まだ持ってなかったので孔明ガチャ回したらエウロペおばあちゃま(二枚目)が降臨して泣きました。
遅れましたがお気に入り数5700人突破、投票者数110人突破有難うございます!
できるだけ早く更新できるように頑張ります。
「―――ふむ、まさかアレがそんな代物だとは思わなかったがとにかくそれに関しては把握した。では次に、あの巨人達について知っている事を教えてくれ。」
「いいでしょう。」
若干動揺して震え声になりつつもイアソンが続きを話すことを促し、再びケイローンが話し始める。と言っても、アレらに関しては流石の賢者でも殆ど知らないようだが。
曰く、あの巨
実際此処とは別の
「今の私に分かることはこれくらいですね。―――あまり力になれず申し訳ない」
「いや、なぜそこで先生が謝るんだ?意味が分からん。何も知らなかった俺からすればこれは予想を遥かに上回る収穫だ。―――感謝する」
ケイローンは本気で愛弟子の力になれない事を悔やんでいるようだが、イアソンからしてみれば大収穫だ。なにせ何も知らなかった状態から、一気に敵や神々のバックボーンといった、ある程度の情報は得られたから。
―――情報とは紛れもない武器の一つだ。たとえ圧倒的な戦力差があっても情報という武器を利用し、駆使すれば、それこそが戦局を左右する鍵になりうる。
それは人類史において、極東の島国の歴史だけに絞ったとしても、桶狭間、長篠を始めとする数々の戦の記録がそれを物語っている。
「―――そろそろ帰るか」
「おや?今日は此処で食事をすると思っていたのですが……」
「いや別に――――――いや、分かった」
イアソンは断ろうと思ったが、奥の方で既に料理の準備がされているのを見て『NO』とは言えなかった。決して目の前の師から圧を掛けられたとかではない。決して。
◆
そして久しぶりにケイローン宅での料理を食べることになったのは別に良いのだが、途中からイアソン自身は完全に残業明けのサラリーマンのような顔になっていた。
アキレウスがアルゴーの冒険譚を語ってくれとお願いしてくるのだ。別にそれ自体は構わない。自他ともにアルゴノーツは最高の船であり、最高の仲間だと思っているから。
子供が特段嫌いというわけでもない。そもそも近くにアタランテという超が付くほどの子供好きがいて子供を嫌いになる訳がない。
ただ
別に話題が尽きることはない。たかだか数時間で語れるほどあの冒険は薄っぺらい物ではないのだから。
ただ流石にそろそろ喉が枯れそうだ。
師に対して助けを求める視線を送っても気づいていないのか、もしくはこの状況を楽しんでいるのかずっとニコニコしながらこちらを見ているだけなのだ。
イアソンの経験からして間違い無く後者であるだろうが。
「―――ちょ、もうまじで無理喉枯れる……」
「えー!もっと話聞きたい!」
「いやどうしてそんなに元気なんだよ。あと、何でそんなに話を聴いてられるのかが分からん。」
「―――ぼくも船長みたいな英雄になるから!誰よりも、船長よりも強い最強の英雄に!」
「―――そうか。」
きっとこの少年は生まれながらの英雄なのだろう。
女神テティスと英雄ペレウスの間に生まれ、踵以外は不死の肉体を授かった。
彼は人生の岐路を幼少時に突きつけられた。戦争で華々しい活躍を遂げた英雄として死ぬか、平凡な人間として長く生きていくか。母テティスに問われた際、アキレウスは迷わず前者を選択したそうだ。
女神テティス、英雄ペレウスの間に生まれたアキレウスは、幼い頃からその運命を定められていた、と言える。
―――無論、彼は英雄として生きるその先に悲劇が待つことを知らないだろう。たとえ知っていたとしてもその歩みを止めるとは思えないが。
「―――まあ、俺の知ったことじゃないな。」
「イアソン!はやくつづき話せよ!」
「急に呼び捨てタメ語とはいい度胸だなクソガキ」
その日、森の賢者の家では夜遅くまで話し声が絶えなかったらしい。
余談だが、朝イオルコスに帰ったイアソンに対してメディアが、
「朝帰り!?朝帰りですか!?イアソン様昨日の夜は一体何処に行ってたんですか!」
と大声で言ってしまったことによって誤解を解くまでに一波乱起きるのを彼は知らない。
◆◆
そしてそれから数週間。イオルコスの王宮前の広場には、多くの人々が集っていた。まあ、その全てがアルゴーの英雄なのだが。
女神と婚姻し、人々から医神と呼ばれるアスクレピオス。
カリュドン狩りを終え、林檎フラグも折れたアタランテ。
導きの星として元々そうだったとはいえ、ほぼ神のような存在となったディオスクロイ。
海神ポセイドンの偏愛と祝福を受け、疑似的な不死を有する
「生まれついての英雄」と讃えられ、
神々や厄災でさえ鎮めるほどの、アポロンの息子であり音楽の天才オルフェウス。
途中でゼウスとポセイドンにより女神と結婚することになって船を降りたものの、女神とは結局育児の方向性の違いで別れたペレウス。
史実ではカリュドンの猪を討ち果たした張本人であり、この世界線ではイアソンのチクりによって妻とOHANASHIして浮気性が若干マシになったメレアグロス。
最後の方の紹介はなんかパッとしないが、錚々たる面子がこの一堂に会している。彼らの実力は後に聖杯の泥によってボディペイントをしてイメチェンした
そして彼らは何故此処に集っているのか。
それは、この全員が一癖も二癖もある彼らを束ねた船長、全員が指揮官としても戦士としての実力にしても強い信頼を向け、この国の王でもあるイアソンが彼らを招集したからである。
―――ただ、その本人は未だこの場に現れていないのだが。
「―――おーい船長、さっさと出て来やがれ!此度はなんの用件で
カイネウスがこの場に集まった皆の気持ちを代弁する。その直情的な性格と気性はひとえにその身に宿す
「―――騒ぐな、直ぐに話す」
一斉に声がした方、と言っても真正面だが、そちらを見る英雄達。その先には、王としての装いでは無く、あの船での冒険を繰り広げたときと同じ服装をするイアソンと、護衛としてかその後ろで付き従うヘラクレスとメディアの姿があった。
無意識に彼が垂れ流している戦士としてのオーラ、そして指導者としての風格により先程までざわめきの聞こえた周囲は、時が止まったと錯覚するほどに静かになる。
一言発するだけで英雄達を御することが出来るなぞ、なんて出鱈目なカリスマ性だろうか。それは人間が到達しうる最高峰、ランクにしてAランクのカリスマをも凌駕するのではないだろうか。
「まあ、結論から言うと―――」
◆
―――世界が滅ぶかも。
そう言われた英雄達の反応は『驚愕』が八割、『既知』が二割だろうか。既知とは言葉の通り、イオルコスに居た為にこのことを既に知っていた面子だ。この中ではディオスクロイ兄弟、ヘラクレス、メディア、アタランテ辺りが該当する。まあ、驚愕と言っても彼らのものは若干目を見開く程度のものだったが。
「―――それで?僕達を此処に集めたということはその
「ああ、勿論だとも。まあ分かりやすく言うと―――今回だけは神々と共に戦うことになる」
『 然り 』
「「「!?」」」
虚空から突如声が響く。聞くだけで足を震わせ、身動き一つ取れなくなるような感覚に陥る威圧感。
存在からして自分達とは決定的に違うもの。
『此度のみは拝謁を許そう。―――我はゼウス、汝らが崇め賛える全能の神である。』
―――此処に、ギリシャ神話最高の存在が顕現する。
まあ一時的なものだが。
「―――色々思う所は各々あるかもしれない。本来は決して相容れることの無い存在だろう。てか俺だって嫌だ。でも、今この時だけは一旦因縁は忘れて、互いに背中を預けるんだ。さもなくば―――――俺達は全滅だ。」
かつてない程の真剣な顔をして話し始める。英雄達も本当なら
そしてイアソンは神々の技術に物を言わせて説明を始める。ホログラムで敵陣の観測をした映像を映し、それを根拠にした戦略、布陣をイアソンが懇切丁寧に語る。始めは一部が苦言を漏らしていたが、それが合理的かつ最善の戦略だと理解した英雄達は最終的にはある程度納得したようだ。
その戦略は即ち、最大戦力を開幕からぶつけることによる短期決戦。
はっきり言って戦略と言える要素が微塵も存在しないが、これこそがかの巨神と戦うときの最適解なのだ。
かの巨神には『魔力吸収』という力がついており、生半可な攻撃は返って逆効果なのである。よって開幕ブッパこそが最適解にして最善の策なのである。
例えば、IFの世界で
「じゃああとは俺から一つ―――死ぬなよ、勝つぞ」
◆◆
そしてその日の夜。イオルコスの王宮内。そこを歩く一人の少女の姿があった。
その少女の名はメディア。この時代からすれば遥か遠くの国であるコルキスから訪れた皇女であり、周囲の人々からは公表こそされていないがイアソンの王妃的な立ち位置だと思われている。あながち間違ってないが。
そうして彼女は階段を登り、飛行魔術を使い『彼』がよく好んで向かう場所である王宮の屋根まで辿り着く。
其処には星空を眺める一人の男の姿があった。彼のまるで金糸のような髪が星々の光を反射して淡く光っている。
「―――メディアか」
「あ、えっと、お邪魔でしたか?」
「いや全然」
体勢はそのままに、目を僅かに開いてメディアの方を見つめる。メディアは静かに微笑み、そのまま隣に腰掛けた。
「イアソン様は、よく星空を見上げていますけど、何かあるのですか?」
「……この星空を見ていると、あの冒険の日々がまるで昨日の事のように思い出せるから、かな。」
「確かに、あの日々は新参者の私でも楽しかったです。皆が笑っていて、その中心にはいつも貴方が居て、ええ、本当に―――」
そして数分程の静寂が流れる。
「いよいよ明日、ですね」
「ああ、お前はアスクレピオスと並んで皆の生命線だからな。しっかり休んで英気を養っておくといい」
「怖く、ないのですか」
自分でも無意識にそんな問いを投げ掛ける。それは元々戦うことが得意ではない彼女の感性故か、もしくは今感じている言い様のない不安故か。そして直ぐにハッとした顔になった彼女は発言を撤回しようとしたが、先に彼が答えた。
「怖い、か――――――勿論
「――――――そうですか」
「まあ死ぬ気なんて一切無いし、そもそもお前とアスクレピオスがいる限りは死んでも蘇生されそうだがな。」
少し困った風にイアソンは言う。そして再びメディアは微笑む。
そうだ、彼が立つ場において、敗れることなど有り得ない。なぜなら彼が戦場に立っているだけで皆勇気が湧き上がるから。
戦場で彼と共に戦っている時に、どれ程の乗組員たちがこの感情を有しただろう。
彼の戦いは空想上から生まれ出たかの様な、一騎当千という言葉すら生温い。
そこに立ちはだかるあらゆる難行、あるゆる辛苦を、その一振りにて両断する出鱈目のようなその様は、誰もが惹き付けられ、励まされる。
本人が聞けば勘違いや錯覚と言うのだろうが、それは後にスキルとして昇華されるほどの確かな力を持っている。
「―――イアソン様、一つ約束をしましょう。」
「何だ?言ってみろ。」
「昼間、イアソン様は私達に言いましたよね、「死ぬな」と。だからイアソン様も死なないでください。それが約束です。」
「……まあそれくらいならお安い御用だ。」
二人は手を合わせ、目を瞑る。口約束ではなく心に刻みつけるかのように。
そして数刻後、二人は目を開けて夜空の星を見上げた。
(………今更名前思い出したけど、あの軍勢って要はセファールの軍団だよね。しかも多分他にも神獣クラスの増援が湧き出る可能性があると、―――もしかしなくてもヤバくね?無理ゲーじゃね?)
そして、ようやく明確な巨人の正体に辿りついたお馬鹿が一人。
◆
かくしてこの時代における『ティタノマキア』に続く第二のマキアにして最後のマキア、『ギガントマキア』が始まった。
その数は十三。そのすべてが白きマキアの巨神、
全員が本家には及ばぬものの『魔力吸収』を持ち、攻撃を受ければ受けるほど巨大化し、膂力は人のソレを超える、神話時代を以ってしてもまさしく前代未聞の軍勢。
対するはイアソン率いる総勢五十近くの英雄とゼウス、ヘラ、アポロン、アテナ、アルテミス、ポセイドン、ヘカテー等の神々というこちらもまた前代未聞と言ってもいい軍勢。
神々と人間が共に戦うなぞ、後にも先にもこの戦いだけであろう。
「これは想像以上の数だな……!」
「――さてどうする、当初の計画通り行くのか?」
「ああ、―――正面戦闘は神共の仕事だ。まず弓使いは後衛で露払いに徹しろ。そしてあれにダメージを与えられる火力のあるカイネウス、ディオスクロイ兄妹は遊撃手として自由に動け!」
「ハッ!あんな
カストロとポルクスは頷き、カイネウスは獰猛な笑みを浮かべ戦場に突入する。同時に、アタランテ等の後方組は各方向に散開する。
「手負いになった者はすぐに下がれ!アスクレピオスとメディアの治療を受けろ!」
「今回ばかりは自重してやる。だが、面白い怪我を負ってくることを期待するのは辞めないがな。」
アスクレピオスが治療時の白衣に着替えながら言う。メディアも事前に用意した魔力回復薬の確認をしている。
「そしてヘラクレス、―――言うまでも無いな。俺と一緒に最前線だ、指示など無い!行くぞ!」
「了解した―――我が友よ!」
そして二人の大英雄は
―――今、世界の命運を懸けた争いが始まる。
何気にマルミアドワーズって威力だけならエクスカリバーよりも強いって頭おかしいと思うんだ。
ギガース:wikiによるとセファールの系譜を継ぐものと言う以外の情報が無かったので、独自解釈により、嘗てのセファールの残滓のような物たちの総称という設定。よって内部にバックアップが居たりはしない。
見た目は顔無し状態のセファール。
本体には及ばないが『魔力吸収』という攻撃無効のスキルがあるのでランクで表すとBランク以下の威力の攻撃は通じない。なおかつトドメは人間が刺さねばならないという鬼畜ぶり。ただし跡形もなく滅ぼせば特に関係ない模様。
つまりはオリジナルに比べれば話にならないくらいに弱い。
どっちを先にやるか(なおどちらでも修羅場る模様)
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Apocrypha
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GrandOrder