数多の英雄を束ねる者   作:R1zA

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ボックス周回中の脳死状態で書いたから文章がおかしいかも。
そしていつもの独自設定&独自解釈。



ιγαντομαχία(ギガントマキア)

 

 

 化外の軍勢と英雄と神々。

 

 

 ソレが衝突する汎人類史最期のマキア。その戦いのことを人々は後にこう名付けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       ιγαντομαχία(ギガントマキア)、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「―――■■■■■■■■ッッッ!」

 

 巨神達は咆哮と共に進軍する。

 膂力が違う。神々はともかく、如何に神話に名高いイアソンの率いる軍勢アルゴノーツといえど、中身はだいたい人間。……その多くは半神だが。

 

 

 「―――『射殺す百頭(ナインライブズ)』」

 

 

 だがそんなの関係ねえと言わんばかりに。

 

 規格外にして人類最強の戦士の放つ弓矢が戦場を覆う。

 

 後の聖杯戦争においては、狂戦士として召喚されてしまったが故に、封じられた技術。

 

 

 曰く、ヘラクレスはヒュドラ殺しにおいて百頭同時殲滅の射撃を行った。そしてソレを原型とした射殺す百頭。

 その本質は、攻撃が一つに重なる程の高速の連撃にある。

 

 長い戦いを繰り広げてあらゆる武具を使いこなし、様々な怪物・難行を乗り越えた、状況・対象に応じて様々なカタチに変化する「技」であり、剣であれば剣の最大手を、槍であれば槍の最大手を、弓であれば弓の最大手を発揮していた。

 英霊となった後も万能攻撃宝具とされていることからも分かるように、その変化の幅は広く、手にした武具、あるいは徒手空拳により様々な武を行使することで、対人から対軍、城攻めに至るまで状況に合わせて千差万別に変化するとされる。

 

 そしてソレは一つの流派として成立した。

 

 しかしソレを宝具という明確な形で会得出来たのは彼を除き、後のローマ(神祖)と友である英雄船長(イアソン)など一握り、しかも冠位(頂点)に至る可能性を持つほどの者たちのみ。

そんな彼らですら会得できたのは一部のみ。如何なる人物も届かない大英雄の究極の流派。

 

 

 

 ソレが今、巨神達に牙を剥く。その全てを討ち取らんと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 竜の頭部をした数百の(・・・)ホーミングレーザーが巨神目掛けて一直線に迫る。同時に理不尽の具現たる神と戦いながらこれをいなせる程巨神は高度な思考を持ち合わせてはいない。

 

 そうしてイアソンの放つ雷霆の威力を大きく上回るゼウスの放つ雷霆によって弱らされた巨神を次々と射抜く。

 

 

 その光景を見て、ヘラクレスを脅威と明確に認識したのかギガース達のうちの一体が丁度今も女神ヘカテーに松明でボコボコに殴殺されかけている中、それを打ち払い攻撃目標を変えるが、対してヘラクレスは動じず、静かに武器を背中に携えた大剣に持ち替える。

 

 

 その剣は、威力だけならば『聖剣』という武器の中で最強とされる『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』をも上回り、

後の世ではアーサー王が所有することになる宝剣。

 伝承中では、ヘファイストスと同一視される鍛冶神ウゥルカーヌスによってヘラクレスのために鍛えられたものだとされた。

 後の世でこれを見つけたアーサー王は当時非常に喜び、「これがあればもうエクスカリバーなんていりませんね!」と暴言を吐き、某花の魔術師は頭を抱えたとか。

 

 

その名は―――

 

「―――『業火熾す神の宝剣(マルミアドワーズ)』」

 

 

 そして刀身から赫焉の極光が放たれる。星の内海で鍛えられた聖剣を上回るというのは伊達じゃなく、一切の抵抗を許さずに極光は巨神を飲み込み、討ち滅ぼす。

 

 人類では傷一つつけられないネメアの獅子の皮と、着用者の神性と筋力、体力、敏捷、魔力の値を大きくブーストする特性を持つアレスの戦帯を身に纏い、弓矢とマルミアドワーズだけでなく、戦車、ヒュドラの首を刈るのに一役買った鉄鎌、一振りでジブラルタル海峡を生み出した棍棒や、アキレウスの持つ『蒼天包みし少世界(アキレウス・コスモス)』を自分仕様で持っているなどその強さとチートぶりは留まるところを知らない。

 

 

 

 

 ―――それが神に至りし大英雄、ヘラクレスである。

 

 

 

 

 後にイアソンは語る。

 

『あんなの勝てるか、チーターだよチーター』

 

なお圧倒的ブーメランだということには気づかなかった模様。

 

 

 

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 

 

他の場所でも激しい戦闘が行われている。ポセイドンやアテナなどの一部の神々は遠く離れた場所まで飛ばした後に、島を打ち付けたり、火山をぶつけて攻撃している。規模が違う。

 

 「恐れよ――」

 

 「崇めよ――」

 

「天にて輝くのは、導きの星――!」

 

「我らは此処に降り立たん―――!!」

 

「「―――『双神賛歌(ディオスクレス・デュンダリダイ)』!!」」

 

 

 戦場を駆ける二柱の星、ディオスクロイ。(彼女)らが放つのは宝具の域にまで昇華された二人の放つ完全・完璧なコンビネーション攻撃。人の身に堕ちようとも揺るがない絶大なまでの信頼が生み出す連携技。

 ソレは本来のランクこそ対人のBランク宝具だが、魔力放出などと組み合わせて擬似的にAランクの域にまで達していた。それによって彼らの巨躯にも僅かながら傷がつく。が、ソレも束の間、直ぐに傷の再生が始まる。

 

 そして彼らが使用する武具、『星の光盾(アルファカストロ)』、『星の光剣(ベータポルクス)』。星の光と輝きを武器にしたものであり、導きの星たる二人が使うに相応しい兵装である。

 

「怪物共、貴様らはあいつの敵、よって我らの敵だ。疾く死ね。」

「ええ、イアソンを傷つけるような物などこの世界には必要ない。大人しく死ぬと良い。」

 

 二人はすっかりこんな感じになってしまったが、カストロは人の身に墜ちたとはいえ、二人は歴とした神である。故に本来は一個人に執着などしない。神は不変の存在であるから。それがあの船の生活の中でこうなってしまった。もちろん何処かのアホ(イアソン)のせいである。

 今も二人的にはイアソンに立ちはだかる障害を排除せんと躍起になっているだけなのだが、それがイアソンの胃の穴を開ける一助になっているとは思いもしないだろう。

 

 

 

 いやほんと何でこうなった。と後に船長は語る。

 

 

 

「―――よう、苦戦中か?双子神。」

「ほざけ、貴様なんぞ呼んどらん。」

「違うな、お前らの連携は確かに強力だが、それだけだ。決定打としては弱い。あいつもそれを分かっているはずだ。」

 

 荒れ狂う嵐を纏い、カイネウスが駆けつける。その手には海神より与えられし神造兵装である三叉矛が握られている。

 それは自身が与えられた不死性を示す宝具、『海神の偏愛(ネプチューン・ブレッシング)』の転化。その本質は防御に類する加護と祝福だが、こちらは攻撃についての加護と祝福を別個に具象化したものであり、その気になれば権能の一端を再現することも可能である。

 

 尤も、まともに権能なんぞ振るえば神核が砕け散るらしいが。

 

『―――■■■■ッッッ!』

「……どうやらアレはオレ達にお怒りのようだな。」

「ハッ、只の人影風情が図に乗るな!行くぞ、ポルクス!」

「はい!合わせてください、兄様!」

 

 

 

 そして巨神の一体と双子神、海神の偏愛を受けた戦士が激突する。

 

 

 

◆◆

 

 

 

『……概ね予測通り、といったところか。』

 

 

 全能の神(ゼウス)は空から戦場を俯瞰する。勿論雷霆による攻撃の手は緩めずに。

そしてその戦場は圧倒的に此方側が優勢だった。……かの巨神は確かに脅威である。これは間違い無い。コレ一体の戦力はサーヴァント数騎分にも匹敵し、かつて飛来した大元(セファール)であれば神々でさえ敵わないだろう。

 だが、其処から出てきたギガースがサーヴァント数騎分の戦力というのは、ソレがいい意味でセファールとは別物であり、残滓に過ぎないということを表している。

 

 大前提として、彼もとい、オリュンポス十二神は機械、スパコンである。故に人の形をとっても演算機能による未来の擬似的な予測は可能。

 そしてこの状況が予測通りということは、ソレらとの戦いにおいての勝利は"既に決定づけられた"ということである。

 

 まあ実際に史実では、神々とヘラクレスだけであの巨神達に、今と同等の戦果を挙げて圧勝しているのだが。

 

 

 だがしかしそうするとイアソンの観測した未来の原因など、解せない部分がいくらか存在するが、神はそれら全てが折り込み済みということなのだろう。

尤も、あの未来(Gルート)は既に訪れることが無くなっていることは誰も知らないのであるが。

 

 

『なに、奴らは所詮前座に過ぎん。しかし(ガイア)よ、―――此処で動くか』

 

 

 ゼウスがまたしても地獄みたいな厄ネタの気配のする言葉を零す。もしもこの場にイアソンが居れば、

 

「流石下半神、厄ネタが一つ静まろうとした瞬間に新たな厄ネタを呼ぶ。そこに痺れず憧れねー」

 

 

とでも言っていただろう。

 

 

 

 

 

 

 其処では、雷霆をその肉体と鎌に纏い、一筋の閃光と化した者が同時に三体の巨神達相手に大立ち回りをしていた。

 

 その表情に一切の曇りは無く、ただ只管に敵を蹂躙する。神の雷を纏ったその一撃は、その驚異的な武練と合わさり、通常攻撃でさえAランク級の威力を獲得するに至る。

 

 

「……はぁ、これじゃあ埒が明かんな」

 

 

 しかしそれだけで倒れる程に、かの巨神は甘くなかった。傷をつけようとも即座に傷が癒え、その傷を糧とし巨大化する。

 

 故に必要なのは必殺の一撃、あの再生を突破する剛の業。その手に握られた鎌の柄を両手で掴み、その刀身を見せつけるかのように構え、―――その技名を口にする。

 

 

「―――『射殺す百頭・鎌式(ナインライブズ・リーパー)』」

 

 

 そして一息の間に九つの斬撃が放たれ、その躯体を破壊する。『射殺す百頭・鎌式(ナインライブズ・リーパー)』、ソレは彼がヘラクレスとある日は平和に殺り合い、ある日はコッソリ技を盗み見て完成させた流派ナインライブズ、そのオリジナルの型。

 

 現代においては、鎌という武器は実戦では役に立たないとする意見もある。

 武器としての鎌はその形状から突く、切る、と言った攻撃が基本的に出来ないこと、薙ぐ場合も手前に引く動作が必要となるために、手の届く距離の半分程度しか有効間合いにならないとされている。イアソンが使っているのは本質は置いておくが、原型(元ネタ)は正真正銘アダマスの鎌なので、伸縮自在なお陰で射程問題は幾分かマシになり、万物を切り裂くその特性と、万物を破壊する雷霆(ケラウノス)の特性の悪魔合体により、切れさえすれば最強ではあるのだが。

 まあ此処まで言えば分かるだろうが、鎌という武器は実用性があるから使う武器などでは断じてなく、格好いいから、ロマンがあるからこそ使う武器なのである。

 

―――だがしかし、常人には難しいその一連の動作を視認できない程の速度で行ったら?そしてソレを九回ほぼ同時に行えば?

 

 

 相手は死ぬ。当然。

 

 

『―――■■■■■■ッッッ!!』

 

 

 同胞の一機が眼の前で細切れにされたのが堪えたのか、おおよそヒトには理解の出来ぬ声で叫びながらイアソンを握り潰そうとその巨大な腕を伸ばす。

 

 だがその動きはイアソンに比べれば余りにも鈍過ぎた。イアソンは後ろに飛び退き、瞬時に巨神と距離をとる。

 

「―――光よ」

 

 そして同時に背部に搭載されている砲塔が起動し、八つの光線が巨神目掛けて放たれる。しかしソレは威力が足りず吸収され、その巨体は更に大きさを増す。神体結界(アイギス)の武装ではかの巨神の守りを突破することは不可能らしい。

 

 

 だが問題は無い。忘れているかもしれないが元々神体結界(アイギス)は鎧であり、盾なのだ。

 ビームを撃てたり空を飛べたり、挙句の果てには分裂して若干自律行動する方が圧倒的におかしいのだ。

 

 

 まあ攻撃が通らないのならば別の方法をとれば良い訳で。

 

 イアソンは再び飛行して距離をとり、巨神はそれを追う。それを少しの間行い、とある地点まで来た瞬間、イアソンは急停止して振り返り、ソレを見据える。

 

 

 その顔は――――――笑っていた。勝ちを確信したかのような如何にも余裕気な笑みで。

 

 

 

「―――チェックメイト、だな」

 

 

 瞬間、その巨神が立っている位置に眩い光の斬撃が、極光が放たれる。巨神はその中で己の躯体を維持出来ず、言葉にできない悲鳴を上げながら灰も残さず光となる。

 

 

 

 イアソンが極光の放たれた方向を見れば、其処にはマルミアドワーズを振り下ろしたヘラクレスの姿があった。

 

 そう、特別なことはしていない。ただヘラクレスが別の巨神に向けて放ったマルミアドワーズの光の斬撃の射線上に巨神(ギガース)を誘導しただけである。

 ナインライブズ然り、イアソンにもギガースを屠る手段は幾つも存在するし、そもそも未だイアソンは自身の"切り札"と言えるモノを使用していない。

 

 

 そんな彼が何故此処で態々他の攻撃でギガースを屠ったかと言えば、ソレは単に「必要ないから」の一言に尽きる。

 何もそれぞれが大量に消耗する攻撃をそう何発も撃つ必要は無いのだ。

 

 個人の戦士としての誇りは必要無く、倒せる所は体力の温存の為に纏めて倒す。それこそが効率的で合理的。不意打ち搦手もどんどん使う。

 武人の誇りもへったくれもないソレこそが、指揮官たるイアソンの戦闘スタイルであり理念である。

 

 

 

 

 

 

 宙に浮き、イアソンは戦場の全体を見る。

 

 元々此処は森林があったと記憶していたのだが、巨神の糧となり、戦闘の余波を受けたりした影響か、もうすっかり見る影もなく、辺り一面に惨状が広がっていた。

 

 全体的に大地はひび割れ、荒れ果て、ある場所は半径数十メートルに渡って地面が陥没し、水が入って巨大な湖となり、またある場所には元々は荒野だった場所に新しく山が建っていたりした。全くもって環境破壊もいいところである。

 

 

 別の方角を見ると、最後の巨神が、今まさにヘラクレスの弓矢の餌食になっている場面だった。

 

 

 やっと終わったかと思い、一息つこうと丁度近くにあった岩に腰掛けていると、偶然と言うべきか、遠くに居たアポロンの発した言葉だけが、百メートル離れたイアソンの所にまでやけに鮮明に届いた。

 

 

『―――やったか!?』

 

と。

 

 

 ―――ソレはフラグです。と言える人は当然居らず、周囲に早速暗雲が立ち込めてくる。

 しっかりとフラグ回収されたことは明らかなので、イアソンは頭を抱えながら戦場の中心部へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

 

―――大地が、(いや)()()()()()()()()()()()

 

 未だ何も現れていないというのに、空気は震え、綺羅星が如く英雄達でさえ膝を突かざるを得ない超重力が彼らを襲う。

 

「何だ!?一体何が起きている!?」

「慌てるな!取り敢えず下がれ!」

 

 ようやく迫りくる脅威を退けたと言うのにノータイムで次の脅威が迫ってくるというのはどうなのだろう。鬼畜にも程があるのではないか。イアソンはそう思いながらも重圧を跳ね除け必死に立っていた。

 いくら一人一人が一流の英雄とはいえ、完全に想定外の状況には弱く、若干のパニックに陥る。

 

 

『静まれ、人の子よ。我々がいるからには問題無い。』

「その神々皆『あれは無理』って逃げてったんですけど」

『―――マジで?』

「本気と書いてマジです」

 

 自信満々だったゼウスも、流石にそれは予想外だったらしく、ポカンとした顔になる。ソレを見てイアソンは呆れる。

 神々が圧を、その存在を感じ取っただけで身の危険を感じ、威厳の欠片も無く踵を返して逃げるなどソレはなんという化物か。

 

 

「―――そんな、私達は神に、アルテミス様に、見捨てられたというのか…?」

 

 

 誰かが無意識に零したその一言で一気に地獄のような雰囲気になる。ギリシャ神話の世界で神は基本ロクデナシだが、それでも神は神、歴とした信仰の対象である。

 

 敬虔な信徒であれば尚の事その精神的ショックは大きいだろう。そんな神々が尻尾を巻いて逃げたということは、所詮人たる自分達にはどうしようも無く―――

 

 

「―――いや、諦めるな!!この程度の窮地、脱せずして何が英雄か!!」

 

 

 イアソンが皆を鼓舞する。その言葉にハッとした顔をした面々は力強い顔つきとなり再び戦闘体勢をとる。

 何が来たとしてもやれるものなら掛かってこいと。

 

 

 

 

 

 

 彼らが見据える先は大地、今それが割れて真なる敵、最強の怪物が現れる。

 暗雲の中で日の光が消えると同時に、誰もがその方向を、その怪物の姿を見た。

 見て────心が折れた。

 

 

 

 「────何だ、何なんだ!?アレは!!」

 

 

 ソレこそは正しく『異形の怪物』だった。ヒュドラもネメアの獅子も、地獄の番犬ケルベロスでさえも、ソレの前では塵芥となり、名実ともにソレが全ての魔獣達の王だと骨の髄まで理解させられる。

 

 一瞬の内に何が起きたか、何が現れたかを彼らは本能でこそ分かっていたものの、頭では全く理解出来なかった。

 否、理解することを拒んでいた。

 

 

 

 理解不能。その一文字が皆の脳内を駆け巡る中で、ソレはその姿を完全に現した。

 

 

 

 ソレの頭は三つ首。

 両腕を伸ばせば東西の世界の果てにもたどり着くほどの巨体と後世の神話で称された腕の正体はロケットのような見た目のブースターであり、これだけでも全長数キロを記録する。

 

 

 かの機神と同じ躰。紅く輝き躍動する一対の光の翼は軽くはためかせるだけで暴嵐を生み、背には凄まじい数の光砲を備え、放たれる吐息は、かの雷霆にも匹敵しうる、最高峰の破壊の理を備えていた。

 そして他者を生物レベルで圧砕する威光と神威。

 

 

 

 曰く、最強。ギリシャ神話における全ての魔獣の王であり、戦闘力はゼウスに匹敵……凌駕するソレは傲岸に、不遜に眼の前の塵芥を見下ろしていた。

 

 

「―――ヒトよ、神よ、星の命だ――――――滅べ」

 

 

 歩むのは天。制するは地。

 

 

 一二機神と同じく、外宇宙より飛来せしモノ。

 人の世ではなく『星』の劣兵として、この神話体系へと取り込まれるに至った、機神殺しの竜。

 それも只の竜ではなく、外宇宙を祖とするソレは、竜種の冠位とも評されし境界の竜に比肩し、凌駕しうる程の力を内包する。

 

 

 

 それこそは地球(ガイア)が手向けた神への粛清。

 

 

 

 そして総てを滅する終末装置。

 今ここに、神々を含む全ての生命を平等に滅ぼす破壊の化身にして『ギリシャ神話の嵐』と称された―――太祖竜∶テュフォンが降臨した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Q:ギガース弱すぎん?

A:元々真体無しの弱体化した神々とヘラクレスだけで余裕だったということはせいぜい対神に特化した真祖程度の強さしかないのでは?ということで納得して。
あとは展開の都合上ということで。

テュポーン:史実では大地母神(ガイア)がゼウスの粛清の為に神タルタロスと交わって生んだ怪物とされる。
 型月世界でも存在はしているものの特にこれといった情報が出てこなかった。
 よってこの作品においては、「大地母神ガイア?でもどんなのかわからないしなぁ……」
「せや、大地母神(ガイア)じゃなくて地球(ガイア)が神々とその他諸々に対しての粛清とした放ったことにしよ!」
「そういえば汎ヴォーティガーンもブリテンの終末装置的な役割があったんかな……、テュポーンもギリシャに対しての終末装置的な役割だったのでは?」

という作者の安易な思いつきオンリーの産物。今後本編にテュポーンが出てきても多分別物だと考えたほうが良き。

 見た目のイメージは、腰から下が蛇で、上半身は人間と同様のものだが、肩から数百の蛇頭が生えており、背中からは羽が生えている。
 あとは腰回りから触手が生える。



次回からはコイツとイアソン&ヘラクレス&ゼウスのバトルが始まります。アルゴノーツの出番は殆ど無くなる。
感想待ってます⁠(⁠>⁠▽⁠<⁠)⁠ノ

※2023年10月29日∶追記
本編でテュポーンの言及が来たかと思えば、思ってたのと大分違うのが出てきてやばたにえん。
なので上のテュポーンに関しての説明は地平の彼方にすっ飛ばして、新たに設定を再構築したいと思います。


一先ず、呼称をテュポーン→テュフォンに修正。 
及び見た目も異形の巨人→ロボ味のある三ツ首竜に修正。

さらにさらに本作テュフォンは、外宇宙より飛来→ゼウス達同様星の神話体系に純粋竜として統合。
       ↓
ゼウス達が『人』の守護者となったのに対し、テュフォンはゼウスの対局、『星』の守護者となり、ゼウス達などの機神特攻持ちである怪物の源流である太祖竜兼ギリシャ神話の終末装置化。


という流れにしておこうと思います。
当てつけみたいな物なので、以後修正される可能性は大いにありますが。

もしも変わってない部分があれば誤字報告してくださると助かります。


どっちを先にやるか(なおどちらでも修羅場る模様)

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