仮面ライダーディライト-世界の光導者-   作:トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜

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これで漸く三分の一まで進みました(汗)

そして今回は少しだけエロに近い描写を…(笑)


第8導 フィーリング♪心の音楽を奏でろ

―キャッスルドラン城内・謁見の間

 

 

「何ですって!!?マヤさんが拐われた!!?」

 

城に戻ってきた闇影達はテロ集団…否、レジェンドルガ側に付いたファンガイア達の襲撃があった事や、マヤが彼等に拐われた事を耳にし驚いた。

 

「我々が…王がレジェンドルガ軍を倒された直後に仲間が城内に侵入し…王妃様を拐っていったんだ…。」

 

ユリは苦虫を噛み潰した様な顔をしながらそう頷いた。

 

「そちらの方では何か情報を掴んだのですか?」

 

ビショップは片眼鏡に人差指を当てながら、闇影達にレジェンドルガについての情報を手にしたのかを尋ねた。それを聞いた彼等はその場で起きた事を全て話した。

 

「何だと!?王家内部の者がこの一連の事件の首謀者だと!?馬鹿な!!」

 

その話を聞いたユリは信じられないと言わんばかりに驚愕し、一部の臣下や兵士達も動揺しだした。今迄自分達を苦しめていたテロ事件の首謀者が自身達身内の誰かだと知れば、騒ぎ出すのも無理はない。

 

「王妃様を拐った輩は腕に傷を負っているとお聞きしました。王よ、この中の誰かが首謀者やもしれません。また潜りこんで何か企んでいる事を考え、城内にいる全ての者の腕を確認いたしましょう!…王?」

 

ルークは城内の人間の腕を確認するという案をオトヤに申し立てた。しかし、彼は玉座に座ったまま呆然としていた。

 

 

 

「ねぇオトヤ。しょうらい、おうさまになったらどうするの?」

 

「うーん、そうだなぁ…にんげんもふぁんがいあもみんながなかよくなれるせかいをつくりたいな!それと…///」

 

「?それとなぁに?」

 

「マ、マヤをおよめさんに…あーーうるさい!!なんでもいいだろ!!///」

 

「あぁ!まってよ!ジロウのゆめは?」

 

「ぼくのゆめはおじいさまのようなびしょっぷか、おいしゃさんですね。」

 

「へぇ。かなうといいね。」

 

「あ…あと…///」

 

「おーい!なにやってんだ!おいてくぞ!マヤ!ジロウ!」

 

 

 

「王よ!如何いたしましたか!?」

 

「はっ!!あ…ああ、すまねぇ…。腕の確認だったよな…構わねぇ…ぞ…。」

 

ルークの怒号にオトヤは我に返り彼の案を許可した瞬間、視界がぼやけ出し、意識も朦朧としその場倒れた。

 

「!!オトヤさん…?オトヤさんっ!!」

 

 

 

―世界の光導者、ディライト!9つの影の世界を巡り、その瞳は、何を照らす?

 

 

 

「オトヤくん。どうしてにんげんとふぁんがいあがなかよくなれるせかいをつくりたいのですか?」

 

「なんだよ?なんかへんか?」

 

眼鏡をかけた少年・ジロウはオトヤが何故人間とファンガイアが共存する世界を作りたいのかを尋ねた。

 

「だってにんげんってぼくたちふぁんがいあのことをきらっているんですよ?なのに、どうして?」

 

ジロウは人間がファンガイアを忌み嫌っている事から、オトヤの語る理想について疑問を抱いていた。

 

「まぁ、なんつーか…おれ、おうさまになったあとのことってあんまかんがえてなかったんだよな。」

 

「えっ?じゃあなんであんなこといったの?」

 

マヤの問いかけにオトヤはこう答えた。

 

「むかし、ばいおりんがうまくひけなくてなげやりになっていえとびだしたとき、ばいおりんもったへんなおっさんとあったんだ。んで、そのおっさんは――」

 

「へぇ…。それでそういうこたえがでたのね。」

 

「そっからおれは、なやんだときはメイドたちのスカートめくりをするときめたんだ!」

 

「なんですって…そんなことしてたの…。」

 

「げっ!やべっ!にげろ!!」

 

「まちなさぁ~い!!おしおきです!!」

 

二人が立ち去った後にジロウは一人考え込んでいた。

 

「…なんでそんなりゆうだけであんなこといえるの?ぼくには…わからない!!」

 

そう口にしていた時、周囲が黒い闇に包まれていった――

 

 

 

「う…ん…。」

 

「気が付きましたか?良かった…。」

 

「闇影…。此処は?」

 

目覚めたオトヤは、此処は何処かを尋ねながら起き上がろうとしたが、闇影に制止された。

 

「まだ寝てて下さい。此処は医務室です。急に倒れて皆心配していましたよ?」

 

「そうか…迷惑かけたな…。」

 

「マヤさんは俺達が助けます。だからゆっくり休んでくだ…「くそっ!!」!!」

 

「あいつ等の侵入を許したうえに、マヤも拐われた…。国も…大切な奴も守れなくて…何が王だっ!!くそっ…!!くそっ…!!」

 

オトヤは布団に何度も拳を叩きつけて、己の無力さに憤っていた。その悔しさが闇影の心にも伝わる程…

 

「オトヤさん…。」

 

 

 

「えっ!?誰も腕に傷がなかった!?」

 

「うん…ルークさんとユリさんと一緒に、城の中にいた人達の腕を見たんだけどそれらしい傷を負った人はいなかったわ。」

 

闇影は、黒深子とコウイチから城内全ての人間の腕に傷が無い事を聞き愕然とした。

 

「じゃあ、一体誰がマヤさんを拐ったんだ?」

 

「う~ん…先ず王室に言ってみるか。何かの手掛かりがあるかもしれないし。」

 

「犯行現場に証拠あり…だな!」

 

こうして三人は誘拐の手掛かりを探す為王室に向かった。だが…

 

「う~ん、なかなか見つからないな…。」

 

「ああ…。それにしても酷い荒らされ様だな、これ。こん中から探すのかよ…。」

 

目当ての物が見つからず、災害が起きた後の如く荒らされた王室を見て嘆く始末。

 

「ん?ねぇ先生。これ…。」

 

黒深子は一枚の写真を拾い、闇影に見せた。

 

「?この写真は?」

 

「落ちてたから拾ってみたんだけど、あんまり関係無いかも。」

 

黒深子が拾った写真には三人の子供が映っていた。元気一杯な茶髪の少年、長い黒髪の優しそうな少女そして、眼鏡をかけたおとなしめな白髪の少年が…。

 

「この二人は子供の頃のオトヤさんとマヤさんだな。後の子は…ん?」

 

「どうしたんだ?闇影。」

 

「いや、この白い髪の子…何処か見覚えがあるんだよな。何処かなぁ…?」

 

闇影は写真の白髪の少年に見覚えがあるようだ。それが誰かを考えていた時…

 

「大変だっ!!オトヤ様がいなくなったぞ!!」

 

「!!何だってっ!!?」

 

なんとオトヤが城から姿を消し、周りの人間が慌てて彼を探しているようだ。

 

「オトヤさんがいなくなったって本当ですか!?」

 

それを聞いた闇影は兵士を捕まえ、それが本当なのか尋ねた。

 

「ああ。メイドが医務室に食事を持ってきた時にはもぬけの殻だったんだ。ベットのシーツを紐代わりにして窓から出られたようなんだ。」

 

「何で城から出たのかしら…?」

 

「…責任を感じていたのかもしれないな。レジェンドルガに城を攻められた上、マヤさん迄拐われた事で自分がしっかりしてなかったから…だと自分を責めていたからな…。くそっ!真近で聞いていながら…」

 

闇影はオトヤが城を出た原因を、顔を少し俯かせながら語った。彼の苦悩を聞いていたにも関わらず、脱走を許してしまった自分を責めながら…。

 

「先生…。」

 

「とにかく!今はオトヤさんを探そうぜ!」

 

「でも、探すって言っても何処に?」

 

「うっ…!それは…」

 

確かに何の手掛かりも無いのに探すのは無謀という物だ。そんな中、闇影は先程の写真を見て何か考えていた。

 

 

 

―とある場所

 

 

「う…ん…。此処は…?!!何、これ…!?」

 

漸く目を覚ましたマヤは此処が何処なのか辺りを見回し時、腕に違和感を感じた。それもその筈、彼女の両腕は鎖付きの鉄の様なバンドがはめられているのだから…。これを見た彼女は自分が何者かによって監禁されたのだと理解した。

 

「漸くお目覚めですか。王妃様。」

 

「あ…貴方は…誰なのです!?何の目的でこんな真似を!?」

 

マヤの目の前に、悪魔の様な仮面を被った黒いフードの人物が現れた。一瞬驚いたが、彼女は強気な発言で何が目的なのかを尋ねた。

 

「囚われているのに随分と勇ましいですね…いいでしょう、お答え致します。我々レジェンドルガの王(ロード)・アークの復活には貴女の力が必要なのです。貴女特有の…他者に自身のライフエナジーを供給する能力が…!」

 

「!!何故それを…!?」

 

マヤは自分が拐われた理由を聞き驚愕したと同時に疑問に思った。確かに自分はライフエナジーを他人に与える事が可能なファンガイアだ。だがそれを知っているのは王家のみ。如何にレジェンドルガの知能が優れているとは言え、あまりにも熟知し過ぎている。王家の者でない限り…

 

「…!!まさか…貴方は…!?」

 

マヤは一つの、最も考えたくない答えを口にしようとした。しかし…

 

「お喋りは…其処までだっ!!」

 

「きゃあっ!!」

 

突然フードの人物は豹変した様に彼女を平手打ちにした。あまりの強さに血が出る程口が切れてしまった。

 

―早ク…復活サセロ…!我ヲ…コレ以上待タセルナ…!!

 

フードの人物は自分とは違う「何者か」の意思によって操られている様だ。だが、今のマヤにはそれを知る由も無かった。

 

「くっ…!失礼。では、早々に復活の準備を始めましょうか…。」

 

フードの人物は片手で頭を押さえながら先程の口調に戻り、復活の準備に取りかかろうとした。

 

 

 

―キャッスルドラン・謁見の間

 

 

「一体、王は何処へ行かれたのか…。」

 

「場所の見当が全くつかないな…。」

 

ユリとルークは、オトヤの居場所の心当たりが解らなくずっと悩んでいた。

 

「場所の見当なら解りましたよ。」

 

「煌…それは本当なのか!?何処だっ!?」

 

闇影達は一人の老兵士を連れて、オトヤの居場所が解ったと言った。それを聞いたユリは声を荒らげながら彼に掴みかかり尋ねた。しかし、闇影はそれに怯まず懐から写真を取り出した。

 

「この写真に写ってる三人の子供…オトヤさん達の後ろの黒い建物…ここがその居場所であり、同時にマヤさんが囚われている場所でもあるんです!」

 

「根拠は何だ!?何故そう言い切れる?」

 

「根拠は、この人が知っています。」

 

闇影は老兵士に今の理由を話す様に促した。

 

「あぁ。そこはオトヤ様達が昔、よく遊び場にしていた場所じゃ。こっそりと忍び込んで秘密基地にしていたらしく、儂等はそれを見つけては何度も説教したものじゃのぅ。」

 

老兵士は懐かしげに写真に写った居場所について語った。

 

「そしてその城の名は…魔界城。嘗てレジェンドルガの王族達が住んでいた城であったが、彼奴等が滅んだ今、只の廃墟と化しているがのぅ。」

 

「「!!」」

 

老兵士の話を聞いたユリとルークは驚愕していた。もしそれが事実ならばオトヤとマヤは今危険な目に遭っているのかもしれない。そう予想した彼等は…

 

「全兵士!直ぐに魔界城へと向かうぞ!お前には案内して貰うぞ。」

 

当然魔界城へと出撃しようとした。その時…

 

「ふふ…あーっはははは…!!」

 

今迄ずっと黙していたビショップが突然笑い出した。

 

「何が可笑しい!?ビショップ!」

 

「いやはや…愛しい者の為に城を飛び出し救いに行く…此処まで愚かな王だとは思わなかったよ。」

 

「何っ!?」

 

「もっとも、そのお陰で王家内部に攻め入る事が出来たのだけどな…。」

 

豹変したビショップの言動に眉をひそめる一同。しかし、その原因は直ぐに解決される。

 

「な…何だ!?ビショップの身体が…!?」

 

ビショップの身体に頭から爪先迄無数の横線の様な模様が浮かび出し、それらは長く白い包帯の様になり、新たに身体の形を作り始め、ミイラの姿をした異形「マミーレジェンドルガ」へと変化した。

 

『ククク…』

 

「ミイラの仮面に、腕の傷…貴様が…!!王達をどうしたっ!?」

 

『ああ、我等が王復活の為に必要なんでね…預からせて貰ってるよ。』

 

「ふざけるなっ!!」

 

ユリは剣を抜きマミーLに斬りかかった。しかし、マミーLは身体を包帯に変えて攻撃を回避し再び元の姿に戻った。

 

『所詮人間の力などこの程度…今より本当の絶望を与えてやろう…。』

 

マミーLは右腕を上に上げ、そこから禍々しいエネルギーを放出しこの場にいる兵士達に命中させた。すると…

 

「があああぁぁぁぁっっっっ!!!!」

 

「ぐぎぎぎ…!!」

 

そのエネルギーを浴びた兵士達は、顔にミイラの仮面が現れて苦悶の悲鳴を上げ出し、暫く経つと静かになりゾンビの様な唸り声を上げながら剣を抜き、無事だった味方の兵士に斬りかかってきた。

 

『ウゥウウゥ…ガアァァアッッ…!!』

 

「ぐあぁっ!!」

 

「くっ…!!よせっ!!止めろっ!!」

 

『アッハハハ!!どうだ?変わり果てた仲間達の姿は!?』

 

「そうやって今迄同胞を操ってきたのか…!!」

 

ルークは、今すぐにでも目の前の外道を殴り飛ばしたい感情を抑えながらマミーLに尋ねた。

 

『あぁ、そうだとも。この呪いは俺が死なない限り解ける事はない…そして、我等が王が復活すればこいつ等は完全なレジェンドルガと化し二度と元には戻れなくなるのだ!!』

 

「!!ならば…」

 

「貴様を倒せばいいだけの話だっ!!」

 

ユリは再び剣を構え、ルークはライオンファンガイアに変化した。

 

「くそっ…!オトヤさん達を見つけないといけないし、ここの人達を放っておく事も出来ない…。どうすりゃいいんだ!?」

 

「…どっちも見捨てる事が出来ないなら、第三の選択だ。」

 

「へっ!?どういう事?先生。」

 

「時間が無いから手っ取り早く説明する。つまり――」

 

 

 

―魔界城

 

 

「くっ…!離し…なさい…!!///」

 

『あんま暴れると綺麗な肌がもっと見えちゃいますぜ。王妃様♪』

 

ベッドに寝かされたまま腕を鎖で拘束されたマヤは、顔を幾度も殴られ、衣服も破られ顔を赤くしながら抗っていた。こうなった理由は、復活に一向に協力しようとしない彼女に暴行を加えたがそれでも首を縦に振らない為業を煮やしたフードの人物は、レジェンドルガ化したファンガイア達に口を割らせようと考え、この様な事態となった。

 

「貴女が協力しようとしないからです。さあ、早くしないと彼等に穢されてしまいますよ。」

 

『ヘヘヘ…ファンガイアつっても所詮は女か…。』

 

『王妃様の生まれたお姿を拝見できるなんて…光栄ですな。』

 

「貴方達!目を覚ましなさい!ファンガイア族の誇りはどうしたのですか!?この者達の軍門に下ってこんな不埒な真似を…!ひゃっ!!」

 

『んなやらしい身体で変な声出しといて何が「誇り」だよ!この淫乱王妃がよっ!!』

 

『これは新しい時代を築く為の王政…申し訳無いが協力する迄貴女には少々苦痛を味わって頂きますよ。』

 

そう言うと、二人の男はマヤにじりじり近づいていった。捕らえた獲物を食べようとする獣の様に…

 

「い、嫌…来ないで…。誰か…誰か助けて…誰か助けてっ!!オトヤーーーーッッッッ!!!!」

 

『マヤに触れるな。このゲス共が!』

 

『『グアッ!!』』

 

そこへキバットⅡ世が現れ、男達に攻撃し、それに怯んだ彼等はその場から逃げ出した。そして…

 

「マヤッ!!大丈夫かっ!?」

 

「オトヤ!!オトヤ!!」

 

「もう大丈夫だ、マヤ。」

 

ファンガイア達の王であり、彼女の夫でもあるオトヤが現れた。マヤは彼に抱きつき涙した。それをオトヤは彼女に上着を着させて頭を優しく撫でた。

 

「これはこれは…わざわざ死にに参ったとは…。」

 

「…何でだ…何でこんな事をやらかしたんだっ!ビショップ、いや…ジロウ!!」

 

「ふふ…」

 

「そんな…!!」

 

フードを脱ぎ捨てたその正体はビショップであり、オトヤとマヤの幼馴染みであるジロウだった。

 

「何故僕だと解ったのですか?」

 

「…ガキの頃、兵士のじいさんが此処が昔レジェンドルガの城だった聞いた事を思い出したのがきっかけだ。此処を知っているのはレジェンドルガを封印した先代の王…俺の親父か、此処でよく遊んだ俺達三人しかいねぇ…。」

 

ビショップ…ジロウの問い掛けにオトヤはそう答えた。

 

「何故ですの!?何故貴方がこんな事を!?この国を良くする為誰よりも頑張っていた貴方が、何故…?」

 

「…今の世界を壊し、新しい世界を創る為ですよ。」

 

ジロウの冷たい視線を見てマヤはゾクッとした。あの大人しく優しい彼がこんな目をするなんて…

 

「家畜である人間と共存?笑わせる。そんな世界等絶対認めない!!両親を殺した家畜共と馴れ合う世界等、破壊してくれる!!」

 

「!!何…だと…!?お前の親が人間に殺されたって…そんな話初めて聞いたぞ!」

 

ジロウが今回の事件を引き起こしたのは、両親を人間に殺害された事が理由の様だ。それを初めて聞いたオトヤとマヤは驚愕した。

 

「自分達とは違う存在だから…化物だから…それだけの理由で両親を殺した人間を僕は許さない!そしてそんな家畜共と馴れ合おうとするファンガイア達も!全て葬りレジェンドルガだけの新たな世界を創造する!!その為には…!!」

 

全ての人間とファンガイアを対して大きく呪詛の如く罵倒したジロウは、自身の姿を変化させた。それは自身の髪の色と同じ白い蝙蝠の骸骨に似た顔、悪魔を思わせる肉体を特徴とした「スカルバットレジェンドルガ」へと…

 

『貴女の命が必要なんです…。マヤ。』

 

「ジロウ…その姿は…!!」

 

「チッ…!!あの頭でっかちがっ!!マヤ!下がってろ!こいつは…俺が止める!!」

 

マヤを再び下がらせたオトヤは、顔にステンドグラスの模様を浮かばせ、赤い蝙蝠と鬼が合わさった姿「バットファンガイア」に変化した。

 

『いいんですか?闇のキバの鎧を使わなくて…?』

 

『へっ!お前みたいなガリ勉君に使うのは勿体ねぇんでな…こいつで充分だっ!!』

 

バットFはスカルバットLの挑発に乗る事はなかった。本来の姿の方が闇のキバより攻撃力が高いからである。しかし本当の理由は…

 

『(あれは魔皇力をかなり消耗しちまうリスクがあるからな…あれ相手に短期戦は無理がある。だったら…!)』

 

闇のキバの鎧は強大な魔皇力を持っている反面、その消耗力は並の者だと命を失う程の代物だ。オトヤでさえ使用しても、体力の大半を奪われてしまうのだ。

 

『ならば…貴方を殺してからマヤを頂きましょう!』

 

『俺の女は…奪わせねぇぜっ!!』

 

二体の蝙蝠の異形は互いに駆け出し、攻撃を仕掛けた。バットFはパンチを幾度も繰り出そうとするが、スカルバットFはそれを全て軽々とかわしつつ、後方へと離れていった。

 

『どうした!?逃げてばっかじゃ俺は倒せねぇぞ!!』

 

『逃げたのではありません…。こうする為ですよ!!』

 

『何っ!?ぐあぁぁっっっ!!』

 

スカルバットFは羽の内側から無数の赤い骨の様な針を飛ばした。真正面に進んでいるバットFは諸に受けてしまい、そのままオトヤの姿に戻ってしまった。

 

「くっ…あの攻撃だけでここまでダメージが大きいのは…予想外だぜ…。」

 

オトヤは、地に伏せたまま動こうとしない…いや、ダメージが大きく動けないのだ。スカルバットLは止めを刺す為、そのままゆっくりと彼に近づいた。

 

『残念ですね…。もし協力して下されば、幼馴染として命だけは助けようとしたのに…レジェンドルガとと化せば、もう王という重い「悩み」から解放されるのですよ?そう…悩みという心から…。』

 

『そして、楽しいという心も感じなくなってしまうのだな。』

 

『…!!誰だっ!!』

 

「お…お前は…!!」

 

 

 

―キャッスルドラン

 

 

「く…ここまで…強いとは…!!」

 

ユリ達はレジェンドルガ化した兵士を何とか退きマミーLに攻撃を仕掛けようとしたが、やはりその力の差は圧倒的であり地に伏せる結果となった。

 

「私には…幼い頃に騎士だった両親を先の戦争で亡くした時、王が…オトヤ様が救って下さった御恩がある…。あの方はファンガイアでありながら、人間と手を取り合っていく世界を築こうとしている。私も…その夢のお手伝いをしたいと願い…血反吐を吐く思いで親衛隊にまで上り詰めた…!それを思えば…これしきの攻撃でやられない…やられて…たまるかぁぁぁぁっっっっ!!」

 

『終わりだ…人間っ!!』

 

ユリがここまでオトヤに忠誠を誓うのは、ファンガイアでありながら人間である自分を拾ってくれた恩があったからだった。マミーLは瀕死寸前の彼女に止めを刺そうとした。しかし…

 

『何っ!!貴様は…!?』

 

マミーLは自分を阻む存在を見て驚愕した。何故なら、黄金の鎧に、真紅のマントそして王の証である剣「ザンバットソード」を構えるキバ・エンペラーフォームがこの場にいたからだったからだ。

 

「オ…オトヤ…様…?いや、違う…。」

 

『あれは闇影の影が実体化したキバですよ。大丈夫ですか?ユリさん。』

 

『本物の先生は魔界城へオトヤさん達を助けに行きましたよ。』

 

「その声…赤竜と…白石か?」

 

ユリの疑問に答えたのはリュウガとスワンオルフェノクだった。そう、あれはディライトの影がFSRしたキバEFである。

 

『ええ。これが先生の第三の選択です!』

 

 

 

―数十分前

 

 

「俺はこの人と魔界城へ行く。だが、お前達はここで兵士達をくい止めてくれ。」

 

「そんなの無理よ!先生でないとあの化物は倒せないよ!」

 

「解ってる!だが、俺の能力を忘れてないか?」

 

「は?どういう事だよ?」

 

「百聞は一見にしかず。まあ見てな。変身!」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

『そして…ここはキバでしょ?』

 

【FINAL-SHADOW-RIDE…KI・KI・KI・KIVA!】

 

『ここを護ってくれ!』

 

「そうか!その手があったか!」

 

『そういう事。だから…お前達を信じて此処を任せる!』

 

「分かったわ!先生!」

 

「此処は俺達に任せな!」

 

「よし、行くぞ!」

 

 

 

『と、いう訳なんです。』

 

闇影の立てた「第三の選択」はディライトのFSRで援軍を作り出しそれを切り離し、此処の危機を救わせ自分はその間に魔界城へ行くという、何ともシンプルな作戦だった。

 

『おのれ…そんなまやかしのキバ等、葬ってくれるわぁぁっっ!!』

 

『…!!』

 

『ガァァァァッッッッ!!!!わ、我等の…時代が…』

 

キバEFのザンバットソードの一振りにより、マミーLはあっさりと斬られて爆死した。

 

『早っ!まあいっか。後は先生だけだわ…。』

 

 

 

―魔界城

 

 

『そうして俺は此処まで来たって事です。』

 

「第三の選択…か…成程、俺はそんな考え方をした事がなかったな。」

 

『いいえ。これ俺があの場で思いついた答えなんです。』

 

「思いつき…だとっ!?」

 

なんと、この作戦は即興で思いついた物だったらしい。それを聞いたオトヤは愕然とした。

 

『別に悩む必要はありませんよ。いえ…悩んだっていいじゃないですか。だって、それが答えを出す為の特攻薬になるんだから!心で感じた事をそのままやればいい。』

 

「!!その言葉…何処かで…。」

 

『さっきから御託を並べて…貴様、何者ですか?』

 

『お節介教師な仮面ライダーだ!!宜しく!!』

 

「悩む必要は…無い。俺は…俺の思ったままの行動でこの世界を築いていく!!仲間と一緒に!!キバット!!」

 

『一皮剥けたな…オトヤ。絶滅タイムだ。ガブリッ!!』

 

「変身!」

 

吹っ切れたオトヤは立ち上がり、キバットに掌を噛ませてダークキバへと変身した。

 

『さて、輝く道へ導きますか!!』

 

ディライトとダークキバはそのままスカルバットLへ突撃した。しかし、先程バットFを苦しめた羽から赤い骨の針を飛ばしてきた。

 

『そんな攻撃は…こいつで防ぐぜ!』

 

ダークキバはマントを大きく翻し針を防いだ。そしてその隙にディライトがライトブッカーでスカルバットLを切り裂いた。

 

『馬鹿なっ!!ぐあっ!!』

 

そのまま押し切られたスカルバットLは後方へ倒された。だが、直ぐに立ち上がり羽を広げ天井を突き破り飛翔した。

 

『ハハハ…!!此処まで攻撃は届くまい!!さあ、これはどうします?』

 

『それは…これでいく!』

 

【FINAL-FORM-RIDE…DA・DA・DA・DARK-KIVA!】

 

『力を抜いてください。』

 

『おぉっ!これは!?』

 

背中に手を当てられたダークキバは、鍔が巨大なキバットⅡ世の形をしたファンガイアの王の証であるザンバットソードを模した巨大な剣「ダークキバソード」へとFRRした。

 

『何ですか…その力は…!?』

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DA・DA・DA・DARK-KIVA!】

 

『はあぁぁ…』

 

『絶滅タイムだ。』

 

『はあぁぁぁぁっっっっ!!!!』

 

ディライトがダークキバソードを天に掲げると刀身が紅く染まり、そのままスカルバットLに向かって振り上ると、そこから赤い衝撃波を出すFAR「ディライトブラッディ」を放った。

 

『ぐあぁぁっっ!!』

 

そして元の姿に戻ったダークキバとディライトは、すかさず其々の必殺技を発動した。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DE・DE・DE・DELIGHT!】

 

『ウェイクアップ・2』

 

『『はあぁぁぁぁ…はあぁぁぁぁっっっっ!!!!』』

 

『グアァァァァッッッッ!!!!』

 

ディライトの「ディメンジョンレッグ」とダークキバの「キングスバーストエンド」の強力な飛び蹴りを受けたスカルバットLはそのまま、陸地へ倒れていった。

 

 

 

「ジロウ…。」

 

「…僕は…レジェンドルガの王の復活なんて…どうでも…良かったんだ…。」

 

ジロウは、仰向けになり声を絶え絶えになりながら自分の本心を話し出した。

 

「僕は…ずっとあの二人の事を…妬んでいたんだ…真っ直ぐに自分の夢を信じて歩む彼等が…羨ましかったんだ。そして…」

 

間を空けてマヤの方に目をやりながら話を続けるジロウ。

 

「オトヤ君と一緒になったマヤちゃんの関係にも…嫉妬していた…。それ等の僕の弱い心を黒いオーラが…アークが支配して皆を傷つけてしまった…本当に…ごめんなさい…!!」

 

ジロウは涙ながらにオトヤとマヤに謝罪した。オトヤは顔を横に背け、マヤは「いいえ」と首を横に振った。

 

「俺、昔悩んでいた時にあるおっさんからアドバイス貰ったって言ったよな。その時の言葉が…」

 

「『心で感じままに動け。それが悩みの一番の特効薬になる。』ってな。」

 

「ああ…そうだったんですね…。僕も心で感じたまま生きて…」

 

それを聞き安堵したジロウの身体に罅が広がり、やがてガラスの様に砕け散った…。

 

―皆と一緒に仲良く出来る世界を…創りたかった…です…。

 

「…馬鹿野郎っ…!!」

 

 

 

「三人共、とても穏やかな表情をしてるわね…。」

 

影魅璃はオトヤとマヤ、そしてジロウが笑顔で笑っている絵をそれと同じ表情で見ていた。

 

「心でそう感じるからそういう感想が出るんだね…やっぱり心って大事よね!先…生?」

 

黒深子は闇影に話を振ろうとしたが、何故か悲しい表情で俯いていた。

 

「(また黒いオーラか…。その影響でレジェンドルガ達が復活した。俺が現れたせいなのか?)」

 

「先生!!」

 

「わっ!!な、何だよ黒深子。脅かすなよ…。」

 

「先生が返事しないからでしょ!?どうしたの?」

 

「ん?ああ…ちょっと…ね。」

 

闇影は黒いオーラについて悩んでいる事を何とか隠そうとした。が…

 

「先生のせいじゃないよ。先生は今まで世界を救ってきたんだから!」

 

どうやらバレていたらしい…。

 

「だから先生も自分が思ったままにやっていこ?」

 

「黒深子…ああ!そうだな!」

 

闇影は黒深子の言葉を聞いて元気を取り戻した。その時…

 

「絵が次の世界の物に!?」

 

コウイチの言う通り、キャンパスに次の世界を現わす絵が被さった。それは黒い柱の様な物を中心に、黒い蟷螂の様な戦士と黒いカミキリ虫の異形が対峙した絵だった。

 

「カリスの世界…だな。」




少し読み返してみると酷い文面だなぁ…とつくづく思っちゃいました。今もですがね(苦笑)

好きなレギュラーキャラは?

  • 煌闇影/仮面ライダーディライト
  • 白石黒深子/スワンオルフェノク
  • 赤鏡コウイチ/仮面ライダーリュウガ
  • 諸刃ツルギ/仮面ライダーサソード
  • 彩盗巡/仮面ライダーディシーフ
  • 戴問周/仮面ライダーディスティール
  • 白石影魅璃
  • 創士傀斗
  • 紅蓮
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