黎明のポケットモンスター   作:チリラーメン

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隔日更新に戻します。


20話 訪問者

 スピアーたちとの戦闘から早一か月。すでに私たちの生活は、以前よりも規模を大きくし、充実している。外敵がいない状態でアイが止まるわけがないのだ。

 

 ビークインたちは自身の住処の林に戻っていった。今は、蜜ときのみを交換したりと、良き隣人を築いている。

 グラエナたちは、私たちが住処と食料を提供する代わりに、労働力として働いてもらっている。私たちの周りは、縄張りにしていた勢力が一気に減ったのだ。これ幸いと変なポケモンに占領されたくない。グラエナたちの縄張りにして、巡回してもらっている。私がひそかに友好をはぐくんでいた事実は、あとでこってり怒られた。

 生き残ったスボミーたちは、住処を私たちよりに変え、規模の拡大した畑の管理をしてくれている。新しくできたアスレチック型の防衛陣地(アスレチック要素多め)で、ポチエナたちと仲良く遊んでいる姿は大変和む。あと一匹、根性で私たちに助けを求めたスボミーは、最もなついていたルチアの手持ちになった。すでにロズレイドに進化している。まさしく一瞬であった。ルチアと一緒にアイドルとして、配信ではレギュラーだ。

 

 

 私たちはというと、それぞれ分かれて行動する事が多くなった。

私はグラエナや、やる気のあるロゼリアたちの教育育成に精を出している。もちろん仲間たちの手持ちの育成もする。激戦ばかりで経験がたまったからなのか、チート<育成>の能力が成長した気がする。ポケモンが本来覚えない技も、相性が良ければ覚えることもできるようになったし、すごい特訓をいつでも行えるようになった。

 

 

 アイは、その力を存分に発揮している。私たち全員にスマホ型の道具ボックスの配布し、一人で時代を進めている。太い線で繋げなければいけないが、ワープ装置が出来たときは、一同あきれたものだ。すでにモンスターボールの原型も完成させている。ただ、住居性が悪く、現在は改良にいそしんでいる。

 

 

 ルチアは相変わらず配信を中心に活動している。ほぼ毎日配信して全国に情報を届けている。最近は、集まった情報の整理も行っているのに、彼女の笑顔が曇ることはない。

 新曲の提供などは行っているが、最近は配信に顔を出せていない。かろうじてダイゴさんが出るくらいで、コメントでよく質問されるらしい。

 

 

 リラはブイズとグラエナを伴って、周辺の探索を行っている。日をまたぐこともあるが、まだ遠征することはない。現状他の人間には、まだ会えていないらしい。グラエナたちが自力でこの拠点を守れると判断できれば、遠征は決行するつもりだ。その時の情報集めも含めて、かなり精度よく調べてもらっている。

 

 

 ダイゴさんは、他のメンバーをサポートしながら、技の考察をしている。例えば先制技の加速の仕組みを他の技に使えないか、インターネット上での突拍子もない技の再現などなど。すぐに実を結ぶことはないが、現実になったポケモンではこういうことも必要だと率先してくれている。

 

 

 世間は良くも悪くも落ち着いてきた。勢力が固定され変動があまりない。ポケモンに対しては賛否両論だが、肯定的な意見が多いのは私たちの活動が実を結んでいると考えてもいいかな。否定してもどうしようもないのも一因だろうが。

 

 

 

 

 そんな良くも悪くも安定してきた私たちに訪問者が現れた。30代の渋いおじさんだが、リラに縄で縛られ、グラエナたちに威嚇されているのは何とかならなかったのか。

 

 

「わはっはは。いや!すまん。隠れて様子をうかがっていたら囲まれてしまったわ」

「「「ギルティ」」」

「これは意外な訪問者だな!冒険家ジンダイ殿ではないか」

 

 冒険家ジンダイ。出身こそ福岡であるが、数々の秘境を旅しており、自身のブログに写真をアップしている。一か所にとどまることは少なく、一週間後には地球の裏側なんてこともある人物だ。

 私とアイはゲームで登場した人物の行方を探っていた時期があったため、一応把握はしていたが、あまり有名な人ではない。

 その証拠に私たちが自身を知っていたことに、目を丸くしている。

 

「驚いた。まさか私を知っているとは?」

「だからこそ不可解だね。あなたは積極的に話しかけてくる人物だと思っていたのですが。なぜ隠れて様子を伺っていたので?」

 

 ブログには、ジャングルの奥に住む先住民と仲良くしている様子も上げられていた。そんな人物が隠れて様子を伺うのか。

 

「うむ。先日、ここより南にいるあるグループに身ぐるみを剝がされそうになってな。何とかポケモン?と一緒に撃退したんだが。やれやれ、こんな環境だとああいうグループも跋扈してしまうものだな」

「「ポケモン!!」」

「ユウもアイも落ち着きなよ。それよりそのグループのことを聞くべきだろう」

 

 いやいや、私たちは知っているのだ。ジンダイという男は確かに一般ポケモンも持っているが、代名詞となるポケモンは伝説と言われるポケモンだ。見たい!!

 

「ははは。あとで見せよう!あいつは大きすぎて、今は少し離れてもらっているんだ」

 

 大きすぎる!レジロックか!レジアイスか!レジスチルか!いやあ、ついに伝説のポケモンと出会えるのか。アイも私と同様に目をキラキラさせている。

 

「はいはい。話が進まないから向こう行きましょうね」

 

 見かねてかルチアが私とアイを引きずっていく。

ああああ。謎のグループよりも伝説のポケモンを…。

 

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