仮面ライダーディライト-世界の光導者-   作:トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜

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タイトル通りダキバ編、私の一番好きなダークライダーです!!


第7導 裏楽章・憂うる闇のキバの王

―バイオリン工房・輝(かがやき)

 

 

「ぜ…ぜんぜい…。何…ぞの液体…。」

 

「凄ぇ臭いだぞ…。」

 

黒深子とコウイチは鼻をつまみ顔をしかめながら、擂り潰した「何か」を悪臭がする謎の液体に混ぜている闇影に尋ねた。

 

「ああ。この魚の骨はバイオリンのニスの材料になるんだ。だからこうやって混ぜてるんだ。」

 

「だがらっで…うぅっ…。」

 

「もう少しで終わるか…」

 

突然、インターホンが鳴り、影魅璃はすぐさま玄関まで駆けつけた。

 

「は~い。」

 

ドアを開けると、白いジャケットに白手を着けた長髪の男が立っていた。

 

「あのぉ…ここって喫茶店ですか?」

 

「いいえ、ここはバイオリン工房です。」

 

「ああ、バイオリン。あれは素晴らしいですね~。」

 

どうやらこの男はここを喫茶店と勘違いしているようだ。そして影魅璃の訂正の言葉を聞いても話が噛み合わない返答をした。

 

「コーヒーでしたら、ウチで飲んでいきません?工房の見学も自由ですよ。」

 

「おお、それはありがたい。ではお邪魔します。」

 

影魅璃の言葉を受け男はここでコーヒーを飲む事にした。そしてコーヒーが出来る迄工房をせわしなく見学した。

 

「ほぉ。これは素晴らしい工房ですね。」

 

「ありがとうございます。」

 

工房を称賛する男に闇影は感謝の言葉で返した。

 

「こう素晴らしい物ばかり見ていると胸が熱くなって『脱ぎ』たくなりますね…。」

 

そう言うと男の顔にステンドグラスの模様が浮かび、そのまま蜘蛛をイメージしたスパイダーファンガイアへと変化した。

 

『チューリッヒヒヒ…。』

 

「!!ファンガイア…!!」

 

「あっ!おい、コウイチ!!」

 

『ウグッ…!!』

 

闇影が制止する前にコウイチはスパイダーFを殴り倒した。すると…

 

『な、何するんだびっくり!!いきなり殴るなんて酷いじゃないか!!』

 

「へ?」

 

スパイダーFの怒りの訴えにコウイチは間抜けな声で反応する。

 

『この店はファンガイアを差別するのか!!「親衛隊」に訴えてやる!!』

 

あまりの理不尽な対応にスパイダーFは怒りながら工房を出ていき、影魅璃が持ってきたコーヒーを「いらない!」と告げ外へ出た。

 

「ちょっと!あのまま出ていったら大変よ!」

 

「そうだな、急ごう!」

 

闇影達が外へ出た時、スパイダーFが中年の女性に近づこうとしていた。

 

「あの人が危ないわ!先生!!」

 

黒深子は闇影に変身を促すが、スパイダーは中年の女性に向かって走り出し…

 

『おばちゃ~~ん!!!!あの人がファンガイアだからっていきなり殴って来るんだぁぁぁ~!!』

 

なんとスパイダーFはその女性に泣きついていったのだ。すると…

 

「あんたぁぁぁぁっっっっ!!!!」

 

「ぐぎゃぁぁぁぁっっっっ!!!!」

 

その女性もとい近所のおばちゃんが此方まで菷を持って全速力で駆けつけ、コウイチをぶっ叩き三時間程説教を喰らわせた。「ファンガイアを差別するな!」「あんたどういう教育受けてんだ!」等々…。戻ってきた時には回覧板を持ちながら頭をクラクラさせていた。

 

「コウイチ…大丈夫か?」

 

「だ…大丈夫な訳…ねぇだろ…。」

 

「その回覧板には何が載ってるの?」

 

コウイチはふらつきながらも黒深子に回覧板を渡した。

 

「えっと…『ファンガイアとのコーラス会の募集』に『王城キャッスルドランの見学ツアー』…って、えぇっ!?」

 

回覧板の内容に驚く黒深子。それを横で見ていた闇影は顎に指を添えて結論を出した。

 

「…粗方解ったよ。この世界は人とファンガイアが共存する世界だ。」

 

「だからさっきの人がファンガイアを殴った事であんなに怒っていたのね。」

 

「ああ。此処ではそれが当たり前なんだな…。良い世界だ。」

 

闇影はこの人と異形が共存する世界を嬉しく思い、感動していた。

 

「後はこの世界のライダー『闇のキバ』を見つけるだけなんだけどなぁ…。」

 

三人は闇のキバことダークキバが何処にいるのかを考えていた時、二人組の男が現れた。

 

「…人間だ…。」

 

「ああ…人間だな…。」

 

「?どうかしまし…!!」

 

黒深子が尋ねた時、男達の顔にステンドグラスの模様が浮かび、ファンガイアへと変化した。だが、何故か顔にミイラの様なマスクを着けていた。

 

『『人間は…餌だ!ヘャアアアアッッッッ!!!!』』

 

突然ファンガイア達は吸命牙を浮かばせ、闇影達のライフエナジーを奪おうとした。

 

「うわっ!!おい!!人間とファンガイアの共存はどうしたんだ!!」

 

間一髪の所を回避しながら、闇影は共存について問いかけた。しかし…

 

『共存…愚かだな…。』

 

ファンガイア達はそれを無視し、無表情のまま攻撃を続けた。

 

「くっ…戦るしかないのか…変身!」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

闇影は悔やみながらディライトへと変身した。

 

『新しい力でいくか!』

 

【SHADOW-RIDE…ORGA!】

 

【ATTACK-RIDE…ORGA-STRANSER!】

 

ディライトは自身の影をオーガへとシャドウライドさせ、専用武器「オーガストランザー」を召喚し互いに持たせた。

 

『はっ!せいっ!そりゃっ!!』

 

『『グガァッ!!』』

 

ディライトとSオーガは一瞬の隙を見せずにファンガイア達を斬りつけ、そのまま後退させた。

 

『止めだ…!』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…O・O・O・ORGA!】

 

『斬り裂けぇぇっっ!!』

 

『『グギャアァァァッッッ!!!!』』

 

ディライトとSオーガの剣の切っ先から光の刃が伸び、そのままファンガイア達を「オーガストラッシュ」で斬り裂き、彼等は硝子の様に砕け散った。その瞬間…

 

『な、何だ!?』

 

突然複数の兵士がディライト達を囲みだした。そして一人のリーダーらしき女性が顔を出しこう言った…。

 

「全員動くな!!私は「王牙親衛隊」副隊長のユリだ。貴様等をファンガイア殺害の容疑で身柄を拘束する!!城まで来て貰うぞ。」

 

『「「ええぇぇぇっっっっ!!!!」」』

 

 

 

―世界の光導者、ディライト!9つの影の世界を巡り、その瞳は、何を照らす?

 

 

 

―キャッスルドラン・謁見の間

 

 

「だから誤解だって言ってるじゃないッスか!!」

 

「あのファンガイア達から襲って来たんですよ!!」

 

黒深子とコウイチは自分達は潔白だと強く訴えている。

 

「えぇい黙れ!!当事者同士の証言等信用出来ん!!」

 

が、ユリは全く聞く耳を持ってくれなかった。

 

「おいおいユリ。話くらい聞いてやれよ。『奴等』の居場所が分かるかもしれねぇんだぜ?」

 

「はっ!王の御前で申し訳ありません!」

 

茶髪でミュージシャン風の服を来た男の軽い口調の命令を聞き、ユリは左足を前にして膝まずいた。

 

「さて、自己紹介すっかな。俺の名はオトヤ、この国の王様だ。堅っ苦しくせず楽にしようや。」

 

この世界のファンガイアの王・オトヤという男はとても王とは思えない軽い口調で闇影達に自己紹介した。

 

「ありがとうございます。実は…」

 

闇影はオトヤ達にこれ迄の経緯を全て話した。

 

「ふーん。黒いオーラが人を怪人にする、ねぇ…。もしかしたら『今起きてる事件』と関係してるかもしれないな。」

 

「事件とは?」

 

「最近一部の人やファンガイア達がテロを起こしてるんだ。デモ、略奪、暴動果ては…自爆。」

 

「「「!!!!」」」

 

「今の行政、いや掟に不満を感じているテロリスト達が後を絶たねぇんだ。人とファンガイアの共存するって掟にな。」

 

どうやら今の掟に異を唱える者達によるテロ事件が後を絶たないようだ。そしてその事件の影響で民からの王家の信用に亀裂が生じ始めている事態なのだ。

 

「そんな事が…!!」

 

「一つ質問、お前等を襲ったファンガイア達の様子はどんなだった?」

 

「無表情な感じで、何故か顔にミイラの様なマスクをしていました。」

 

「無表情…顔にミイラのマスク…。」

 

オトヤは口元に手を覆い、怪訝な目をして何やら考え事をし…

 

「…お前達の言葉が本当なのか確かめる為にテロ撲滅に協力して貰う。」

 

「王よ!なりません!こんな素性の分からぬ者達を…」

 

「余計な口を出すな。これは『命令』だ。お前達、俺の部屋に来い。案内する。」

 

オトヤは闇影達の証言を確かめる為、テロ行動撲滅の協力を要請した。ユリはそれに反対だが「王の命令」ならばと渋々従った。

 

 

 

―王室

 

 

「私(わたくし)はマヤ。この国の王妃でございます。この度は貴方方を巻き込んでしまいまして大変申し訳ありません。」

 

「いえ。此方こそ何の事情も知らずにとんだ迷惑をかけてしまい申し訳ない限りです。」

 

腰まで届いた長い黒髪に黒い服を着たファンガイアの王妃・マヤは闇影達を巻き込んだしまった事を謝罪し、闇影も自身の行動が原因だと謝り返した。

 

「(それにしても、綺麗だな、マヤさん…特にあの胸が…痛でっ!)」

 

「(ああ、本当に…がっ!)」

 

闇影とコウイチはマヤのその美しい容姿に見とれていた。(コウイチは胸中心)その時、二人の足元に激痛が走った。それは…

 

「(何見とれてんのよっ!馬鹿っ!!)」

 

黒深子が怒りの表情で二人の足を踏んでいたからだった。

 

「オトヤさん、その仮面のファンガイアについて何かご存知でしょう?」

 

「!!」

 

「さっきその話を聞いた時、何か難しい顔をしてたんで何か知ってるんじゃないかな、と思って…。」

 

「…やれやれ、お前さん案外鋭いねぇ…。いいだろう、話してやる。」

 

オトヤは自分の考えを見通した闇影に感嘆し、話す事にした。

 

「今から数百年前に俺達ファンガイア族より性質の悪い種族がいた。それは…」

 

「レジェンドルガ…我等ファンガイア以上の力を持っており多種族を洗脳する事が可能な種族。しかし、嘗ての戦争で奴等は先代の王によって封印された…。」

 

オトヤの言葉に続いて話を進めたのは、白髪のパーマに片眼鏡をかけた黒いコートを着た細身の男だった。

 

「ビショップ…。」

 

「おっと、失礼。私は王の参謀を勤めるビショップと申します。実は王にお話したい事がございます。」

 

ビショップはオトヤに話がある為此処に着た様だ。彼の慇懃無礼な態度に少し顔を顰めながらオトヤは話を聞く体勢を取った。

 

「此処最近起きてるテロについてですが、あまりに奴等が王家がよく立ち入る場所で起きているので、若しかしたら此方の情報が漏洩しているやもしれないのです。」

 

「テロの首謀者は王家内部の者…って事か?!」

 

「あくまで可能性の話です。が、自分以外の者をあまり信用なさらぬよう用心に越した事はありません。

貴方はこの国を支える王…努々それをお忘れなきようお願い致します。」

 

そう言うとビショップは一礼をし、王室を後にした。

 

「……。」

 

「何よ!感じ悪い!」

 

「彼は彼なりに王を、この国を思っている故にあのような事を仰っているだけなのです。今はご勘弁を。」

 

黒深子はビショップの言動に不快感を抱くが、マヤはそれを庇護した。

 

「そのレジェンドルガが関係しているかもしれないんだな…。マスクのファンガイア達のテロを防がないと!」

 

「今日会ったばかりのお前達にこんな事を頼んで本当にすまないな…後で何人か兵をよこしておく。」

 

「はい!では行ってきます!」

 

闇影達はすぐさま王室を後にした。その時…

 

「頼んだぞ…うぅっ…!!」

 

オトヤは突然目頭を押さえてふらつき出た。

 

「オトヤ!大丈夫ですの!?」

 

「だ…大丈夫だって…ちょっとこけそうになっただけ…。」

 

「何処が大丈夫なものですか!貴方…最近全然休んでないでしょう?」

 

「んな事ないって…うっ!」

 

「オトヤ!!」

 

全く休息を取っていないという言葉を否定する前にオトヤは倒れそうになったが、マヤがそれを支えた。

 

「ほら、やっぱり疲れてる。少し働き過ぎではありませんの?」

 

「大丈夫だって…それに、俺には王として…一日でも早くテロを止めないといけねぇし…何より、俺には夢が…!!」

 

マヤは、あくまで王としての責務を果たすと言うオトヤを抱き締めた。

 

「貴方は王である前に、私の大切な夫です。少しだけ休みましょう…ね?」

 

「マヤ…。」

 

「オトヤ…。」

 

マヤは抱き締めたままオトヤの耳元でそう囁き、二人は唇を重ね合った…。

 

 

 

―闇影SIDE

 

 

「なかなか見つからないなぁ…。」

 

「ホントね…手がかりゼロだわ。」

 

闇影達は親衛隊の兵士団と外でミイラの仮面のファンガイアの情報を探ししていた。しかし、黒深子が口を尖らす様に有力な情報も見つからないでいた。

 

「二人共、弱音を吐かない!必ず見つかる筈だ…。絶対に!」

 

「ここまで根性のある人間は珍しいな…。我が兵にもこれ程骨のある者がいればな。」

 

「ルークさん…。」

 

闇影を称賛した長い黒髪の巨漢の男はルーク、「王牙親衛隊」の隊長である。彼は元々闇影達にユリ程敵意を抱いておらず極めて友好的だった。その後、二人は話が弾み意気投合し始めた。

 

「ん!そこにいるのは誰だ!?」

 

何かの気配に気付いた突然ルークは物陰に怒号を飛ばし、兵士達は武器を構えた。すると、一人の男性が現れた。

 

「俺?三条。なんてな。只のファンガイアさ。」

 

「ならば貴様に聞きたい事がある。ミイラの仮面をしたファンガイアについてだ。」

 

ルークはこの三条という男にミイラの仮面のファンガイア達の情報を持っているかどうか聞き出した。

 

「さてな…。それは力づくで聞いてみな!」

 

三条は縞馬をモチーフにしたゼブラファンガイアに変化した。それと同時複数のファンガイア達が現れ闇影達に襲い掛かった。

 

『『『ヘャアァァァァッッッッ!!!!』』』

 

「くっ…そうきたか…!皆の者!行くぞ!!」

 

『うおぉぉぉぉっっっっ!!!!』

 

ルークは敵の攻撃を腕で掴んでは投げ、掴んで投げと全く物ともせず屠っていき、殴りかかってきた者も蹴り飛ばしていき、兵達も次々と敵を薙ぎ倒していった。

 

「す、凄い…。これが親衛隊の強さ…!」

 

闇影達はルーク達親衛隊の戦いぶりに呆ける様に見ていた。

 

「何だ?この程度で王家に歯向かう等笑わせる。」

 

『うるせぇっ!!』

 

ゼブラFは剣を装備しルークに斬りかかった。しかし、それはいとも簡単に振り払われた。その反動で彼の服から幾つもの菓子が零れ、ファンガイアが知らずに踏んづけてしまい粉々になってしまった。すると…

 

「貴様…よくも俺のお菓子を…!!」

 

ルークはゼブラFにドスの低い声で怒りを露にした。

 

『はぁ?お前菓子なんて持ち歩いてんのか?案外ガキだな。』

 

その言葉を聞きルークの怒りは頂点に達し、顔にステンドグラスの模様を浮かばせ…

 

「許さん…!!俺は貴様等に罰を与える!!」

 

彼本来の姿、百獣の王・ライオンをモチーフとした「ライオンファンガイア」へと変化した。

 

『ウオォォォォッッッッ!!!!許さん!許さん!許さぁぁぁぁっっっっん!!!!』

 

『グギャアァァァァッッッッ!!!!』

 

ライオンFは棍棒を振り回し次々とファンガイア達を薙ぎ倒していった。

 

「「「(たががお菓子でそこまで怒るかぁ?!!)」」」

 

食べ物の恨みは怖いとは言うが、彼処まで怒り狂う必要があるのかと思う闇影達であった。ライオンFは倒れたファンガイアの腹に足を乗っけていた。

 

『まだだ…こんなものでは終わらないっ!!』

 

『ちっ!いい気になんなよ!!』

 

ゼブラFはこれ以上のライオンFの暴走を許すまじと再び剣で斬りかかろうとした。

 

「ルークさんが危ない!変身!」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

闇影は走りながらディライトへと変身し、それと同時にカードを装填した。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DE・DE・DE・DELIGHT!】

 

『はあぁぁぁぁっっっっ!!!!』

 

『何っ!?グギャアァァァァッッッッ!!!!』

 

巨大な十枚のカードが現れ、ジャンプしたディライトがそれを通過し飛び蹴りをするFAR「ディメンジョンレッグ」がゼブラFに炸裂した。

 

「闇影、助かったぞ。ありがとう。」

 

『いえいえ。何のそのこれしき…!!』

 

自分を救ってくれたディライトに礼を言うルーク。ディライトがそれを手を振って謙遜していたその時…

 

『…へへへ…結構…やるじゃねぇ…か。あんた等にならアイツ等を倒せるかもな…。』

 

ディライトのFARを受けても尚立ち上がるゼブラFは何やら意味深な発言をした。

 

『「アイツ等」?どういう事だ!?お前達は仮面のファンガイアとは無関係なのか!?』

 

『半分は…な…。教えてやるよ…。俺達はな…』

 

 

 

―王室

 

 

「…落ち着きましたか?」

 

「ああ…お前のお陰でな。しかし、何回も『する』事ないだろ。///」

 

「だって…貴方も後から乗気になってきましたから…つい…///」

 

二人があの後何をしていたかは解る者には解り、解らぬ者には解らぬ…という事にしておこう。しかし、オトヤの顔色が先程より良くなっていた。

 

「申し上げます!!」

 

突然、兵士が慌てて王室に入ってきた為、二人はそそくさと距離を取った。兵士は少し頭を捻っていたがオトヤはそれより前に用事を聞きだした。

 

「急に何だ!!何が起きた!!」

 

「し、城の前に、例のテロらしき軍勢が現れました!!」

 

「!!俺も行こう!マヤ、お前は此処にいろ。いいな。」

 

「オトヤ、お待ちなさい!貴方はまだ休まないと…!!」

 

マヤの制止を聞かずにオトヤは此処の警備を誰かに任す様、兵士に命令しながら王室を飛び出した。

 

 

 

―城前

 

 

「貴様等!!此処を何処だと思っている!!」

 

「ああ知っているとも…脆弱な人間と共存する腑抜けた王がいる城だろう?」

 

ユリが警告するも、テロ軍のリーダー格の男は人との共存するオトヤを腑抜けと言い捨て挑発した。

 

「貴様っ!!王を愚弄するか!!」

 

「こりゃまたえらい人数のお客様だな…用件は何よ?」

 

「王よ、お下がりください!あの程度の敵、王の手を煩わせるまでもありません!!」

 

ユリはオトヤに下がる様促すが、彼は手を出し「任せろ」の合図をして敵の話を聞く体勢をとった。

 

「知れた事、元来ファンガイアは人間共を喰らって生きる種族…然るに貴様等は食糧である人間と共存をし、ファンガイアの誇りに泥を塗った!故に我等は今の腐った政治や堕落した王家を滅ぼし、世界を浄化し、新たなる世界を再建するのだ!!」

 

『おおおおぉぉぉぉっっっっ!!!!』

 

男が「世界の浄化」を宣言すると、テロの軍勢が大きな雄叫びをあげた。

 

「…その為に、何の関係の無い民衆を巻き込んだのか…。」

 

オトヤは俯きながらドスのきいた低い声で呟いた。

 

「我等の築く理想世界にとっては…小さき犠牲だ!!」

 

「許さねぇ…貴様は絶対に許さねぇ!!来い!キバット!!」

 

『漸く出番か。待ちわびたぞ。』

 

男の冷徹な言葉にオトヤは怒り、全身が赤く鋭い黄色の目をした蝙蝠「キバットバットⅡ世」を呼び出した。そして…

 

『有り難く思え。絶滅タイムだ。ガブリッ!!』

 

オトヤはキバットを掴み、自分の手の甲を噛み付かせた。すると、オトヤの顔にステンドグラスの模様が浮かび腰に黒いベルトが巻き付いた。キバットを前に突き出し…

 

「変身!」

 

逆さにしたキバットをベルトに装着した瞬間、オトヤは全身がダークレッドカラーの鎧、蝙蝠の形をした装甲の真中に装飾された三つの魔皇石、同じく蝙蝠を模した緑の複眼が特徴の「真のキバ」エンペラーフォームに酷似した闇のキバ「仮面ライダーダークキバ」へと変身を遂げた。

 

『掟に背いた貴様等への判決は…死だ!』

 

「死ぬのは…貴様だ!!全軍かかれっ!!」

 

テロ軍は一斉にミイラの仮面を着けたファンガイアへと変化し、ダークキバに襲い掛かった。

 

『オオオオォォォォッッッッ!!!!』

 

『あの程度の雑魚にはこれで十分だ…ふっ!!』

 

対してダークキバは足元に巨大な黒いキバの紋章を展開し襲い掛かってきた敵達の足元迄動き出し背後から捕らえると、強力な電流が発生した。

 

『ギャアァァァァッッッッ!!!!』

 

魔法陣の電流をまともに受けたファンガイア達は一瞬でガラス体となり、砕け散った。

 

『ば、馬鹿なっ…全滅だと…!!?』

 

リーダー格の男の正体、アリジゴクをイメージした「アントライオンファンガイア」はダークキバの強大な力を目の当たりにし呆然としていた。

 

『あとはお前だけだ…。ふっ!!』

 

『何!?うわっ!!は、離せ!!離せ!!』

 

ダークキバは再び魔法陣を展開しアントライオンFを捕らえると、黒い笛「フエッスル」を取り出しキバットに吹かせた。

 

『ウェイクアップ・1』

 

『はあぁぁぁぁ…はあぁっ!!』

 

『グアァァァァッッッッ!!!!』

 

パイプオルガンの様なメロディが流れると同時に周囲が闇に包まれた。そして、ダークキバは空中へジャンプし、エネルギーを込めた右拳でパンチする第一の必殺技「ダークネスヘルクラッシュ」をアントライオンFに叩き込み大爆発させた。

 

「王よ、見事です!これで世界に平和が戻ります!」

 

『ああ、そうだ…な、何だっ!!』

 

ユリがダークキバに駆け寄りテロ根絶を喜んでいたその時、城内で爆発音が聞こえた。それと同時に黒い影がそこから去っていった。

 

「まだ仲間がいたのか!追え!!」

 

ユリは兵士にあの人影を追う様に怒号を飛ばした。そして、ダークキバはある人物の安否を心配した。

 

『城内で爆発…はっ!!マヤッ!!』

 

ダークキバはマヤの身を案じて颯爽と城内の王室へと向かった。しかし、王室は大きく荒らされておりマヤの姿はなかった。先程の人影が彼女を拐ったのだ。

 

「マヤッ…!!くそっ!!俺がここにいろと言ったばかりに…!!」

 

オトヤは自分のせいでマヤが拐われたのだと思い込み、壁に拳を叩き付けた。

 

 

 

―闇影SIDE

 

 

「…早く急がないと!!」

 

闇影達はマシンディライターに乗り(コウイチだけ何故か徒歩)、キャッスルドラン城へ向かいながら、ゼブラFの言葉を思い出していた。

 

 

 

―数分前

 

 

『俺達はな…最初の内は略奪と破壊行動だけやらかしてたんだ…。だが、「アイツ」が現れたせいで、一部の奴等はレジェンドルガだけの世界を作る為に王家や全ての人間、ファンガイアを殺すためにテロ行動を過激化させやがったんだ…!』

 

「!!…なら今までの爆破事件や大量のライフエナジー吸引は…」

 

『ああ…全部レジェンドルガ側についた俺達の元同胞だ…。だが俺等は腐ってもファンガイア。その事だけは誇りに思ってる…!!それで残った俺等だけでやってみたんだが…この様だ。』

 

「…最後に聞きたい…。『アイツ』とは誰なんだ?」

 

『そいつは…ガァッッ!!』

 

「!!お、おい!!しっかりしろ!!誰が首謀者なんだ!?」

 

先程のダメージが大きく、ゼブラFの身体に罅が入った。そして、最後の力を振り絞った…

 

『お…王家の…』

 

全て言い切る前にゼブラFはガラスの様に砕け散った。

 

「ビショップさんの言う通り、王家内部の人間がテロの…レジェンドルガのリーダー…だとしたら…オトヤさん達が危ない!!直ぐに城へ戻ろう!!」

 

 

 

「くそっ…!!無事でいてくれよ…!!」

 

闇影はマシンディライターの速度を上げて城へと向かった。

 

 

 

―とある場所

 

 

「くっ…。手に傷を負ったか…。だが王妃は我が手中にある!!これで蘇る…レジェンドルガ達の王(ロード)・アークが…!!フフフ…。」

 

傷を負った手を押さえながら不気味に笑っていたのは、城からマヤを拐った人物だった。レジェンドルガの王・アークの復活にマヤが必要な理由は…?




今回から少しだけムフフなシーンも描写致します。(笑)

好きなレギュラーキャラは?

  • 煌闇影/仮面ライダーディライト
  • 白石黒深子/スワンオルフェノク
  • 赤鏡コウイチ/仮面ライダーリュウガ
  • 諸刃ツルギ/仮面ライダーサソード
  • 彩盗巡/仮面ライダーディシーフ
  • 戴問周/仮面ライダーディスティール
  • 白石影魅璃
  • 創士傀斗
  • 紅蓮
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