ミーちゃんの思いついたネタ、妄想集   作:ミーちゃん

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主人公の船に乗れば、究極のヒマつぶしになると思うんですよね


ONEPIECE 後方腕組み師匠
ヒマつぶし


 突然だが、ジュラキュール・ミホークという人物をご存知だろうか。ジュラキュール・ミホークとは『ONEPIECE』という作品において、世界最強の剣士と呼ばれる人物だ。最初に登場したのはバラティエ編であり、ガレオン船を斬り刻むという当時の読者に驚きをもたらした。

 

 そして、俺はそんな人物に転生してしまったのだ。5歳くらいの頃に、剣術の鍛錬をしていたら前世の記憶が蘇って「俺の将来は世界最強の剣士なのか!!」と驚いたものだ。だが、前世の記憶が蘇ろうとも俺は俺。元から世界最強を目指していた俺にとって、世界最強の剣士になれる可能性があることとその他の力や知識を知れただけに過ぎない。

 己を知り、世界を知り、未来を知った俺はそれ以降海に出て、柔と剛の両方を有する剣術の鍛錬は当然として、覇気の知覚及び習得、刀の収集など文字通り世界最強の剣士へと至るために多くの鍛錬・収集を行った。覇気に関しては、手強い海賊や海兵を相手に実戦の中で学ぶことで習得していったな。意外だったのは、こんな俺にも覇王色の才能があったことだろう。おかげで、赤髪どの戦いは激しさを増した。そして、覇気を習得した俺はより強くなるために当時の四皇や大将など、時には強敵と戦い、生死の境を彷徨うことが何度かあった。だが、その度に俺の覇気は成長していき、今ではあの時とは比べ物にならないほどだ。

 始めは『剣鬼』と呼ばれていたが、最近ではいつの間にか『世界最強の剣士』と呼ばれるようになった。文字通り世界最強かは、残念ながらわからない。『白ひげ』と『シャーロット・リンリン』以外の四皇とは戦えていないからだ。新たな四皇が台道した頃には既に、俺は七武海になっていたから、均衡を保つために政府に挑むのを止められていた。

 

「畜生ォ!! てめェ!! 何の恨みがあって俺達を狙うんだ!!」

 

 む? そういえば、今はクリークなんたらを追いかけて東の海まで来ていたんだったな。

 大した信念を持たない虫けらの叫びで意識を現実へと戻し、理由を考える。暇潰しに”偉大なる航路”で海賊狩りをしていたら、クリークなんたらという聞き覚えのある奴がいたから襲っただけで、大した理由はないな。

 故に、答えるとするならば……

 

「……ヒマつぶし」

 

「「「「 !!! 」」」」

 

 俺がそう答えを返すと、驚愕する虫けらども。……いや、強い覇気を持っている数人は虫けらとは呼べんか。この位置からでも見える、運命の申し子“モンキー・D・ルフィ”、黒足の“サンジ”、赤足の“ゼフ”、そして、海賊狩りの“ゾロ”。彼等は東の海ではマシな方だな。

 

 主人公一味……41年生きて前世の記憶をほとんど忘れてしまっても、彼等のことは覚えている。この時点では、そこらの虫けらよりはマシといった程度。だが、成長すれば四皇にすら届く程でもある。

 

「フザけんなァーっ!!」

 

 虫けらの一人が叫び声を上げ、二丁の銃を俺に向けて撃つ。二丁の銃から弾丸が放たれ俺へと飛んでくるが、背中に背負う『黒刀・夜』を抜き、切っ先で弾道を逸した。

 

 え……!? 外れたぞ……!? と驚き騒ぐ有象無象。そして、俺が為した行いについて説明するロロノア。

 

「あんな優しい剣は見たことがねェ」

 

「“柔”なき剣に強さなどない」

 

 夜を背中に仕舞いながら、ロロノアの言葉に対して言い返す。

 

「その剣でこの船も割ったのかい」

 

「いかにも」

 

「なる程……最強だ」

 

 此奴、こんな喋り方だったか……?

 2年後のイメージが強すぎて、違和感が凄い。

 

「俺はお前に合うために海へ出た」

 

「……何を目指す」

 

「最強! ヒマなんだろ? 勝負しようぜ」

 

 手拭いを頭に巻きつけ、刀の切っ先を俺に向けるロロノアに対し、前世の記憶を思い出しながらロロノアのいる船の残骸へと移動する。

 ロロノアの覚悟が記憶通りであれば、わざわざ戦う必要などないが、時々記憶とは異なる事が今まで何度かあった。確かめるためにも、戦いは必要か……。

 

「いっぱしの剣士であれば、わざわざ剣を交えるまでもなく、俺と貴様の力の差を見抜けよう。それでも尚、この俺に刃をつき立てる勇気はおのれの心力か、はたまた無知故か……」

 

「おれの野望ゆえ! そして、親友との約束の為だ!」

 

 背景でどん!! と音がしたような気がしたが、気のせいだろうか。

 

「こんなに早く会えるとは……正直、考えてなかったぜ……」

 

 腰に携えた3本の刀を抜き、一本を口に咥え、残り二本はそれぞれの腕で持つ。

 確か、あの口に咥えてるのは大業物の和道一文字ではなかったか?

 三刀流のためとはいえ、名刀を口に咥えるという粗雑な扱いを見て微妙な気持ちになりながら、首から掛けている十字型の小刀を手に取る。

 

「オイ!! 何のつもりだそりぁ!」

 

「俺はウサギを狩るのに全力を出す獣とは違う。生憎、これ以下の刃物は持ち合わせておらんのだ。悔しければ、おぬしがウサギではないと俺に認めさせてみるがいい」

 

「チッ! 上等だ……最初からその刀を抜かなかったことを後悔させてやるよ!」

 

 構えを取りながら走って向かってくるロロノア。並の剣士であれば、容易く倒してしまうだろう。そんな気迫を感じる。

 

「井の中の吠えし蛙よ、世の広さを知るがいい」

 

 ガキィン!!と、ロロノアの鬼斬りを小刀で止める。覇気は使わない。この程度なら技術だけでどうとでもなるからだ。

 

「…………ッ!」

 

 渾身の技を小刀で止められたからか、冷や汗を流して俺と小刀を凝視するロロノア。

 この程度の技なら、俺でなくとも止められる奴は偉大なる航路には多くいる。小刀で止められるかは別だが。

 

「ウエアあああああ!!!」

 

 荒々しくがむしゃらに刀を振り攻めてくるロロノア。小刀でその全てを弾き、受け流し、今のロロノアの力量と覚悟を確かめる。

 

「何を背負う……強さの果てに何を望む……弱き者よ」

 

「虎ぁ……狩りィッ!」

 

 技を放つために構えを取ったロロノアの隙を見逃さず、小刀をロロノアの胸に刺す。もちろん、致命傷にはならないようにしている。

 

「……ッ!」

 

 小刀を胸に刺されても一歩も退かないロロノア。傷口から血がポタポタと足元に垂れるが、一切退く気を見せない。退いたら退いたで、傷口を蓋するものが無くなって血がドバドバ出るから、失血で死にたくなければ退かないのは正しい。

 

「なぜ退かん、このまま心臓を貫かれたいか?」

 

 前世の知識と記憶があるためある程度予想できるが、一応聞いておく。果たして、どのような答えを返すのか…………

 

「さぁね、わからねェ……。ここを一歩でも退いちまったら、何か大事な今までの誓いとか約束とか……いろんなモンがへし折れて、もう二度とこの場所へ帰ってこれねェ気がする」

 

「それが敗北だ」

 

「へへっ……じゃあ、なおさら退けねェな」

 

「死んでもか?」

 

「死んだほうがマシだ……!」

 

 凄まじい覚悟を言葉だけでなく態度で示すロロノア。ほんの僅かに覇気も感じる。恐らく無意識だろうが、これを意識的に行えるようになれば更に強くなれるだろう。記憶にある、二年後のように。

 ロロノアの胸から小刀を抜き、血を拭き取り、鞘に収めながら名を問う。

 

「ロロノア・ゾロ!」

 

「憶えておく、久しく見ぬ強き者よ。そして、剣士たる礼儀をもって世界最強の……この黒刀・夜で沈めてやる」

 

 俺の密かな期待に応え、構えを取りながら名乗ったロロノア・ゾロに対して、俺も礼儀として背中の夜を抜いて構える。

 

「散れッ……!」

 

「三刀流奥義!!!」

 

 奥義と言いながら刀を回し始めるロロノア・ゾロを見て、ちょっと動揺する。

 その行為に一体何の意味があるのだッ……!?扇風機の真似をしてるのか……!?

 

「三千世界!」

 

 バリィン!!と二本の刀が折れる。ロロノア・ゾロの奥義は俺に届かなかった。刀を折り、通り過ぎる際に胴へと大きな一本線の斬り傷を与え、幕引きのためにもう一度斬ろうと振り返る。すると、そこには鞘に収めた刀を手に持ち、バッと両手を広げたロロノア・ゾロがいた。

 

「背中の傷は剣士の恥だ」

 

「見事!」

 

 あまりにも見事で、思わずニヤけてしまいながらも刀を振るう。胴に二度斬撃を受け、二年後のモンキー・D・ルフィのように大きなバツ印の傷ができたロロノア・ゾロ。立っていた場所が悪く、背後の海へと倒れてしまう。下手すると失血死するため焦ったが、ロロノア・ゾロの舎弟っぽい奴らがすぐに小舟に引き上げて応急手当を行ってくれたから安心した。

 

「うわああああああ!!!」

 

 大声を出して腕を伸ばし、こちらへと突っ込んでくるモンキー・D・ルフィ。見聞色で突撃してくることは知っていたからヒラリと躱すと、バキィ!と音を立てて俺の背後にあった船の残骸に衝突する。

 

「安心しろ。あの男はまだ生きている」

 

「えッ……!」

 

 そう伝えると、モンキー・D・ルフィはロロノア・ゾロが引き上げられた小舟へ顔を向けた。弱々しいが、覇気はしっかりと感じるため生きている。

 意識があるかはわからないが、言うべきことを言っておこう。

 

「我が名はジュラキュール・ミホーク。貴様が死ぬにはまだ早い……己を知り、世界を知り、強くなれ!この俺を越えてみよ、ロロノア・ゾロ!!」

 

 言うべきことは言った。その後に意識を取り戻りたロロノア・ゾロは、自身の船長へとある宣言をした。二度と敗けないという宣言を。

 

「オゥ鷹の目よ……てめぇはオレの首を取りに来たんじゃぁねェのか?この東の海の覇者“首領・クリーク”の首をよ!!」

 

「そのつもりだったがな。ロロノアとの戦いが思いの外楽しかった故、お前の首を取る気はなくなった」

 

「てめェが良くてもオレは良くねェのさ。こっちはやられっぱなしなんだ」

 

「ふん。懲りぬ男だ」

 

「ここで死ねェ!!」

 

「……散れ」

 

 期待通りだったことに加えて宣言まで聞くことができ、最高に気分が良かったのにそれに水を差された。加えて、攻撃もされた。故に、反撃も兼ねて水を差した犯人たる男に斬撃を飛ばして容赦なく斬り捨てることにした。ニ色の覇気を纏わせ放った飛ぶ斬撃は、男が着ているウーツ鋼の鎧ごと体を容易く二つに分断した…………かに思えた。

 

「ほう……装備と片腕を犠牲にして致命傷を避けたか」

 

「「「「首領!?」」」」

 

「ハァ……ハァ……クソッ! 俺は最強なんだ!」

 

 俺としたことが、水を差された怒りで仕留め損なうとは。怒りのせいで見聞色も使えなかったし、まだまだ俺も未熟だな。有象無象を虫けら呼びするのは止めるか。

 片腕を斬り落とされ、血を流し、息を荒くしながらも俺を睨む男を無視し、バラティエの方に跳躍して移動する。二階のテラスに着地し、一階の手摺にしがみついているモンキー・D・ルフィに声をかける。

 

「麦わら小僧」

 

「ん?」

 

「貴様が海賊王を目指すのであれば、あの程度の男、倒してみせよ」

 

「んー……なぁ、おっさん。あいつら倒したら、おれ雑用辞めていいか?」

 

「……! 好きにしろ」

 

「よっしゃ! おっさん、約束だぞ!」

 

 モンキー・D・ルフィは俺の言葉に反応はするものの応答はせず、ゼフの方へと話しかけた。そういえば、命令されるのが嫌いだったか…………まぁ良い。どちらにせよ、あの男も倒すつもりではあるようだからな。

 少々行儀が悪いが、テラスの手摺に腰を掛けて状況の進退を見守る。不思議なもので、彼等の戦いを見ていても楽しめている。良い『ヒマつぶし』になる。

 ………………彼等の旅について行けば、より良い『ヒマつぶし』になるかもしれんな。よし、ついて行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 世界最強の剣士である彼は、主人公等の戦闘を見守りながらそう密かに決意するのであった。

 

 




ミホークさん、気に入った人以外への話し方が安定しないから難しい。
頂上戦争ではニューカマーの二人に虫けらとか言ってるし。
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