ない。トレーニングに夢中になり過ぎてとんでもない所を見せてしまったよ。本当に…申し訳ない。」

 

「い、いえ…お構い無く…。(あれトレーニングだったんだ…。)」

 

先程の男性はさっきの様な簡素な服ではなく黒いズボンと、黒いジャケットの下にネクタイを締めたワイシャツと身形を整えた姿となり、三十分間も待たせてしまった事を闇影達に詫びた。闇影は先程のそれを「トレーニング」だと聞き、少し眉をひくつかせながらも「気にはしていない」と返す。

 

「それで、彩盗巡の事について何か聞きたい事があると伺ったけど…君達は彼女とどういう関係で?」

 

「実は……」

 

男性の質問に闇影はこれまでの経緯を話した。巡が度々自分達の近くに現れては宝を奪う「仕事」をし続けていた事を…。無論、念の為自分がライダーである事は伏せて…。

 

「成程…君達の行く先々で彼女が宝を奪う為に彷徨いている…。彼女らしいと言えば彼女らしいな…。」

 

「あの人って…何をしたんですか?」

 

「彼女は、何が気に入らないのか…この平和な世界を破壊しようとしている…!!」

 

「えっ!?こんな平和な世界を!?」

 

「巡さんが…!?」

 

黒深子の質問に答える男性。巡が指名手配された理由、それはこの世界の平和を破壊しようとしている為である。それを聞き目を見開いて驚くコウイチと悲壮な表情を浮かべるツルギ。

 

「うむ。一つの小さき悪は、大きな悪を招く…そうならない為に我々はこの世界を守るべく日々研鑽している!!皆が平和に暮らせる世界を!!」

 

男性は拳を強く握り締めて、この世界の平和を守る為には一つの僅かな悪をも見逃さずに徹底して排除する、そう力強く豪語する。

 

「そうですか…。あ、そう言えばまだ自己紹介してませんでした。煌闇影と言います。貴方は?」

 

「おっと、忘れていたね。私は世界犯罪撲滅組織『WONDERSKY(ワンダースカイ)』元帥兼最高戦闘部隊長・彩盗啓介だ。」

 

「「「「えっ…!!!!?」」」」

 

「と言う事は…まさか…!?」

 

「その通り…彩盗巡は私の実姉にあたり、私は彼女の弟だ。」

 

「「「「ええええぇぇぇぇっっっっ!!!!?」」」」

 

男性の名前を彩盗啓介と聞いた闇影達は絶叫して驚いた。

 

「まさかあいつに姉弟がいたなんて…!!」

 

「意外だよね…。」

 

「でもあんま似てねぇな…。」

 

「お二人のなさっている事が見事に対称的ですからね…。」

 

盗賊である彼女の下に秩序を守る事に勤勉な弟がいると言う、ここまで対称的に割れた姉弟の存在に各々思う事を口に出す四人。

 

「こんな事を赤の他人である君達に頼むのは変なのかもしれないが、もし何か情報を入手しましたら連絡して欲しい。」

 

「は…はい…。」

 

 

 

再びリムジンに乗り、家に戻ろうとする四人だが、何故か闇影だけ乗ろうとせずにいる。

 

「どうしたの先生?」

 

「ごめん、ちょっと用事があるから先に帰っててくれないか?」

 

「それは困ります!!元帥からはお客様を御自宅まで丁重にお送りする様仰せつかりましたので…!!」

 

用事がある為黒深子達だけを帰させようとする闇影だが、運転手の男は啓介の命に背く様な真似は出来ないと困り顔で呼び止める。

 

「ああ、大丈夫です。用事がてらに買い物にも行きますので、この子達をお願いします。」

 

「え、あ…ちょっと!!お客様!!」

 

「闇影の奴、どうしたんだろ?」

 

「用事というのが気になりますね…。」

 

「(本当にただの用事なのかしら…?先生がああいう行動をする時は必ず何かありそうな気がするわ…。)」

 

しかしそれでもやんわりと断り、黒深子達を任せてその場を後にする闇影。黒深子は彼の後ろ姿を見て「彼の用事には何かがある」と推測する…。

 

 

 

「さっきのお節介男、何者なのかしら?」

 

「せやな、俺等とは違うライダーに変身して影を真っ赤なキバに変えよるしな…。」

 

一方人々から逃げ切った恵と健吾は、小休止しながら闇影の素性について話している。突如自分達とは違うライダーに変身し、影を真っ赤なキバ、即ちダークキバに変えるディライトの能力について…。

 

「あのおっちゃん、どっか『師匠』に似てるとこがあると思うんやけど…恵の姉ちゃんはどない思う?」

 

「まぁ、ちょっと無駄にお節介な所がそうかな。『あの人』と…。」

 

そして闇影が「師匠」や「あの人」等、「とある人物」と似ている所があると言い出す。すると恵は、その人物の事について思い出し始める…。

 

 

 

―行くぞ!!恵!!健吾!!

 

―良いわよ!!啓介君!!

 

―何時でも行けるで!!師匠!!

 

―変身!!!

 

【【【FI・S・T・O・N】】】

 

とある人物…啓介は恵と健吾を率いて、トルーパーナックルで白いアーマーにディープイエローカラーの十字架を模したバイザーが特徴の「イクサトルーパー・イエロークロス」に変身し、恵のRC、健吾のGCと共に複数のラットFを率いている人物に向かっていく…。

 

―ふふ…。

 

【REA・D・Y】

 

―変身…。

 

【FI・S・T・O・N】

 

イクサナックルを構え、左目が隠れる程腰まで届く銀色の長髪に紺色のスーツを着た巡が変身した金色の十字架を模した赤い複眼に白いスーツが特徴の戦士・イクサに…。

 

 

 

「師匠は…ホンマの平和を取り戻す為に全力で戦っとったんや…俺やかみさんになる恵の姉ちゃんと一緒に…!!それをあの女が…!!」

 

「……。」

 

啓介は元々彼等のリーダーであり共に戦う仲間であり、健吾はその弟子に当たる存在、そして恵は彼の婚約者であったのだ。それをその姉である巡によりラットF達に奪われてしまった事を掌に拳を叩き付けて憤慨する健吾と静かに怒る恵。その時…

 

『見つけたぞ!!無法者共…!!』

 

八匹のラットF達が彼等に銃撃を仕掛けながら現れた…。

 

「さっきより多なっとるな…!!」

 

「何匹来たって関係ないわ…全部叩けばいいのよ!!」

 

先程より二倍の数でラットFが現れた為ややたじろぎながらトルーパーナックルを構える健吾だが、恵はそれを気にせず同じ動作をする。

 

「「変身!!」」

 

【【FI・S・T・O・N】】

 

恵はイクサトルーパーRC、健吾はイクサトルーパーGCに変身しトルーパーカリバー・ソードモードとガンモードでラットF達に立ち向かう。最初は一匹ずつ倒す等優勢に見えるが…

 

『ヘェヤァァッッ!!』

 

『きゃあっ!!』

 

『ぐわぁっ!!』

 

やはり数的に不利なのか、一匹のみに集中していると他の個体がその隙に攻撃を仕掛けて来る為、直ぐ様追い詰められつつある…。そこへ…

 

「はぁっ!!」

 

『グアァァッッ!!』

 

胸元が大きく目立つ赤いタンクトップに素足が見える程極端に短いショートパンツと、異常に露出度の高い格好をした巡が、ディシーフドライバーでラットF一匹を斬り付けると、罅が入り砕け散った。

 

『あんたは…巡!!』

 

『何しに来たんや!?』

 

「話は後にして!!変身!」

 

【KAMEN-RIDE…DITHIEF!】

 

イクサトルーパーGCの非難の声を後にする様に言った巡は、ドライバーにカードをスラッシュしディシーフに変身しラットF達に斬り掛かっていく。素早い動きで五匹のラットFを翻弄しては隙を付いて斬り付けていき、一通り動きが鈍くなったのを見計らい距離を取ると…

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DI・DI・DI・DITHIEF!】

 

『止めよ…せぇぇいっっ!!』

 

『『『『『グギャアァァァァッッッッ!!!!!』』』』』

 

自身のFARのカードをディシーフドライバーにスラッシュしてディメンジョンスライサーを発動し、ラットF達を一斉に殲滅させた。

 

『ふぅ…。』

 

『巡…あんたもライダーの力を…!?』

 

『んな事はどうでもええ!!お前のせいで師匠はな…!!』

 

戦闘を終えたディシーフにイクサトルーパーGCは彼女の肩を掴み勢い良く突っ掛かろうとした時…

 

『ジ…ジネェェッッ!!』

 

『!!しまった…まだ一匹生き残って…!!』

 

内一匹生き残っていたラットFは、息絶え絶えになりながらも黒い銃でディシーフ等を撃ち殺そうとした。が…

 

【ATTACK-RIDE…LASER!】

 

『グアァァッッ!!』

 

別方向からディライトのディライトレーザー三発がラットFに直撃し、今度こそ完全に撃破された。

 

『詰めが甘いぞ、巡…。』

 

『闇影君…。』

 

『『お節介男!!/影のおっちゃん!!』』

 

『おっ、おっちゃんって…俺まだ23だよ!?…って、そんな事より色々聞きたい事があるんだけど…。』

 

イクサトルーパーRCの「お節介男」はともかく、イクサトルーパーGCに「おっちゃん」発言にズッコケながらも、自分はまだそんな年齢ではないと反論するディライトは彼等の事情について聞き出す…。

 

「啓介は何処にいるの?」

 

「お前…あんな事しといてよくもぬけぬけと師匠に会おうするなんてええ度胸しとんな…!!」

 

一旦人気の無い場所に移動した四人。巡は啓介の居場所を尋ねたが、健吾は答えるつもりは無いと彼女に突っ掛かる。

 

「あんな事…?どういう事だ?」

 

「闇影君には関係の無い事よ。」

 

「関係無くは無いな。俺はお前の弟さんに会って来たぞ。」

 

「えっ!?じゃ、じゃあ啓介が何処にいるのか知ってるのね!?何処にいるの!?」

 

闇影に事情の説明を尋ねられた巡は関係無いと一蹴するが、啓介に会ったと言う話を聞くと一変してその所在を尋ね出した。その様子は普段の冷静な彼女らしくなく、何処か焦っている様に見える…。

 

「はぁ…人の質問に答えず一方的に質問するな。先ず何があったのかを言え。」

 

自分の質問に答えず逆に質問して来た巡に不快感を感じ溜め息を吐く闇影は、最初の質問に答える様ドスの利いた声で尋ねる。

 

「ここまで関わったのならあんたに話すわ…。この世界はラット達が法に則った支配をしているの…。」

 

「ラット?あのファンガイア達の事か。」

 

「そう。あいつ等は人々に徹底した正義や規則を無理矢理守らせているの。僅かな悪事も全て厳しく取り締まったりしてね…。」

 

「そうか、だからあの時の子はあんなに怯えていたのか…。」

 

恵からこの世界のルールを聞いた闇影は、あの自転車のスピード違反を犯した学生が異様に怯えていた理由を理解した。この世界の「平和」や「正義」は全てラット達のよる支配によって成り立っており、例え一寸足らずの悪事も彼等にとっては「重罪」に値するのだ…。

 

「そして、その『重罪』を犯した人間は皆ラット達によって操られて絶対正義を遵守させられるの…。」

 

「なら、啓介さんもラット達に操られているかもしれないな…。」

 

 

 

―白石家前

 

 

「ぅん…あぁぁ〜…堅苦しかったなぁ…。」

 

「そうですね、少し息苦しく感じました…。」

 

一方、家に到着した黒深子達。コウイチとツルギは啓介達の過剰なもてなしが堅苦しかっった為か、大きく背伸びをしたり肩を動かしたりして身体を解している。

 

「にしても闇影の奴何処にいんだ?まさか一人で軟派しに行ったりとか?」

 

「あんたじゃあるまいし…携帯にかけて見たら?」

 

「そだな。え〜と携帯はと…あったあった。」

 

コウイチは、闇影が今何処にいるのかを知る為にズボンのポケットから携帯を取り出して連絡しようとした時…

 

『貴様!!家の前にゴミを捨てたな!?』

 

「えっ、えっ!?俺ゴミなんか捨てて…」

 

『とぼけるな!!なら貴様の足下にある物は何だ!?』

 

突然ラットFが三匹現れ、コウイチがゴミを捨てたのだと言い出し彼に詰め寄る。しかし、当の本人はゴミを捨てた覚えは無いと言うが、ラットFはコウイチの足下にあるポケットティッシュに指を差す。恐らく、先程携帯を取り出した時に一緒に落ちたのだろう。

 

「ちょ、ちょっと待てよ!?今のは偶々落ちただけで別にゴミをポイ捨てした訳じゃ…!!」

 

『黙れ!!僅かな過ちは軈て大きな過ちへと繋がる…!!「完璧な人間」への再教育の為、貴様を連行する!!』

 

確かに、ゴミをポイ捨てしたのならいざ知らず、ポケットティッシュを、それも落としたのは偶然である為それを罪と問うのは無理のある話なのだが、ラットF達にとっては「町を汚す」愚行である様で、コウイチを「完璧な人間への再教育」の為彼を捕獲しようと迫る。

 

「はっ…離せよっ!!」

 

『抵抗する…グァッ!?』

 

「コウイチさんから離れて下さい!!」

 

無理矢理コウイチを連れ去ろうとするラットFに、ツルギはサソードヤイバーで斬り付けて阻止をする。が…

 

『貴様…我々に武器を向けたな?我々の正義を邪魔する貴様も重罪だ!!おい!!』

 

今の抵抗がかえってラットF達の逆鱗に触れた為、ツルギも「反逆罪」と見なした。今の彼女の行動こそ、理不尽な「罪」で連れ去られようとするコウイチを助ける為の正当防衛に当たるのだが、ラットF達にとっては「反逆」に値するのだった。そう息巻くと…

 

『ヘェヤァァッッ…!!』

 

「なっ、何なんだよこれは…離せ!!離せよ!!」

 

「急に数が増えて…っ痛…!?」

 

突然二十匹のラットFが一斉に現れ、コウイチとツルギを囲み出し彼等に抵抗の隙を与える事無く拘束し連れ去って行った。

 

「コウイチ!!ツルギちゃん!!早く先生に連絡しないと…!!」

 

唯一ラットF達に反抗しなかった(と言うよりする間が無かった)為無事だった黒深子は、急いで今起きた事を闇影に連絡するべく携帯に電話を掛ける…。

 

 

 

―WONDERSKY本部兼???邸

 

 

「ふぅむ…奴等が別世界の人間か…。」

 

「はい。残念ながら彼等はラット達に反抗する等間違った道を歩んだ哀れな迷い子ですが、直ぐに真人間へと更正しますでしょう。」

 

青いウェーブのかかった髪に青いスーツを着た褐色肌の男性は、巨大なモニターに写っている別室に鎖で拘束されたコウイチとツルギを見て、彼等を「別世界の人間」だと言い興味深い目で眺め、啓介はラットF達に反抗した彼等を「哀れな迷い子」だと言い放つ。

 

「我等WONDERSKY総帥・アークス・ヴァルヴァロス様に忠誠を誓う正義の使徒として。」

 

「フフフ…全ては我が理想郷、絶対正義の世界の為に…!!」

 

「はっ…。」

 

この青いスーツの男、WONDERSKYの総帥・アークス・ヴァルヴァロスこそがこの世界に「絶対正義」の思想を押し付けている元凶である。彼はその思想を豪語しながらモニターに写るコウイチとツルギに目をやる…。

 

 

 

「くそっ…これが正義かよ…こんなやり方が平和の為になんのかよ!?」

 

「くっ…手を縛られて動けない…!!」

 

コウイチとツルギは動きを封じられた身でありながらも、暴れるかの様にもがき続けている。そこへ、複数のラットF達が彼等に近付き、その動きを無理矢理押さえ込む。

 

『無駄な抵抗は止めろ…今から貴様等は新しい人種へと生まれ変わる…。』

 

「あれは…黒い吸命牙…!?まさか…俺達を…!?」

 

一匹のラットFは背後からファンガイアの特徴とする、生物のライフエナジーを吸収する牙・吸命牙をコウイチとツルギの頭上へと出現させた。しかし、通常のそれとは違い真っ黒に染まっていた。

 

『安心しろ。痛みは然程感じない筈だ…!!』

 

「やっ…止めろ…止めろ!!止めてくれっ!!アアアアァァァァッッッッ!!!!」

 

「アアアアァァァァッッッッ!!!!」

 

ラットFは黒い吸命牙をコウイチとツルギの頭部に躊躇わす突き刺した…。

 

 

 

「つまりその黒い吸命牙に刺された人間は皆、そのアークスと言う人によって操り人形(まにんげん)にされる…と言う訳か…!!」

 

「……。」

 

「事情は粗方解った。だが巡、お前が何であいつ等に追われているんだ?」

 

「……。」

 

闇影は恵達の話を聞き、この世界での「秩序」を理解した。しかし、何故巡が指名手配にされてまでWONDERSKYの連中に追われているのかが解らないでいた。

 

「こいつは元々WONDERSKYの元帥で、アークスの奴と結託しよったんや!!」

 

ずっと黙している巡に代わり、その疑問に健吾は彼女に指を差し、元はWONDERSKYの元帥であり、アークスの側近である事を捲し立てるかの様に答えた。

 

「お前が…?」

 

「…そうよ。これで満足かしら…?」

 

その事実を知り驚きながら巡に目をやる闇影。すると今まで黙していた巡が重い口を開いてその事実を認め、「これ以上の詮索をするな」と意味を取れる台詞を呟く様に言い放つ。その時…

 

「「「「!!!!」」」」

 

突然四人に向かって銃撃が襲って来た。辛うじて回避した彼等が目にした先にいるのは、凶器を持った複数の人々と黒い銃を構えた十六匹のラットFの群れだった。

 

「あれがそのアークスに『真人間にされた』結果か…!!」

 

「せや、この女が師匠を裏切ったんが原因でな…!!」

 

「……。」

 

「あの人達を危険な目に遭わせる事は出来ない…一旦此処を離れるよ!!」

 

操られているだけの人々を巻き込めない為、闇影達は一度この場から人々とラットF達のいる方向とは逆の方向へと立ち去って行く。ある程度人気が居ない場所まで移動したのだが…

 

『ヘェヤァァッッ…!!』

 

「ちっ…別のとこからも来よったか…!!」

 

「何処へ逃げても現れるんだったら、倒すしか無いわね…!!」

 

「分かった…皆、行くよ!!」

 

そこにも三十二匹のラットFが待ち構えていた。これ以上逃げ切れ無いと判断した恵の言葉に従い、四人は各々の変身ツールを構える。

 

「「「「変身!!!!」」」」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

【KAMEN-RIDE…DISHIRF!】

 

【【FI・S・T・O・N】】

 

闇影はディライト、巡はディシーフ、恵はイクサトルーパーRC、健吾はイクサトルーパーGCへと変身しラットF達と交戦する。各々ライトブッカー・ソードモード、ディシーフドライバー、イクサカリバー・ソードモードで斬り伏せて行くが、敵の数が一向に減らない。

 

『こいつ等…弱いけどいくらでも湧いてくるからキリ無いわ…はぁっ!!』

 

『流石に三十二匹相手は初めてね…えいっ!!』

 

『はぁっ!!なら、ここは一気に叩く!!』

 

【FINAL-SHADOW-RIDE…B・B・B・BLADE!】

 

数に物を言わせるラットF達に対して巨大な攻撃で一気に片付けようとするディライトは、自身の影をブレイド・キングフォームへとFSRさせた。

 

『皆、離れろ!!』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…B・B・B・BLADE!】

 

『はあぁぁ…ロイヤルストレートフラッシュ!!』

 

『グギャアァァァァッッッッ!!!!』

 

ディシーフ達に離れる様指示を出しつつFARのカードを発動すると、ディライトとSブレイドKFは黒と金、二つのロイヤルストレートフラッシュを放ちラットF達を全て殲滅させ、役目を終えたSブレイドKFは元の影に戻った。

 

『これで一安心…何っ!?』

 

『ヘェヤァァッッ…!!』

 

敵を全て倒し一安心するディライト達だが、またすぐに別のラットF達が現れた。それも、今度は今の倍の六十四匹で…

 

『そんな…あれだけ倒したのにまだ来るなんて…!!』

 

『無駄よ…ラット達は普通のファンガイアと違って一個体じゃなく複数で一匹なの…。』

 

『お前が呼んだんちゃうやろな…?』

 

『は?』

 

あれだけの数を倒したにも関わらず、先程の倍の数のラットFが現れて嘆き出すイクサトルーパーRC。基本的にラットFは、通常のファンガイアとは違い一匹で一体ではなく、複数の群れが集まって一体なのである。そう淡々と答えるディシーフにイクサトルーパーGCは彼女が呼んだのでは、と疑い始める…。

 

『お前の事やから、裏切ったふりして俺等をあぶり出して一気に叩く真似は平気でやりかねへんからな!!』

 

『おい、今はそんな事言ってる場合じゃ…!!』

 

『ヘェヤァァッッ!!!!』

 

『『『『ぐあぁぁっっ!!/きゃあっっ!!』』』』

 

イクサトルーパーGCがディシーフを捲し立ててる隙を狙われ、ラットF達に一斉射撃を諸に喰らってしまう四人。

 

『くっ…!!』

 

立ち上がったディライトはカオスタッチを取り出し、コンプリートカードを挿入して操作する。

 

【RIKUGA!ANOTHER-AGITO!RYUGA!ORGA!

CHALICE!KABUKI!DARK-KABUTO!NEGA-DEN-O!

DARK-KIVA!】

 

【FINAL-KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

ディライトドライバーを右腰にスライドさせカオスタッチをバックルにセットすると、ディライトはカオスフォームへと変化する。

 

『あんた…まだこんな力を持ってたの…!?』

 

『さぁ…導くよ!!』

 

ディライトCFはライトブッカー・ソードモードを構えて走り出し、ラットF達を素早く斬り裂いて行く。

 

『はっ!やっ!ふっ!せいっ!だあぁっ!!』

 

『グアァァッッ!!』

 

『鼠には猫で行くか…!!』

 

ディライトCFはラットF、即ち鼠に対抗するべく天敵の猫をモチーフとしたネガ電王・クローフォームの特殊武器・ペルクローを実体化、装備した。

 

『必殺!猫まっしぐら!!にゃにゃにゃにゃにゃにゃあぁぁっっ!!』

 

『ガアァァッッ!!』

 

『ニャめんなよっ!!てね♪』

 

そしてラットF達に向かって文字通り、まっしぐらに進みながらペルクローで斬り裂いて行き、自分と同じ声の某魔法猫の様な台詞を言う。

 

『さてと、数も大分減ったし大技で行きますか!!』

 

【ORGA!CHAOS-RIDE…SAVER!】

 

ディライトCFはペルクローを解除し、カオスタッチのオーガと「F」のボタンを押すと、胸のヒストリーオーナメントカードが全てオーガの最終形態のシャドウライドカードに変わり、両サイドに現れた黒いオーガのシルエットと一体化すると、アーマーが金色に、複眼の色がライトオレンジ、両方の手の甲と両肩にはオーガストランザーを模したバルカン砲「ゴルド・ランチャー」が特徴の、オーガの最終形態「仮面ライダーオーガ セイバーフォーム」へとカオスライドした。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…O・O・O・ORGA!】

 

『帝王の名の下に、光の鉄槌を下す!!デュアル・オーガストラッシュ!!』

 

『ギィヤアアアアァァァァッッッッ!!!!』

 

DオーガSFはファイズ・ブラスターフォームの特殊武器・ファイズブラスターに酷似した黒と金のカラーリングがされた特殊武器「オーガセイバー」とオーガストランザーを構え、尖端から放つ巨大な金色のフォトンブラッドの刃を十文字に薙ぎ払った斬撃「デュアル・オーガストラッシュ」でラットF達を一瞬で消滅させ、金と黒のマーブルカラーの「Ω」のマークを残し、元のディライトCFに戻った…。

 

『ふぅ…今度こそ何とか終わっ…!!』

 

六十四匹ものラットFを殲滅し、今度こそ一安心したディライトCFがディシーフ達の方に目をやると…

 

『なっ、何をするの健吾君!!』

 

『ちょっと!!止めなさいよ襟立君!!』

 

『やかましい!!この落とし前はお前の命で償って貰うで!!』

 

イクサトルーパーGCがディシーフを付けさせるべくトルーパーカリバーで彼女に斬り掛かっていた…。




てな訳で、巡の23…ではなく弟は753、もとい31103でした!!

好きなレギュラーキャラは?

  • 煌闇影/仮面ライダーディライト
  • 白石黒深子/スワンオルフェノク
  • 赤鏡コウイチ/仮面ライダーリュウガ
  • 諸刃ツルギ/仮面ライダーサソード
  • 彩盗巡/仮面ライダーディシーフ
  • 戴問周/仮面ライダーディスティール
  • 白石影魅璃
  • 創士傀斗
  • 紅蓮
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