仮面ライダーディライト-世界の光導者-   作:トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜

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長らくお待たせ致しました!!現在放映中のゴーストは主人公が幽霊、ならば此方は…!!

今回は初の1話完結、ギャグ無しシリアスのみ、盗賊出番無しと初の大判振る舞いでございます。

内容によっては一部の方々のお怒りを買うかもしれませんがその辺は何卒御勘弁を。

尚、ややグロい描写もありますので、お食事中に読む事はお勧め致しません。(苦笑)

それでは、御緩りと…。


第29導 幽霊が語る虚零界の真実 

―幽霊列車・車内

 

 

「(一体…この列車は何処へ向かっているんだ…!?いや、そもそも…何故俺だけがこの世界に…!?)」

 

乗客が自分以外居ない薄暗い車内の席に座る闇影は、この幽霊列車の行き先について…そして、何故自分のみがこの世界へ移動された事に疑問を抱いていると…

 

『お客様、大変恐縮ですがチケットをお見せ下さい。』

 

「へっ…?いや、あの…すいません。俺、チケットは…って、あれ?」

 

そこへ若々しい男性の声をしたダークグリーンの帽子を目深に被り、同色のロングコートを着込んだ車掌らしき人物が闇影にチケットの提示を申し出た。成り行きで乗車してしまった為、当然チケットを持参していない闇影は少し慌てるが…

 

「(何で持ってるんだ…!?)」

 

『はい、確かに。ありがとうございます。』

 

何時の間にかジャケットの胸ポケットに「無期限」の判が押された黒い骸骨のイマジンの絵が描かれたライダーチケットが入っており、それに疑問を抱きながらも車掌に提示した。

 

『間もなく、終点に到着します。お降りの際にお忘れ物の無い様に御注意下さい。』

 

車掌が終点到着の知らせを口にすると同時に幽霊列車は停車し、ドアが開いた為闇影は取り敢えず外へ出た。が…

 

「これは…一体…!!?」

 

終着駅だと言うがホームらしき物は無く、目前の景色は最初に見た物と同じなのを除けば、建物全てが倒壊しており、その瓦礫や周囲の公共物や様々な物品が何年も経過したかの様に朽ち果てていると言う、まるでこの世の終わりを体現した物だった…。闇影がそんな燦々とした光景に言葉を失っていると…

 

『如何でしょうかお客様…この「虚零界」は。』

 

背後からあの幽霊汽車の車掌が声を掛け、この荒れ果てた世界…「虚零界(きょれいかい)」なる謎の世界についての感想を彼に尋ねる。

 

「虚零…界…!!?」

 

『御存知ありませんか…なら…詳しくお教えして差し上げねぇとなぁぁ…ヒャハハハハハハハ!!!!』

 

闇影が「虚零界」について何の事か解らず困惑していると、車掌は先程とはうって変わった粗暴な口調でこの世界の詳細について答えると言いつつ、狂った様に笑いながら着用している帽子や車掌服を破くと…

 

「貴様は…!!」

 

薄暗い緑色の体色をした、ボロボロの黒いフードを被った骸骨を模したイマジン「ゴーストイマジン」がその外見と一致した不気味な雰囲気を醸し出しながら姿を顕わにした…。

 

 

 

―世界の光導者、ディライト!数多の平行世界を巡り、その瞳は、何を照らす?

 

 

 

「イマジン…!!」

 

ゴーストIが自分の命を狙う何者かの…この世界にいる敵の頭目が送り込んだ刺客だと判断した闇影は、直ぐ様距離を取りディライトドライバーを構えるが…

 

『そう構えんなよ死神サマよ。別にてめぇの命を取りに来た訳じゃねぇよ。』

 

「何…?」

 

当のゴーストIは、自分を抹殺する為に現れたのでは無いと、肩を竦めながら右掌を前に出し否定のサインを示す。それを聞き目を見開き驚く闇影だが、警戒心を緩めようとはしない。

 

『俺はただ、てめぇを楽しい「旅行」に行かせ、その案内役を任されただけなんだって。創士の野郎にな。』

 

「…っっ!!貴様、創士の手先か!!うおぉぉっっ!!」

 

謎の「旅行」の案内役らしいゴーストIが創士の配下の怪人だと知った闇影は、目を鋭く、赤く光らせ憎悪の表情でライトブッカー・ソードモードを構えて勢い良く斬り掛かるが…

 

『ちっ…物騒な奴だな…っと!!』

 

「何!?」

 

ゴーストIは、創士に関連するだけで一気に殺意を爆発させる闇影に舌打ちしながら、黒ずんだ緑色の光球となり彼の攻撃を回避、宙へと消え去った。

 

―ククク…死神サマよ。今からあんたにはちょっとした時間旅行を楽しんで貰うぜぇ…死ぬ程な。ヒャハハハハハハハ!!!!

 

「時間旅行だと…どういう事だ!?」

 

―こういう事さ。

 

幽霊の如く姿を消し、嘲笑いながらも何処からか聞こえるゴーストIの語る「時間旅行」について闇影の問いに答える様に、先程何処かへ消えた幽霊列車が異空間から現れ、彼の前を横切った瞬間…

 

「なっ…うわああぁぁっっ!!?」

 

列車のドアが開き、そこから霞んだような白い無数の手が伸びて、闇影を捕獲、強制的に乗車させその場を走り去って行く…。

 

 

 

―幽霊列車・車内

 

 

「痛つつぅぅっっ…!!くそ…こんな列車に乗せて俺をどうするつもりなんだ…!?」

 

謎の無数の手に無理矢理引き込まれた形で乗車され頭部を強く打った闇影は、痛む部分に手を押さえながら自分を再度この列車に乗せた理由について考えていると…

 

『言っただろ?てめぇには時間旅行を楽しんで貰うってな。ヘヘヘ…!!』

 

「…っっ!!貴様ぁぁっっ!!」

 

突如、背後から消えた筈のゴーストIが姿を現わし、自分を時間旅行へ連れ出す為だと小馬鹿にする様に笑いながら再び説明してくるが、そんな事はお構い無しに先程の怒りを再度爆発させ殴り掛かるが…

 

 

『おっと!!まぁ落ち着きなって。これから一緒に同じ旅の仲間同士、仲良くしようじゃねぇか…ヘヘヘ…!!』

 

「誰がっ…!!」

 

『ふぅ…わーったわーった!!この世界…虚零界について教えてやんよ!!』

 

軽く回避され、旅をする者とその案内役の間柄として「仲間」だと心にもない言葉で宥められ更に怒りを募らせる闇影。これ以上彼をからかうと「厄介な事」になると判断したゴーストIは、半ば自棄糞気味に虚零界の詳細を切り出す。闇影も、一先ず怒りを抑えて話を聞く体勢を取る。

 

『この虚零界は言葉通り、全てが「零」な世界…住人も、過去も、現在…未来すら無ぇんだよ。』

 

「……!!全てが…『零』…!!」

 

闇影は、虚零界の詳細…紡いだ過去、動き続ける現在、生み出されるであろう未来、それらに生きる住人…その全てが「零(ない)」と言う事実に目を見開き驚愕し、同時にその惨状や幽霊列車が存在する理由についても理解した。

 

本来幽霊列車は、死者の時間を越える事が可能な時の列車…そして此処、虚零界は住人全てが「零」…即ち「死」である為、それが走っていても不思議では無い…。

 

『そしてそれを創った…いいや、ブチ壊したのは死神サマ…てめぇだよ。』

 

「何…だと…!!?」

 

この虚零界を生み出した…否、世界一つを壊滅させたのは自分だと告げられた闇影は、額から冷や汗を垂らし更に表情を凍らせる。その事実が信じられないからでは無く、それに思い当たる節がある為である。

 

『心当たりがあるみてぇだな?なら、今から思い出させてやるよ。はっきり…鮮明になぁ…!!』

 

闇影の反応から身に覚えがあると判断したゴーストIは、虚零界がどのような経緯で創られたのかを彼に知らしめるべく、右の中指と親指でフィンガースナップを鳴らすと…

 

「なっ…何だこれは…!!?」

 

車内の天井・壁・床の全てが透明になり、外の風景が見えるようになった。しかし闇影が驚いたのはそこでは無く、先程までの廃虚だった風景とは違い、空は快晴で人々が賑わう等、平和その物だった…。

 

『これがこの世界の元々の姿だよ。』

 

「元々の姿だって…!?だが…この世界は…!!」

 

『ああ、確かに過去は跡形も無くなっちまってるさ。だが、てめぇが持ってるライダーチケット…ヴィジョンチケットは「時間を映し出す」仕様になってんだよ。』

 

 

そう…この世界は先程ゴーストIが述べた様に、過去が「零」…即ち存在しない…。にも関わらずその過去がこうして実在しているのは、闇影の持つライダーチケット…過去・現在・未来等…あらゆる時間を風景に投影する、通常のそれとは違う「ヴィジョンチケット」の効力による物である…。

 

「時間を…過去を映し出す…。そんなチケットがあるなんて…!!」

 

『嘗てこの世界の住人達は、過去(いま)の様に平穏な時間を過ごしていました。』

 

闇影がヴィジョンチケットと言う特殊なライダーチケットの存在に驚愕していると、ゴーストIは唐突にこの平穏だった世界が虚零界となった経緯を語り部の様に話し出す。

 

「お前…一体何のつもりだ…!?」

 

『しかし、その平穏が突如として失われる時がやってきたのです…。』

 

「おい!!俺の質問に答え…!!」

 

それに何らかの悪意を感じた闇影はゴーストIに問い質すも、それを無視して話を続ける彼に声を荒げるが、ある光景を見て沈黙する…。

 

「……。」

 

「あれは…俺…!?」

 

何故なら、外の風景…つまりこの平穏だった時の世界の、とあるビルの屋上に例の灰色のオーロラが発生し、そこからダークショッカーの幹部だった頃の自分が現れたからだ…。

 

「この世界に恨みは無いが…焼き尽くさせて貰う…。変身…!!」

 

【KAMEN-RIDE…DISHADE】

 

「あっ…ああぁぁっっ…!!」

 

過去の闇影(以後パスト)は、感情の籠もってない淡々とした口調でこの世界を消滅させるべく、ディシェイドライバーを腰に装着、カードを装填しディシェイドへと変身した。その様子を見ていた闇影は当時の記憶を思い出し、身体を震わせ怯えた表情をする…。

 

【ATTACK-RIDE…GAOH-LINER!】

 

更にディシェイドがドライバーに一枚のカードをセットすると、彼の頭上の空に時の砂漠に繋がる穴が開いてレールが敷かれ、そこから鋭い緑の瞳をした橙色の鰐の頭部を模した列車…全ての時を喰らう戦士「仮面ライダーガオウ」専用の時の列車「ガオウライナーキバ」が、まるで生物の如くその鋭く、大きな口を開閉しながら地上に向かって走り出し…

 

『グバアァァァァッッッッ!!!!』

 

「な…何だあれは…グェアッッ!!?」

 

「きゃああぁぁ…ィギェェッッ!!!?」

 

そこにいる数十人を一瞬で轢き潰し、続けて前進…否、暴走させて行く。突然の大惨事に周囲の人々は、当然悲鳴を上げながら死に物狂いで逃げ惑う。しかし、ただの一般人がガオウライナーキバ…列車のスピードより早く逃げれる筈が無く、後方にいる人間が徐々に轢き殺されて行き、その返り血やミンチの様な肉片を車体に付着させながら爆走すると言う、なんとも凄惨な光景を生み出していく…。

 

「うぅぅ…ああぁぁっっ…!!!!」

 

その場面を透明化した幽霊列車越しに目の当たりにした闇影は、過去の自分が原因である事の激しい罪悪感に苛まれ、その場から崩れ落ちながら頭を抱え、目から大量の涙を流す…。

 

『その後もガオウライナーは停止する事無く絶えず人々を蹂躙し、巨大な化物をも呼び出し街を破壊し続けてました。その原因たる男は、ただ黙ってその様子を見ているだけでした…ってな♪ククク…!!』

 

『グィヤァァッッ!!!!』

 

『ギシャアアァァッッ!!!!』

 

『グオォォッッ!!!!』

 

ゴーストIの態とらしい語りの通り、ガオウライナーキバは人々を轢くだけに飽きたらず背中の鰭からミサイルを発射し、更に闇影(パスト)が独自に改造した車両から飛び出したギガンテスヘブン、ハデス、ヘルが街を破壊、逃げ惑う人々を喰い殺す等暴虐の限りを尽くしていた…。

 

『しかし、それを食い止めるべく勇敢な戦士がいた…!!』

 

ディシェイドの暴虐を制止する戦士の存在を示唆されたと同時に、周囲の光景がビデオのノイズの様な物で見えなくなるが、直ぐまた光景が写るが…

 

「……っっ!!」

 

『……。』

 

次の光景は先程のそれとは違い、中心に佇んでいるディシェイドを剣・槍・斧・銃等タイプが各々違う武器を持った四人の戦士が四方に囲む場面に変わっていた。しかし、それだけでは無い…。

 

『てめぇ…こんだけ好き勝手ブチ壊した挙げ句、デンライナーやおっさんやナオミ…ハナクソ女迄…!!覚悟は出来てんだろうなあぁぁっっ!!?』

剣を…デンガッシャー・ソードモードの切っ先をディシェイドに向けながら声を荒げて怒号を飛ばす赤い桃が割れた仮面の戦士…仮面ライダー電王・ソードフォームの言葉通り、彼等の背後には赤と白を基調とした列車「デンライナーゴウカ」が激しい損傷をした状態で横転しており、中には中年の男性や若い女性乗務員…そして幼い少女が大量の血を流して横たわっていた…。

 

恐らく、あのガオウライナーキバの襲撃に駆け付けて来たのだが、デンライナーに乗り込んだディシェイドが中年の男性・デンライナーのオーナーや乗務員の女性・ナオミ、そして…少女・コハナの命を奪い、車両を破壊し、それに激怒した電王の変身者とその契約イマジン達がそれぞれの電王ライダーとなり、この状況に至る…。

 

『ふん…この世界は何れ焼き尽くされる…。下手にしゃしゃり出なければ寿命が僅かに延びたかも知れぬのに…実に愚かな連中だな。』

 

『口の減らねぇ野郎だな…!!今すぐブッ潰してやっからそこを動くんじゃねぇぞっっ!!行くぜ行くぜ行くぜぇぇっっ!!!!』

 

糾弾されても尚冷淡な態度を取り、更に挑発をするディシェイドに怒りを募らせた電王SFが突撃をすると同時に、残りの三人も同じく彼を倒さんと襲い掛かる。

 

四対一と一見ディシェイドにとっては不利な状況に見えるが、電王SFや電王・アックスフォームのデンガッシャー・アックスモードの斬撃を軽く回避し、電王・ロッドフォームのデンガッシャー・ロッドモードの攻撃を手で受け止めて掴み、投げ飛ばし、電王・ガンフォームのデンガッシャー・ガンモードの銃撃も、シェイドブッカー・ガンモードの銃撃で「同じ弾道を撃つ」と言う神業で相殺する等、互角に渡り合っている。

 

『あ〜もう!!あいつに全然当たんないからムカつく〜!!次の攻撃で絶対にやっつけてやるから良いよね?答えは聞いて…!!』

 

電王GFは自分の攻撃が一度も被弾しないディシェイドに苛立て喚きながら、次の一撃で仕留めんと意気込むが…

 

『…え…!!?』

 

『聞くつもりも聞かせるつもりも無い…!!』

 

瞬く間に自分の眼前に接近したディシェイドのシェイドブッカーの斬撃により両腕と胴体を斬り裂かれ、何が起こったのか理解出来ぬまま息絶えてしまう…。

 

『なっ…鼻垂れ小僧ぉぉっっ!!』

 

『おおおおぉぉぉぉっっっっ!!!!』

 

仲間を倒された事に激昂した電王AFは走り出し、デンガッシャー・アックスモードで斬り掛かろうとするが、ディシェイドはそれを左斜めに向けたシェイドブッカーで防ぎ、互いに押し合う。

 

『大声を張り上げ、勢いだけで敵を倒せると思っている…実に愚かな…。』

 

『どない事でも気合いが大事なんや!それが分からへんお前に俺等は負けへん!!』

 

『そうか…なら気合いとやらが無い俺の強さを見せてやろうか…!?』

 

『なっ…俺が…押されとる…!!?』

 

通常ならばこうした武器の押し合いは腕力の強い者…電王AFが勝つ。だがそれは、相手が並の強さならばの話…通常以上の力を持つディシェイドはその常識を打ち破る様に、片手のみで防ぐシェイドブッカーで電王AFのデンガッシャーを徐々に押していき…

 

『なっ…しもたっ!!?』

 

『ふっ…!!』

 

『ぐあぁぁっっ!!?』

 

 

やがてそれを宙へと弾き飛ばし、がら空きとなった電王AFの腹部から肩口に向けてシェイドブッカーで逆袈裟斬りし、その命を奪った…。

 

『この野郎ぉぉ…熊まで!!』

 

『こうなっちゃ一気に仕留めるしか無いみたいだね…!!』

 

【FULL-CHARGE!】

 

『それっ!!』

 

『なっ…くっ…!!』

 

仲間を二人も倒され、激昂する電王SFとは対称的に冷静さを保っている電王RFは、強力な一撃で倒すべくライダーパスをデンオウベルトにセタッチし、デンガッシャー・ロッドモードをディシェイドに投げつけると、青い亀の甲羅型のエネルギー「オーラキャスト」で拘束する…。

 

『よし…後は…!!』

 

電王RFはその隙にディシェイド目掛けて走り出し、ライダーキックを叩き込む必殺技「ソリッドアタック」を放つつもりだが、拘束し僅かに油断したのが仇となった…。

 

『子供騙しの縛りだ…なっ…!!』

 

『なっ…!?』

 

【ATTACK-RIDE…CLOCK-UP!】

 

『ぁぐっっ!!?う…嘘…でしょ…!!?』

 

『事実だ…。』

 

オーラキャストをあっさりと自力で解除し、クロックアップを発動しそのスピードに乗せた拳で電王RFの左胸に風穴を開けた。電王RFは、あの一瞬でここまでの動作を行うディシェイドの動きについて信じられぬまま死亡するが、当の本人からは一蹴されてしまう…。

 

『亀!!』

 

『これで残りは貴様一人となったな…。苦痛を味わう事無く楽に死ぬか、苦痛と絶望を味わいながらじわじわ死ぬか…世界諸共焼き尽くされて死ぬか…好きな方を選べ。』

 

『ちっ…舐めた口利いてんじゃねぇぇぇぇっっっっ!!!!』

 

完全にこの世界でたった一人の存在と化した電王SFは、シェイドブッカーの切っ先を突き付けるディシェイドからの選択肢になってない選択肢を突き付けられ、怒りのまま突撃するが…

 

『無駄な足掻きを…ふんっ!!』

 

『ぐあぁぁっっ!!?』

 

そんな単調な攻撃が通じる筈も無く、振り下ろされたデンガッシャーをシェイドブッカーで簡単に防がれ、そのまま振り払われ背後へ吹き飛ばされてしまう…。

 

『くそぉぉっっ!!』

 

『まだ立ち上がるか。ここまで力の差を見せ付けてやったと言うのに…本当に馬鹿なのだな貴様は。』

 

『へっ!生憎俺ぁ諦めが悪ぃんだよ!!どっかの誰かさんのせいで…なあ!トクゾウ!!』

 

(ほやな…わしもこのままあいつに屈するんはゴメンやけぇ…!!もう一回行くぜよ…モモタロス!!)

 

『おう!俺は…いや、俺達は最初から最後まで…!!』

 

【FULL-CHARGE!】

 

電王SFは、圧倒的な戦闘力の差を思い知らされても尚ふらつきながらも立ち上がり、この諦めの悪さを自身の契約者…否、相棒である野上トクゾウの影響だとディシェイドに返しつつ彼を見据えながらデンオウベルトにパスをセタッチし…

 

『クライマックスなんだよおおおおぉぉぉぉっっっっ!!!!』

 

赤いエネルギーを切っ先に籠めたデンガッシャーを片手に勢い良く走り出し、ディシェイドの腹部目掛けて横一文字に斬り裂く必殺技・エクストリームスラッシュを見舞わそうとする…が…

 

『なっ!!ぐああぁぁっっ!!?』

 

『そういう単調な部分が馬鹿だと言ってるんだ…!!』

 

右手首を掴まれそれを阻まれた挙げ句、無防備となってしまった腹部目掛けて逆にシェイドブッカーで斬り裂かれてしまい、上半身を前に倒す様にうなだれる…。

 

『貴様の実力(クライマックス)も所詮はその程度だったという事だな。』

 

動かなくなった電王SFを見て、結局は彼も今まで葬って来たライダーと同程度の物だと冷ややかに零すディシェイド。そう思っていた時…

 

『な…何っ!!?ぐぅぅっっ!!?』

 

デンガッシャーの切っ先が分離し、シェイドブッカーを持つディシェイドの右の手の甲に斬り付け、その痛みにより左手で掴んでいた電王SFの右手首を解放してしまう…。そして…

 

『必殺…俺達の必殺技!!大逆転バージョォォォォンッッ!!!!』

 

『ぐああぁぁっっ!!?』

 

突然の事態に虚を付かれて直ぐ様対処出来ず、がら空きになってしまった胸部目掛けて、分離した切っ先が再び接合し、先程以上に大きく輝く赤い光を纏ったデンガッシャーで横一文字に斬り付ける「大逆転バージョン」の一撃でディシェイドを倒した…。

 

(痛つつぅぅ…!!む…無謀な策やったけど…何とか倒せたのぅ…!!)

 

『へっ…肉を斬らせて骨を断つ…ってな!!』

 

電王SFの中にて、トクゾウは今の「大逆転バージョン」を無謀且つ超強引な力押しの技だと最初に受けたダメージで身体を痛がりぼやくも、モモタロスはそれにより強敵を討伐した事に勝利の余韻に浸っている…。

 

 

 

『どうやら貴様を少し見くびっていた様だな…。』

 

 

 

(えっ…!!?)

 

『んな…馬鹿な!!?』

 

『俺の身体はイマジンを含め、此処とは別の様々な世界の怪人達の細胞が施されている…。故に、多少の強力なダメージでは死なぬ…!!』

 

何と、斬り伏せられ倒れた筈のディシェイドがそのままの状態で立ち上がりながら、自身にダメージを与えた電王SFに一定の評価を出す。

 

ダークショッカーの幹部であるディシェイド…闇影(パスト)は、グロンギからファンガイアまで9つの世界の怪人達の細胞を移植手術をして身体の耐久力を持っている為、今の様な必殺技程度では絶命しなかったのだ…。

 

しかし、当の本人は自分の捨て身の攻撃が効かなかった事に唖然として、自身への評価もディシェイドの耐久力の理由も頭に入らず身動きが取れないでいる…。

 

『とは言え…この俺に傷を付けたのは貴様が初めてだ。褒美をくれてやろう…!!』

 

これまで様々な世界のライダーと戦って来たが、誰一人として自分に傷一つ付けた者はおらず、その第一人者である電王SFへの敬意を払い「褒美」を賜わせるべく、ディシェイドは一枚のカードを取り出し、ドライバーへセットする…。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…GA・GA・GA・GAOH!】

 

セットしたカード…ガオウのFARを発動した瞬間、シェイドブッカー・ソードモードの刀身に銅色の雷の様なエネルギーをバチバチと音を立てながら纏われる…。

 

『存分に喰らうが良い…タイラントクラッシュ…!!』

 

『ぐああああぁぁぁぁっっっっ!!!?』

 

そのまま袈裟懸けで大きく振り下ろし、ガオウの必殺技である「タイラントクラッシュ」で電王SFを斬り裂き、大きく吹き飛ばし変身を解除させる…。

 

『漸くくたばったか…。後は捨て置けば勝手に…!?』

 

「ま…だじゃ…!!まだ…わし等は…負けとらん…!!」

 

この世界の中心である電王SFを倒れた事を確認したディシェイドは、後は焼き尽くされる運命が決したこの世界から立ち去ろうと踵を返そうとした時、茶色の七三分けの青年・トクゾウが血塗れで瀕死状態でありながら、自分を見据え立ち上がる…。

 

「どやっちゃぁぁ…どやっ…ちゃあぁぁっっ…!!」

 

ふらつきながらも尚、戦おうとするべくディシェイドの方へ歩き出すトクゾウだが、今のダメージが致命傷だった為、身体に限界をきたし、その場で倒れ絶命する…。

 

『く…そ…!!ト…クゾ…ウ…!!』

 

うつ伏せて倒れていたモモタロスは、トクゾウの名前を呼びながら彼の方へ右手を伸ばすが、契約者であるトクゾウが死亡した為、全身が砂と化し崩れ落ちて消滅する…。

 

『絶対に敵を倒さんとする、その強き願い、強き力を持ちし者達よ…我が記憶の片隅に留める事を約束しよう…。』

 

トクゾウとモモタロスの最期を見届けたディシェイドは、彼等の鋼鉄の如く強い意志に再度敬意を評し、その存在を肝に銘じる事を誓い、発生した灰色のオーロラを潜り立ち去る。それと同時に、この世界は一瞬で炎に包まれ完全に焼き尽くされてしまう…。

 

 

 

『しかし、立ち向かった戦士達は全て敗れ、支柱であるライダーが殺された事により、この世界は焼き尽くされてしまいましたとさ♪めでたしめでたしってなぁ…ヒャハハハハハハハ!!!!』

 

「……。」

 

この虚零界…数ある一つである「電王の世界」の過去の出来事を一部始終見終えた闇影は、ゴーストIの悪趣味な語りも嘲笑も耳に入らず、己が犯した過ちに苦しみながら崩れ落ちたままでいる…。

 

『どうだったよ?過去のてめぇの格好良い殺しっぷりを拝見した感想はよぉ…。』

 

「…ぅぁ…!!」

 

『町も人間も怪人も…この世界のライダーを理不尽に何もかも滅〜茶苦茶に焼き尽くしたその極悪非道な振る舞い…尊敬するぜ。』

 

「…ぁ…くっ…!!」

 

ゴーストIはまるで神経を逆撫でするかの如く、「この世界が焼き尽くされた」過程…闇影の悪しき過去を自身で閲覧した感想について態とらしく尋ねる。しかし闇影は俯いたまま立ち上がらず、何故か小さく呻きながら身体を抱えて震わせている。

 

『そんな極悪人様が今じゃ「世界を光へ導く」先公だって〜?あまりに虫が良すぎて逆に笑っちまう話だぜ!!ヒャハハハハハハ!!!!』

 

「…ぁあ…ぅぐるぁぁ…!!」

 

『ハハ…ハッ…!?』

 

挙げ句、嘗ての「緋眼の死神」から「光導者」として生きる事に対して「都合が良い」と罵り大声で嘲笑うゴーストIだが、闇影の様子を見てそれを止めた…。

 

「ぁ…かっ…はっ…はがっ…ゥグルアアアアアアアアァァァァッッッッ!!!!」

 

闇影の全身が渦の様な闇の如く黒いエネルギーが纏われ徐々にそれが大きくなり、立ち上がった彼は獣の如く咆哮すると、渦状だったエネルギーは一気に噴火した火山の炎の如く勢い良く放出して乗車しているガオウライナーの上半分を一瞬で吹き飛ばした…。それを気にも留めぬ闇影は、髪の色は金に、瞳は赤く染まる等して外見が変わった…否、嘗ての姿へと戻ったのだ。「緋眼の死神」としての姿に…。

 

「変…身…!!」

 

【KAMEN-RIDE…DISHADE!】

 

何時の間にかディライトドライバーも元のディシェイドライバーに戻っており、それを腰に装着した闇影は、先程とは打って変わり冷静且つ冷淡な口調になりながらカードを装填し、ディシェイドに変身した。その身に闇のエネルギーを纏いながら…。

 

『ハッ!!ブチ切れて遂に本性を見せやがったなぁっ!!そうだ!!どんなに偽善ぶっても、てめぇの本質は結局闇…み…!!?』

 

嘗ての姿へと戻った死神ディシェイドに対し更なる嘲笑と罵倒を吐き捨てる様に飛ばし続けるゴーストIだが、何時の間にかシェイドブッカー・ソードモードを振り降ろそうとするディシェイドの姿が自分の眼前に映った為、咄嗟に柄が緑色の剣を横に構え、盾代わりにして攻撃を防いだ。

 

『くっ…この俺が…押され…ぐあぁぁっっ!!?』

 

しかし、ディシェイドの力が強いのか、咄嗟に防いだ為籠めた力がやや不十分だったのか…徐々に押し込まれ防御を崩されてしまったゴーストIは、がら空きとなった胴体に横一文字の斬撃を受けて背後へ吹き飛ばされる…。

 

『俺の過去をその薄汚れた足で踏み込んだ代償…小さくは無いぞ…!!』

 

ディシェイドは、自身の過去を映し出し、それを面白半分に挑発めいた語りをすると言う、ゴーストIの悪趣味な振る舞いに怒りを感じ、その制裁を下すべくシェイドブッカーを片手に彼の下へ近付く。

 

『くっ…たかだか人間の癖に…この俺を殺せると思ってんのかよ…!!ざけんなよ…ざけんじゃねぇぞぉぉぉぉっっっっ!!!!』

 

立ち上がるも上半身を俯かせているゴーストIは、如何に「死神」と謳われたディシェイドとは言え、所詮は人間である彼にイマジンである自分が地に身体を付けられた事実と「自分を倒す」と言う、思い上がった(様に聞こえる)発言に身体を大きく仰け反らせて激昂し、何処からか中心に金色の縁とその内部が赤い長方形の口の様な形をしたベルトを取り出し、腰に巻き付けた。

 

『…そのベルトは…!?』

 

『御存知みてぇだなぁ…この俺を只のイマジンだと舐め腐った事を…死んで後悔しなぁぁっっ!!変身!』

 

【SKULL-FORM!】

 

腰に巻き付けたベルト「ユウキベルト」を見て驚愕するディシェイドを見てにやけるゴーストIは、ベルトを起動させ単調なテンポ音を鳴らし手元にあるライダーパスをセタッチすると、全身が灰色のスーツに包まれ、周囲に青白い鬼火を纏った複数の黒いアーマーが装着されると、黒い電仮面の額に骸骨、首に巻かれた線路模様の白いマフラーと腰に付加された黒いスカートの様な物が特徴の戦士「仮面ライダー幽汽 スカルフォーム」へと変身した…。

 

『そのライダーの力も創士から与えられたのか…!?』

 

『あぁ?んな事を答えてやる義理は無ぇし、それを聞いても無駄だと思うぜ?てめぇはこれから死んじまうんだからよぉぉぉぉっっっっ!!!!』

 

ディシェイドはライダーの力を授けたのは創士なのかを幽汽SFに尋ねるも、当の本人はその質問には答えず、肩に乗せていた自身の剣を構え、走り出して斬り掛かる。

 

『シャアッ!ハァッッ!!ゼリャアアァァッッ!!!』

 

『……!!』

 

幽汽SFは片手で剣を縦に振り、身体を半回転させその遠心力で横に振り、右斜めに振ると直ぐ様左斜めに振り下ろしたりと素早い斬撃をディシェイドに繰り出すが、ディシェイドは無言のままそれをシェイドブッカーで防いでいる。

 

『どうしたどうした死神さんよぉぉっっ!!そんな防戦一方じゃ俺は殺せねぇぜぇぇっっ!!』

 

『くっ…!!』

 

先程からシェイドブッカーで防いでいるのみで反撃を仕掛けないディシェイドの消極的な戦い方に幽汽SFは、それとは対称的に息つく暇も与えぬ速度で剣を振り回しながら挑発し、数秒間の剣同士の押し合いをすると直ぐ様弾いて互いに距離を取る…。

 

『チッ、偉そうに啖呵切っといて変わったのは見た目だけかよ…!!この俺に上等こいた落とし前をつけさせてやるぜ!!』

 

【FULL-CHARGE!】

 

あれほど自分を倒すと宣言しながら積極的な攻撃を仕掛けないディシェイドに「外見のみ変わった」事に不甲斐なさを感じ、見切りを付けた幽汽SFは、挑発の返礼としてベルトの中心部にライダーパスをセタッチし、剣を中心に構えると…

 

『はああぁぁ…ぜりゃああああぁぁぁぁっっっっ!!!!』

 

彼の周囲に複数の青白い鬼火型のフリーエネルギーが発生し剣の刀身にフルチャージさせたそれを地面に叩き込むと、強力な衝撃波が地を這う様に放つ必殺技「ターミネイトフラッシュ」をディシェイドに仕掛ける…。

 

『……。』

 

この危機的状況にも関わらず、ディシェイドはその場から一歩も動かず迫り来る衝撃波をただ黙視し、やがてそれは自身を巻き込み周囲は大爆発する…。

 

『俺の技にビビって動けなかったのかよ…ケッ…死神つっても大した事なかった…な…!!?』

 

再び剣を肩に乗せた幽汽SFは、自身の必殺技に対し反撃の必殺技を繰り出す事も、防御する事も一切行わなかったディシェイドを「技の威力に萎縮した臆病者」だと罵倒するが、爆煙が止みだした先の光景を見て絶句する…。

 

『どうした?この程度の技では俺は死なんぞ?』

 

『何で…だ…何で…何で何で何で!!?何で死んでねぇんだよぉぉっっ!!!?』

 

爆煙の止んだ先には、ターミネイトフラッシュを直撃した筈のディシェイドが無傷のまま直立し、不敵な言葉を投げつける姿がそこにあった。その光景に幽汽SFは、先程の必殺技で仕留められなかった事に激しく狼狽する…。

 

『喚くな、これで防いだだけだ…。』

 

対して冷静なディシェイドは、爆煙が完全に止むと同時に自身が無傷だった理由を幽汽SFに説明する。手元にはネガ電王・シールドフォームの専用の盾・カプリールドが装備されており、先の必殺技は全てこの盾が吸収した為であった…。

 

『貴様の戦法は粗方理解した。確かに攻撃速度は高く、技の威力も大きい。だが…余りに単調過ぎて、見切るのは容易い…。「たかだか人間」である俺にも見切れるくらいに…な。』

 

『!!て…めえぇぇぇぇっっっっ!!!!』

 

先程まで防戦一方だったのは自分の攻撃パターンを知る為だった事に屈辱を、そのパターンを見切るのは簡単だと勝手に理解した事に激しい怒りを感じた幽汽SFは、咆哮を上げながらディシェイドに向かって走り出し、殺意の籠もった剣を振るうが…

 

【ATTACK-RIDE…PERCLAW!】

 

『ふっ…!!はっ!やぁっ!!ぜぃっ!!!』

 

『なっ…がっ!!?ぎっ!!?ぐあぁぁっっ!!?』

 

ディシェイドはシェイドブッカーからカードを取り出し、ドライバーにセットすると、ネガ電王・クローフォームの専用武器・ペルクローを手の甲に装備し、幽汽SFの剣撃をクロスした腕で防ぎ、それを弾き無防備となった胸部を数回引き裂いて背後へ退かせ…

 

【ATTACK-RIDE…TRUBAMERANG!】

 

『更にもう一撃だ…ぜぇぇいっ!!』

 

『くっ…避け切れねぇ…があぁぁっっ!!?』

 

透かさず次のカードをドライバーにセットすると、ネガ電王・フェザーフォームの専用武器・ツバメランを実体化、円を描く様に投擲し、更なる追加ダメージを与えた。

 

『くそぉ…くそくそくそくそくそがあああぁぁぁぁっっっっ!!!!』

 

【FULL-CHARGE!】

 

【FULL-CHARGE!】

 

【FULL-CHARGE!】

 

『はああああぁぁぁぁ…こいつで…くたばりやがれぇぇぇぇっっっっ!!!!』

 

度重なる攻撃を受け続けて怒り狂った幽汽SFは、ユウキベルトにライダーパスを乱雑に三度セタッチし、先程以上に巨大なフリーエネルギーをフルチャージさせた剣を地面に叩き付けて、通常の倍以上の大きさとなったターミネイトフラッシュをディシェイドに放った…。

 

『乱れた心で放つ強大な技程、脆い物は無い。最後に一つ、指南してやろう…。力は…こう発揮させるのだとな!!』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…YU・YU・YU・YUUKI!】

 

またしても冷静なディシェイドは、怒りに身を任せる幽汽SFの必殺技に苦言を漏らしつつ、平常心で必殺技を放つ方法を「指導」として幽汽のFARを発動する。

 

『はああぁぁっっ…!!』

 

『馬鹿な!!?何でてめぇも俺の技を!!?』

 

幽汽SFがまたも狼狽する様に、ディシェイドが両手でシェイドブッカー・ソードモードを中心に構えると、彼の全身から複数の鬼火型の次元エネルギーが周囲を囲み、刀身に宿す等…幽汽と同じ必殺技のプロセスを取っている。但し、鬼火は黒がかった紫色で、エネルギー量は幽汽SFより一回り大きい。

 

『地獄と言う名の終着駅に送ってやる…ターミネイトフラッシュ!!』

 

『この俺が…只の人間なんかにこの俺がああああぁぁぁぁっっっっ!!!?』

 

ディシェイドがシェイドブッカーを地面に叩き付けると、巨大な衝撃波・ターミネイトフラッシュが地を大きく抉って走り出し、幽汽SFのターミネイトフラッシュを彼ごと飲み込み、大爆発させた…。

 

「面白半分に触れるべきで無い過去もある。来世で肝に命じておくんだな…!!」

 

変身を解除した闇影は、幽汽SFが消滅した場所の方向に向かって、軽率に他人の過去を干渉する事に警告めいた言葉を放ちながら、敵とは言えその命を奪ったせめてもの償いとして墓を作ろうと近付くと…

 

 

 

『オ前…俺ガ今ノデ死ンダナンテ思ッテンジャネェダロウナァァッッ!!?』

 

 

 

「なっ…!!?」

 

『ヒャッハハハハハハハハァァァァッッッッ!!!!』

 

先の攻撃で消滅した筈の幽汽SFが、闇の様に黒くドロドロとした骸骨と複合した様なエネルギー体となって地面を突き破る様に現われ、狂った様に嗤いながら彼に襲い掛かる…。

 

「往生際の悪い奴め…ぜやぁぁっっ!!」

 

『ギャアアアアァァァァッッッッ!!!!?』

 

幽汽SFの執念深さに眉を顰める闇影は、シェイドブッカー・ソードモードの一太刀により胴体を真っ二つにして今度こそ消滅させた…。

 

 

 

『ナァンテナ…甘メェゼ死神サマヨォォッッ…!!』

 

「何っ…!!?」

 

…かに見えたが、エネルギー体と化し、肉体を失った幽汽SFに物理的な攻撃等無意味であり、そのまま闇影の背後に回り込み、そして…

 

 

 

『ソノ身体…俺ガ貰ッタアァァァァッッッッ!!!!』

 

「なっ…この…離…れろ…!!こ…のっ…ゴバッ!!?ガハァァッッ…ァウグゥゥッッ…!!?」

 

何と幽汽SFは全身をまるで蔦の様に形を変えて絡み付き、闇影の眼・耳・口・僅かな傷口等、全身にかけて憑依した。闇影はそれに身体を動かして抗うも、徐々に体内へと吸収するかの如く入り込まれてしまう…。

 

「ゲホッ!!ゲホッ!!お、お前…俺に取り憑いて何…を…グガアアアアァァァァッッッッ!!!!?」

 

咳き込みながら、自分に憑依した目的を内部にいる幽汽SFに問い詰めようとする闇影だが、そのタイミングで腹部から服越しに闇冥縛封の封印式が発生し、解放された自身の闇がそれ目掛けて吸い込む様に封印され、言い知れ様の無い激痛により身体をのたうち回らせ、徐々に髪や瞳の色が元に戻ると同時に苦痛が和らいでいき、その安心感により意識を手離す…。

 

 

 

『ヒヒヒ…此処が死神サマの精神か…!!』

 

(貴様、最初から俺に取り憑くつもりで…何を企んでいる…!!?)

 

『漸くお目覚めか。気付くのが遅ぇんだよ!!』

 

周囲は闇の如く暗く、しかし無数のライトオレンジの回路の様な物が存在する空間…闇影の精神にて、内部に侵入、更なる先へ流れ進む幽汽SFは、何処からか聞こえる闇影の意識に、自分への憑依が目的なのかと指摘され、時既に遅しと一蹴する。

 

『だがまぁ、目的が果たせたから話してやるよ。本来なら問答無用でてめぇに憑いてやるつもりだったが、直ぐに抵抗されて殺られるか、縦しんば憑いたとしてもディライトとやらの光の力で消されて終いだ。』

 

しかし、既に目的を果たした余裕なのかその理由について話し始める幽汽SF。ただ単に憑依するだけなら闇影を直接襲撃すれば簡単だが、ライダーの力を得た程度の怪人と次元ライダーである彼が戦えば返り討ちにされ、更に憑依したとしても闇影の光…ディライトの力により消滅する危険性もある。

 

『だが…闇の力が解放された時のてめぇならすんなり取り憑ける上、それが封印されちまえば振り払う事も出来ねぇ!!そう考えた創士は、俺に瀕死状態になると自動的に闇の魂を持つ者に「絶対憑依」の力をプログラムした幽汽の力と、てめぇを死神状態にさせる為の策を授けたって訳さ!!』

 

(つまり…全部奴の思い通りに踊らされた訳か…闇のシナリオとやらに…!!)

 

但し、死神…闇の存在と化した状態への憑依ならば問題は無い上、一度憑けば最早抵抗しても手遅れとなる。その為に創士はゴーストIに瀕死時に「絶対憑依」能力が作動する様改造したユウキベルトと闇影をディシェイドに変貌させるべく、今回の「悪趣味な時間旅行」の策を授けた…。それを聞いた闇影は、自分が創士の「闇のシナリオ」通りに動かされた事に憤りを覚える…。

 

『見えたぜ…!!』

 

(何を…あれは…!!?)

 

遂に精神の最深部に辿り着いた幽汽SFが見た物…それは、眠った様な状態で無数の白銀の鎖により封印された過去の姿をした闇影…即ち、彼の闇の力の権化である。この鎖の出所は言わずもがな、師・マバユキが命を代償に施した闇冥縛封の力である…。

 

『ヒヒヒ…俺が業々あんな小細工したり、ムカつきながらも負けたのはな…てめぇのその強ぇ闇の力を乗っ取る為だったんだよ!!』

 

(よせ…止めろ!!そいつはそんな単純な力じゃない!!周囲は疎か…自分すら危険に曝す代物だ!!)

 

『ヒヒヒ…そいつを聞いて尚更手にしたくなったぜ!!支配した暁にゃ…全ての世界で大暴れしてやっぜぇぇぇぇっっっっ!!!!ヒャハハハハハハハァァッッ!!!!』

 

(止めろ…止めろぉぉぉぉっっっっ!!!!)

 

幽汽SF…ゴーストIが敗北すると言う、彼にとって屈辱的な結果を甘んじてまで創士の思惑通りに闇影へ憑依した理由は、彼の中に眠る闇ディシェイドの力を支配、全次元を暴虐の限りを尽くす事であった。その野望の一歩として狂った様に笑いながら闇影の姿を象った闇の権化へと溶ける様に同化した。すると、拘束していた鎖の一部が千切れ出し、闇影(闇の権化)の閉じていた目がカッと見開かれ、彼の視界そこで途絶える…。

 

 

 

―…い…!!…せ…せい…!!先生!!しっかりして!!

 

 

「う…んん…!!」

 

意識を取り戻した闇影が目を開けると、自分を揺すって目覚める様必死に呼び掛ける黒深子の姿と心配そうに見守るコウイチとツルギの姿が映っていた。

 

「先生!!漸く目が覚めたのね…良かったぁぁ…!!」

 

「闇影さん…大丈夫ですか!?」

 

「黒深子…ツルギちゃん…。俺は一体…!?そうだ!!虚零界は!?あの骸骨のイマジンは!?」

 

「はぁ?何言ってんだお前?キャンバスの絵の戴問さんぶん殴ろうとした途端、急に死んだ様にブッ倒れて大騒ぎになったんだぜ?」

 

自分が目覚めた事に喜ぶ黒深子やツルギを余所に闇影は先程目にした事を話すが、それを聞き呆れ顔をしたコウイチ曰く、自分はキャンバスの絵に描かれた周に殴り掛かろうとした途端に意識を失ったのだと言う。

 

「(なら…あれは全部夢だったのか…。)そうだったのか…心配掛けてすまなかった。」

 

もしコウイチの言葉が本当ならば、自分は今まで悪い夢を見ていただけなのだと心の中で思った闇影は、余計な心配を掛けた事を黒深子達に詫びて何時の間にか寝かされてた自室の布団から起きてドアに向かう。

 

「何処行くの!?まだ寝てないと…!!」

 

「もう大丈夫だよ、ちょっと顔を洗いたいだけ。」

 

黒深子からまだ本調子では無いだろうと制止される闇影だが、顔を洗いに行くだけだとやんわり言って部屋を出て、洗面所へと向かった。

 

 

 

「ふぅ…。あれは何だったんだ?夢の割には妙にリアリティがあったし…。」

 

洗面所で顔を水で洗いタオルで拭き取りややすっきりした闇影は、先程見た光景は本当に唯の夢だったのかと疑問に思っていると…

 

『残念ながら夢じゃねぇんだよな、これがよぉ…!!』

 

「!!?そ…その声は…!!?それに…その姿は…!!?」

 

突然、呟いた疑問に答える自分以外の声が聞こえた為、ふと鏡を目にした闇影。そこには何故か普段の姿ではなく、ギザギザの黒いストールを身に纏い、緑のメッシュを入れたボサボサに伸びた白髪と灰に近い白い瞳をし、邪悪な笑みを浮かべる自分と同じ顔…ゴーストIが闇影の姿に似せた姿が映っていた…。

 

『ヒヒヒ…何れてめぇがまた闇に墜ちた時には…この身体は頂く…。其れまではその胸糞悪ぃ偽善ぶりが何処まで続くか見届けさせて貰うぜ…!!』

 

「なっ…待て!!」

 

G闇影は、再び闇影が死神としての姿に墜ちた際には今度こそ彼の肉体を乗っ取ると宣言し、暫くは今後の動向を陰ながら拝見すると言い放つと意識の奥底へと引っ込む…。

 

(そして徐々に思い知るだろうぜ…どんなに偽善ぶろうが、てめぇは世界にとっての死神…いや、疫病神だって事をよぉ…ヒヒヒ…!!)

 

「……っっ!!」

 

最後に「疫病神」だと揶揄され、その心を殴りつけられた様な衝撃を覚えた闇影は、頭の中でそれを反芻し、悲痛な表情をしながら項垂れる…。

 

 

 

―リビング

 

 

「闇影さんが目を覚まして良かったわぁ…。お粥を用意しないとね〜♪」

 

目覚めた闇影の為に粥を用意する影魅璃がキャンバスの前を通り過ぎたと同時に、それは背景が雲の中にある巨大な白い塔、中心に上段が翼、中段が花、下段が波を重ねた金色のエンブレムがあり、周囲には赤い龍・桃色の鳳凰・黒い蛇・黄色い虎・青い鮫・金色の鬣をした白銀の獅子の頭部の様な物が飛び交う不思議な絵だった…。

 

 

 

「ディライトよ…次に訪れた世界に貴様の出る幕の無い…其ればかりか闇(はめつ)へと導く、必ずな…ハハハハハハハハッッ!!!!」

 

白石家の屋根の上にて、次の世界の内容を知る紅蓮は、闇影は不要どころかその世界を破滅させると嘲る様に高笑いをする。

 

果たして次なる世界は?そして、ゴーストIと魂が同化してしまった闇影の運命や如何に…!?




如何でしたか?まさかまさかのディシェイド復活!!&闇影の封じていた闇の力にゴーストIが憑依!!

今回新たに判明した世界・虚零界は呼んで字の如く、全てが「零」の世界であり、それは嘗ての闇影により焼き尽くされた世界の成れの果てで、その犠牲の一つには別次元のチーム・デンライナーも含まれていたんです。電王ファンの方々、本当に申し訳無い…。

その世界の支点(ライダー)である野上トクゾウ、彼の容姿は原典の良太郎ですが、髪は茶髪の七三分けです。名前と口調は今春のドラマから取りました。中々面白いので機会がありましたら是非御覧になって下さい。

次回はなろう時代にネタバレしましたが、「あの世界」です!!

そして、そこから更なる展開も用意する所存ですのでお楽しみに!!

好きなレギュラーキャラは?

  • 煌闇影/仮面ライダーディライト
  • 白石黒深子/スワンオルフェノク
  • 赤鏡コウイチ/仮面ライダーリュウガ
  • 諸刃ツルギ/仮面ライダーサソード
  • 彩盗巡/仮面ライダーディシーフ
  • 戴問周/仮面ライダーディスティール
  • 白石影魅璃
  • 創士傀斗
  • 紅蓮
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