黎明のポケットモンスター   作:チリラーメン

16 / 38
めんどくさくても思いつかなくても
サブタイトルは数字以外も書くことにしている。
後で見返したいときに、どこに乗っていたか分からなくなるから。


15話 小さな迷子2

「さあ皆!修行の時間だー!」「おー!」

 

 ミツハニーが私たちの拠点に来てから一晩が経った。その間にミツハニーは傷を回復させている。きのみの助けがあったとはいえ、恐るべき回復能力だ。これで超強化されればスーパーミツハニーになるのか?

 

「なるわけないだろう。それにしても動物なら傷ついた後はその部分が強化されることが多いのに、ポケモンにはないようだ。そもそも動物ですらないのかもな」

「アイは乗ってくれてもいいんじゃないか?返事してくれたのはルチアだけだし」

「そうはいってもねユウ。あいにくのこの雨じゃあ修業はねえ」

 

 そう、外は生憎の雨であった。このポケモンパンデミックが起きてからの初の雨である。

 川の増水は対策してあるし、きのみに過剰の水が行かないようにもしてあるため、いまさら慌てることもない。

 

「ユウ君。川の水は濁るし、生態系もどんな影響が起こるかわからない。油断はできないよ」

「分かっています。しかし、家の中でしんみりしても仕方がないでしょう」

「なら盟友はどうするつもりだ?」

 

 ミツハニーはレベル技も貧弱で種族値もよくはない。しかし、ビークインに対して素早さは勝っている。勝機を見出すならここしかないだろう。

 

「勝利には相手の攻撃は一切当たらず、こちらは攻撃を続けるしかない。外の広い空間で修行するよりも室内で機動力を鍛える方が勝率が高いんだ」

「まあ、育てる分野でユウに勝てる人はいないだろうけど」

「それでいいの?」

「ビー♪」

「我は何か作っている。終わったら声をかけると言い」

「アイ君も何か手伝うんだよ」

 

 こうして修業は始まった。一応修行風景は生放送しているが、修行内容よりもしっかりとした作りの手作りログハウスの内装の方が注目度が高かった。

 

 

 

 

 

ユウの場合

 

「まず覚える技は、いとをはく、どろかけの二つだ」

「えー、攻撃技ないじゃん」

「ルチアは黙っているように。さっき言った通りスペックで適うところは素早さしかありません。しかし、たとえこちらが1ダメージしか与えられなくても、被ダメージがなければいつかは勝てます。現実に時間制限なんてないから」

「ビ!」

 

 あまりきれいな勝ち方とは言えないだろう。しかし、ミツハニーはやる気を出してくれている。こちらも力が入るってもんだ。

 

「いくら汚しても構いません。今回役に立たないアイが片づけるんで」

「盟友?!我も内職したいんだが!!」

 

 いいだろう。早々に逃げた罰だ。

 

 

 

 

 

リラ&ダイゴの場合

 

 リラが人差し指を立てて説明をする。その後ろにはダイゴさんとメタグロスがいる。

 

「いいかい。すべて物には重心というものが存在する。さっき教えてもらった、いとをはく、どろかけも効率的な場所に当てなくては意味がない」

「ビ!」

 

 リラは理論的な説明をまず行う。どんな訓練も目的を理解しているかどうかは成果に直結する。その代わり、発展的な発想を受ける側は行いずらい。ここが指導者として、参謀としての腕の見せ所だろう。

 

「僕のメタグロスはかなりの巨体でパワーもある。メタグロスの動きを瞬時に妨害できれば、ビークインなんて簡単さ」

「ボク達が効率的に教えるから、物にしていってくれよ」

「ビー!」

 

 

 

 

 

 ルチアの場合

 

 木でできた杭のたくさんあるルチア専用の練習場。彼女は表に出ていないだけでかなりの努力家である。自分をキレよく、素早く動かす特訓を欠かすことはない。

 

「全ての生き物は事前の動きから、ある程度次の動きを予測するんだ。これを使ってきれいに魅せる動きもできる。逆に言えば相手を惑わす動きも可能なんだ」

 

 そう言って、ルチアは踊りだす。ただその動きはいつもと違う。右に動くように見せながら左に、回転するように見せてジャンプする。見る側としては気持ちが悪くなるような動きだ。離れてみれば、その仕組みも見えてくる。身振り手振りを大きく動かし注目させ、つま先やひざの使い方で、予想外の動きを行う。これに杭などで動き始めを隠せば、遠くからでも予測することはできない。

 これを数十万以上の観客相手でもステージの上で行うことが出来るのがルチアだ。伊達や酔狂でトップアイドルと言われているわけではない。

 

「ねーユウ!なんかすごく速く、強くなったんだけど」

「ちょうのまい、じゃねえか!!!」

 

 え、なんで!ミツハニーは覚えるわけないだろう。

 

 

 

 

 

 

アイの場合

 

 寝静まったログハウス内で動く二つの影。アイとミツハニーだ。

 

「よしよし。みんな寝たようだ」

「ビ?」

「こんなことを教えていたと知ったら、怒られるだろうからな。これはすぐには使えないことだ。だが、いずれ長として必要になるだろう」

「ビ!」

「まずは魚鱗の陣と言ってだな…」

 

 何やら怪しげな密談が、ひそかに行われていた。

 

 

 




裏設定
主人公のチート[育成(中)]は
1.ポケモンが覚るすべての技を覚えさせることが可能。
2.人が持つ能力を上昇させる。
3.動植物の健康状態を最高にする。
4.(未開放)ゲームで覚えない技もそのポケモンが覚えそうな技なら覚えさせることが可能(経験値が足りません)

アイの物作り能力がぶっ壊れているのは主人公のせいでもある。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。