黎明のポケットモンスター   作:チリラーメン

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13話 配信開始3

「ウインディ!かえんぐるま」

「メタング!しねんのずつき」

 

 お互いの技がフィールド中央で炸裂する。炎が念の力により散る姿は、地上に現れた花火のようだ。派手である。

 さて、この開幕だけは派手な激突として直接相手にぶつけないように練習した。これ以降はお互い真剣勝負だ。

 

『さて始まりました、ポケモンバトル。開幕派手な一撃がぶつかり合うも両者消耗した様子は無し。むしろ審判の参謀が危険では』

『問題ないだろう。彼女の周りには護衛が三匹いる。特にシャワーズは防御能力に秀でている』

『なるほど』

 

 ちゃんと解説しているようだ。それにしてもマイクがなぜある。増音機は木製だから手作りか?

 おっと、試合に集中せねば。

 

「ウインディ。メタングの周りをまわりながらかえんほうしゃを散発的に」

「サイコキネシスで迎撃」

 

 素早さはこちらが勝っているので、攪乱と牽制行う。お互い物理よりな為、決定打にはならない。ただメタングは嫌だろう。この世界、効果抜群は精神的にも負荷をかける。

 

『さー!早速地味な展開だぞ!取れ高早く!』

『一概に責めるな。タイプ相性を考えればこうなる』

『と言いますと?』

『先ほどからウインディ、犬のポケモンは炎ばかりで攻撃している。これがメタングには苦手でな。通常の倍はダメージが入る』

『えー!そしたらリーダー有利じゃん。卑怯者!』

『詳しくはタイプ相性を見てほしい。ただ、卑怯とは言えない。あのメタングはウインディに対して相性のいい技を習得している。ただどちらのポケモンも接近戦が得意だ。隙を作る牽制は必要だろう。お互いに試合を決めうる切り札を持っているんだから』

『同じ絵面じゃ面白くなーい!』

 

 まったく見ている側は気楽でいいな。こっちはじしんが来たらダメージ大で、さらに足元が不安定になり次の一撃を貰う可能性があるんだぞ。

 ただ画面映えしないのも確か。こちらから動きますか。

 

「ウインディ、だいもんじ」

「メタング迎撃を」

 

 大技を使う。ただだいもんじは命中不安技だ。ゲームで大事な場面で何度外したことか。ただここはゲームじゃない。練習すれば必中も夢じゃないが、私はあえて相手の前に広がるように指導している。これなら外れても思惑は達成できる。

 面全に大きく広がっただいもんじをメタングのサイコキネシスが散らす。ただ炎が視界いっぱいに広がったためメタングはウインディを見失った。

 

「フレアドライブ!!」

「メタング!」

 

 だいもんじの陰に隠れて接近したウインディの一撃が直撃する。ゲームセットか?いや、違う。

 

「ウインディ!しんそくで離れろ」

「メタングがんせきふうじ!」

 

 がんせきふうじは躱せたが、距離が離れてしまった。

煙が晴れれば、無傷のメタングが姿を現す。その周りにはうっすらとエネルギーがメタングを守っている。

まもるは間に合わないと思ったけどな。

 

「一体どうやって」

「説明は負けフラグだけど。無駄にサイコキネシスを連発したわけじゃないのさ。おかげでこのあたりにサイコパワーというべきものが充満している。こうなれば僕のメタングは通常よりも素早く大きな力が出せるのさ!」

 

 なるほど向こうも謎の理論を振りかざしているのか。するとメタングの頭上にいくつもの岩が浮かびだす。

 

「メタング!がんせきふうじ連打!!」

「落ち着け!右!左!前!後ろ!後ろ!」

 

 離れて見れる分、ウインディに当たるがんせきふうじが分かりやすい。躱すことは可能だった。それに向こうもこれで当てる気はないようだ。

 フィールドには岩が転がり、ウインディの自慢の足が使いにくい。

 

『怒涛の展開だー!激しすぎて実況を忘れてしまいました』

『実況が忘れたらだめだろう。それにしてもまもるか。エスパータイプのまもるは、出が遅いが強力というイメージだったが考え直さないとな』

 

 現実になったまもるはゲームと違いポケモンによって異なる。ウインディであれば体を丸めてショックに耐える方法を取るが、出は早いがダメージが0とはならない。一方メタングは念力のシールドのようで完璧に貼れればほとんどの技を防げるだろう。

 

「いくよ!メタングじしん!!」

「ウインディ!もえつきる!」

 

 ウインディの一撃がじしんを迎撃するが、衝撃は完全にはつぶせない。大きな衝撃がウインディを襲う。

 

『もえつきるか』

『どのような技なんですか?』

『簡単に言うと自分のほのおタイプを一時的に消すことで大きな力を得る技だな。使用後はほのおタイプの技の威力が減ると考えればいい』

『決定打がなくなるのでは?』

『普通はな。ここで重要なのは自身のタイプを消すことでダメージを抑えることだ』

 

 だからこそじしんでも致命傷にはならなかった。

 

「でもじしんによって不安定になった地面では素早く動けない。止めのがんせきふうじ!!」

 

 周りに散らばった岩が一斉に向かってくる。このために岩をばらまいたのか。一気に向かってくる岩に通れる隙間はない。しんそくでは逃げれない。

 

「勝った!!」

『決まったか!!』

『いや』

「そう、まださ!」

 

 メタングの下が不意に盛り上がる。

 そこからウインディが飛びあがり、あなをほるが直撃する。

 不意を突かれたメタングは急所に入る。

 

「ウインディ決めろ!」

「メタング!弾き飛ばせ」

 

 飛び上がった体制から放たれるかえんぐるま。技の連結としては申し分なかったが、少し距離があった。メタングのねんりきに吹き飛ばされる。

 苦し紛れのねんりきではダメージはないが、距離がまた広がった。ただ形勢は逆転した。

 

「負けない!負けるもんか!行くぞメタング!!」

「メター」

 

 ここでダイゴさんの気合の一声が入る。戦いにおいて精神力は大事だ。私もウインディに声をかけようとするが、突然メタングが光り輝く。

 

『こ、この光は!』

『進化の光だー!すごい漫画みたいな覚醒だー!!』

 

 メタングの姿が変わっていく。宙に浮いていたのが、四足歩行の鉄壁要塞に。てつあしポケモン、メタグロス。それにしても

 

『あれなんかリーダー感動してない?』

『大方初めて見る進化だろう。何の因果かいままで直接見れなかったからな』

 

 うるさい解説陣。それでもこの状況。流れはイーブンになったが依然こちらが有利。

 なぜなら進化したては体の変化についていけず大技になりやすい。ルチアのチルタリスがそうだった。

 

「行けるな」

「メッタ!」

「ウインディ、準備を」

「ガウ!!」

 

 一瞬、間が開く。ただ技を出すのは同時だった。

 

「メタグロス!じしん」

「ウインディ!だいもんじ」

 

 こちらはもえつきるによりタイプを失っている。向こうもじしんはタイプ不一致。両者の技はお互いに打ち消し合った。

 派手な爆発の中からメタグロスが突撃してきた。メタグロスにあるまじき素早さ。バレットパンチか。

 不意を突かれたウインディにメタグロスの拳が当たり、そのまま突き抜ける。

 

「な!!」

『これは!ウインディが消えたぞ!』

『みがわりだ!!いつの間に』

 

 もちろんメタグロスが進化していた時だ。あれほどの隙を逃す手はない。

技を出した後のメタグロスは明確な隙を見せる。

 

「フレアドライブ!!」

 

 今度こそ大技がメタグロスに直撃する。

 爆炎から出てきたのは、倒れたメタグロスと雄たけびを上げるウインディだった。

 

「メタグロス戦闘不能!よって勝者リーダーとウインディ!!」

「わおーん!」

 

 勝利がうれしいのかウインディが飛び掛かってくる。そのまま押し倒され、顔をなめられる。ブイズがすればかわいらしいが、こいつは重い。まあ、激戦だったし、なされるがままにするが。

 満足したのかウインディがどけば、ダイゴさんとメタグロスが待っていた。きのみを食べさせて回復したようだ。

 

「負けたよ。さすがリーダー。でも次は勝つからね」

「ははは。勘弁してください。当分はこりごりですよ」

 

 私とダイゴさんはお互いに握手を交わす。

 

『名戦闘!それしかいうことがありません。激戦を制したのは我らがリーダーだー!』

『見事な戦いだった。個人的にはもう少し補助技を見たかったが、それはいずれ』

『最後はたがいに握手してポケモンバトルは終了となります!視聴者の皆さん盛大な拍手でお願いします!!』

『888888』『88888』『感動した』『スゲー』『かっこよかった』

 

 コメントは後で見返そう。疲れた体に鞭を打って、エンディングに備える。

 

『これにて今回のすべての項目が終了しました。多くは語りません。ただまた皆さんと会えるように私たちも頑張りますので、決して希望は捨てないでください』

 

 ルチアを中心として私たちも所定の場所につく。そしてギターをつける。今回はポケモンたちも参加だ。

 

『それではエンディングです!新曲《躍動》聞いてください!!』

 

 これからも大変なことは起こり続けるだろう。それでも前を向くにはこの曲が一番合っていると思う。

 だから私はオタクなのだ。

 

 

 

 

 

 ちなみにこんな感動的な最期で閉めたが、次の日も普通に配信しました。

 コメントのツッコミがすごかったです。まる。

 




配信ネタはこれで終わりますが、裏では配信を続けています。
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