仮面ライダーディライト-世界の光導者-   作:トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜

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サブタイトルから何のライダー系統かは予想がつきますよね(笑)


第27導 咎人ディスティール 止まぬ心の雨

―とある世界

 

 

『はぁ…はぁ…!!』

 

とある山奥の河原にて、腰には四つ葉のクローバーの紋章が特徴のベルト「レンゲルバックル」を巻き、深緑の鎧を纏い、紫の複眼と金色の蜘蛛の様な仮面が特徴の戦士「仮面ライダーレンゲル」は、クローバーの形をした先端の刃が特徴の杖「醒状レンゲルラウザー」を構えつつ何故か息を切らしつつ「敵たる人物」を睨んでいた…。

 

『随分粘んなぁ…俺様の射撃かわしたり召喚したモンを全部ブッ倒したり…。いい加減諦めて宝を渡したらどうなんだ?』

 

敵たる人物…ディスティールはそんなレンゲルを見て肩を竦め、宝を差し出す様声を掛ける。ここまでレンゲルが疲弊する原因は、ディスティールの射撃を回避したり、彼のカイジンライドにより召喚された怪人等を倒す等して体力が消耗した為である。

 

『ふざけるな!!厳しい訓練を続けて漸く手に入れたこの力を…みすみす渡してたまるかぁぁっっ!!』

 

【BITE・BLIZZARD】

 

【BLIZZARD-CRASH】

 

『はああぁぁっっ!!』

 

当然敵のそんな身勝手な申し出を受け入れる筈も無く、レンゲルは体力の関係上一気にケリをつけるべくラウザーにクラブ5「ベノムバイト」と同じく6の「ボーラーブリザード」のラウズカードをラウザーの柄尻付近にスラッシュし、大きく跳び上がり冷気を吹き付け、氷漬けにした相手を両足で挟み砕くライダーキック「ブリザードクラッシュ」でディスティールを倒そうとする。が…

 

『やれやれ…折角俺様が最後のチャンスを与えてやったってのに…』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DI・DI・DI・DISTEAL!】

 

『面倒臭ぇ真似させんじゃねぇよっ!!』

 

『なっ…ぐああああぁぁぁぁっっっっ!!!!?』

 

自分の最終警告を聞き入れなかったレンゲルにまたも肩を竦めるディスティールは、ドライバーにカードをスラッシュさせて自身のFARを発動しディメンジョンスコールで彼を返り討ちにした。しかし、レンゲルは身動きこそ取れないが死んではいない。無論、情けを掛けた訳では無い…。

 

『その力、戴くぜ!!』

 

【STEAL-RIDE…R・R・R・RIDER!】

 

『ぐああぁぁっっ!!?あっ…あぁっっ…!!?』

 

ディスティールは戦闘不能となったレンゲル目掛けてスティールライドの水色のエネルギーの矢を放つと、彼の全身に同色の光を包み込みそれがカードの形となりディスティールの手元に収まると、レンゲル「だった」者は10代後半の青年の姿となる…否、元に戻ったと言うのが正しい。このレンゲルのライドカードこそがディスティールの目的(たから)だったのだ…。

 

『返せよ…俺のレンゲルの力…返せ…!!よ…。』

 

レンゲルだった青年は、奪った力を返す様ディスティールに手を伸ばすも、体力が少ない上に大きなダメージを受けたせいで気を失ってしまう。

 

『ま、恨むんだったら自分の弱さを恨むんだな。あばよ。』

 

そんな最後の小さな訴えを無視したディスティールは、突然現れた灰色のオーロラを潜って用済みとなったこの世界から姿を消した…。

 

 

 

「うっし、大量大りょ…!?」

 

オーロラから出て別の世界へと足を踏み入れた周は、先程入手したレンゲルのカードを含めた別の世界で奪ったライダーの力が元となった数枚のカードを扇子状に束ねて顔を綻ばしていると、突然冷たい水滴が彼の頬を伝う。そしてそれは徐々に勢いを増し、やがてはシャワーの様な雨と化す…。

 

「…何時の間にか里帰りしちまってたんだな…。」

 

どうやらこの世界は、彼自身…「ディスティールの世界」だと言う事に今頃気付く周。すると、戦利品(たから)であるカードをカードホルダーにしまい、懐から煙草とライターを取り出し火を付け、それを咥える。

 

「ふぅ…ちっ!相変わらずやな天気だな…!!」

 

口から煙草の煙を吐き出しつつ、曇天から降る雨を見上げる周は、何やらこの空の如く不機嫌な表情でそう吐き捨てる…。

 

 

 

―世界の光導者、ディライト!数多の平行世界を巡り、その瞳は、何を照らす?

 

 

?―白石家

 

 

「はぁ…今日は一日中ずっと雨かも…。」

 

窓越しに外の様子を眺める黒深子は、一向に止む気配を見せない雨を見て溜め息混じりに憂鬱な気持ちになっていると…

 

「まぁまぁ…これ食べて気持ちくらい晴れ晴れしなよ。」

 

右が赤、中心が黄、左が青く、真ん中に右が白で左が赤い翼の様なワンポイントが特徴のエプロンを付けた闇影は、そんな彼女の気持ちを察し、持っていたいろんな野菜を大量に載せた篭からトマトを取り出して食べる様勧める。

 

「あ、ありがと…て言うか、どうしたのこの大量の野菜は?」

 

「うん、なんか家の外に農園が出来てて、実がなってたからそれで、ね。」

 

黒深子に指摘された闇影は、相も変わらずあっけらかんな返答をする。どうやらこれが闇影のこの世界の役割…「野菜農業家」らしい。

 

「ここが戴問さんの世界なら、今度はあの人の悩みとかを何とかすんのか?」

 

「巡さんの時みたく…でしょうか?」

 

コウイチとツルギは闇影の横から現れつつ野菜篭から胡瓜を一本ずつ取ってかじり、この世界ですべき事は前回の巡同様に、周を…ディスティールを「光へ導く」事なのかを闇影に尋ねる。

 

「その為には先ず、外へ出てこの世界について調べてみないとな…。いんば、いぶよ(皆、行くよ)。」

 

この世界ですべき事は何なのか…それを知るには外で情報を集める必要があると判断した闇影は、嘗て「ボウケンジャーの世界」で共闘した「轟轟戦隊ボウケンジャー」の一人・高丘映士/ボウケンシルバーの様に、野菜篭からセロリを取り出し勢い良くかじり口に含みながら、皆に外へ出る準備を促し行動を開始する…。

 

 

 

―美杉病院・集中治療室

 

 

「……。」

 

周はこの治療室の外から透明の窓から見える、複数本のチューブが繋がれた人口呼吸器の透明マスクを付けた昏睡状態の40代の女性を悲痛な表情で立ったまま見据えている。暫くしてその中に入るべくドアノブに触れようとするが…

 

「……くっ…!!」

 

更に辛い表情をしながら伸ばした右手で拳を握り、中へは入ろうとせずそのまま足早に立ち去って行く。因みにこの病室のドアの横にある患者名が明記されたプレートにはこう書かれていた…。

 

 

 

―"戴問翔子(しょうこ)"―

 

 

 

「…あぁ?まだ降ってんのかよ…クソ忌々しいなぁ…!!」

 

病院出入り口の自動ドアから出た周は、今も尚止む気配を見せない雨を見て「チッ!!」とまたも舌打ちをしつつ濡れるのもはばからずにズボンのポケットに両手を突っ込んでそのまま歩き出す。

 

「何してんだろうね俺様は…。」

 

雨で濡れ普段のパーマがかった髪がストレート風に下りた事に気にも留めず、身体を斜め下に向けて何やら自嘲めいた表情で呟く周。その時…

 

「うわああぁぁっっ!!?逃げろぉぉっっ!!」

 

「きゃあぁぁっっ!!?」

 

「!?」

 

何処からか人々の悲鳴が聞こえた為、直ぐ様その方向へと駆け出す周。

 

 

 

「あ…ああっっ…!!?」

 

『ヒトハ…ヒトノママデイイ…!!』

 

とある広場にて人々が逃げ惑う原因である、梟を模した半獣半人の姿をしたアンノウン「オウルロード・ウォルクリス・ウルクス」が、逃げる際に躓き異形の存在に怯えて動けないでいる男性にじりじりと近付いていた。オウルRの言から、この怯えた男はアギトの力を持つ者である事が分かる。

 

「アンノウンか…どうせなら巡ちゃんクラスのセクシー御姉様か黒深子ちゃんかツルギちゃんクラスの美少女襲ってくれりゃお礼のデートを期待出来たのに…なっ!!」

 

『グオオォォッッ!!?』

 

現場に辿り着いた周は、人の命が懸かっている緊迫した状況にも関わらず、相変わらずの下心丸出しの発言をしながらディスティールドライバーでオウルRに射撃した。その攻撃に怯んだ隙にる男は一目散に立ち去って行った為、オウルRはその邪魔をした周を睨み付ける。

 

「生憎、今日の俺様はかーなーり機嫌が悪い。運が悪かった、と命を諦めるんだな。変身!」

 

【KAMEN-RIDE…DISTEAL!】

 

周は、自身に出会った事が運の尽きと…自信ありきな台詞を吐きながらドライバーにカードをスラッシュしてトリガーを引き、ディスティールへと変身した。

 

『アギト…ジャナイ…!?ダガ…オマエハキケンダッッ!!』

 

オウルRは目の前の周(おとこ) がアギトとは違う存在(ディスティール)に変化した事に一時戸惑うが、アギトを上回る脅威を本能的に察知し、排除せんと襲い掛かる。

 

『俺様に迫っていいのは美女美少女限定、それ以外はお・こ・と・わ…りっ!!』

 

【ATTACK-RIDE…LASER!】

 

『グガガガァァッッ!!?』

 

ディスティールはまたしても軽口を叩きつつ、余裕綽々とした態度でディスティールレーザーでオウルRに放ち背後に追いやると、カードホルダーから黄色のカードを取り出しディスティールドライバーにスラッシュして読み込む。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DI・DI・DI・DISTEAL!】

 

『退屈しのぎにすらなんねぇ程弱ぇな…とっとと消えな…!!』

 

『グアアアアァァァァッッッッ!!!?』

 

ディスティールは圧倒的な差を見せ付けつつ、自身のFARを発動しディメンジョンスコールをオウルRの頭上に叩き込み光の輪を浮かばせて爆散させた…。

 

『はぁあ…時間の無駄だったな…ぐああぁぁっっ!!?』

 

敵は始末したが、別段価値のある宝を手にした訳でも、美女美少女からのお誘いの言葉が来る訳でも無い為、実質「ただ働き」をしてしまった事にディスティールが溜め息を吐いていると、背後から彼に何者が攻撃が仕掛けて来た。

 

『フフフ…!!』

 

ディスティールが背後を振り替えると、先程攻撃を仕掛けたであろう右腕を前に翳している半獣半人の隼を模したアンノウン「ファルコンロード・ウォルクリス・ファルコ」と剣や槍、斧等の武器を持った軍隊蟻を模したアンノウン「アントロード・フォルミカ・ペデス」が10体そこにいた…。

 

『成程な…さっきの梟擬きの「アギト狩り」は単なる「餌」。本命はさっきの野郎じゃなくて最初っから俺様だった訳ね。』

 

ディスティールは先程のあの呆気ないオウルRとの戦い…以前からその存在に対する小さな違和感の正体に気付いた。もし先程逃げた男を始末するのなら人気の無い場所で実行すれば確実なのにも関わらず、わざわざ人気のあるこの広場で殺害しようするメリットは無い。

 

そして、敢えてオウルRを倒させたのも戦いが無事に終わった隙を狙いディスティールを始末しようとした…のだが、そうも簡単では無かった様だ。

 

『俺様を狩りたきゃ見た事無い程の美女美少女(エサ)を用意するんだな。そんでもって後悔しな…俺様の首を狙おうとした事をなぁぁっっ!!』

 

ディスティールは、自分を追い詰められた「獲物」だと認識しているアンノウン達を返り討ちにせんと、扇子状となった数枚のカードを片手にドライバーを構えて「狩人」の如く走り出した…。

 

 

 

「一通り回ってみたけど、なかなか情報が見つからないなぁ…。」

 

「欲しい情報ってのは一通り回ったくらいじゃ見つかんねぇさ。俺に良い考えがあるぜ。」

 

一方闇影達は、様々な場所を歩き続けては見たものの、中々周についての有力な情報が掴めないでいた。するとコウイチが、カメラマンと言う職業上、情報収集に手馴れている立場から意見を口にし始めた。

 

「戴問さんってさ、宝の次に大事なのが美女美少女ってのは知ってるよな?」

 

「あんたみたくね。それで?」

 

何やら周とは関係ありそうでそうで無い話をするコウイチ。黒深子はそれを小さく肩を竦め呆れ顔で続きを聞く。

 

「だから、自分についての話は女の子達には言ってそうなんだ。」

 

「…それがどうかしたんですか?」

 

「「!!?」」

 

あまりに勿体付けた話し方に表情には出さないが、ややイラっとした感じで続きを聞くツルギ。闇影と黒深子は、そこまで話した内容からコウイチが何を言いたいのか理解した…。

 

 

 

「即ち!人生の荒波を潜って来た大人達の『オアシス』にその情報を知っている人間がいるかもなんだ!!だがしかし…その為にはある程度の『情報料』が必要になる…!!てな訳で闇影先生!俺に金をk…「「貸すかぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!!!!」」…ブキャアアァァァァッッッッ!!!?」

 

 

 

あまりにウザ過ぎるドヤ顔で「要はキャバ嬢と遊ぶ金クレ」的な事を打開策と力説して金をせびろうとするアホ(コウイチ)に待っていたのは、死神と灰の白鳥からの某やさぐれた兄弟をも凌駕するであろう鉄拳と鉄脚の同時制裁だった…。しかも顔面に。

 

「珍しくまともな意見を言うのかと思ったら…!!」

 

「あんたの頭ん中は一体どうなってんのよ!!?」

 

「りょ…りょうらんらってぇぇ…(じょ…冗談だってぇぇ)!!?」

 

闇影達がボドボト…もといボロボロと化したコウイチを踏みつけたりサソードヤイバーで刺す等、何時ものコントじみたやり取りをしていると…

 

『『グアアアアァァァァッッッッ!!!!?』』

 

突然、複数の怪人の断末魔と共に大きな爆発音が起きた為その方向へ一行が向くと…

 

「情報じゃなく本人が見つかったみたいだな…。」

 

そこには、今先程ディメンジョンスコールにて二体のアントRを葬ったディスティールとそれと対峙するアンノウン達の姿があった。どうやら無意識の内に周本人がいる広場付近にまで歩き着いていたようだ。

 

「何で戴問さんがアンノウン達と…!?」

 

「良くは解らないが、取り敢えず手助けくらいしてやるか…!!」

 

腰にディライトドライバーを装着しつつ、相も変わらずディスティールに対して上から目線な闇影の発言を皮切りに、コウイチとツルギもカードデッキやゼクター等、各々の変身ツールを構え…

 

「「「変身!!!」」」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

【HENSIN!】

 

『キャストオフ!!』

 

【CAST-OFF!】

 

【CHANGE-SCORPION!】

 

『黒深子は安全な場所に避難するんだ!行くぞっ!!』

 

闇影はディライト、コウイチはリュウガ、ツルギはサソード・マスクドフォームから即座にライダーフォームとなり、ディライトが黒深子に離れる様声を掛けるとディスティールやアンノウン達がいる戦いの場へと駆け出す。

 

『てやああぁぁっっ!!』

 

『ぐあぁぁっっ!!?』

 

『この程度の敵に手こずる様じゃお前の力の底は知れてるな、周。』

 

『んだと闇影てめぇ…余計な真似すんじゃねぇ!!』

 

【ATTACK-RIDE…LASER!】

 

ディライトは走り出すと同時に、ファルコンRに跳び蹴りを喰らわせつつディスティールに近付き挑発めいた嫌味を吐く。それにムカッとなったディスティールはディスティールレーザーを彼目掛けて放つ…。

 

『グアアァァッッ!!?』

 

…但し、それはディライトの背後で剣を構えたアントRの心臓に命中し光の輪を浮かべて爆散した。

 

『雑兵程度にレーザーなんか使ってるからそう言われるんだ…よっ!!』

 

『うおわっ!!?てめぇ…仕返しのつも…!!』

 

ディライトは先程のディスティールの戦い方にケチを付けながらライトブッカー・ガンモードで彼目掛けて数発放った。それにかすりそうなった為、彼に食って掛かろうとするディスティールだが…

 

『『グアアアアァァァァッッッッ!!!?』』

 

『お前や巡だけには借りなんか作りたくないからな…。』

 

『チッ…!!』

 

その彼の背後で槍や斧を構えたアントR二体が今の銃撃により爆散した。口喧嘩をしつつも、倒すべき敵はきっちり倒す次元戦士(闇影と周)。尤も、本人達にとっては本気で命を狙ったが、それが偶々敵に当たっただけだったり、借りを返す程度の結果に終わっただけである。

 

『コイツラ…イッタイナンナンダ…!!?』

 

『ただの腐れ縁さ。縁切りたいけどねっ!!』

 

『ナニッ…ハヤッ…ガッ!ギッ!!グアァァッッ!!?』

 

蹴飛ばされたファルコンRは、ディライトとディスティールの味方同士で攻撃し合い、それにより敵を撃破する…と不可解な戦い方に立ち上がりながら困惑していると、ディライトがそれに答えつつ一瞬で自身の眼前に現れて、ソードモードに切り換えたライトブッカーの連撃を受けて背後によろめく。

 

『偶にはこの必殺技にしてみるかな。』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DE・DE・DE・DELIGHT!】

 

『これで…終わりだぁぁっっ!!』

 

『グガアアァァッッ!!?』

 

ディライトはドライバーに自身のFARを発動させると、正面に十枚の巨大なライトオレンジカラーのライドカードヴィジョンが円上に現れ、ガンモードに切り換えたライトブッカーの引き金を弾くと、カードヴィジョンと同色の強力エネルギー波「ディメンジョントリガー」が放出し、ファルコンRを一瞬で焼き尽くした…。

 

『俺等もケリつけるぞ、ツルギちゃん!!』

 

【FINAL-VENT】

 

『グオォォォォン!!』

 

『はい!!クロックデュアル!!』

 

【CLOCK-UP!】

 

『そして、ライダースラッシュ…!!』

 

【RIDER-SLASH!】

 

ディライトとディスティールが敵を撃破しているのを見て、リュウガはファイナルベントカードを発動してドラグブラッカーを召喚、サソードはクロックデュアルにてクロックアップ空間に突入と同時にサソードゼクターを操作して必殺技のプロセスを行い…

 

『はあぁぁ…でりゃああぁぁっっ!!』

 

『ライダースラッシュ…!!』

 

『『『『『グガアアアアァァァァッッッッ!!!!!?』』』』』

 

【CLOCK-OVER!】

 

リュウガは召喚したドラグブラッカーの放つ黒炎を纏い、飛び上がりドラゴンライダーキックで二体のアントRを撃破し、サソードはクロックデュアルによるスピードダッシュをしつつ、紫色のタキオン粒子のエネルギーを纏ったライダースラッシュで三体のアントRを居合い斬りの如く瞬時に斬り刻み、彼女がクロックアップ空間から抜け出たと同時に爆破する。

 

 

 

「さて、この世界について色々話して貰おうか。」

 

「…てめぇに説明してやる義理はねぇ。大体誰が助けてくれなんて頼んだんだよ…!!」

 

変身を解除した闇影は、当初の目的通りこの世界についての情報を周に尋ねるが、彼を毛嫌う本人は話す気は無いと拒否するばかりか、助太刀をした事を非難しつつ踵を返してその場から立ち去ろうとする。

 

「なら質問を変えよう…お前はアギトなのか?」

 

「……!!」

 

しかし、簡単に食い下がらない闇影の放った「アギト」と言う単語を聞きその場で足を止める周。

 

「アンノウンはアギトの力を持つ人間の命しか狙わない、且つそのアンノウンはお前を襲って来た…ならお前はディスティールになる前はアギ…「下らねぇな。」」

 

先程の戦いの一部始終を目にしていた闇影は、それらが「周=アギト能力者」だと確信して言葉を続けるが、周はそれを一蹴し、振り返り…

 

「人の過去ほじくり回して楽しいか?前々から思うけどよ…そのお節介、見ててマジで鬱陶しいから自重しな?」

 

自身の事について触れようとした事を疎ましく感じた周は、彼の知りたい情報を教えるどころか、彼の「毎度のお節介」は見ていて不愉快だと罵る。

 

「貴方ねぇ…いい加減に…!!」

 

「よせ黒深子。」

 

闇影からの質問に対する周の態度に腹を立てた黒深子は前に出ようとするが、右手を真横に伸ばす闇影によって制止させられる。そして、何故か肩を竦めながら小さく溜め息を吐き…

 

「確かにそうだな…お前みたいな自己中心的な人間を気に掛けようとした事自体間違ってたよ。あのままアンノウンに殺された方が良い薬になったかもな。」

 

「てめぇ…今ここで死にてぇみたいだなっ!!」

 

明らかに侮蔑、またはそれ以上の発言で挑発する闇影。流石の周も此処まで言われて黙っている筈も無く、顔を真っ赤にしながらづかづか近付き、闇影の胸元を勢い良く掴んだ。

 

「だっ、戴問さん落ち着いて!!」

 

「闇影、お前も言い過ぎだぞ!!」

 

「ここは謝られた方が…!!」

 

闇影と周(このふたり)が掴み合いになれば喧嘩どころか、殺し合いに発展しかねない…。そう察した黒深子達は一方を抑えつつ宥め、一方に詫びさせる様促していると…

 

「なっ…これは…!?」

 

例の灰色のオーロラの壁が現れ、彼等を包み込みこの場から消し去る…否、別の場所へと強制移動させた…。

 

 

 

「うわわわぁぁっっ!!?ここここ…ここ!!う、海…海がぁぁっっ!!?」

 

オーロラから抜けると、足下が青く広々とした大海原だった為、「落ちる!!落ちる!!」と必死に跳び上がり、両手で空を泳ぐ真似をしてテンパるコウイチだが…

 

「落ち着けコウイチ。これは異空間だ。」

 

「へっ…?」

 

対してここが本物の大海原ではない事を見抜いている闇影は、冷静に彼をツッコむ。確かに足下は海そのものだが、それ以上下には落ちない為、まるで水面に立っているかの様な感覚だった。

 

「大した空間だな。」

 

「こんな妙な空間に連れ出して一体何の用なんだ…?紅蓮!」

 

「「「えっ…?」」」

 

闇影の発言を聞き黒深子達が背後を振り向くと、この妙な空間へと移動させた張本人…紅蓮がそこに立っていた。周も然程驚いていない事から、彼も紅蓮の仕業だと見抜いている様だ。

 

「ディライト…」

 

「『貴様は死神、世界を焼き尽くす存在』、だろ?みなまで言うな。」

 

紅蓮が言い切る前に彼女の自分に対する普段の第一声を右手を前に出し、ややうんざりした表情で先に言う闇影。しかし、紅蓮の言葉は…

 

「ディスティールに関わるな。」

 

「やっぱりな…ディスティールに関わるなって…えっ…!?」

 

「……。」

 

何時もの罵りでは無く、ディスティール…周への干渉を禁じろという警告めいた物だった。それを聞いた闇影は眉を顰め、周は跋の悪い表情をして目線を下に向けた。

 

「…出来ればそうしたいけど、こいつが俺の周りをウロウロして来るんだよ。」

 

「貴様がディスティールに関われば、そ奴は勿論、世界にとって厄介な事が起き得る。話は理解したなら警告に従え…良いな?」

 

周の方が自分に近付いて来る、と肩を竦めて遠回しに彼へ毒づいた発言をしつつ反論する闇影だが、それを無視し一方的に警告に従う様釘を差し、現出した灰色のオーロラを潜りこの空間から姿を消し、それと同じに闇影達は元の場所へと自動的に戻る…。

 

 

 

「はぁ…勝手な奴だな…。」

 

「……。」

 

「おい。紅蓮がああ言ってるって事は、やっぱりお前は…「…けぇな…。」?」

 

紅蓮の一方的な物言いに溜め息を吐く闇影は、未だに目を伏せて黙する周に先程の会話の流れで彼がアギトなのかを再び尋ねるが…

 

「…しつけぇなつってんだよ!!さっきからアギトアギトって馬鹿の一つ覚えによぉっっ!!俺様はっ……うおっっ!!?」

 

あまりの執拗な同じ質問に、わなわな身体を震わせたと思いきや、力強く拳を握り勢い良く顔を上げつつ、声を荒げて激怒する周。そのまま言葉を続けようとするが、突然何者かからの攻撃が襲い掛かる。

 

『ヒトハ…ヒトノママデイイ…!!』

 

「さっきより数が多い…!!」

 

「ちっ…こっちにもしつけぇ奴が来やがったな…!!」

 

攻撃したのは一体のアントRだった。が、その数はなんと30体であり、その軍勢に立ち向かうべく闇影と周はディライトドライバーとディスティールドライバーを構えようとするが…

 

 

『やれやれ…まだ自分がどういう立場なのか解って無いみたいだね。』

 

 

 

「「!!?」」

 

突如、空中から少年の様な口調をした透き通った翼を広げ、ダークレッドの丸い複眼のくすんだ水色の蜻蛉を模した異形が舞い降りた。その存在に平伏すアントR達の姿勢から見て、恐らく彼等より上位のアンノウンの様だ。

 

「お前がこのアンノウン達の頭目だな。」

 

『頭目だなんて古臭いよぉ…色々言い方があるでしょ〜。リーダーとかキャプテンとか色々あるんだからさぁ…。』

 

蜻蛉の異形…「ドラゴンフライロード・インテゲル・リヴェルラ」のどこかおどけた様な口調で喋り出すが、闇影達はその内面に秘められた底知れぬ「何か」を感じさせる為そう容易く警戒心を緩めない。緩めるつもりも無いが。

 

『まぁそれはそこに置いといて…そこの「半端な存在」の命を盗るからちょっと退いてくれる?』

 

「……!!」

 

ドラゴンフライRは、右人差し指で周を「半端な存在」だと罵倒しつつその命を奪う邪魔はするなと、闇影達に悪びれる事無く軽々しく命じる。

 

「…それを『はい』と素直に答えるとでも思っているのか…!?」

 

当然そんな事を承服する筈も無く、闇影はディライトドライバーを腰に装着し、コウイチやツルギも変身ツールを構えている。

 

『そうしてくれれば僕もあまり「面倒な仕事」をしなくても済むんだけどなぁ〜。』

 

「なら、それをさせなくするまでだ!変身!!」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

邪魔をすればお前達も消さざるを得ない…そう遠回しに発言するドラゴンフライRを倒すべく、闇影はドライバーにカードを装填し、ディライトへと変身した。

 

「「変身!!」」

 

【HENSHIN!】

 

「キャストオフ!!」

 

【CAST-OFF!】

 

【CHANGE-SCORPION!】

 

コウイチもリュウガへ、ツルギは初めから全力で戦うつもりなのかサソード・マスクドフォームに変身すると、即座にライダーフォームへとキャストオフした。

 

【SWORD-VENT】

 

『その舐めた態度…教育し直してやるっ!!はあぁぁっっ!!!!』

 

ディライトはライトブッカー・ソードモード、リュウガはドラグセイバー、サソードはサソードヤイバーで欠伸をしつつ腕を回す等、余裕な態度を取るドラゴンフライRに「教育」すべく勢い良く走り出し斬り掛かろうとする。

 

『『『グルァァァァッッッッ!!!!』』』

 

しかし、それを簡単に許さないとアントR達がドラゴンフライRの前を庇う様に割り込みディライト達に襲い掛かる。

 

『くそっ!!邪魔だぁぁっっ!!』

 

『グアッッ!!?』

 

『こうも多いと厄介だぜ…おらぁぁっっ!!』

 

『同感です…はあぁぁっっ!!』

 

『『グアァァッッ!!?』』

 

ディライト達はやや苛立ちながらもアントR達を斬り伏せて行く。が、如何せん数がかなり多く、中々本命のドラゴンフライRまで辿り着かないでいる。

 

『おい周!!ボケッとしてないでお前も変身しろっ!!』

 

「……。」

 

ディライトは、先程からその場で呆然と立ち尽くしている周に変身して戦うよう怒号を飛ばす。しかし、その声は彼の耳に届いていない…。

 

『はぁぁっっ!!おい!!返事しろこのロリコン木偶の坊!!せいやぁぁっっ!!』

 

「…はっ…誰がロリコン木偶の坊だって!!?このクソ不純異性交遊死神がぁぁっっ!!変身!!」

 

【KAMEN-RIDE…DISTEAL!】

 

ディライトからの悪口での怒鳴り声が聞こえたのか、漸く我に返った周はそれに対して悪口で返しつつドライバーを構え、ディスティールに変身した。

 

『虫相手ならこいつで行くか!!』

 

【KAMEN-RIDE…DARK-KABUTO!】

 

【KAMEN-RIDE…LENGEL!】

 

ディスティールは、アントRやドラゴンフライR等昆虫をモチーフにした相手に倣って、ダークカブトとこの世界に戻る前に奪ったレンゲルを召喚した。

 

『でもって、こいつで終いだ…!!』

 

【ATTACK-RIDE…CROSS-ATTACK!】

 

【BLIZZARD】

 

『……!!』

 

『『『ガッ…ガァァッッ…ガッガッ!!!?』』』

 

【CLOCK-UP!】

 

『クロックアップ…!!』

 

更に召喚したライダーの技、必殺技を発動させるクロスアタックを使用すると、レンゲルはレンゲルラウザーにボーラーブリザードをラウズし、そこから発する吹雪にてアントR達を凍結させ、ダークカブトはクロックアップを起動し、それによる高速攻撃で敵を一気に粉砕、爆散させた…。

 

『ざっとこんなモン…ぐあぁぁっっ!!?』

 

アントRの軍勢を一気に殲滅し、余裕綽々とドライバーをくるくる回しているディスティールだが、突然爆煙の中から見えざる「何か」が直撃し、ダークカブトとレンゲルを爆散させ、彼の変身を解除させた。

 

「『『戴問さんっ!!!』』」

 

『残念でした!兵隊を倒したまでは良かったけど、僕にとっては好都合なんだ。』

 

『今の攻撃は何なんだ…!?全く何も見えなかったぞ…!!』

 

ディライトは、先程ディスティールを倒したドラゴンフライRの謎の見えざる攻撃に仮面の下で眉を顰める。

 

『アギトとは違う戦士の召喚…半端な存在にしては面白い力を持ってたよね。』

 

『半端な存在…?』

 

『ああ、ディライト君は知らないみたいだね。こいつの「正体」をさ。』

 

見えざる攻撃をまともに受けたせいか、その場で倒れている周にじりじり近付くドラゴンフライRは、ディライトに先程口にした「半端な存在」について明かそうとするが…

 

「や…めろ…俺様…の…プライバシーを…勝手に…明かそうと…してんじゃ…ねぇ…!!」

 

虫の息ながら、周はそれを阻止すべく、近くに落ちたディスティールドライバーに手を伸ばし再度変身しようとするが、ドラゴンフライRにそれを奪われしまう…。

 

『ふ〜ん…どうやらこのボウガンが原因みたいだね。』

 

『ドライバーが原因…?一体何…がっ…!!?』

 

ディスティールドライバーの存在がドラゴンフライRの言う「半端な存在」と何の関係があるのか…そう考えているディライトの答えは目前の光景で直ぐに解る事となる…。

 

 

 

「アッ…ガッ…ガアァァッッ…!!グッ…グゥッッ…!!!?」

 

突然立ち上がった周は、苦しむ様に獣の様な唸り声を上げながら全身から血の様に紅く禍々しい光を放ち…

 

 

 

『グルアアアアァァァァッッッッ!!!!』

 

 

 

光が更に輝きを増すと同時に、背中からダークブルーの禍々しい眼の様な模様が付いたダークレッドの8枚の禍々しい形の剣の様な巨大な翼が扇状に勢い良く突き出し、両肩、足先からはダークブルーの嘴を模した爪が突起し、腰の中心にはダークパープルの賢者の石が埋め込まれており、6つの黒い複眼をした全身がダークレッドの孔雀を模した謎の存在「アンギルス・パーウォ・プルーバー」へと変貌し、空へ飛翔する…。

 

『しゅ…う…!!?』

 

『アッハハハハハハハハ!!!!これで解ったでしょ!?こいつはアギト、いやギルスでも無ければ僕達と同じアンノウンですら無い…どっちつかずの中途半端な存在だって事がさぁっ!!!!』

 

ディライト達は、戴問周「だった」アンギルスPPと言う、アギトやギルス…ましてやアンノウンでも無い未知の存在にただただ驚愕していた。ドラゴンフライRの嘲笑も耳に入らぬ程…。

 

『さ〜てとっ!!こんな化物(あぶないやつ)を放ったからしには出来ないからさ…』

 

ドラゴンフライRは、アンギルスPPを野放しには出来ないと口にしながら彼が持っていたディスティールドライバーに目をやり…

 

『ま…まさかっ!!?』

 

『そのまさかさ!!折角だからこいつの持ってた力で楽にしてあ〜げよっ!!』

 

『止めろ…!!』

 

【KAMEN-RIDE…】

 

『へ〜んしんっ!!えいやっ!!』

 

『止めろぉぉぉぉっっっっ!!!!』

 

 

 

【DISTEAL!】

 

ディライトの悲痛な叫びも虚しく、ドラゴンフライRはディスティールドライバーにカードをスラッシュし、ダークレッドの複眼に背中には透明の翼、「カブトの世界」のライダー・仮面ライダードレイクの胸部に似た、蜻蛉を模した形状となったライドプレートが特徴の「ディスティールフォルム」へと変化した…。

 

『さあ…神罰決行だっ!!』

 

『グルアアアアァァァァッッッッ!!!!』

 

ドラゴンフライRDFは、翼を広げてアンギルスPPに突進するかの様に上空を飛翔し、アンギルスPPもまた、それを迎え撃つかの様にまたも唸り声を上げつつ、翼を展開、滑空して特攻する。何故、周はこの力を得てしまったのか?そして、戴問翔子とは何者なのか?この曇天の如く隠された真実(こたえ)は、彼のみぞ知る…。




と言う訳で、周はただの人間では無かったのです。

次回、その理由が明らかとなります。

好きなレギュラーキャラは?

  • 煌闇影/仮面ライダーディライト
  • 白石黒深子/スワンオルフェノク
  • 赤鏡コウイチ/仮面ライダーリュウガ
  • 諸刃ツルギ/仮面ライダーサソード
  • 彩盗巡/仮面ライダーディシーフ
  • 戴問周/仮面ライダーディスティール
  • 白石影魅璃
  • 創士傀斗
  • 紅蓮
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