さて、私の説明をしよう。
え、唐突すぎる?そんなものさ。諦めてくれ。
私は比較的裕福な家庭に生まれたようだ。何せ家は二階建ての一軒家であるが、部屋の数が20を超えている。そんな家に居候もいるが、一人で住んでいる。残念ながら両親は事故で…なんてことはなくお互いに浮気相手と住んでいるらしい。もともと政略結婚だったらしく、残念ながら愛は生まれなかったようだ。
初めはヘルパーさんを雇っていたが、私が早熟だと思ったのか、いつの何かいなくなっていた。今ではお金が振り込まれてくるだけのドライな関係だ。
次はこの世界の歴史について。おおむね流れは前の世界と一緒である。ただ身体能力上昇(小)が付いているからなのか、面白い逸話がたくさんある。現代でも一部の人が戦場で銃の弾丸を切るなんて芸当ができる人がいるくらいだ。とは言っても、身体能力上昇(小)があっても弾丸が当たれば穴が開くし、普通に出血死する。さすがにスーパーマサラ人まではいかないようだ。
そして普段私が何をしているかというと、チートを試しながら、体を鍛え、株で大儲けしている。
チート能力はある人物をプロデュースしているのに使っている。その内紹介することもあるだろう。
体を鍛えるのは、この世界でポケモンが出てきたときに生き残るためだ。特に黎明期はかなりの混乱が予想できる。とはいっても、9歳の体で何ができるのやら。ストレッチとランニングくらいしか行っていない。
株で大儲けはそのままである。私が生きた時代より過去である現在、親の名義を使い聞いたことのある会社に投資すれば、約束された儲けが返ってくる。一応ではあるが、親の許可はもらっている。詳細は教えていない。
「盟友!!何している?もうすぐ我々の誕生日パーティーだぞ」
『ロトー』
突然背後から幼い声と電子音声が聞こえてきた。
それでは、次はゆかいな仲間たちを紹介しよう。
声をかけてきた少女の名は新庄アイ。ゆかいな仲間たちその1。黒髪の日本人形のような同級生で同じ誕生日で同じ転生者だ。ポケモンは、小学生時代に全シリーズ習得済のプロフェッショナルである。
普通にかわいらしい容姿をしているが、その装いは普通じゃない。確かに3月はまだ寒いがぶかぶかなローブに、杖、尖がり帽子と完全に魔女の姿をしている。俗にいう中二病である。
転生者は精神が転生前に引っ張られるのか、前世で中二病にかかってしまった彼女は今でもこんな姿だ。たまにふと正気に戻って悶えているが、すぐに戻ってしまっている。
かなりの奇行を繰り返したせいで両親とはうまくいかず、一人ボッチで街にいたところを私と出会い、今では行動を共にしている。ただ私の家に専用の部屋を5つも作っているのは遠慮がなさすぎるだろう。
ちなみにチートは[工作マスター(特上)]である。初めて聞いたときに、魔女の姿はチートとは何も関係ないのかよ!といった私は何も悪くない。
先ほどの電子音声は、彼女自作の人工AIである。
彼女のチートはまさしくチートである。
ポケモンとは関係ないが、モノづくりは、すでに大人どころか世界を超えている。ガラケー時代(当時4歳)に自作スマホは意味が分からない(本人はロトフォンと言い張っている)。内気な性格でなかったら、世に名を轟かしていただろう。
「この一年の集大成がもうすぐ起こるんだ。少しくらい大目に見てほしいな」
「盟友は少し背負い込み過ぎだぞ。少々知識のある9歳に何ができるというのだ?」
この一年、私は儲けたお金を災害対策のためにばらまいていた。なぜなら今日2011/3/11は、東日本大震災の発生日である。一個人としても見過ごすわけにはいかない。匿名だが、巨大な防災施設も建設した。できることはやってきたが、不安は尽きない。
「ふむふむ。証拠は見せてもらってきたけど、ボクとしてはいまだに慣れないけどね。転生なんてね。それはそれとして、やれることはやったんだろう?あとは結果を待つだけじゃないか。辛気臭い人がいるとおいしいご飯がまずくなるよ」
待ちきれないのか、もう一人やってきた。ゆかいな仲間たちその2、坂本リラだ。
青紫のカラフルな髪をした、ボーイッシュな少女、そう!あのリラさんだ!!エメラルドをやっていた私は知っている。残念ながらそのご尊顔をゲームでは見ることはできなかったが(小学生には難しすぎ)、幼稚園にてアイが気が付き、そのまま仲良くやってきた。
残念ながら孤児であり、この家の居候でもある。一人で生きてきた経験からか、しっかりとしたものの考え方は、彼女も転生者じゃないかと思わせるときすらある。
そんな彼女の特技は[動物の考えていることがなんとなく解る]というものだ。昔はこの特技に悩んでいたようだが、すごい才能(アイ)もいるからか、当たり前のように過ごしている。動物の中には人も含まれるようだが、私たちは気にしていない。
「まあ、そうだな。もう一人もそろそ「お邪魔しまーす!!!」来たか」
呼び鈴は鳴らさず、勝手知ったる家として普通に上がってきた彼女。ゆかいな仲間たちその3。現役ジュニアアイドル 芸名、ルチア。
エメラルドグリーンな髪をポニーテールで結んだ、元気はつらつな少女である。本名倉根テルコ。本名で呼ぶと返事すらしない。
彼女もポケモンに出てくるらしい。私はダイパでポケモンは終わったが、アイ曰くオメガルビー・アルファサファイアにてアイドルとして登場するそうだ。
その話を聞いて、同じ幼稚園で将来の夢はアイドルになることと宣言していた彼女に、私のチートを試させてもらった。育成(中)が(上)や(特上)に劣るとはいえ、対象は指定されていなかった。人間も対象に行けるんじゃないか?
そんな軽い気持ちで始めた私たちの大手動画サイトの配信生活(出演者ルチア、トレーナー私、機械回りアイ、台本リラ)。もちろんルチアの両親は猛反対だ。
ルチアの両親は俳優であり、めったに家にいないが彼女を愛しており、テレビに出る覚悟があるなら、しっかりとしたトレーナーをつけるべきだと言っている。至極当然と思うが、すでに様々なトレーナに指導されてきたルチアが、私の軽い指導とその成果に虜になってしまい、家出騒動にまで発展した。最終的にルチアの両親が折れ、ボディーガードと弁護士などプロの方々を雇い、配信生活は始まった。
ルチアの才能と努力、私たちのサポートもあってか、すぐに人気となり7歳でテレビデビューである。今ではレギュラー番組をいくつも持つ大人気アイドルである。ちなみにすべて断っているが、私たち三人もスカウト依頼がたくさん来ることとなった。
「キラキラ~!くるくるー?って、わたしが登場!!」
「「「おー」」」
きれいな回転を見せながらルチアが登場する。感心はしたが、家の中は飛んだり跳ねたりするもんじゃない。そんな常識を説いてもいつも彼女の登場は派手である。もう諦めた。
どうやらいつもいるボディーガードは帰ったようだ。いつも通り17時くらいに迎えに来るだろう。
「全員揃ったことだし、パーティーを始めますか!」
「うむ!」
「やっとだね」
「待たせてごめんねー」
不安は忘れて私たちは思いっきりパーティーを楽しんだ。
現在14時。パーティーの余韻もほどほどに、運命の時間が近づいている。このために午前中にパーティーをしたのだ。
やはり直近になると不安になってしまう。そんな空気が伝染してか沈黙が重い。
私がこの空気を作ったとはいえ、さすがに気まずい。空気の入れ替えもかねて、リビングの窓を開ける。
すると庭には30CMもある巨大な体で紫の体色で出歯が特徴的なネズミがいた。
「は?!」
「コラッ!!!」
窓を開ければ巨大なネズミが…。
作者は適切な行動なんてとれない自信があります。