黎明のポケットモンスター   作:チリラーメン

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14話 小さな迷子

 迷子の迷子の子蜂さん。あなたのおうちはどこですか?

 え、迷子じゃない?痛ッ、ごめん。

 謝るから、だからたいあたりはやめてー!

 あいぼうのあきれたしせん

 ユウは連続攻撃でこうかバツグンだ。

 

 

 

 それは配信生活が始まって1週間ほどしたころであった。その間は毎日配信を行っている。配信は順調であるが、視聴者はあまり増えていない。動画を見ることのできるほど、余裕のある生活ができるものがあまり増えていないのかもしれない。それでもホームページへの閲覧数は増えているため、情報は広まっているようだ。

 残念ながら私たちの生活圏の近くには視聴者はおらず、この拠点に集まる人はいなかった。このメンバーだけでは、いづれ限界が来るのは目に見えている。もう少し住民が欲しい。

 また、情報も集まっている。都市圏も含めてポケモンと人との戦闘はかなり減っているようだ。食料の奪い合いなどを除けば、ポケモンの縄張りも分かり、静かな環境のようだ。

 一方ポケモントレーナーも増えているようだ。トレーナーを中心にグループが大きくなっているようだ。ただ、トレーナーの中には自分の欲望を中心に動く者もおり、人の多い首都圏は様々なグループ同士でいがみ合っているようだ。こんな時でも人と人のいさかいはなくならないらしい。

 

 伝説のポケモンの情報はいまだ集まっていないが、異常個体や好戦的なポケモンの情報は集まっている。例えば、大阪の通天閣に巨大円盤のようなイオルブ、京都上空を飛ぶ七色に輝くバタフリー、名古屋城を守る爪が異様に発達したキリキザンなどなど。異常個体は人間に友好的であったり、無関心であったり、好戦的であったりと様々だ。名古屋城を守るキリキザンは戦闘能力のないものには優しく、子供たちと遊ぶ姿も報告されている。

 まだ山や深い林、大きな河川、海などポケモンたちの魔境となっていそうな場所は、危険性の観点から探索がされていない。勇気あるものが軒並み音信不通になっていることからも、慎重に進めている。

 唯一情報が集まらないのは猛吹雪に包まれている北海道だ。ポケモンと人間が協力し合って、何とか生き残っている程度しか情報がない。一番融和に近いのがここだろう。その分環境が大変だが。

 

 

 そんな人とポケモンのすみわけが出来始めたこの頃、配信中に小さな乱入者が現れた。

 

「なるほど、オコリザルだね。このポケモンは怒ることがないことに怒っているといわれているようだ。ならば、なだめるよりも、怒りの先を作る方が建設的かもしれない。布を拳で貫くなどほぼ不可能な難題でも挑発させれば、少なくとも人に危害を与えることはないだろう」

『なるほど、ありがとうございます』『さすが参謀汚い』『略してさすさん』『ん、橋から』

「ボクが汚いって!知略と言うんだ。まったく、で、橋?…!!」

 

 橋から傷だらけのポケモンが一匹。ミツハニーが飛んでくる。ミツハニーは橋の向こう側に住んでいるポケモンだ。リーダーはともかく他はかなり友好的であったため、私たちも橋の向こう側の警戒はおろそかであった。好戦的なスピアーの方に警戒していたのだ。

 今は配信中であっても、今すぐ動く必要がある。

 

「ルチア!今すぐチルタリスを上空で哨戒させて」

「りょ、了解!」

「アイはすぐに傷の手当てを!リラは付き添って事情を聴いて」

「任せろ」「わかった」

「ダイゴさんは私と一緒に橋の向こうの警戒を、敵対ポケモンがミツハニーを襲っているかも」

「分かった!だけど配信はどうする!」

「このままで、今はどんな情報でも残すことが先決。特にこういう緊急事態は!気を引き締めていくぞ」

「「「了解!!」」」

『さすがリーダー、迅速だ』『いや、それよりもやばい?』『何が起こっている?』

 

 

 

 結果としては、群れの中での反乱であった。向こう側の群れでは女王気質のビークインのいじめが起きており、それに耐えかねたミツハニーの一匹が自らのボスに挑んだようだ。ただ、腐ってものボス。叩き潰されて終わったようだ。

 群れにいられなくなったミツハニーは、きのみをくれた私を頼ってこちらに逃げてきたようだ。何やっているんだと言うみんなの視線を無視する。ビークインからの追撃もないようだ。警戒態勢を解いた。

 話を聞く限り、かなり陰湿ないじめがあったようだ。詳細を聞けば聞くほど、私たちもコメント欄も同情的になる。みんなの視線が私に集まる。まあ、利点もあるし今は余裕もあるか。

 

「隣の勢力が友好的であることに越したことはない。やるか!下剋上作戦!」

「さすがリーダー!」「盟友なら言ってくれると思ったぞ!」「まったくもう」「まあまあ、リラ君も反対はしないだろう」

 

 コメント欄も応援の言葉で溢れえる。

 

「明日からの配信はミツハニー育成で決定!では今日は解散」

「「「了解!」」」

「?」

 

 ミツハニーだけがきょとんとしている。まあ、私たちのノリなんてこんなものだ。配信のネタは多い方がいい。

 そうして今日の配信は終わった。まったく、本当に刺激的なことが起こる。少しは落ち着かせてくれないのか。まあ、それでも少しは楽しめる余裕も出てきたのかもしれない。

 

「おわり、なんていうわけないよね。説明してくれるよね?なんでミツハニーたちに勝手にきのみを」

「はい。リラ…さん」

 

 リラのせっきょう攻撃

 ユウは目の前が真っ暗になった。

 




実は裏で、政府がデータを検証して、証明していたりする。
政府のホームページにはもっと詳しいデータも乗っている。
アイは知っている。どころかデータの提供もしている。
この世界の日本政府は無能ではないのだ。
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